著者 : 宮城谷昌光
天才軍師・孫武を迎え入れた呉は、連戦の末に楚都を陥落させた。呉軍を率いる伍子胥は、殺された父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に三百回も鞭を打つ。虚しさを感じつつも復讐をはたした伍子胥のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。心を揺さぶる伍子胥篇。 蔡と唐 大別山の戦い 柏挙の陣 楚都近し 楚王のゆくえ 追う者 平王の墓 好敵手 申包胥 無形の兵 去就 ふたりの呉王 黄金期
商王朝の王子・丁は、言葉の不自由のため、父王から追放された。しかし彼は苦難の旅の末に、目にみえる言葉ー文字を創造した。己のハンディを跳ね返し普遍的価値を生み出した高宗武丁を描いた表題作をはじめ、古代中国に材を取った「地中の火」「妖異記」「豊饒の門」「鳳凰の冠」を収録。みずみずしい傑作集。
『三国志』をはじめ長年中国歴史小説を書き続ける著者が、自らの歴史観、世界観、小説観を余すところなく開陳した一冊。『三国志』をめぐる多彩な論考と、五木寛之、井上ひさし、宮部みゆきらとの歴史小説をめぐる対話、さらには碩学・白川静との中国古代史をめぐる対話など、読者を宮城谷昌光の世界へと誘う最良のガイドブック。
楚王の死去を知った伍子胥は呉王・僚を討つ。公子光は呉王闔廬となり、その子・終累は太子となった。子胥は闔廬の命で呉の外交を任されている季子のもとを訪れる。季子は「斉に対して呉は事を構えずと伝えるべし」と述べ、子胥がその使者となった。斉に入った子胥は、その足で孫武と、孫武のもとに預けた褒小羊を迎えにいく。孫武の献策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、子胥の悲願でもある楚との決戦が迫ってきた! 楚王の死去を知った伍子胥は呉王・僚を討つ。公子光は呉王闔廬となり、その子・終累は太子となった。子胥は闔廬に後年『孫子』で名を馳せる孫武を推挙する一方、闔廬の命で呉の外交を任されている季子のもとを訪れる。季子は「斉に対して呉は敵対する意志がないことを伝えるべし」と述べ、子胥がその使者となった。斉に入った子胥は、その足で孫武と、孫武のもとに預けた褒小羊を迎えにいく。孫武の献策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、子胥の悲願でもある楚との決戦が迫ってきた! 決戦前夜、伍子胥篇第五弾! 右ゆうの帰郷 子胥の外交 孫子の兵法 春景色 女兵 季子の死 嶽半 鍾吾と徐 孫武の奇知 神出鬼没策戦 呉軍と越軍 豫章の戦い
出目で太鼓腹、そして人をつつみこむ明るい磊落ー。乱世において争いを好まず、あえて負けを選ぶことで真の勝ちを得ようともした小国・宋の名宰相、華元。詐術と無縁のまま名君・文公を助け、ついには大国・晋と楚の和睦を実現させた男の奇蹟の生涯をさわやかに描いた中国古代王朝譚。司馬遼太郎賞受賞作。
孫武を迎え入れた呉は、迫り来る大戦に向けて準備を進めていた。その一方、楚では令尹子常が実質的な国の運営を行っていた。傲慢な子常のやり方に不満を持った盟下の蔡と唐は、密かに楚を見切り、呉側についた。孫武と伍子胥はこの戦いをなんとしても勝ちきることを誓い合う。そしてついに呉軍は楚都へ向けて軍を出発させる。呉軍と楚軍は正対し、一進一退の戦いを続ける。そんな中、呉王闔盧の弟、夫〓(がい)が抜け駆けをし、楚軍を撃退する。そのような弟の動きを苦々しく思う闔盧は、孫武の教えに従い夫〓(がい)を罰しないことにするのだがー。中国戦史上、特記される戦いの行方は。そして伍子胥の復讐は果たされるのか。
