著者 : 篠田真由美
生まれる前のわたくしたちは、互いに翼を連ねて飛ぶ鳥だったーヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、天真瀾漫なレディと国際色豊かな使用人たちが謎に挑む傑作ミステリシリーズ。待望の書き下ろし新作!
誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているものー。実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」をテーマに挑んだエンターテインメントの傑作!多彩な物語全てに、共通の“なにか”が隠されています。(答え掲載の「あとがき」は、最後にお読みください)これが、本物の短編小説集。
“貴種”と呼ばれる吸血種たちを支配する上王。その宮廷で無事に伯爵位の襲爵式を終えたイオアンは、同時に公爵位を賜る。それは彼と従者ラウルにとり、宮廷内の羨望と嫉妬を浴びるだけでなく、恐ろしい陰謀に巻き込まれる始まりだった。しかも、その背後にいたのは、人間たちが信奉する教会の聖山を壊滅させた上王の叔父イリヤー異形の者と成り果てたーだった。混乱を起こし、都を蹂躙するイリヤを辛くも上王が倒し、平和が戻った矢先、彼は退位を宣言した。華麗なる新吸血鬼譚、最終巻!
連作ではなく、単発でしか描けない世界があるー9人の人気女性作家が、それぞれの持ち味を存分に発揮し、今大変注目を集めている「捨てる」をテーマに豪華競作!女性作家ならではの視点で、人の心の襞をすくいとり丁寧に紡がれた9篇は、いずれも傑作ぞろい。さまざまな女たちの想いが交錯する珠玉の短編小説アンソロジー。収録作「ババ抜き」日本推理作家協会賞受賞!
夜になると棺から出てさまよい歩くミイラ。その噂に好奇心を刺激されたレディ・シーモアだったが、所有者である伯爵との間には浅からぬ因縁があった。ミイラが安置された別荘でのパーティに招待されたレディは、曰くあり気な人物が集まる中、女性冒険家として名高いナポレオーネ・コルシと旧交を温めるのだが。19世紀イギリスを舞台に闘う女性たちを描く冒険物語の傑作。
1999年、世界は数々の怪奇現象に見舞われていた。東京直下大地震を生き延びた少年ヒカルは、ヴェネツィアに流れ着く。瀕死の彼を救ったのは、アラブ系らしい彫り深い顔立ちの執事と、菫色の眸を持つ美少年だった。だが、生まれつき不思議な力を持つヒカルは、謎めいた主のある秘密に気づいてしまう。折しも、過去の魔手がヒカルに迫ろうとしていたー。頽廃した水の都を舞台に、光と闇の熾烈な闘いを描く、壮大で美麗な物語。
はじめてのひとり暮らし、旅先、迷路、父か母か。そして、俺の人生を狂わせた、憎いあいつを殺してしまうか…。誰もがいつでも迷っている。迷うほどに、心を揺さぶる。短編の饗宴。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。
ミカドの持ち物だったと騙る「翡翠の香炉」詐欺。日本人村の火災と焼け跡から発見された死体。そして記憶喪失の日本人青年。日本趣味が人気を集めるロンドンで起きた日本に関連する三つの事件にレディ・シーモアとチーム・ヴィクトリアの面々が挑む。ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に天真爛漫なレディと怜悧な男装の麗人、やんちゃな奉公人たちが活躍する極上の冒険物語。
考古学者のルカが姿を消した。ナチス・ドイツの研究機関アーネンエルベで、養父の父親の同僚だった男に招かれ、南ドイツの古城に出かけたという。ルカが勤めるトリノのエジプト博物館から助けを求められた夜刀は、単身城に乗りこむ。彼を迎えたのは人形のように生気がないルカと、おぞましい秘密を持つ住人たちだった…性格も見た目も正反対の“腐れ縁コンビ”が再びタッグを組む!多彩な館と謎ときが魅力のミステリ・ホラー。
デヴォンシァの田舎町からロンドンへやってきた新米メイドのローズ。奉公先は使用人も働き方も型破りで、毎日が驚きの連続。なぜかご主人のレディ・シーモアは、顔も見せてくださらない。仕事のかたわら、消息不明の兄を捜そうと、うさんくさい探偵の手を借りてイーストエンドの阿片窟へ飛び込んだローズ。ただの人捜しのはずが、待ち受けていたのは思いもよらぬ事件だった!
