著者 : 横山信義
「最優先目標は『ヤマト』と『ムサシ』。この二隻に、雷爆撃を集中せよ」 フィリピンへ来寇した敵上陸部隊を撃滅すべく、連合艦隊の全戦力を投じる捷号作戦が開始された。開戦以来の連戦により、戦力の大半を失った機動部隊は囮となり、米海軍空母部隊を戦場から引き離す作戦を実行、甚大な損害を被りつつも成功に導く。一方、大和、武蔵ら水上砲戦部隊はレイテ湾を目指し進撃を開始。だがそれは、米海軍の新鋭戦艦が待ち構える阻止線の正面突破を意味していたーー。前衛隊として突き進む防空巡洋艦「青葉」の前に、米海軍の防空巡洋艦「アトランタ」が立ち塞がる!
「敵ハ全力デ我ヲ攻撃中ナリ」 自らを餌として、敵を釣り上げる作戦は、成功しつつあるーー マリアナをめぐる決戦に勝利を得られなかった連合艦隊は中部太平洋最大の根拠地であるトラックを失った。環礁を占領した米軍は大航空兵力を送り込み、難攻不落の航空要塞を建設する。次の戦場はマリアナかフィリピンか。おそらく、この戦闘で日本の命運は決する。だが歴戦の空母は撃ち減らされ、艦上機搭乗員の補充もままならない連合艦隊には米艦隊と正面から戦う力はすでに失われていた。新司令長官小沢は、わずかな勝機に賭けて、機動部隊を囮として砲戦部隊を突入させるという作戦を命じたーー。
日本の機動部隊をウェーク島近海におびき出して殱滅するという米海軍の作戦は失敗に終わり、逆に米軍の空母部隊が壊滅してしまった。だが連合艦隊の損害も大きく、日米両軍ともに積極策を採れなくなり一年半余ーついに米太平洋艦隊の再建は成る。新鋭空母エセックス級の群れが新型艦上機隊を搭載し出撃。マーシャル諸島を制圧し、勢いに乗る米艦隊は、マリアナ、トラックに攻撃を開始する。果たして米軍の主攻目標はどちらなのか。第一機動艦隊司令長官小沢治三郎中将は、ある決断を下すが…。
「プリンス・オブ・ウェールズ」を撃退し、空母防御の楯となり得る防空巡洋艦に注目が集まる。海軍中央も防空艦の積極的起用を推進するが、開戦より時を経た米軍の物量作戦もまた着々と進められていた。
米国太平洋艦隊が突如フィリピンに現われたことにより、真珠湾奇襲攻撃は意義を失った。連合艦隊は作戦中止を決断、機動部隊に帰還命令を出す。一方、南方資源地帯を攻略すべく出撃した部隊が、分断され各個撃破される危機に陥っていた。脱出を図る南方部隊を救うべく、連合艦隊主力は帰還した機動部隊と合流し急ぎ南下するが、待ち受ける米艦隊との真正面からの激突は必至であった。敵味方ともに空母を擁する艦隊同士ー史上初・空母対空母の大海戦が南シナ海で始まった!
昭和一六年、日米両国の関係はもはや戦争を回避できぬところまで悪化。連合艦隊は開戦に向けて防空巡洋艦「青葉」「加古」を前線に出す。主砲すべてを高角砲に換装し、空母機動部隊を航空攻撃から守るために改装された艦である。だが「青葉」「加古」両艦は真珠湾攻撃への参加を見送られ、マレー・シンガポール攻略を担当する南方部隊に配属される。果たして、南方作戦に防空巡洋艦の出番はあるのか…。その時、陸海軍、いや日本中を動転させる驚愕の情報が飛び込んできた!新シリーズ開幕!
