著者 : 山本光伸
アマゾンの熱帯雨林で乱開発を進める業者が、首を切られて殺された。さらにオーストラリア近海で原油流失事故を起こしたタンカーの船長と石油会社の社長、事故対策責任者が相次いで殺された。環境破壊を引き起こした当事者が何者かに殺されるという事件が続発していたある日、環境保護雑誌「アース・マザー・マガジン」の女性記者テス・ドレイクは、テレビ制作会社に勤務する男ジョゼフに出会った。灰色の瞳をもつその男の謎めいた魅力にひかれ、テスはたちまち恋に落ちた。だが、その彼が突如姿を消してしまった。テスはニューヨーク市警の警部補クレイグの助けを借りて行方を追うが、数日後彼が変死を遂げていたことを知る。やがてジョゼフの住んでいたアパートが発見され、クレイグと共にそこを訪れたテスは、不思議なレリーフを見てそれを写真に収める。その時からだった。テスのまわりで奇怪な事件が次々と起き、やがて彼女自身も何者かに命を狙われ始めた。しかも奇妙なことに、その暗殺者を追って別のグループも動き始めたのだ。いったい何が起こっているのか?
1968年、北エルサレムの遺跡でイエス・キリストの亡骸が発見される。しかし、この歴史的大発見はなぜか公表されなかった。同年、アイルランドでは、若き留学生P・キャナヴァンがヴェネツィア貴族の娘と恋に落ちる。24年後、CIAを退職したキャナヴァンが想い出の地アイルランドを訪れると、次々と残虐な殺人事件が起きる。事件の背後には謎の殺人組織「墓の結社」の暗躍が…。キャナヴァンは「墓の結社」の謀略を阻止すべく、急拠ヴェネツィアへ飛ぶ。
愛するものを失うことはつらい。ましてそれが、聡明で思いやり深く、誰からも愛される15歳の少年ならなおさら。ベストセラー作家のデイヴィッドは、ある日、息子のマットが庭で苦しんでいる姿を目撃する。マットの体は病魔に冒されていた。病名はユーイング肉腫。珍しい種類の癌だ。何度も襲う苦痛に耐えながら、マットは最新の治療法に身を委ねる。だが、闘病むなしく、命の炎はわずか半年で燃えつきた。その翌晩、父デイヴィッドは不思議な現象を体験する。悲しみにくれる彼の部屋を無数の蛍が飛びかっていたのだ…。「ランボー・シリーズ」で有名なベストセラー作家が、みずからの体験をもとに親子の強い絆を描く感動作。
世界各地で、次々と行方不明になる老人たちーナチス・ドイツの残虐なテロ政策〈夜と霧〉が甦ったのか?暗い過去を背負い、イスラエルに隠遁していた元CIA工作員ソールは、モサド要員だった義父の失踪を知り、探索を開始した。同じ頃、砂模で贖罪の生活を送っていた暗殺者ドルーは、ローマ教皇庁の秘密諜報組織〈石の結社〉から、消えた枢機卿の捜索を命じられた。それぞれの事件を追う2人は、奥深い謀略の渦中へ。
行方不明になった義父を発見する手がかりを求めてアルプス山中の寒村を訪れたソールは、聖識者とおぼしき男たちに襲撃された。一方、ローマの暗黒街で情報を収集していたドルーの前には、超一流の国際的暗殺者が現れた。やがて宿命的に出会ったソールとドルーは、複雑に絡み合った諜略の糸を解きほぐし、手をたずさえて〈夜と霧〉の陰謀と対決する。映画「ランボー」の原作者が放つ、最高にスリリングな冒険アクション。
英米情報部の密命を帯びた米空軍パイロットのミッチェル・ガントは、ソ連が開発した最新鋭戦闘機ファイアフォックスの強奪に成功した。だが、追跡機との空中戦で被弾したファイアフォックスは燃料漏れを起こし、中立国フィンランドの凍結湖に不時着した。消えた最新鋭戦闘機を手中に収めるべく、必死の捜索活動を展開する英米とソ連。一方、ガントはソ連軍に捕えられ、尋問のためにモスクワのKGB研究所へと送られた。
KGBの研究所から脱走したガントは、CIAの女性工作員アンナに窮地を救われた。彼女は、ガント逮捕の指揮をとるプリャービン大佐の恋人だった。ガントとアンナは陸路でフィンランドとの国境へ向かうが、これを察知したプリャービンは単身で二人の後を追う。一方、英米よりも一歩遅れて最新鋭戦闘機の所在を突き止めたソ連側は、奪還部隊をフィンランドへ侵入させた…。傑作航空冒険小説『ファイアフォックス』の続篇。
父親譲りの刑事魂を持つパーマは、殺人課には珍しい女性刑事。悲惨な死体を見慣れている彼女も、今度ばかりは息を呑んだ。念入りな化粧、縛られた手足、全身に拡がる噛み痕、そして何とまぶたが切り取られている。同様の事件が続き、この種の犯罪の専門家、FBI分析官のグラントと協力して、パーマはヒューストンの上流階級に秘かにはびこる病巣に、足を踏み入れることになった。