『僕はーヒトゴロシ』。謎の詩を残して姿を消した桜井京介は、久遠アレクセイの名に戻り、14歳まで育った屋敷にいた。神代宗の話を聞いた蒼は、京介を捜し歩き、20年前の忌まわしき事件を知る。久遠家のルーツが明らかになった時、父グレゴリの狂気が京介を襲う!「建築ミステリ」の金字塔、ついに完結!
世界中で愛読される『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をテーマに、人気ミステリー作家・有栖川有栖、宮部みゆき、篠田真由美、柄刀一、山口雅也、北原尚彦が紡ぐ6つの物語。事件から事件へ、現実と異世界を自在に行き来する、ユーモアと不思議が溢れるアリスの世界へようこそ。
奇妙な外観の埃及屋敷に、心霊科学実験のため集まった4人の男女。戦時中、密かに持ち込まれたエジプト遺物がひしめく地下で、館の主は首無し死体で発見されたという。本人たち曰く“腐れ縁”で結ばれたトリノのエジプト博物館学芸員のルカと、比較宗教学者の御子柴は、館に渦巻く不穏な空気と、不可思議な現象に立ち向かう。だがそれは忌まわしい悲劇の始まりにすぎなかった…謎と恐怖が織りなす美麗な館ミステリ・ホラー。
アルヴァストン伯爵家で行われた晩餐会の夜、「エトワール」と讃えられるダイヤモンドの耳飾りが片方だけ、忽然と消えた。スコットランド・ヤードも手を焼くその事件は、噂話には事欠かないヴィタ・アメリ・シーモア元子爵夫人に持ち込まれることに。天真爛漫なレディと笑顔ひとつ見せない美貌で有能なメイド。19世紀ロンドンを舞台に自由な女性たちの冒険が、はじまる!
一九八〇年秋、突然の義父の死。神代宗は傷ついた心を埋めるため訪れた北の町で、殺人の罪を着せられてしまう。そして、疑惑が晴れぬまま土地を支配する久遠家の「館」に軟禁され、血塗られた過去を目撃する。謎の美少年・アレクセイが悲劇の真相を語りはじめたとき、銃声が轟いた!大人気シリーズ第14弾。
ー俺は、カインだったんだー深夜、謎めいた電話を受けた少年が貴船山中の廃墟で見出したのは、ふたりの兄たちの無惨な死体だった。アベルを殺したのがカインなら、カインを殺したのは誰なのか。天才建築家・橘霆の胸中に眠る愛の記憶。あえかなる水琴窟の音色の彼方に桜井京介がたどり着いた情景とは。旧約聖書に書かれた人類最古の殺人をモチーフに描く表題作(「誰がカインを殺したか」)ほか、慈しみに溢れた傑作短編4編を収録。
“貴種”と呼ばれる吸血鬼たちが人間を支配する世界。隣国の急襲に遭って落城し、そこから逃げのびたシェミハザ伯爵の嗣子イオアン。侍者ラウルとともに襲爵のため、上王のいる都へ向かった。その途中で人間たちが信奉する教会の聖山がある都に立ち寄る。そこへ彼らの追っ手でもあるマステマ伯爵の軍勢が攻め込み、おまけに聖山の外に住む下層民たちが叛乱を起こした。すべての騒乱は、前上王の弟イリヤが、異能な力を使って仕掛けたことだった。イオアンたちの住む大陸とは海を隔てた島、女王ゼノビアが治めるアルビオンから来た少女アイーシャたちの手助けもあり、イリヤを撃退したが…。書下し長篇第五弾!