小説むすび | 著者 : 皆川博子

著者 : 皆川博子

昨日の肉は今日の豆昨日の肉は今日の豆

敗戦の喪失、感染症の混乱。反転する社会のなか、独り生き続ける人々が見つめるものはーー。幻想、ミステリ、詩歌を自在に横断し、言葉と物語の極致へ。皆川博子最新作品集。 ・ 物語の女王が統べる幻想の王国へ ・ 戦時下の日常と古代の戦乱が共鳴する「牧神の午後あるいは陥穽と振り子」、豆化症に罹った夫と暮らす老女の明日は……「昨日の肉は今日の豆」、花々の香りが戦火の記憶を呼び覚ます「香妃」、家に子供を奪われた叔母が覗いた夜の夢「Lunar rainbow」-- ・ 短篇・俳句・詩27篇と書き下ろし短篇「ソーニャ 序曲」(『ジンタルス RED AMBER』スピンオフ)を収録。 ・ 現世と彼方融け合う、幻想作品精華。 ・ 【目次】 ・ 薊と洋燈 藤棚の下で 椿と 罌粟の家 壜の中 川のほとり 夏を病む ララバイ 君よ、帰り来ませ 『希望』 あやとり 牧神の午後あるいは陥穽と振り子 ・ 試作1 青へ 泰山木 忘れ螢 人形の家 しらない おうち 主さん 強おして 昨日の肉は今日の豆 ソーシャル・ディスタンス 夕の光 風よ 吹くなら 香妃 哀歌 Lunar rainbow Fragments ソーニャ 序曲 ・ ・ 編者解説 日下三蔵

クロコダイル路地クロコダイル路地

出版社

講談社

発売日

2019年1月16日 発売

quo fata trahunt, retrahuntque, sequamur. 運命が運び、連れ戻すところに、われわれは従おう。 1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。帯剣貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、港湾労働と日雇いで食いつなぐ平民のジャン=マリと妹コレット。〈革命〉によって変転していくそれぞれの運命とは。上巻は貿易都市ナントを舞台にしたフランス編。 「法廷で裁かれるのは〈犯罪〉だ。神が裁くのは、〈罪〉だ」 革命は終わった。 登場人物たちは、フランスを脱出してイギリス・ロンドンへ。ローラン、ピエール、コレットは、革命期に負った「傷」への代償としての「復讐」を試みる。 「革命という名の下になされた不条理に、私は何もなし得ない。ゆえに、個が個になした犯罪の是非を糺す資格も、私は持たない。私は、法がいうところの犯罪者になるつもりだ」 私は、殺人を犯す。それは罪なのか? あの「バートンズ」も登場!下巻は産業革命期のロンドンを舞台にしたイギリス編。 小説の女王が描く壮大な叙事詩的物語と、仕組まれた巧妙な仕掛けに耽溺せよ。

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