父と兄を殺され、祖国・楚への復讐を誓いながら呉に逃れた伍子胥。呉の将軍・公子光の客人となった伍子胥は、孫武に兵法の協力を仰ぎ、参謀として楚との戦いに臨む。だが、それはさらなる動乱の序曲となるのだった。大河中国歴史小説、伍子胥篇のクライマックス! 父と兄を謀略で失い、祖国・楚に復讐を誓いながら呉に逃れた伍子胥。呉の公子光の客人となった伍子胥は、孫武に兵法の協力を仰ぐ。その労ゆえ、公子光は二倍の兵を率いた楚に勝利するも、呉王に命を狙われることにーー。●設諸(せんせつしょ)との再会と別れ、范蠡との出会い、黄金の楯。大河中国歴史小説、伍子胥篇のクライマックス! ※●=魚へんに專 斉の国 鍾離の陣 けい父の戦い 青銅の柩 暗殺の矢 黄金の楯 運命の年 王と将軍 せん設諸 旗と煙 夜襲 初秋の風
成都に迫る魏軍に、蜀の群臣は揺れる。一戦もせず降伏を決意した劉禅は、柩を背負い、魏の軍門まで歩く。この日をもって、三国時代は畢わった。その翌年、司馬昭は晋王の位を授かる。天下統一はまだ果たされないが、もうすぐその時がくるー正史に基づき、百五十年もの歴史を描いたかつてない三国志、最終巻。
楚、そして呉王僚を討ち、諸樊との戦いに勝利した公子光は、呉王闔廬に、その子の終〓(るい)は太子となった。子胥は闔廬の使者として、呉の外交を任されていた季子のもとへ向かう。子胥は季子の助言通り、斉の首都臨〓(し)で宰相の晏嬰たちと面会。呉が斉に敵対するつもりはないことを伝えた。来たるべき戦いに向け、介根にいる孫武らを迎えにいった子胥は、孫武の兵法書を闔廬に献呈した。その後、才知を試された孫武は媚びることなく王命を厳然と遂行し、闔廬の信を得て臣下となった。孫武の策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、楚との本格的な戦いが眼前に迫る。
伍子胥は父・五奢、兄・伍尚とともに楚に仕える身だった。だが、楚王の佞臣・費無極が弄した奸計により、父と兄は誅せられてしまう。血涙を振るって危地を脱した伍子胥は、「つぎに楚都にくるときは、楚を滅ぼすときだ」と復讐を固く誓いつつ中原諸国をさすらうのだった。大河中国歴史小説の伍子胥篇、第三弾。 亡命の道 悠悠たる蒼天 流浪の人 子木のたくらみ 密告者 脱出路 呉へーー 蘭京の船 延陵の地 呉王と公子光 彭乙の苦難 謎の絵図
後世に名高い「出師の表」を書き、孔明は魏を征伐すべく軍を発する。しかし先鋒を任せた馬謖は兵法には精通しているが実戦経験に乏しく、惨敗を喫す。未だ成熟をみない国の法を重んじ、涙を流しながら馬謖を誅す孔明。一方、尊号を王から皇帝に改めた孫権は、早期の天下平定を目指し遼東の公孫淵と手を結ぼうと使者を送るが…。
春秋時代末期の揚子江流域で覇権を争う呉と越。越王勾践に覇を唱えさせた名将・范蠡(はんれい)の類稀な生涯を壮大なスケールで描く。春秋時代後期に覇権を争う、楚、呉、越。楚の人、伍子胥は堂々たる体躯で将来を嘱望される青年。伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚を助けるため船に乗り、江水を往く。「人材こそ国と家の宝だ」伍子胥は、地位や身分を越えてさまざまな人と出会い、歩むべき道を探る。 春秋時代末期の揚子江流域で覇権を争う呉と越。越王勾践に覇を唱えさせた名将・范蠡(はんれい)の類稀な生涯を壮大なスケールで描く。 