著者 : 横溝美晶
新宿中央公園わきの路肩にとめられていた乗用車の運転席で、チンピラが頭を打ち抜かれて死んでいた。車内からコカインが見つかり、このチンピラが死の直前に鼻孔から吸引しているのも確認された。同じ日、代々木の焼肉屋で九名の射殺死体が発見された。鑑識の結果、凶器はたった一丁のトカレフであることが判明した。両現場ともに目撃者はおろか銃声を聞いたものさえいなかった。その男の存在を、新宿署のマル暴刑事奥村が知ったのは、この事件が発端だった。
ビッグサイズに魅入られた義母は…。義母をはじめ、レズの中学生、ピチピチの女子高生、男嫌いの大学生と、次々と征服、“女の喜び”を味わせて行く、スケコマシ少年…。逸物を授かった少年の奔放な性。
三日池潤矢。十五歳の、とびっきりの美貌だった。彼には秘められた力があった。それを目覚めさせた、上級生の男女の痴態。彼は二人に、指先で触れるだけで苦痛と快感を与えてしまった。そして、その夜、母親の玲香からは「じゃこうの血が流れている…」との謎の言葉を聞かされた。舞台を軽井沢に移し、潤矢は女体を相手に自らの力を確信していた。「淫導師」を名乗る老人の出現により、今、潤矢の力が全開する。
さりげない会釈。思わせぶりな挨拶。畏れと媚びをふくんだ視線。六本木の街をゆく“J”に、そんなものがつきまとうようになった。たった一人でマシンガン片手に、コカイン密売組織を襲い、壊滅させた伝説のヒーローになってしまったのだ。誘惑も多い。その日の獲物は肉感的な唇をもった性悪猫のような魅力を放つ女だ。あえぎながら女は、シャワーを浴びるように懇願した。しかし、シャワーカーテンの隙間から突き出されたのはサイレンサー付きのワルサーP5だった。“J”を狙う執拗な視線。解き放たれた獣のゆくてには。
セックスがらみの揉めごと解決屋・氷室凍馬のもとに、名門の誉れ高い薔薇百合女子学園理事長・新藤有美が訪ねてきた。その依頼とは、同校の生徒が麻薬欲しさにアルバイトで売春をしているという密告の真偽を確かめることであった。思念によって性感を刺激し、めくるめく快楽の波に乗せて人物を自在に操る淫導術。その奥義を極めている凍馬は、売春を名指しされた十六歳の美少女・松尾香苗を待ち伏せし、彼女の奔放なまでの欲望に超絶性技で応えてやる。だが、香苗は売春組織の実体を知らず、ある衝撃的事実のみを語った。
妹の肉体を“名器”から“鈍器”になおしてほしい-。凄艶なる美女が持ち込んだ奇妙な依頼、それは心霊治療師・丸尾遊介をふたたび闇の世界へと誘った。眠ったまま淫夢を見続け、近づく男達全てに、快楽の思念を放出する美少女、それが今回の患者だった。遊介の両手が、怒りの刃と化す時がまたやってきた。
男たちは地下駐車場に潜んでいた。赤いフェラーリのドアを開けた瞬間、殺気がきた。助手席の側に若い男が立っている。手には飛び出しナイフ。「人違いだ」と言って、車に乗り込もうとした時、背後から衝撃がきた。首筋に激痛が走り、思わずコンクリートのフロアに両膝をついていた。内ポケットから札入れが抜きとられ、めった打ちにされたらしい。記憶がとぎれ、目覚めた時には、襲ってきた2人組の男が血まみれで倒れていた…。東京都水上区-東京湾埋め立てで出来た人工都市を疾駆する本田慈英にまつわる秘密とは。書下し長篇ハード・アクション。
東京湾に出現した魔窟・水上区で残虐な殺人が連続し、死体はなぜか無惨に喰い荒らされていた。折しも巷では正体不明の獣人の黒い噂が流れ、住民を恐怖のどん底に陥れていた。事件の拡大を恐れた当局は、腕利きの獣人ハンター竹辺弾十郎に事件解明を命じた…。大都会の闇を跋扈する獣人の驚くべき正体とは?激化する殺戮の真相は?また“獣使い”の異名をとる弾十郎の切り札とは?若手実力派の俊英が描く、白熱のバイオレンス傑作。
覚醒した“蛇御子”を胎内に宿し、殺人鬼と化した美少女花房詩央里を救うべく、不死身の男葛城乱は九頭の蛇巫子に協力を求めた。一方、眠れる母優里子を蘇生させるため超能力者狩りを続ける双子の弟花房優希夫は、強大な生命力を貪る思念中毒に陥り“光明の方舟”教団の信者16人を血の儀式に捧げた。箱根山中の地下祭殿で繰り広げられる乱、詩央里、優希夫の凄絶な闘いと運命…。危険な魅力を満載した〈アーバン・ユニコーンシリーズ〉絶頂の完結編。
新都心、東京都水上区。超高層ビルの光輝く巨大な針山がそそり立つ。この巨大な人口島に棲む、もっとも美しい野生が高瀬珠理だ。身長180センチ、体重70キロ、21才。褐色の身体に、てろんとしたナイロンのブラジャーとビキニ・パンティーが張りついている。その珠理が背すじをふるわせた。おびえは去ろうとしない。心臓の鼓動がおさまらない。メシャ!頭のなかで、はっきりとひびいたのだ。ボーイ・フレンドの頭が対向車に轢きつぶされた音だ。これで3度目、この10カ月で3人のボーイ・フレンドを事故で亡くしたのだ。偶然だとしたら、できすぎている-事故ではなく、殺人ではないのか。
財界大物で精神文化活動に熱心な財前矢一郎のスキャンダルを追う葛城乱は、彼の手許に、古代マヤ文化の水晶髑髏があることを掴んだ。本来は九頭流占い師蛇巫女の使う道具で、何者かに盗まれた物なのだ。それが、なぜ財前コレクションにあるのか?事件は当初、小さなものに思えたが、それが狂気の地獄への第一歩となった。真相を追う乱をつけ狙う男たちと、甘美な肉体を武器に罠を仕掛ける美女たち。水晶髑髏盗難と乱襲撃、そして財前との関係は?やがて事件の背景に蹲る巨大な謎と恐怖が目覚め始めた…。不死身のスーパー・ヒーロー葛城乱の活躍を描く〈アーバン・ユニコーンシリーズ〉白熱の開幕。
山之内さくら、ちょっとボーイッシュな女のこ。女のこのあいだでファン・クラブつくられちゃって、ちょっとショック。学校のコンピュータのミスで、あたしの成績がオール5だって。センセーにはうたがわれ、もうムカつく。あたし、探偵になって、ぜったい犯人つかまえる。