著者 : 辻堂ゆめ
■第24回大藪春彦賞受賞作『トリカゴ』で活躍した、刑事たちの新たな活躍! 辻堂ゆめ、ミステリ長編新連載『その火を消し止めて』スタート。■気鋭6名による傑作読み切り 笹原千波「限りある夜だとしても」、似鳥鶏「日常的な非日常」、町田そのこ「蛍が舞うころに」、溝渕久美子「五パーセントの存在理由(レゾンデートル)」、雪富千晶紀「午前零時の講演会 新釈『耳なし芳一』」。■2024年ヒューゴー賞短編部門候補作、宝樹「美食三品」掲載ほか。 【新連載】 その火を消し止めて 第1回 辻堂ゆめ ●『トリカゴ』で活躍した刑事たちが挑む、新たな事件。待望の新連載スタート! 【小説・連載】 きみのかたち 第15回 坂木 司 ●周囲に迷惑ばかりかける嫌われものの転校生。だけど、彼がそんなふうになったのには理由があってーー フルハウス 第5回 堂場瞬一 ●昨夜も夜中までエゴサーチをしてしまった。ネットで早見を非難する声が上がっているのだ…… ※西條奈加「お蔦さんの神楽坂日記」は休載です 【小説・読切】 限りある夜だとしても 笹原千波 ●余命わずかな友人からの呼び出し。ふたりは食事をし、夜の住宅街を歩きながら静かに言葉を交わす 日常的な非日常 似鳥 鶏 ●茶道華道部で壺が割れる新たなトラブル発生。〈市立高校〉シリーズ最新短編登場 蛍が舞うころに 町田そのこ ●少し付き合ってくれないかーーアルバイト先の先輩に頼まれて向かった先は、火葬場だった 五パーセントの存在理由(レゾンデートル) 溝渕久美子 ●2030年代、〈感動〉がすべての価値を決めた。プロ野球の世界にも、それを数値化する〈感動係数〉が導入されたーー 午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」 雪富千晶紀 ●大勢の死傷者を出したツアーバスの事故で、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて…… 美食三品 宝樹(バオシュー) 立原透耶 訳 ●もしも他人のグルメ体験を共有できるようになったら? 2024年ヒューゴー賞候補作 【コミック】 第10回 口口口口口 熊倉 献 ●あなたはどんな漢字に住んでみたい? 久闊(きゅうかつ)を叙(じょ)する二人が見つけた、理想の間取りとはーー 【ESSAY】 私の小さな地図帖 その十 遊びをせんとや 山崎佳代子 装幀の森 第15回 山田英春 翻訳のはなし 第十九回 携帯電話 三辺律子 乱視読者の読んだり見たり 第14回 悪書のすすめ 若島 正 ホームズ書録 古書即売会で知られざるホームズ翻案が 北原尚彦 【COLUMN】 ごほうびごはん*愛のラザニア 鈴森 琴 行かない旅の栞*旅先での心残り 澤村伊智 読書日記 紺野天龍 ※戸川安宣「みすてりあーな・のーと」は休載です 【INTERVIEW 期待の新人】 雨井湖音 谷 夏読 【INTERVIEW 注目の新刊】 『願わくば海の底で』 額賀 澪 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣
飛び込み自殺を図り、死亡したひとりの女性。 なぜか、母親を名乗る女性が二人現れて。 二人の母親が、娘の死の真相に迫る衝撃のミステリー! うだるような真夏日、ひとりの女性が駅のホームに飛び込んだ。そこに、なぜか母親を名乗る二人の女性が現れる。 性格も家庭環境も全く異なる二人の共通点はただひとつ。娘のことを何も知らない。 死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘はどこにいるのか。二人の母親は、娘たちの軌跡を辿り始める。
この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。 結城真一郎氏絶賛! 読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。 読み終えて思った。「まんまと騙された」と。 昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。 しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされるーー。
