著者 : 知念実希人
あらゆる臓器に同時多発的に悪性腫瘍が生じる奇病「シムネス」は、星嶺医大附属病院の伝説的外科医・火神郁男の命までも奪った。 火神の死から三年、ナースエイドと外科医の二刀流で働く桜庭澪は、新時代のがん治療装置「オームス」のテストオペレーターとしてハイレベルな手術を一手に引き受けていた。 オームス実用化に向けた重要な手術を控えたある日、医師免許を剥奪され海外に渡っていた竜崎大河が突然姿を現す。 澪と大河は再びタッグを組み、シムネスの驚くべき秘密に迫っていく。 プロローグ 第一章 三年目の再会 第二章 シムネスの正体 第三章 最終決戦 エピローグ
「黄泉の森には絶対に入ってはならない」 人なのか、ヒグマなのか、禁域の森には未知なる生物がいる。 究極の遺伝子を持ち、生命を喰い尽くすその名はーーヨモツイクサ。 北海道旭川に《黄泉の森》と呼ばれ、アイヌの人々が怖れてきた禁域があった。 その禁域を大手ホテル会社が開発しようとするのだが、作業員が行方不明になってしまう。 現場には《何か》に蹂躙された痕跡だけが残されてた。 そして、作業員は死ぬ前に神秘的な蒼い光を見たという。 地元の道央大病院に勤める外科医・佐原茜の実家は黄泉の森のそばにあり、 7年前に家族が忽然と消える神隠し事件に遭っていて、今も家族を捜していた。 この2つの事件は繋がっているのか。もしかして、ヨモツイクサの仕業なのか……。 本屋大賞ノミネート『ムゲンのi』『硝子の塔の殺人』を超える衝撃 医療ミステリーのトップランナーが初めて挑むバイオ・ホラー!
これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、“戦場”に身を投じた3人の物語ー大学病院の勤務医で、シングルマザーの椎名梓。同じ病院に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子。引退間近の70代の町医者・長峰邦昭。あのとき医療の現場では何が起こっていたのか?自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた圧巻の物語。
研修を経て、循環器内科医となった諏訪野良太は、学会発表を終えた帰り、医学生時代の同級生である小鳥遊に遭遇する。小鳥遊が連れていた研修医・鴻ノ池に、研修のエピソードを求められた諏訪野の脳裏に蘇るのは、親身に寄り添ってきた患者たちのこと。まるで戦場のような救急部、心の傷と向き合う形成外科、かけがえのない“ある人”との出会いと別れを経験した緩和ケア科。切なくもあたたかな記憶の扉がいま開く。心震える医療ミステリ「祈りのカルテ」シリーズ、待望の新刊!
2匹の勇気が、きっとあなたを強くする!『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』を超える、予測不能なスペクタクル!黒猫のクロは、今まさに自殺しようとする料理人に出会う。彼は婚約者に拒絶され、さらにその彼女を喪い、絶望の淵に追い詰められたのだ。一方そのころ、ゴールデンレトリバーのレオもまた、新たな「未練」を解決しようと動き出した。「人魂」の噂が飛び交い、不審火事件が続く街で、一体何が起きているのか。すべての謎が一つに繋がったとき、シリーズ最大のピンチが2匹に迫っていた。『我が主様』の命により、動物の姿を借りて地上に降り立ったレオとクロ。彼らの本質は高位な霊的存在、いわゆる「死神」「天使」-。「生と死」に寄り添う隣人たちの、心震わせるミステリーシリーズ第3弾!
