著者 : 大沢在昌
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第9回配本、第13巻『飛翔への夢』は、古今の飛ぶことを夢見た人間が巻き起こすさまざまな悲喜劇を、長編から掌編まで17編収録! [編集室から] 人はむかしむかし、鳥だったのかもしれない。というのは、たぶん間違いだろう。しかし、飛ぶ夢は人間なら誰でも見たことがあるはずだ。イカロスからライト兄弟までの夢だったのである。が、なにも飛ぶのは飛行機ばかりではない。凧も飛べば鷹も飛ぶ。気球も飛ぶ。人間もタヌキも飛ぶかもしれない。しかし最大の興味は、いちど飛翔したものがどこにどういうふうに着地するか、あるいはしないか、である。 [収録作] 【長編】 佐々木譲「ベルリン飛行指令」 【短編】 水谷準「お・それ・みおー私の太陽よ、大空の彼方にー」 新田次郎「鳥人伝」 戸川幸夫「爪王」 豊田穣「われ特攻に参加せず」 野坂昭如「凧になったお母さん」 城山三郎「死の誘導機」 筒井康隆「五郎八航空」 稲見一良「麦畑のミッション」 椎名誠「ねずみ」 清水義範「翼よ、あれは何の灯だ」 東野圭吾「超たぬき理論」 【掌編】 芥川龍之介「仙人」 阿刀田高「地震対策」 田中光二「ゴースト・フライト」 原田宗典「鳥の王の羽」 本渡章「飛ぶ男」
西暦2023年、東京。犯罪組織は多国籍化し、凶悪を極めていた。櫟涼子は、新種の麻薬を流通させる謎の組織の潜入捜査を開始した。積み荷の麻薬を狙うトラックジャックと内通するスパイを炙り出す。組織で涼子に与えられた任務は、「見えない敵」との戦いだった。裏切りと抗争が渦巻くなか、涼子の捜査は結実するのか!?極限の緊張が漲るハードボイルド長編。
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第8回配本、第14巻『格闘者の血』は、格闘小説の名作3本の長編を軸に、強さを目指し闘った古今東西の男たちを描いた傑作全11編! ●編集委員/逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 [編集室から] 男の子は強くなりたかった。チャンピォン・ベルトか金色のメダルか黒帯か。ともかく強い自分を夢見ていた。 しかし、成長とは、自分の可能性が、実はただの不可能であったことを確かめる長い旅路だったのかもしれない。 ベルトやメダルがどんどん遠くなり、かつて強くなりたいと願っていたことを、時々、思い出すだけになっていくかもしれない。 これは、そういうかつての「男の子」すべてに捧げる巻である。 【長編】 夢枕獏「餓狼伝I」 今野敏「惣角流浪」 中島らも「超老伝 カポエラをする人」 【短編】 新宮正春「少林寺殺法」 北方謙三「殺さない程度」 椎名誠「生還」 船戸与一「からっ風の街」 【掌編】 大坪砂男「憎まれ者」 夢枕獏「どもごっつぁんどぇす」 原田宗典「レフェリーの勝利」 景山民夫「元禄異種格闘技戦」
最愛の妻はすでに亡く、たったひとりの娘も独立し海外で暮らしている。大学教授・葉山英介は平穏な人生の冬を送っていた。しかし、過去がそれを許さなかったー葉山の手がけた最後の仕事が因縁となり、彼はかつての世界へ舞い戻ることになる。愛する者と、男の誇りを守るため、葉山はふたたび銃を手にする。
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。 第7回配本、第19巻「孤絶せし者」は、映画も大ヒットした真保裕一の傑作長編「ホワイトアウト」を軸に、様々な<孤絶>の形を描いたバラエティ豊かな作品群、全11編を収録! ●編集委員/逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 [編集室から] 「海の冒険」で一巻を立てるのだから、当然「山の冒険」でも一巻、と思っていた。 しかし、新田次郎、井上靖はすでに投入してしまったし、夢枕獏委員の「神々の山嶺」は長大過ぎて、残念ながら初めから対象外であった。 しかし、「冒険」第二世代の傑作「ホワイトアウト」はぜひ収録したかった。で、「山」はやめてきわめて唐突に「孤絶」がテーマになった。なにも「ロビンソン・クルーソー」の状況だけが「孤絶」ではないのである。 [収録作] 【長編】 真保裕一「ホワイトアウト」 【短編】 椎名誠「漂流者」 板東眞砂子「盛夏の毒」 浅田次郎「永遠の緑」 篠田節子「幻の穀物危機」 桐野夏生「ジオラマ」 【掌編】 中島らも「ラブ・イン・エレベーター」 宮部みゆき「車坂」 星新一「霧の星で」 北杜夫「贅沢」 筒井康隆「画家たちの喧嘩」