ブルザールは裕福な女性ばかりを相手に成功している精神科医だ。患者は皆、幼い時に性的虐待を受け、その心の傷のために倒錯した性の世界に溺れ、苦しい二重生活を強いられている。ある種の先入観から犯人を特定しようとする殺人課の刑事たち、パーマに理解を示しながらもデータ分析の結果から犯人を捜すグラント、パーマは一人、犯人の気持に入りこみ、意外な真犯人を見つけ出すー。
一葉の白黒写真。4人の若者はベトナムの戦場で生死を共にする親友同士。それから20年…。ベトナムのタイ侵攻阻止の命を受けて現地に潜入したCIA工作員パーカーがバンコクで失踪した。旧友の後任として〈ドラゴンファイヤー作戦〉を完遂すべく思い出の地に戻ったソーヤー。タイ、黄金の三角地帯、そしてカンボジア…麻薬と裏切りと殺戮の地で、ソーヤーは何を見たか。-ダンテの『神曲〈地獄編〉』を彷彿させるバイオレンス・アクション。
ニューヨークに住むベストセラー作家のクレイグ・メローは、華やかな世界に疲れ、新作の筆も滞っていた。そんなある日、彼は世界銀行の男から、新作の取材を兼ねて秘密の仕事を依頼される。メローの祖国ジンバブエで最近行なわれている大規模な象牙の密猟。そして、ソ連と結んだ1派が同国で進めているというクーデター計画。この2つの不穏な動きを探ってほしいというのだ。祖国への郷愁を捨て切れぬメローは、その依頼を引き受ける。だが、女性カメラマンのサリー=アンと共にジンバブエに赴いた彼を待っていたのは、邪悪な死の罠だった。
ジンバブエは揺れ動いていた。白人支配を脱して独立を果たしたものの、2つの部族の権力争いが激化していた。その抗争の中に巻き込まれたメローは、密猟とクーデターの首謀者である政府高官の手によって国家反逆の汚名を着せられ、故郷に再建した牧場を没収されてしまう。そして、からくも逃亡に成功した彼とサリー=アンを狙って、暗殺部隊が差し向けられてきた…。広大な原野と暗黒の洞窟に繰りひろげられる白熱の逃亡と追跡!男たちの野望と闘い、友情と愛をサスペンス溢れる筆致で描き上げる、ベストセラー作家の冒険アクション巨篇。
暗殺された両親の復讐を果たすベく、テロ組織“スカルペル”に身を投じたドルー。だが、ホメイニ暗殺作戦を遂行中、標的の中に自分の忌わしい過去を発見し、現場から逃走。そして6年…。戒律厳しいカルトジオ修道会の修道僧となり、祈りの日々を送るドルーのもとに刺客が…。僧院を脱出した元テロリストは、その日、再び血にめざめた。-映画「ランボー」の原作者が、好評『ブラック・プリンス』に続いて放つ長編冒険アクション。
ー1984年6月18日、コロラド州デンバーでラジオの人気DJが暗殺された。彼の名はアラン・バーグ。貧困、犯罪、人種差別、セックスなど、アメリカにはびこる矛盾と腐敗にマシンガンのような喋りで戦いを挑み、スターの座をつかんだ男。だが、その過激な発言は、ネオ・ナチ・グループの格好の標的ともなった…。-“言葉は人を殺す”。アメリカ社会の病根を抉る衝撃のノンフィクション。オリバー・ストーン監督・映画「トーク・レディオ」の原作。
ー1938年9月、戦雲垂れこめるベルリンに集結した各国謀報機関の代表は、謀報員どうしの身の安全を保証する聖域を作ることに合意し、〈アベラール・サンクション〉の契りを結んだ。-敬愛する義父エリオットに育てられた孤児のソールとクリス。だが、成人した二人は養父の恐るべき陰謀を知る。養父の罠にかかり、消されかけたソール。アベラールの掟を破り、組織から追われるクリス。二人は血の復讐を誓った。
ー全米各地から孤児を集め、工作員に仕立上げる…。CIAのNo.2、養父エリオットが描く恐怖のシナリオ。愛は憎悪と化し、復讐に燃える二人の孤児〈黒きバラ〉の執拗な追跡が続く…。ワシントン、マイアミ、ロンドン、パリ、そしてカナダの山中へ…。-フォーサイス、ル・カレ、ラドラム…そして今、ディヴィッド・マレル。映画〈ランボー〉の原作者が放つ長編スパイ・アクション!全米ベストセラー。
イスラエルのキブツに隠遁していたソールは、元モサドである義父が失跡したために課報の世界に戻ることになった。一方、砂漠で贖罪の生活を送っていたドルーは、バチカンの枢機卿の行方不明事件を追及すべく、〈石の結社〉の召喚を受けた。世界各地で、老人たちが次々と謎の失踪を逐げていたのだ。まるで〈夜と霧〉が甦ったかのように-〈夜と霧〉とは、反ナチ分子を恐怖の底に陥れるためのヒトラーの勅令だった。そのナチの悪夢が再び到来したのだろうか?それぞれの失踪事件を追ううちに、ソールとドルーは邂逅する。二人の戦士は手をたずさえ、奥深い陰謀に立ち向かっていくことになるが…?屈指のストーリー・テラーによる、手に汗握る冒険長篇。