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼ー通称「真夜中の解体魔」。婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。「彼は、『真夜中の解体魔』だ」とー。涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は涙を流しながら訴える。「僕は罠にかけられただけなんです」とー。無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが…涼介は真犯人に操られた哀れな人形なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。衝撃のクライマックスに、きっとあなたは絶叫する。
ミステリを愛するすべての人へ 当作の完成度は、一斉を風靡した わが「新本格」時代のクライマックスであり、 フィナーレを感じさせる。今後このフィールドから、 これを超える作が現れることはないだろう。 島田荘司 ああびっくりした、としか云いようがない。 これは僕の、多分に特権的な驚きでもあって、 そのぶん戸惑いも禁じえないのだがーー。 ともあれ皆様、怪しい「館」にはご用心! 綾辻行人 500ページ、一気読み! 知念実希人の新たな代表作誕生 作家デビュー10年 実業之日本社創業125年 記念作品 雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。 地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。 ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、 刑事、霊能力者、小説家、料理人など、 一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。 この館で次々と惨劇が起こる。 館の主人が毒殺され、 ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。 さらに、血文字で記された十三年前の事件……。 謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。 散りばめられた伏線、読者への挑戦状、 圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。 著者初の本格ミステリ長編、大本命! 【目次】 プロローグ 一日目 二日目 三日目 最終日 エピローグ 『硝子の塔の殺人』刊行に寄せて 島田荘司
島田荘司、陳浩基、知念実希人、陸秋槎、林千早、石黒順子、小野家由佳の7名の作家によるアンソロジー。翻訳は『ディオゲネス変奏曲』や『元年春之祭』などを手掛けた稲村文吾氏。 台湾の金車・島田荘司推理小説賞の出世頭、陳浩基氏と、日本の福山ミステリー文学新人賞の出世頭、知念実希人氏(略)勢いのある二人の書き下ろし作を獅子のお頭に仕立てて、上り調子の書き手たちの新作や、未発表作(略)、将来有望な才能たちの習作などを後方にしたがわせて、いわば獅子舞を目論んだというところである。(島田荘司氏 前書きより)
胃に遺された暗号と迷宮事件、2つの謎に病理医コンビが挑む。「死んだらすぐに遺体を解剖して欲しいー」医師の千早が父の遺言に従い遺体を解剖すると胃の内壁に暗号が見つかった。28年前、連続殺人事件の犯人を追うために父が警察を辞めたことを知った千早は、病理医の友人・紫織と胃に刻まれた暗号を読み解こうとする。時を同じくして28年前の事件と似通った殺人事件が発生。絡み合う謎を、千早と紫織の医師コンビが解き明かす!
西東京市に聳える時計山病院。十一年前の医療ミスで廃院に追い込まれたこの場所で、一人の看護師が転落死する。死亡状況や解剖結果から自殺が有力視される中、娘の由梨だけはそれを頑なに否定した。天医会総合病院の副院長・天久鷹央は彼女の想いに応え、「呪いの病院」の謎を解くことを決意する。死体にまったく痕跡が残らない“魔弾”の正体とは?現役医師が描く医療ミステリー!
左手に宿る“兄”と俺。奇妙な2人の逃避行が始まるーある事故以来、左手から死んだ兄・海斗の声が聞こえるようになった岳士。家出した2人は殺人事件に巻き込まれ、容疑者として追われるはめに。濡れ衣を晴らそうと奔走する岳士と海斗だが、怪しいドラッグ「サファイヤ」、そして美しい彩夏との出会いで“兄弟”の思惑はすれ違いだす…予想不可能のラスト、切ない衝撃に涙があふれる。
地球に向けて、巨大小惑星ダイスが接近中。人類は、あと5日で終わりを迎える。人々はその瞬間、『裁きの刻』をどう迎えるのかー。高校生の漆原亮の姉、圭子が殺された。コスモスの咲き乱れる花壇で、全裸で胸にナイフを突き刺された姿で発見された姉は、亮にとって唯一の家族、“世界そのもの”だった。恋人のこともそっちのけで、亮はとにかく犯人を見つけ出し、自分の手で復讐したいと暴走。そして“あるもの”を手に入れるため、クラスの“禁忌”と呼ばれる異端児・四元美咲に接触する。優しく、美しかった圭子を殺したのは、圭子の恋人だったのでは?しかしそれが誰なのかわからない。犯人を追い求めて、亮は圭子が入っていた天文学同好会、そしてダイスを崇拝するオカルト集団「賽の目」に踏み込んでいく…。人類滅亡まであと幾日もない中で、なぜ圭子は殺されなければならなかったのかー。絶望×青春ノンストップタイムリミット・ミステリー!!
大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。個性的な研修医達の指導をし、告発の真相を探るなか、怪文書が巻き起こした騒動は、やがて予想もしなかった事態へと発展していくー。
安倍晴明と同時代に生きた平安時代の陰陽師・蘆屋炎蔵の墓を調査した大学准教授が、不審な死を遂げる。死因は焼死。火の気がないところで、いきなり身体が発火しての死亡だった。殺人。事故。呪い。さまざまな憶測が飛び交う中、天医会総合病院の女医・天久鷹央は真実を求め、調査を開始する。だが、それは事件の始まりに過ぎなかった…。現役の医師が描く本格医療ミステリー!
諏訪野良太は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修中で、内科、外科、小児科、産婦人科など、様々な科を回っている。ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷で刻まれていた。離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという。しかし良太は、女性の態度に違和感を覚える。彼女はなぜ、毎月5日に退院できるよう入院するのか…。(「彼女が瞳を閉じる理由」)初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人、循環器内科に入院中の我が侭な女優…。驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、新米医師、良太はどう解き明かすのか。ふと気づけば泣いていた。連作医療ミステリ。