小説むすび | 著者 : 富島健夫

著者 : 富島健夫

女人追憶(10)女人追憶(10)

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小学館

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2018年10月10日 発売

芸者&情人とトリプルで織り成すエロスの宴 明美が他の男と関係した事実を受け入れた真吾は、これからも変わらず会うことを約束する。もともと肉体だけの関係ではあったが、郷里の恋人・妙子と離れている身を癒やしてくれるありがたい存在であり、たとえ恋人ではなくとも、ふたりの間には性愛から始まった愛情が築かれていたのだ。親密な関係になった下宿先の未亡人ちえは、姑たちの目も気にせず、あからさまに真吾に親切になる。女のいじらしさを感じる半面、内心多少とまどうほどに。そのちえと利用した旅館で知り合った芸者の松美から遊びに来るよう誘われた真吾は、金もない学生に声をかける彼女の真意をはかりかねる。多くの女人たちと交わってきた真吾だが、玄人の女性との交流は皆無。だが、未知の世界を覗いてみたい好奇心にかられた真吾は誘いに応じて訪ねていく。喜んだ松美は酒と料理でもてなし、彼女の往年のパトロン「いいさん」とその愛人の三人で一夜をともにした話を語り始めた。さらには当の「いいさん」まで呼びだして、かつてのようなエネルギッシュな状態にない「いいさん」を交え、三人によるエロティックな性の饗宴が繰り広げられることにーー。

女人追憶 7女人追憶 7

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小学館

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2018年8月10日 発売

あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑 昭和二十六年春。大学二年生になった真吾はある朝電車内で、下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾のからだの一部分に触れてきた。いつもの控えめで貞淑なちえからは考えられない行動に驚く真吾だが、前年の秋に彼女の娘・小学生の雪子にもそれを触らせたことがあり、なんとも刺激的な気持ちになるのであった。実験目的で始まった女子学生・明美との関係は続いていた。だが出発点から大きく逸脱し、今や明美は真吾に夢中になってしまっている模様。明美の友人の知子から、重荷になる前に何とかするよう忠告されるも、今度はその知子の誘惑に乗ってしまう。そんなある日、かつての下宿先の娘アキが訪ねてくる。交際している男の粗暴な振る舞いについて相談しにきたと言うが、強引で奔放な性格は変わっておらず、夜の神社で求めてくる。さらに、旅館で働く中年のキクや、下宿先の隣人・新妻の千賀からも好意を寄せられてーー。己の好色性を自任する真吾の周辺はまさに春、さながら百花繚乱の様相を呈していた。

女人追憶 5女人追憶 5

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小学館

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2018年6月13日 発売

真夏の故郷を舞台にした熱いエロスの祭典 大学一年の夏休み、帰省した真吾は恋人・妙子と四か月ぶりにからだを交える。東京で他の女性と遊んでいる身としては多少のうしろめたさも覚えるが、「もっとも好ましいのはこのからだ」だと思い、またそう思うことによって浮気の罪は許されると、虫のいいことを考えるのであった。だが、行為の最中に妙子の口から発せられたのは「美津先生と、どっちがいい?」。高校三年時の真吾と、教師であった美津との関係を問う言葉だった。ごまかすことはできないと判断した真吾は美津との一時の関係を正直に話す。だが、意外にも妙子は真吾の背信を責めることはなく、今は結婚している美津の家へ一緒に行こうと提案するのだった。また、真吾は高校の同級生であった今井鈴子の訪問を受ける。在学中はあまり話をしたことがなかったが、封建的な家で窮屈に暮らす鈴子の内に性への憧れを感じ取った真吾は、夏のあいだ時々会うようになる。美津との再会、懐かしい顔が揃ったクラス会。故郷を舞台に繰り広げられる、エロス溢れる真夏の祭典。

女人追憶 3女人追憶 3

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小学館

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2018年4月10日 発売

女教師・美津と過ごす妖しい放課後の秘め事 昭和24年の春、真吾の通う高校は女学校と合併して共学になった。高校3年生となり、翌春に控えた卒業と大学入試が最重要事項ではあるものの、多くの男子学生と同様に、女生徒と縁ができることに仄かな期待も抱いていた。だが思いがけず、真吾の心をとらえたのは、女生徒ではなく新任教師の香原美津だった。ある日の放課後、野の道で偶然出会った美津と真吾は、急速に接近していく。社会人になった恋人・妙子への愛に変わりはなく、美津とは互いに“遊び”と割り切った関係ではあったが、これまでに出会った女性たちにはない、大学出のインテリ女性ならではの知的な雰囲気、成熟しきった女の魅力、そして欲望のままに肉体をぶつけてくる大胆さに、真吾はのめり込んでいく。教師と生徒であり、絶対に誰にも知られてはならないというスリルを味わいながら、二人は逢瀬を重ねる。一方、共学となった校内では、いくつもの恋の物語が生まれていた。秋も深まった頃、真吾はかつて一度だけ関係した女学生・安希子から意外な話を聞かされる。

女人追憶 4女人追憶 4

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小学館

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2018年4月10日 発売

舞台は東京へーー都会で始まる新しい出会い 大学進学を機に上京した真吾は、賄い付き下宿・金沢荘に入居する。下宿先には一人娘で高校三年生のアキがいたが、真吾は高校の先輩で同室の小松原から、アキに気をつけるよう助言される。天性の好色女で、これまでに何人の下宿人と関係したかわからないのだという。案の定、真吾は誘惑されるが、冒険心から誘われるままにアキの部屋を訪ねるようになる。真吾に恋人がいることも承知しているアキは、プライドが高く自分を美化している向きもあったが、多くの東京の女学生にはない、あどけなさや幼稚さを残している少女でもあった。大学の講義への興味を失いはじめていた真吾は、アキに魅力を感じるようになっていく。アキのほうも夢中になり、他の男との関係を断つまでに。だが、金沢荘の古株で粗暴な今重がふたりの仲に疑いを持ったことから、事件が勃発する。一方で、金沢荘の下宿人たちの性生活は様々であった。とにかく一人を好む者、学生の特権を活かして女子大生に声をかけ下宿に連れ帰る者、娼婦にのめり込む者などなど。彼らから聞く体験談は、真吾にとって大層刺激的なものであった。

女人追憶 2女人追憶 2

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小学館

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2018年2月13日 発売

模索する大人への道。新たな官能の世界へ。 路子の“実験”に協力するかたちで初体験を済ませた真吾は、恋人である妙子とも結ばれ、妙子に一層の愛しさを募らせていく。 昭和二十三年、学制改正に伴い真吾は新制高校二年になり、妙子は女学校を卒業。妙子には卒業を機にいくつもの縁談が持ち込まれるようになる。 そんな折、戦時中に真吾に強烈な体験をさせた、いとこの千鶴が結婚することになり、家を訪ねてくる。“心にもからだにも、魔性の生きものを飼っているにちがいない”、千鶴は真吾を未経験者であると思い込み、自分が最初の女になりたいと思っていた。 念願を遂げた千鶴は、妙子と親密になるよう真吾に助言する。その後、ひょんなことから旧家の娘で出戻りの小菊と妖しい一夜を過ごすが、わずか六日後に小菊が出奔。さまざまな噂が飛び交うなか、ふいに戻ってきた小菊は、なぜか妙子に接近する。 新しい時代の到来とともに、押し寄せてくる「自由」の波。そんななか、大人への道を模索しつづける少年の愛と心。読む者を惹きつけて止まない、青春官能小説。

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