著者 : 村上春樹
平和な森でののびのびと暮らすセルマ、ロジャー、ジェームス、そしてハリエットの仲よし4兄弟。喧噪の街に残るお母さんが気になって飛んでいってみるとーー。こわされる直前のビルのかげに小さな翼をはやした影。それがジェーン、彼らの小さな妹だったなんて。『空飛び猫』につづいて、おたのしみください。
仲よし4兄弟、セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエットは、お母さんもため息をついたくらい、翼をはやして生まれてきた猫たちです。荒れた街から森へ飛んでいった彼らはハンクとスーザンの心やさしい兄妹に出会うのですが。ル=グウィンの世界を村上春樹さんが美しい日本語に翻訳した素敵な童話です。
ようこそ、フィッツジェラルドの世界へ。「特上クラス」の名作から「シングル盤B面」的佳品まで、村上春樹が愛してやまない作品群から選んだ5短編を訳し、ゆかりの地アッシュヴィルを訪ねて記したエッセイ「スコット・フィッツジェラルドの幻影」を付す。
ヴェトナム戦争、テロル、反戦運動……我々は何を失い、何を得たのか? 六〇年代の夢と挫折を背負いつつ、核の時代の生を問う、いま最も注目される作家のパワフルな傑作長篇小説。
ヘミングウェイ、テネシー・ウィリアムズからレイモンド・カーヴァーまで、選りすぐりのアメリカン・ショート・ストーリーが七十篇。短編小説の醍醐味が詰まった貴重な一冊です。
闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた長篇小説。『羊をめぐる冒険』から4年を経た1983年、札幌を舞台に、「僕」の新しい冒険が始まる。華麗に、そしてハードに、運命のステップが踊りつづけるーー。
世界の終末に向う現実と虚構の2つの世界。「世界の終り」(=現実)と「ハードボイルド・ワンダーランド」(=虚構)が交互に描かれ、それぞれが終末へと向かっていく。谷崎潤一郎賞受賞の長篇傑作。
その頃、僕たちはまさしくフィッツジェラルドが創造した“神話”「グレート・ギャツビイ」の世界を実現していた。豪奢な邸宅、絢爛たるパーティ、美しき女性たちとの恋、そして涙…。主人公デスリフとモールトンの周りで夢はかない、やがて圧倒的な幻滅が訪れる。“今”を生きる世代から栄光と輝きの’20年代に贈るオマージュを、魅力的な文体で翻訳したお酒落で哀しい恋愛小説。
父さんと過ごした最初で最後のクリスマス。『あるクリスマス』の前年、トルーマン・カーポティは父を失っている。触れあうことの少ない父子だった。カポーティ自身、すでに酒とクスリに蝕まれていた。この作品の翌々年、彼はこの世を去る。最後にみる夢、だったのかもしれない。
聖羊祭日にドーナツを食べた呪いの為クリスマスソングが作曲できない羊男は、穴のあいてないねじりドーナツを手に秘密の穴の底におりていきました。暗い穴を抜けるとそこにはーー。なつかしい羊博士や双子の女の子、ねじけやなんでもなしも登場して、あなたを素敵なクリスマスパーティにご招待します。