小説むすび | 著者 : 辻堂ゆめ

著者 : 辻堂ゆめ

紙魚の手帖Vol.21紙魚の手帖Vol.21

■第24回大藪春彦賞受賞作『トリカゴ』で活躍した、刑事たちの新たな活躍! 辻堂ゆめ、ミステリ長編新連載『その火を消し止めて』スタート。■気鋭6名による傑作読み切り 笹原千波「限りある夜だとしても」、似鳥鶏「日常的な非日常」、町田そのこ「蛍が舞うころに」、溝渕久美子「五パーセントの存在理由(レゾンデートル)」、雪富千晶紀「午前零時の講演会 新釈『耳なし芳一』」。■2024年ヒューゴー賞短編部門候補作、宝樹「美食三品」掲載ほか。 【新連載】 その火を消し止めて 第1回 辻堂ゆめ ●『トリカゴ』で活躍した刑事たちが挑む、新たな事件。待望の新連載スタート! 【小説・連載】 きみのかたち 第15回 坂木 司 ●周囲に迷惑ばかりかける嫌われものの転校生。だけど、彼がそんなふうになったのには理由があってーー フルハウス 第5回 堂場瞬一 ●昨夜も夜中までエゴサーチをしてしまった。ネットで早見を非難する声が上がっているのだ…… ※西條奈加「お蔦さんの神楽坂日記」は休載です 【小説・読切】 限りある夜だとしても 笹原千波 ●余命わずかな友人からの呼び出し。ふたりは食事をし、夜の住宅街を歩きながら静かに言葉を交わす 日常的な非日常 似鳥 鶏 ●茶道華道部で壺が割れる新たなトラブル発生。〈市立高校〉シリーズ最新短編登場 蛍が舞うころに 町田そのこ ●少し付き合ってくれないかーーアルバイト先の先輩に頼まれて向かった先は、火葬場だった 五パーセントの存在理由(レゾンデートル) 溝渕久美子 ●2030年代、〈感動〉がすべての価値を決めた。プロ野球の世界にも、それを数値化する〈感動係数〉が導入されたーー 午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」 雪富千晶紀 ●大勢の死傷者を出したツアーバスの事故で、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて…… 美食三品 宝樹(バオシュー) 立原透耶 訳 ●もしも他人のグルメ体験を共有できるようになったら? 2024年ヒューゴー賞候補作 【コミック】 第10回 口口口口口 熊倉 献 ●あなたはどんな漢字に住んでみたい? 久闊(きゅうかつ)を叙(じょ)する二人が見つけた、理想の間取りとはーー 【ESSAY】 私の小さな地図帖 その十 遊びをせんとや 山崎佳代子 装幀の森 第15回 山田英春 翻訳のはなし 第十九回 携帯電話 三辺律子 乱視読者の読んだり見たり 第14回 悪書のすすめ 若島 正 ホームズ書録 古書即売会で知られざるホームズ翻案が 北原尚彦 【COLUMN】 ごほうびごはん*愛のラザニア 鈴森 琴 行かない旅の栞*旅先での心残り 澤村伊智 読書日記 紺野天龍 ※戸川安宣「みすてりあーな・のーと」は休載です 【INTERVIEW 期待の新人】 雨井湖音 谷 夏読 【INTERVIEW 注目の新刊】 『願わくば海の底で』 額賀 澪 【BOOKREVIEW】 [文芸全般]   瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF]      渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣

山ぎは少し明かりて山ぎは少し明かりて

出版社

小学館

発売日

2023年11月15日 発売

祖母が守りたかったもの、それは? 瑞ノ瀬村に暮らす佳代、千代、三代の三姉妹は、美しい自然の中をかけまわり元気に暮らしていた。大切な人が戦地から帰ってくる日も、村中から祝われながら結婚式を挙げた日も、家で子を産んだ日も、豊かな自然を讃えた山々の景色が、佳代たちを包み込み、見守ってくれていた。あるときそんな瑞ノ瀬村に、ダム建設計画の話が浮上する。佳代たちの愛する村が、湖の底に沈んでしまうという。佳代は夫の孝光とともに懸命に反対運動に励むが──。 定年退職まで営業部で忙しく働く佳代の娘・雅枝と、海外留学先であるイタリアで「適応障害」になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫・都。湖の底に沈んだ瑞ノ瀬への想いはそれぞれにまったく異なっていた。 大藪春彦賞受賞、吉川英治文学新人賞ノミネートなど、いま最注目の若手作家・辻堂ゆめの最新刊! 都市開発や自然災害で、瞬く間に変わりゆく日本の古き良き故郷(ふるさと)の姿。私たちが得たものと失ったものは、一体何なのか。若き作家が三世代の親子の目を通じ、変わりゆく日本の「故郷」を壮大なスケールで描いた感動作。

十の輪をくぐる十の輪をくぐる

出版社

小学館

発売日

2020年11月26日 発売

2021年へ!時代を貫く親子三代の物語 スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は・・・・・・東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。 51年前ーー。紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。 泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていてーー。 1964年と2020年、東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作!前作『あの日の交換日記』が大好評!!いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!! 【編集担当からのおすすめ情報】 今作は、半分は母・万津子が青春時代を過ごした1950年代、60年代を舞台にしています。紡績工場の女工たちの過酷な労働や、炭鉱で働く男性たち、夫から虐げられる女性の日常が、鮮やかに、ときに生々しく描かれていきます。 万津子が話す大牟田弁は、著者の大牟田出身のお祖母様が監修してくださったとのこと。さらに当時のことをたくさん取材したという当時の背景描写も相まって、20代の著者が書いたとは思えないリアルさには、どこか懐かしさすら感じられるほどです。 景色も価値観も、めまぐるしい速度で変化していく東京。女性の社会進出や、LGBTQ、人種問題など、個性の在り方、捉え方は、日々アップデートされていきます。この作品は、時代とともに変化する生き方の指針にもなる傑作だと思っています。(このあたりはネタバレになってしまうので、ぜひ、読んでお確かめください!) 2020年の東京オリンピックは幻の中に消えてしまいました。明るい未来を2021年に託し、この作品を送り出したいと思います。 辻堂さんがひときわ力を入れて書かれた今作が、さらに次の世代へと読み継がれる作品になりますように。祈りを込めて編集しました。ぜひ、お手にお取りください

君の想い出をください、と天使は言った(1)君の想い出をください、と天使は言った(1)

出版社

KADOKAWA

発売日

2019年8月23日 発売

河野夕夏は絶望していた。 急性の脳腫瘍で倒れて入院し、医師の態度から最悪の結果を察してしまったのだ……。 その夜、ひとりで泣いていると、目の前に、真っ黒な服をまとった不思議な青年が現れる。 彼は自らを「悪魔」と名乗り、夕夏に取引を持ちかけた。「君の命を助ける。その代わりに、君の最も大切なものを一つ奪う」とーー。 目覚めると、夕夏の腫瘍は良性に変わっていた。しかし、彼女はここ2年間の記憶を失っていたのだ。 けれど、夕夏には頼れる人もいない。両親とは、夕夏が幼い頃に起きたある事件をきっかけに疎遠になっていた。 病院から報せを受け、夕夏を心配した両親は、長野から駆けつけるが、夕夏は心を開くことができない。 就職して3年になる銀行でも、仕事の内容が全く思い出せず戸惑う夕夏。後輩たちから何故か恐れられているのも気にかかる。 窓口に連日やってくるクレーマーの対処にも手間取り、夕夏は意気消沈する。 そんなある日。同僚の菊池から誘いを受け、心が浮き立つ夕夏。 時を同じくして、アパートの前に、あの夜、枕元に立った謎の青年が現れーー。 「私の一番大切なものって、何だろう……?」 小さな違和感が、大いなる感動とともにほどけてゆく。涙なしには読めないやさしいラストが待つ、極上の恋愛ミステリ。 ☆感動の声、続々!!!☆ 記憶に何らかの理由でアクセスできなくても、周囲の人たちの中に、自分の知っている自分よりずっとはっきりした輪郭を持って、自分がいる。それを再発見できるってこんなに幸せなことなんですね。 ーー大学生・20代男性

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