壮大な物語のプロローグとして描かれる、楚の伍子胥の「人脈篇」。 伍子胥は、父に向かってまっすぐに言う。「善をなすふりをして悪をなすことほど、悪いことはないとおもいます」父・伍奢は思った。「この子を教えるのは、人ではなく天だ」と。 豊かな水をたたえる長大な江水の流域で、春秋時代後期に覇権を争う、楚、呉、越。楚の人、伍子胥は堂々たる体躯で将来を嘱望される青年である。父は、王に重用され要職をつとめる。伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚を助けるため船に乗り、江水を往く。強い信念をもち、父兄を尊敬する伍子胥は、地位や身分を越えてさまざまな人と出会い、歩むべき道を探していた。 「人材こそ国と家の宝だ。他国あるいは他家に取られてから、しまったと後悔しても、どうにもならぬ」 伍子胥は自らの目でみて、人材を集める術を探す。 春秋戦国時代に「目をくり抜いて城門にかけよ、呉が越に滅ぼされるのを見る」、という遺言を残したことで知られる楚の伍子胥。名将・范蠡(はんれい)の好敵手となった彼の、人脈の築き方とはーー。勝負に挑む前の、人生の教訓に溢れた一冊。 柳陰沢 旅立ち 怪魚 才松の正体 ひとつの才能 剣の勝者 異才の人々 兵法家 新しい船 兄弟の危難 長い夏 青銅の箱
戦うために生きるのではない。生きるために戦うのだ。楚の人、伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚(ごしょう)を助け、配下に逸材を得る。ある日、呉の大船団二万五千が江水をさかのぼり、楚はこれを迎え撃つ。そのころ、太子に仕える伍子胥の父・伍奢(ごしゃ)と、兄の伍尚には、同じ楚の佞臣・費無極の陰謀が忍び寄っていた。内部の謀略に、どう立ち向かうのか! (講談社文庫) 戦うために生きるのではない。生きるために戦うのだ。 楚は内憂外患に激動する。待望の第二巻! 楚の人、伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚(ごしょう)を助け、配下に逸材を得る。 ある日、呉の大船団二万五千が江水をさかのぼり、楚はこれを迎え撃つ。 そのころ、太子に仕える伍子胥の父・伍奢(ごしゃ)と、兄の伍尚には、同じ楚の佞臣・費無極の陰謀が忍び寄っていた・・・・・・。 「なんじしか仇討ちをする者はいないではないか。われが死んでも、伍氏の家名をなんじが保てばよい。なんじの才知は、われにまさる。なんじによって伍氏の家名は天下に知られることになろう」 謎の八人 長岸の戦い さまざまな過去 楚王の詐謀 暗風 樊了の秘密 兄弟の訣れ 救出計画 正義の道 加賀との対談 破獄のとき 父のことば
永禄3年(1560年)、織田信長の急襲に遭って、今川義元は桶狭間に斃れた。義元に頤使されていた松平元康(家康)は父祖の地、西三河は岡崎城に戻り、悲願の独立を果たす。だが息継ぐ間もなく、一向一揆が勃発。血縁者が敵味方に分かれ、相争う国力消耗の未曾有の事態から家康を救ったのは大久保忠俊(常源)だった。忠俊率いる大久保一党の決死の進退が深く胸を打つ戦国歴史小説の巨編。
徳川の駿河以東への進撃は、武田の南進によって阻まれた。三方原合戦ー家康の前に信玄が立ちはだかる。潰滅的惨敗を喫した家康だったが、天祐ともいうべき信玄の死により再起する。武田勝頼との決戦、長篠合戦において大久保忠世・忠佐兄弟が見せた獅子奮迅の活躍は、信長を驚喜させ、家康の嫡子信康に両雄への憧憬をもたらせた。しかし、運命は極めて残酷な旋回を見せたのだった。