連合艦隊は奇策により、ラバウルに迫る米艦隊に大打撃を与えて撃退することに成功した。戦力を整えるための時間を稼いだ日本軍は、「信濃」「陸奥」の両空母と新型戦闘機「陣風」を配備するが、この戦力で次なる来寇に抗し得るのであろうか。日本の完全屈服を目論む米国は、首相となった山本五十六の講和の申し出をも一蹴、かつてない大兵力をもって攻勢作戦を発動した。果たしてこれが最後の戦いになるのか?山本が目指した日米講和は結実するのかー。シリーズ最終巻。
戦艦『大和』をもって英国最新鋭戦艦を撃破したものの、日本にはニューギニアを制圧し豪州を屈服せしめるまでの力はなかった。戦場での勝利を積み重ねて敵の継戦意思を折るという戦略に限界を感じた山本五十六は、講和に至る別の方策を探るべく、司令長官を辞して連合艦隊を去る。同時に、開戦以来攻勢を続けてきた連合艦隊は守勢に転じ、長期持久も視野に入れた艦隊編成と人事の刷新を行う。一方、米国は新兵器を装備した艦隊を珊瑚海に送り込んで来た。迎え撃つ新体制連合艦隊に勝算はあるのかー
第二次珊瑚海海戦に勝利し、米機動部隊を撃滅した日本軍。大きく継戦能力を落とした米国に対し、日本政府は水面下で早期講和の交渉を進める。しかし米国はこれを拒否し、モレスビー近海の日本軍補給線への攻撃を続行した。敗勢の米国が隠し持つ切り札、それは英国艦隊の豪州派遣であった…。英国M部隊の最新鋭戦艦「キング・ジョージ五世」「デューク・オブ・ヨーク」。対するは歴戦の戦艦「金剛」「榛名」、そして連合艦隊旗艦「大和」。珊瑚海にて、開戦以来最大の艦隊戦が幕を開ける!
珊瑚海海戦に勝利した日本軍はポート・モレスビーを占領。M0作戦の完遂という真珠湾以来の大戦果を上げた。その喜びも束の間、米機動部隊が日本占領下のツラギを攻撃。さらにガダルカナル島では米軍の飛行場が急ピッチで建設されていた。連合艦隊司令長官・山本五十六はM1作戦の中止を決定、標的をガダルカナル飛行場とソロモン諸島に変更する。だがその最中、米国はモレスビーへの輸送船団を強襲。対する日本軍は「蒼龍」「飛龍」ら機動部隊でケアンズ、タウンズビルの飛行場を攻撃し、米補給線の寸断を狙うのだがー。
房総沖にて演習中の呂号第四四潜水艦が、空母「ホーネット」率いる米国の艦隊を発見!日本本土の奇襲を狙う「ドゥリットル空襲」の迎撃に成功し、敵艦隊に大打撃を与えた。意気上がる日本軍は、ポート・モレスビー攻略を主眼とするMO作戦の完遂を目指し、空母「瑞鶴」「翔鶴」、戦艦「陸奥」「伊勢」らを中核とする艦隊を派遣。珊瑚海にて、雪辱に燃える米軍と激突するー。鉄壁の護りで米国を迎え撃つ、横山信義の新シリーズ、開幕!
日本軍はニューギニアの放棄と引き替えに、米国との海戦に勝利。友軍の救出に成功した。米国は占領したニューギニアを前線基地とし、戦力を結集。フィリピン陥落を目標に定め、日本の息の根を止めんとする。一方、グアムにも帝国海軍の最強戦力が揃う。その先頭には、奇跡の復活を遂げた戦艦「大和」の姿があった。皇国の存亡を懸けた最終決戦の時。「大和」は借りを返すことができるのか。そして日本軍の仕掛ける、乾坤一擲の秘策とはー?シリーズ堂々完結!
空母二隻を失った日本軍は、戦闘機「剣風」を量産し反撃の機会を窺う。だがその最中、米太平洋艦隊は戦略方針を転換。フィリピン奪回への布石として、ニューギニア島の陸軍第一八軍を猛攻する。一方、欧州ではドイツが米英の爆撃により弱体化。対日参戦に難色を示すイギリスは、アメリカとある密約を交わす。さらにイタリア・マルタ島上空には、英重爆撃機が出現し…。混沌が大陸を包む中、連合艦隊は壊滅寸前の第一八軍を救出するため、ニューギニアへの突入を決定。二倍以上の戦力差を前に、皇国の命運はー?そして柱島泊地にはあの巨艦の姿が!
