著者 : 日本文藝家協会
歌は世につれ世は歌につれとはよく言われるが、 それは小説も同じこと。 とりわけエンターテインメント小説は 世相を強く反映するもの。 はたして平成最後の短篇ベストコレクションである 本書からはなにが見えてくるだろう。 小説への新しい兆しだろうか? それとも終末の予感? 大ベテランから気鋭までの 作品群の世界に浸りながら、 平成のエンターテインメント文学は 世を映す鏡だったろうかと黙考するのも一興。 読後感たっぷりのアンソロジー。 【収録作家】 青崎有吾 朝井リョウ 朝倉かすみ 朝倉宏景 小川哲 呉勝浩 小池真理子 小島環 佐藤究 嶋津輝 清水杜氏彦 高橋文樹 長岡弘樹 帚木蓬生 平山夢明 藤田宜永 皆川博子 米澤穂信
小説好きのみなさん、お待たせしました。日本文藝家協会が毎年編んで読者に贈る年間傑作短編アンソロジー。2018年の1年間に文芸誌などの媒体に発表された全短編から厳選。ベテラン作家から新鋭作家まで、日本を超え、世界を捉え、文学を革新する多彩な書き手15人による注目作、意欲作を選び出す。この一冊で2018年の日本文学を一望できる珠玉の短篇名作選。解説は中沢けい氏。 文通 土脉潤起 どみゃくうるおいおこる 坂をおりる船 ダークナイト・ミッドナイト 本当の旅 ハレルヤ 牡丹華 ぼたんはなさく 風下の朱 巡礼 生き方の問題 チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ 風鈴 永遠のあとに来る最初の一日 残影 野戦病院
2017年度発行の文芸誌に掲載された数多の歴史・時代小説の短編から自信をもっておすすめする10編を精選。気鋭の作家からベテラン勢まで、時代や舞台はさまざまなれど、圧倒的な筆力で紡がれる物語は、いずれも一所懸命に生きる人々の営みや思いを鮮烈に描き出し、感動を与えてくれる。読書の楽しさを再確認できる、いま読むべき作品を収めた絢爛たる年度版アンソロジー。オリジナル文庫。
日本文藝家協会が毎年編んで読者に贈る年間傑作短編アンソロジー。2017年の1年間に文芸誌などの媒体に発表された全短編の中から17篇を厳選。ベテラン作家から新鋭作家まで、多彩な書き手による注目作、意欲作を選び出し、この一冊で2017年の日本文学を一望できる珠玉の短篇名作選。解説は沼野充義氏。 高橋弘希「踏切の向こう」 青山七恵「帰郷」 阿部千絵「散歩」 綿矢りさ「意識のリボン」 柴崎友香「公園へ行かないか? 火曜日に」 中原昌也「劣情の珍獣大集合」 青来有一「沈黙のなかの沈黙」 山尾悠子「親水性について」 星野智幸「世界大角力共和国杯」 丸山修身「頂上の一夜」 金原ひとみ「fishy」 津村記久子「サキの忘れ物」 牧田真有子「桟橋」 沼田真佑「廃屋の眺め」 佐藤洋二郎「瀞」 小山田浩子「蟹」 町田康「とりあえずこのままいこう」
2016年度発行の文芸誌に掲載された作品群から精選した12編を収める極上の時代小説アンソロジー。実力派作家たちが、その力量を余すところなく発揮。誰もが知る武将から名もなき市井の人々まで、それぞれの時代をそれぞれのひたむきさで生きる姿と繰り広げられるドラマ。
言葉の循環「考速」。世界は連なる「絵画」。命のざわめき「街を食べる」。毒はゆるやかに「みのる、一日」。物語の中で僕らは「さよならクリストファー・ロビン」。解けない問題「田舎教師の独白」。月の光を浴びて「塔」。騒がしい店内で「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」。記憶の交錯「きことわ」(芥川賞)。メレンゲの不安「波打ち際まで」。郷里で謎の言葉が「うらぎゅう」。亡き愛人の影「夫を買った女/恋文の値段」。現代文学の新たなる地平、シリーズ第八巻(最終巻)。
海の臭気と耳に差した左手小指「泥海」。私小説の超克、生と死と自然の混淆「みな生きものみな死にもの」。特別料理に漂う不穏な気配「菓子祭」。変貌した町で知人宅に赴く私は…「鯊釣り」。研究室への辞表と乳房を巡る「独身病」。一個のサラリーマンと夏の夢「杞憂夢」。魚雷艇訓練所の長い一日「湾内の入江で」。僕がプールで視る禍々しい幻影「泳ぐ男ー水のなかの「雨の木」」。江戸の腕利き大工が星舟で鎌倉へ「きらら姫」。現代小説四〇年を辿るシリーズ第二巻。
濃密な血の呪縛、中上文学の出発点「岬」(芥川賞)。男と女と日常の不穏な揺らめき「髪の環」。不幸の犠牲で成り立つもの「幸福」。流される僕の挫折と成長「僕って何」(芥川賞)。言葉以前の祈りの異言「ポロポロ」。垢の玉と生死の難問「玉、砕ける」。少年を襲う怪異の空間「遠い座敷」。文学は何を書き試み、如何に表現を切り拓いてきたのか。シリーズ第一巻。