祖母が守りたかったもの、それは? 瑞ノ瀬村に暮らす佳代、千代、三代の三姉妹は、美しい自然の中をかけまわり元気に暮らしていた。大切な人が戦地から帰ってくる日も、村中から祝われながら結婚式を挙げた日も、家で子を産んだ日も、豊かな自然を讃えた山々の景色が、佳代たちを包み込み、見守ってくれていた。あるときそんな瑞ノ瀬村に、ダム建設計画の話が浮上する。佳代たちの愛する村が、湖の底に沈んでしまうという。佳代は夫の孝光とともに懸命に反対運動に励むが──。 定年退職まで営業部で忙しく働く佳代の娘・雅枝と、海外留学先であるイタリアで「適応障害」になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫・都。湖の底に沈んだ瑞ノ瀬への想いはそれぞれにまったく異なっていた。 大藪春彦賞受賞、吉川英治文学新人賞ノミネートなど、いま最注目の若手作家・辻堂ゆめの最新刊! 都市開発や自然災害で、瞬く間に変わりゆく日本の古き良き故郷(ふるさと)の姿。私たちが得たものと失ったものは、一体何なのか。若き作家が三世代の親子の目を通じ、変わりゆく日本の「故郷」を壮大なスケールで描いた感動作。
「絶対に東大合格しなきゃ許さない」--両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることにーー。教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。
収録作 「泣きたくなるほどみじめな推理」 市川憂人 1995年、憧れの従姉を失った私は、彼女の痕跡を探すため東大の文芸サークルに入った。 「アスアサ五ジ ジシンアル」 伊与原 新 地震研に突然届いた1枚のはがき。虹で地震を予知したという「ムクヒラの電報」との関連は。 「東大生のウンコを見たいか?」 新川帆立 東大卒のミステリ作家・帆立は、親友リリーとともに農学部で起きたウンコ盗難事件の犯人を探す。 「片面の恋」 辻堂ゆめ 五月祭の準備中、クラスメートの熱烈な恋を一瞬にして冷めさせた「片面」の意味とは。 「いちおう東大です」 結城真一郎 美しく完璧な妻がまっさきに提示した新居の条件は、「東大が見えるところ」だった。 「テミスの逡巡」 浅野皓生 (東大生ミステリ小説コンテスト大賞受賞作) 卒業生の医師を取材した学生メディア「UTディスカバー」のもとに、彼は人殺しだという告発状が届く。
「こんなはずじゃなかった」。進路を断たれた高校生、恋人と別れたばかりの青年、ワンオペで初めての育児に励む女性…。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれたのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして、誰にも知られたくない秘密。あなたなりの答えを見つけられるよう、二人のカウンセラーが推理します。最注目の気鋭がストレスフルな現代に贈る、あたたかなミステリー。
娘を亡くし妻と離婚した僕に、未来を生きる資格があるのだろうか。終わりがあると知りながら過ごす、僕と君のひと夏の物語。コロナ禍のリモートワークを言い訳に自宅に引きこもるばかりのある日、僕はずぶ濡れの女の子を拾った。1980年代からタイムスリップしてきたらしい彼女は、僕の大切な人の命を奪った連続少女誘拐事件に関係しているのか……。その時の僕は、全ての過去の意味を知るよしもなかった。その答えは、今の僕が持っていたんだ。
俺は犯人なのかーー。 強盗殺人容疑で逮捕された、桐谷雅樹。 証拠は全て雅樹の犯行を示す! 最注目の著者が描く、"冤罪"ミステリー。 「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」 2015年2月、桐谷雅樹の“日常”は脆くも崩れた。渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのかーー自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。
*第24回大藪春彦賞受賞作 蒲田署強行犯係の森垣里穂子は、殺人未遂事件の捜査中に無戸籍者が隠れ住む生活共同体を発見する。その共同体“ユートピア”のリーダーはリョウ、その妹のハナが事件の容疑者となっていた。彼らの置かれた状況を知った里穂子は、捜査が“ユートピア”を壊すのではないかと葛藤を抱くようになり……『十の輪をくぐる』の著者渾身の書き下ろし長編ミステリ。