日本軍は第三次ビスマルク海戦に敗れ、ビスマルク諸島の制圧に失敗。以降、機動部隊で米輸送船団を叩くことで、補給線寸断を狙う戦略を採る。しかし、対する米国もトラック島沖にて日本輸送船団を攻撃し、戦局は膠着の一途を辿っていた。一方、欧州戦線では連日、米英の戦略爆撃を受けるドイツに疲弊が目立ち始める。中立を守るイタリアを動かすため、連合軍はマルタ島に進出。外交戦が活発化する中、ソロモン諸島沖にて輸送船を狙う連合艦隊と、護衛にあたる太平洋艦隊がついに激突。巨大空母四隻による一大決戦が幕を開ける。両陣営、新型戦闘機を導入した戦いの行方はー?
空母三隻を撃沈された米国は、豪州領ビスマルク諸島に進出。ここを拠点とし、B17によるトラック諸島爆撃作戦を展開する。長距離爆撃が可能な機材を持たない日本軍は、水上砲戦部隊を投入。艦砲射撃でビスマルク諸島の米航空基地を破壊する策に出るが、米軍の基地設営能力は想像を上回る。幾度破壊しても再建される姿は、「不沈空母」と呼ぶべきものだった。一方、欧州ではドイツが英本土への上陸作戦に失敗。背後を窺うソ連にも不穏な動きがー。風雲急を告げる世界情勢の中、連合艦隊は「金剛」「榛名」を中心とした戦力を集結。夜陰に紛れ、要塞と化したビスマルク諸島を急襲する!
公試中の「大和」沈没という逆境の中、ハワイ沖海戦に勝利した第一航空艦隊。日本はその勢いのまま南方作戦を完了した。作戦の第二段階として、連合艦隊首席参謀・澄川道男は撃ち漏らした米空母撃滅のための秘策を立案する。一方、アメリカはイギリスに再三の対日参戦を要求するも、対独戦の激化を背景に拒否を受ける。ソ連も対独参戦を保留、欧州戦線は膠着する。痺れを切らした米太平洋艦隊は、戦力を真珠湾に集結し反攻を開始。グアム沖にて史上初の空母決戦が幕を開ける!
一九四一年十二月七日、真珠湾攻撃の前日。宿毛湾では戦艦「大和」の公試運転が行われていた。世界最大最強の戦艦がその偉容を示す中、海面下には不穏な影が蠢いていた。一方、欧州では空前の好景気に沸くイタリアが参戦を拒否。大西洋では米駆逐艦がUボートを撃沈し、米独戦の火蓋が切って落とされた。緊迫する世界情勢の中、真珠湾に向かう帝国海軍第一航空艦隊は、航行中に米太平洋艦隊に捕捉されてしまいー。日本は絶体絶命の窮地を覆すことができるのか?「大和」なき皇国の反攻を描く新シリーズ、ここに開幕。
戦艦「伊勢」「山城」の轟沈と引き替えに、連合艦隊は最重要拠点であるトラック環礁の防衛に成功した。しかし日本艦隊は、敵機動部隊への索敵の遅れから、引き続き防戦を強いられる。対空装備を強化した旗艦「大和」が奮戦する中、ついに索敵機「彩雲」が米空母を発見。皇国の窮地を救うべく、新型戦闘機「零戦三三型」と艦上爆撃機「彗星」が奇襲に向かうー。一方、米太平洋艦隊は英艦隊と連携し艦隊決戦の構えを取る。「大和」「武蔵」と米英両国の最強戦艦、太平洋の覇権を懸けた最終決戦の行方は!白熱の戦記巨編、ここに完結。