国際的組織を率いる藤堂と、暴力組織”本社”の銃撃戦に巻き込まれ、消息をたったカスミ。助からなかったのか、父親の下で犯罪者として生きると決めたのかーー。行方を追う捜査班は、ある議定書の存在に辿り着く。
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第6回配本、第12巻『法の代行者』は、人気作家、逢坂剛・大沢在昌の代表作2長編を中心とした、警察小説の傑作、全9編を収録! ●編集委員/逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 [編集室から] この巻は警察小説が中心である。とはいえ、なにも法律を代行するのが警察官だけでいいはずもない。 裁判官、検事、岡っ引き、弁護士、死刑執行人、といろいろな職種の主人公を並べるつもりであったが、力およばず、やはり警察官が多くなってしまった。 警官ものに傑作が多いのだから、これは仕方がないのである。 21世紀の作家だと思っていた横山作品に20世紀のものがあったのは、僥倖というしかない。 【長編】 逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」 大沢在昌「毒猿 新宿鮫II」 【短編】 宮部みゆき「八月の雪」 横山秀夫「黒い線」 【掌編】 谷川俊太郎「探偵電子計算機」 結城昌治「おまわりなんか知るもんかい」 阿刀田高「時間外労働」 景山民夫「ご町内諜報戦」 嵐山光三郎「上様」
カスミは、タケルとホウを父・藤堂の知人が運営する薬物依存症患者の更生施設に連れてきた。藤堂の組織と活動、警視正・クチナワと手を組んだ理由…今まで言えなかった身の上を打ち明けるために。一方クチナワは、麻薬の無料配布と音楽で若者を集めるゲリラ野外イベント「解放区」と、破壊工作を繰り返す一団に目をつける。潜入捜査を命じられた3人に、巨大な黒幕とチーム分裂の危機が迫る!
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第5回配本、第8巻『歪んだ時間』は、タイムスリップを中心に、時間の歪みをテーマにしたSFとファンタジーを14編収録! ●編集委員 逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 SF、そしてファンタジーの巻である。 タイムマシン、タイムスリップ、コールドスリープ。 これが「時間」を歪める三種の神器であろうが、タイムスリップのみが現在の読者にも受け入れられているようだ。 掌短編の中には「なぜこの作品が時間テーマなのであろうか?」と思われるであろう作品も含まれている。 我慢して読んでいただきたい。 最後まで読めばわかります。 【長編】 浅田次郎「地下鉄に乗って」 山田正紀「竜の眠る浜辺」 【短編】 芥川龍之介「魔術」 北杜夫「買物」 安部公房「鉛の卵」 式貴士「カンタン刑」 小松左京「哲学者の小径」 筒井康隆「万延元年のラグビー」 清水義範「また逢う日まで」 半村良「およね平吉時穴道行」 【掌編】 吉行淳之介「扉のむこう」 原田宗典「時間が逆行する砂時計」 矢野徹「ぼくの名は・・・・・・」 星新一「夢の未来へ」
家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!
当代きってのミステリー作家7人、華麗なる競作!昭和三十九年十月ーー。オリンピックに沸く東京を舞台に、ミステリーの最前線を走る七人の思惑が交錯する。変わりゆく街の中で、男たちは何を目指したのか。究極のミステリー・アンソロジー、全編書き下ろし!! 昭和三十九年十月ーー。 オリンピックに沸く東京を舞台に、ミステリーの最前線を走る七人の思惑が交錯する。 激動の昭和史をひもとく競作シリーズがここに開幕 変わりゆく街で、男たちは何を目指したのか 究極のミステリー・アンソロジー、全編書き下ろし!! 「不適切な排除」 大沢在昌 八ミリフィルムの技術者は、なぜ殺されたのか!? 「あなたについてゆく」 藤田宜永 二十一年前のあの日、私も日の丸を背負っていた。 「号外」 堂場瞬一 特ダネは、よりによって開会式の日にぶつかった。 「予行演習(リハーサル)」 井上夢人 国立競技場に持ち越された、幽霊屋敷の死体騒動。 「アリバイ」 今野 敏 五輪の輪が四つーー死刑求刑は一転して無罪に。 「連環」 月村了衛 黒澤明が降りたオリンピック記録映画を狙え! 「陽のあたる場所」 東山彰良 華やいだ街の片隅で、おれは死の淵に立っていた。 不適切な排除 大沢在昌 あなたについてゆく 藤田宜永 号外 堂場瞬一 予行演習(リハーサル) 井上夢人 アリバイ 今野 敏 連環 月村了衛 陽のあたる場所 東山彰良
