著者 : 東郷隆
激動の大塩平八郎の乱──大坂から脱出し、江戸に潜伏する泡界坊。ここでも不正を許せぬ心に火がついた。公方様御側衆の土田新吉郎が、将軍のおぼえめでたいのをかさにきて利権をめぐって悪行三昧。泡界は新吉郎を破滅させるため、類例のない大胆な策を講じる!
写本仕事でなんとか生計をたてる清二郎は、大塩平八郎に心酔して世直しを決意。同じころに出逢った破戒僧から見込まれ、「泡界」と名を変えて僧となる。やがて〈大塩の乱〉で師が非業の死を遂げ、泡界は違法な刷り物で世を掻き乱し、復讐をはたそうと暗躍する!
頃は鎌倉最末期。四天王寺から流出した奇書『未来記』をめぐる権力者同士の争奪戦に、天狗、妖人、名もなき庶民も加勢する。勝者は楠木正成か、怪僧文観か、後醍醐帝か、はたまた天狗か!? 未来を制するのはーー著者会心の歴史伝奇。
東郷隆の「妖しい」シリーズ第3弾でお届けするのは、“非科学的”忍者噺の数々。社会の裏で人知れず働く者として生を受け、育てられ、乱世の中でひたすら己の技を磨き続け。放火、盗み、諜報、裏切り、果ては要人の暗殺まで成し遂げる活躍をみせたものの、ひとたび乱世が収まれば、歴史の陰に淡雪のように消えていった彼らの、妖しくも物悲しい活躍譚を、始まりの飛鳥時代から終焉を迎えるまで、幅広く集めました。幻術師列伝と併せてとくとご堪能あれ。
鬼を斬り、怪を滅し、病を断つ。名刀とは姿かたちが美しいのみならずーー。「妖しい」シリーズ第二弾は、鬼切・安綱・鬼丸・にっかり・小狐丸……等々刀剣の怪綺談ばかりをとりあげてみることにしました。よく知られた刀剣伝説よりも、全国各地に散らばる、刀に絡む民話が中心です。当然のことですが、昔も刀に関してはほとんど知識が無い人々もいっぱいいました。夜噺の席の余興と思って、刀剣ビギナーの方も、どうぞお気楽にごゆるりとお楽しみください。
新たなる貿易の道を求め、東へ向かったナカツクニ(邪馬台国)の船団は、海霧に姿を隠した巨人に打ち沈められたという。“巨人”とは果たして何者なのか。女王・卑弥呼の密命を受け、東の情勢を探る旅に出た少年ワカヒコは、旅の途中、とある村の守り神である巨木を伐り倒そうとする“クナ王の使い”なる者に出くわす。クナ国といえば、ワカヒコの父・ススヒコが幼き頃、悪名高い暴君を倒し、人々を悪政から救ったという伝説が残る国だ。そのクナ国に、いつの間に新王が立ったのか。巨木を求める新クナ王の野望とは? ナカツクニとクナ国の最終決戦の幕が切って落とされる!--謎につつまれた弥生時代後期を舞台にした古代冒険小説三部作、堂々の完結編!
慶長5年9月15日(1600年10月21日)。美濃国・関ヶ原で起こった世紀の大決戦。東軍の総大将・徳川家康と西軍の実質的な大将・石田三成の天下を分ける戦いとして知られるが、勝敗の鍵を握ったのはこの二人だけではなかった。そのもっとも重要な人物は小早川秀秋。彼の裏切りは予測されていたにもかかわらず、味方に引き入れようと両軍の将たちは蠢いていた……前作をスケールアップして、7人の人気歴史作家が関ヶ原の戦場を活写する。累計28万部突破の大好評「決戦!シリーズ」第6弾! 葉室麟(黒田長政) 吉川永青(島左近) 東郷隆(仙石久勝) 簑輪諒(小川祐忠) 宮本昌孝(本多忠勝) 天野純希(小早川秀秋) 冲方丁(大谷吉嗣)
邪馬台国はどこにあったのか、卑弥呼は一体どこからやってきたのかーー日本のルーツと歴史上最大のミステリーに迫る古代冒険小説、第2巻。セリカ(中国)の東方、海の果ての火山島に、人の成る木があるという。木の実は美しい女性の形をしており、熟すとワークワークと啼いて木から落ちるとか。故にその島の名は「ワク」という。この伝説に憧れたひとりの男が、「ワク」を目指してローマの都を旅立った。一方、「ワク」の島で“鬼道を事とし、よく衆を惑わ”す女王・卑弥呼は、ひそかに苦悩していた。このナカツクニ(邪馬台国)は大きくなりすぎたーー。人々を養うためには東の国との貿易が不可欠。しかし、その船団は、海霧に姿を隠した巨人に襲われ打ちしずめられたという。卑弥呼の命を受けた少年ワカヒコは巨人が棲むという東の国、蓬莱国の秘密を探る旅に出た。
3世紀初頭、弥生時最後期。「倭国大乱」と呼ばれ、長く戦いの中にあった瀬戸内海沿岸部も、そのころになると、わずかながら平和な日々が続いている。その集落のひとつ、ウクイ村も一見穏やかな春を迎えていたが、村の秘密を知る大人たちの間には暗い影が差していた。卑弥呼のおさめる女王国に従わず、近隣諸国から税を取り立てるクナ国は、過去のある出来事を盾に、数年置きに生口(奴隷)として少年少女をさらっていく。一度クナ国に連れられた者は、二度とウクイの土を踏むことはなかった。今年がその年。十二歳となった少年ススヒコは、幼馴染の少女ツナテが生口に選ばれたことを知り、自らも名乗りをあげ、クナ国へ向かう。 一方、中国(後漢)から卑弥呼の元をたずねた使者・公達は、卑弥呼から意外な依頼を受ける。それは、クナ国の暴君にして自身の弟、ハヤスサの討伐だった……。
