著者 : 村上春樹
僕たちの終章はピンボールで始まった 雨の匂い、古いスタン・ゲッツ、そしてピンボール……。青春の彷徨は、いま、終わりの時を迎える さようなら、3(スリー)フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との<僕>の日々。女の温もりに沈む<鼠>の渇き。やがて来る1つの季節の終りーーデビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた第2弾。
野間文芸新人賞受賞作 1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月ーー北海道発 あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。 第一章 1970/11/25 第二章 1978/7月 第三章 1978/9月 第四章 羊をめぐる冒険I 第五章 鼠からの手紙とその後日譚 第六章 羊をめぐる冒険II
青春3部作完結編 1982年秋 僕たちの旅は終わる すべてを失った僕のラスト・アドベンチャー 美しい耳の彼女と共に、星形の斑紋を背中に持っているという1頭の羊と<鼠>の行方を追って、北海道奥地の牧場にたどりついた僕を、恐ろしい事実が待ち受けていた。1982年秋、僕たちの旅は終わる。すべてを失った僕の、ラスト・アドベンチャー。村上春樹の青春3部作完結編。野間文芸新人賞受賞作。 第七章 いるかホテルの冒険 第八章 羊をめぐる冒険III エピローグ
『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
失われた心の震えを回復するために、「僕」は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまでーー。そこではあらゆることが起こりうる。羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スター、そして幾つかの殺人がーー。デビュー10年、新しい成熟に向かうムラカミ・ワールド。
「それはメリー・ゴーラウンドによく似ている。それは定まった 場所を定まった速度で巡回しているだけのことなのだ。どこにも行かないし、降りることも乗りかえることもできない。誰をも抜かないし、誰にも抜かれない」人生という回転木馬の上で、人は仮想の敵に向けて熾烈なデッド・ヒートをくりひろげる。事実と小説とのあわいを絶妙にすくいとった、村上春樹の8つのスケッチ。 都会の奇妙な空間 人生というメリー・ゴーラウンド そこでデッド・ヒートを繰りひろげるあなたに似た人ーー 現代の奇妙な空間ーー都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。 はじめに・回転木馬のデッド・ヒート レーダーホーゼン タクシーに乗った男 プールサイド 今は亡き王女のための 嘔吐1979 雨やどり 野球場 ハンティング・ナイフ
ヴェトナムに行った男、行かなかった男、裏切った女、裏切られた女、二人の夫を持つ女、待ち続ける男…30年ぶりの同窓会に集う男と女。まだハッピー・エンディングをあきらめたわけじゃない。1969-2000感動のクロニクル。
衝撃のノンフィクション! ●地下鉄サリン事件を追う問題作 ●著者による書下ろし「解題」入り 著者初のノンフィクション長篇作品。 地下鉄サリン事件の被害者からのインタビュー形式での話題作。 普通の人々が、この日、どのように行動し、事件にかかわってしまったか、事実が語る書下ろし長篇。
この世の物とは思えない奇妙な恋の物語 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。--そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー!!
アレキサンダーの素敵な冒険 空飛び猫ファミリーに翼のないアレキサンダーが加わって奇跡が!! 樹から下りるのが苦手なファービー家のアレキサンダーは空飛び猫兄妹の末娘ジェーンに助けられ、新メンバーになりました。街でのとっても恐ろしい体験から口がきけなくなっていたジェーンは、アレキサンダーの包容力ですっかりおしゃべりができるようになりました。ね、アレキサンダーってすごいでしょ!!
古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか?椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命。「氷男」と結婚した女は、なぜ南極などへ行こうとしたのか…。次々に繰り広げられる不思議な世界。楽しく、そして底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録。
笑いと恐怖と思想、三重仕掛けで描かれた迷宮へ…。隠された秘密を巡って同時進行する「幻想世界」と「冒険活劇」の物語。村上春樹、80年代の記念碑的長編。
a weird love story *【weird】 とても奇妙な、ミステリアスな、この世のものとは思えない、 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。そして勢いをひとつまみもゆるめることなく大洋を吹きわたり、アンコールワットを無慈悲に崩し、インドの森を気の毒な一群の虎ごと熱で焼きつくし、ペルシャの砂漠の砂嵐となってどこかのエキゾチックな城塞都市をまるごとひとつ砂に埋もれさせてしまった。みごとに記念碑的な恋だった。恋に落ちた相手はすみれより17歳年上で、結婚していた。更につけ加えるなら、女性だった。それがすべてのものごとが始まった場所であり、(ほとんど)すべてのものごとが終わった場所だった。 ●[スプートニク] 1957年10月4日、ソヴィエト連邦はカザフ共和国にあるバイコヌール宇宙基地から世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた。直径58センチ、重さ83.6kg、地球を96分12秒で1周した。 翌月3日にはライカ犬を乗せたスプートニク2号の打ち上げにも成功。宇宙空間に出た最初の生物となるが、衛星は回収されず、宇宙における生物研究の犠牲となった。--(「クロニック世界全史」講談社より)
海亀の執拗な攻撃から僕らの身を守ってくれた秘密兵器とは?ヒトは死んだらどこにいくのだろう?-読者が参加する小説「ストッキング」から、オール関西弁で書かれた「ことわざ」まで、謎とユーモアに満ちた「超短篇」小説が36本!(さらに替え歌「朝からラーメン」のおまけ付き!)絶好調の村上春樹=安西水丸“nice&easy”コンビが贈る「村上朝日堂」小説特集号。