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。間に合うか? 時間こそが最大の敵! 第4回配本、第20巻『疾走する刻』は、刻々と迫る時間との闘いに挑む主人公たちの物語、9編! ●編集委員 逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 「冒険の森へ」では、長編36編については、ゆるやかなクロニクルを形成させたつもりだ。 福井長編は2000年8月刊であり、かろうじて20世紀に間に合った。 それにしても、馬に乗って疾走する作品がないのはなぜか。 ロケットが宇宙空間を駆ける作品もない。 ないはずはないのだが、時すでに遅し。 あ、疾走といえば「走れメロス」を忘れていたぞ。 邪悪に敏感なメロスは、暴虐無謀なるこの「冒険の森へ」に激怒しているはずだ。 [収録作] 【長編】 宮部みゆき「スナーク狩り」 福井晴敏「川の深さは」 【短編】 海音寺潮五郎「男一代の記」 佐々木譲「鉄騎兵、跳んだ」 【掌編】 眉村卓「走る」 景山民夫「ポルシェが来た」 中島らも「自転車行」 船戸与一「深夜ドライブ」 北方謙三「高速道路」
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第3回配本、第17巻「私がふたり」は、もう一人の私と敵または味方として対面する、不思議な物語15編を収録。 ●編集委員 逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 東野圭吾「分身」の雑誌掲載時のタイトルは「ドッペルゲンガー症候群」であった。 ならばドッペルゲンガー小説をずらりと並べればいいのだろうが、それでは、読む側がつらいではないですか。 さいわい天啓の如く、船戸与一委員の怪作中編が浮上した。いや、降りてきた。 この作品は、「ドッペルゲンガー」ではないが、みごとに「私がふたり」なのである。 ネタバレなんて言わないで欲しい。30年も前に書かれた作品なのだから。 [収録作] 【長編】 東野圭吾「分身」 【短編】 船戸与一「メビウスの時の刻」 山田風太郎「万人坑」 三島由紀夫「花火」 阿刀田高「甲虫の遁走曲」 小池真理子「足」 夢枕獏「山奥の奇妙なやつ」 乙一「カザリとヨーコ」 【掌編】 稲垣足穂「自分によく似た人」 星新一「常識」 筒井康隆「環状線」 都筑道夫「空港ロビー」 赤川次郎「不良品、交換します!」 原田宗典「デジャヴの村」 高橋克彦「電話」
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第2回配本、第5巻「極限の彼方」は、人が経験できるさまざまな「極限」の形を描いた物語12編。
素性不明の腕利きボディガード・キリのもとに仕事の依頼が舞い込んだ。対象は森野さやかという十七歳の少女。ミッションは、昼夜を問わず一週間、彼女を完全警護すること。さやかには人の過去を見抜き、未来を予知する特別な能力が開花する可能性があるという。「神眼」と呼ばれるその驚異的な能力の継承者は、何者かに命を狙われていた。そしてさやかの父・河田俊也が銃殺されたー。
清掃、点検、管理、補修に、爆弾処理!?このマンションなら、何でもアリ。規約さえ守れば、ヤクザでも刑事でも戦車でも、不測の訪問者は、すべてシャットアウト。だが、そこは悪人たちのオリンピック会場だった。俺はそんな最凶最悪マンションの管理人助手。ゴリラに似た管理人白旗との一年間の不思議な共同生活が始まった。危険すぎる、ご近所系ノワールコメディ。
新宿署に異動直後、上司となる桃井と鮫島との出会い。飛び降り自殺を図ろうとした少年と関わる晶。鮫島の宿敵・仙田、鑑識官の藪…。シリーズに登場する個性的な人物たちの意外なエピソードから、人気コミックの主人公である両津勘吉や冴羽〓(りょう)との共演まで。孤高の刑事・鮫島の知られざる一面が垣間見える短編が勢揃い。「新宿鮫」にしかない魅力が凝縮された全10作品。
警視庁捜査一課に所属していた牧しずりは、同僚が捜査中重大事故に遭ったことに責任を感じ、五年前に職を辞した。以来、心を鎖して生きてきた。だが、仲本岬人との邂逅から、運命の歯車は再び回り始める。苛烈な真実。身に迫る魔手。古巣たる警察の支援は得られず、その手にはもはや拳銃もない。元刑事は愛する男のために孤独な闘いに挑む。警察小説の名手が描く、至上のミステリ。
「カネもなければ、オンナもいない」元刑事の甲賀は40歳の寂しい年の瀬を迎えていた。そこへ「奥さんを保護した」と警察からの連絡。この「妻」は甲賀が“偽装結婚”した中国人女性で、記憶を失っていた。彼女が何者か二人で調べていくと事態はとんでもない方向に。読み始めたら止まらないエンターテインメント。