『決戦! 関ヶ原』が、さらにスケールアップして帰ってくる!慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。美濃国関ヶ原の地で、天下分け目の大会戦が勃発。乱世を終わらせる運命を背負ったのは、どの男だったのかーー。そんな関ヶ原を駆ける七人の武将を描くのは当代きっての歴史時代小説界の人気実力者たち。読者は、新たな関ヶ原を目撃する! 累計10万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。その中でも最高の人気を誇る『決戦! 関ヶ原』が、さらにスケールアップして帰ってくる! 慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。美濃国関ヶ原の地で、天下分け目の大会戦が勃発。乱世を終わらせる運命を背負ったのは、どの男だったのかーー。 そんな関ヶ原を駆ける七人の武将を描くのは当代きっての歴史時代小説界の人気実力者たち。読者は、新たな関ヶ原を目撃する! ダミアン長政 葉室麟 過ぎたるもの 吉川永青 戦さ神 東郷隆 名だけを残して 簑輪諒 蜻蛉切 宮本昌孝 秀秋の戯 天野純希 燃ゆる病葉 冲方丁
土佐国の豪族・長宗我部家の唯一の悩みは嫡男・弥三郎(のちの長宗我部元親)だった。軟弱者で「姫若子」と綽名された若者が、22歳にして臨んだ初陣とは?(「百足椀」)そのほか、織田信長、徳川家康、蒲生氏郷ら名だたる武将たちの初々しき出陣から無名の兵の壮絶な戦闘まで、戦国時代の人々の戦いの姿を、名手がリアルに描く傑作歴史小説集。
コードネーム”定吉七番”--大阪商工会議所秘密会所に所属し、唯一「殺しの許可証」を持つ丁稚。遡ること四半世紀、スイスアルプスのクレバスに消えたはずの定吉が、関西経済圏破壊を目論む悪の結社”NATTO”封殺のため、今蘇る。本家007も恐れをなす(はず?)、爆笑和製スパイアクション! 前口上 第一話 氷漬けの丁稚 第二話 彷徨う定吉 第三話 新たなる敵 第四話 仕事する丁稚 第五話 潜入する丁稚 第六話 咆哮する丁稚 第七話 朝日村の秘密 第八話 帝国の復活 最終話 明日への飛翔
戦国乱世にあって、甲冑は単なる武具ではなく、武士たちが野望を誇示する究極の自己表現だった。武将たちは競って凝りに凝った意匠の甲冑を身にまとい、我こそはと戦場を疾駆した。本書はそうした鎧と兜に関する奇譚、奇談を集めた短編集で、武将たちの夢、出世、野望、そして無念の死を抱えた6つの甲冑の秘話が収められている。登場する武将は織田信長、豊臣秀吉、蒲生氏郷、前田利家、井伊直政ら、名だたる武将ばかり。筆者はその群を抜く豊富な知識と伝記的物語つくりで定評ある東郷隆氏。戦国ファンのみならず歴史時代小説ファン必読の1冊です。
「定吉七番」-大阪商工会議所秘密会所所属の情報部員、「殺人許可証を持つ丁稚」である。八つ接のハンチング、唐桟のお仕着せに前垂れかけて、愛用の包丁「富士見西行」を懐に、関西経済界の破壊を目論む悪の結社「NATTO」(汎関東主義秘密結社)に、再び挑む。日本中を熱狂させた伝説のシリーズが、四半世紀ぶりに復活。爆笑必至のスパイアクションコメディ。
嫡男新八郎久勝を追い出す形で、美濃仙石家の家督を継ぐことになった権兵衛秀久。それは、信長率いる織田家と、龍興が君臨する斎藤家の勢力争いを受け、田舎領主が生き残るためにとられた苦肉の策だった。情愛の絆で結ばれた兄弟が辿る運命とは!?人気連載コミック『センゴク』から生まれた、痛快戦国小説。
大坂冬の陣後、つかのまの平穏な日が続く京、洛中に、一人の世捨人が暮していた。名は金森宗和。飛騨高山藩主の嫡男であったが、父より廃嫡された故である。茶の湯では名の知れた宗和の許には、大坂方や徳川方、様々な人が出入りしていた。最後の闘い、夏の陣で宗和は思わぬ事態に巻き込まれるのだが…。連作歴史短篇集。
攘夷御用盗・魁銀次郎は、縁あって相楽総三と行動をともにする。草莽の志士、相楽は密かに薩摩藩と通じ、江戸上屋敷で浪士隊を募る。西郷隆盛の意を受け、江戸の撹乱を企図したのだ。江戸城二の丸放火、薩摩藩邸焼き打ち、そして戊辰の戦へと続く幕末の大きなうねりの中で、銀次郎の非情剣が歴史に拮抗し閃光を放つ。長篇時代小説。
戦いは男たちのするもので、女たちは家を守ると信じられていた昔々、女だてらに甲胄を着込み、兵たちを叱咤し、敵と斬り結んだ姫君たちがいた。木曾義仲の愛妾・巴御前を始め、瀬戸内の海賊を率いた大三島のつる姫や、石田三成に攻められながらも武州忍城で見事な籠城戦を指揮した甲斐姫の活躍など、全六篇を収録。