2021年へ!時代を貫く親子三代の物語 スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は・・・・・・東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。 51年前ーー。紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。 泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていてーー。 1964年と2020年、東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作!前作『あの日の交換日記』が大好評!!いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!! 【編集担当からのおすすめ情報】 今作は、半分は母・万津子が青春時代を過ごした1950年代、60年代を舞台にしています。紡績工場の女工たちの過酷な労働や、炭鉱で働く男性たち、夫から虐げられる女性の日常が、鮮やかに、ときに生々しく描かれていきます。 万津子が話す大牟田弁は、著者の大牟田出身のお祖母様が監修してくださったとのこと。さらに当時のことをたくさん取材したという当時の背景描写も相まって、20代の著者が書いたとは思えないリアルさには、どこか懐かしさすら感じられるほどです。 景色も価値観も、めまぐるしい速度で変化していく東京。女性の社会進出や、LGBTQ、人種問題など、個性の在り方、捉え方は、日々アップデートされていきます。この作品は、時代とともに変化する生き方の指針にもなる傑作だと思っています。(このあたりはネタバレになってしまうので、ぜひ、読んでお確かめください!) 2020年の東京オリンピックは幻の中に消えてしまいました。明るい未来を2021年に託し、この作品を送り出したいと思います。 辻堂さんがひときわ力を入れて書かれた今作が、さらに次の世代へと読み継がれる作品になりますように。祈りを込めて編集しました。ぜひ、お手にお取りください
私立高校で人気女性教師が誘拐され、72 時間後に始末するとネット動画で予告された。3年生の黒川のもとに「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」と挑戦状が届く。仲間になったのは、体育会系男子、学年一の美女、そして幼馴染みの優等生。4人は事件を解決できるのか? 『このミス』大賞出身作家が送る青春の光と影を描いたタイムリミット・ミステリ!
今日も二人は"殺し愛" 夫と妻の視点に分かれ気鋭の著者二人が競作する、予測不能なラブサスペンス! 平凡なサラリーマン・藤堂光弘。夫を愛する専業主婦・藤堂咲奈。二人は誰もが羨む幸せな夫婦……のはずだった。あの日までは。 光弘は気付いてしまった。妻の不貞に。咲奈は気付いてしまった。夫の裏の顔に。彼らは表面上は仲のいい夫婦の仮面を被ったまま、互いの殺害計画を練りはじめる。 気鋭の著者二人が夫と妻の視点を競作する、愛と笑いとトリックに満ちた"殺し愛"の幕が開く!
河野夕夏は絶望していた。 急性の脳腫瘍で倒れて入院し、医師の態度から最悪の結果を察してしまったのだ……。 その夜、ひとりで泣いていると、目の前に、真っ黒な服をまとった不思議な青年が現れる。 彼は自らを「悪魔」と名乗り、夕夏に取引を持ちかけた。「君の命を助ける。その代わりに、君の最も大切なものを一つ奪う」とーー。 目覚めると、夕夏の腫瘍は良性に変わっていた。しかし、彼女はここ2年間の記憶を失っていたのだ。 けれど、夕夏には頼れる人もいない。両親とは、夕夏が幼い頃に起きたある事件をきっかけに疎遠になっていた。 病院から報せを受け、夕夏を心配した両親は、長野から駆けつけるが、夕夏は心を開くことができない。 就職して3年になる銀行でも、仕事の内容が全く思い出せず戸惑う夕夏。後輩たちから何故か恐れられているのも気にかかる。 窓口に連日やってくるクレーマーの対処にも手間取り、夕夏は意気消沈する。 そんなある日。同僚の菊池から誘いを受け、心が浮き立つ夕夏。 時を同じくして、アパートの前に、あの夜、枕元に立った謎の青年が現れーー。 「私の一番大切なものって、何だろう……?」 小さな違和感が、大いなる感動とともにほどけてゆく。涙なしには読めないやさしいラストが待つ、極上の恋愛ミステリ。 ☆感動の声、続々!!!☆ 記憶に何らかの理由でアクセスできなくても、周囲の人たちの中に、自分の知っている自分よりずっとはっきりした輪郭を持って、自分がいる。それを再発見できるってこんなに幸せなことなんですね。 ーー大学生・20代男性
社運をかけて開発された身長80センチの人型ロボット・パティ。外見はダサく、実用性も低いのに、ある日取引先から「パティが事件を起こした」と衝撃の連絡が。「パティにそんな能力はない!」と絶対の自信(?)を持つお世話係の朝香、ロボットオタクのイケメン怜央は、真相に迫れるのかー文庫オリジナルの軽快ユーモアミステリー!
井瀬は電車の中で、駅のホームから何者かに突き落とされて、親友の五味淵と共に死ぬ夢を見た。隣に乗り合わせた女子高生・紗世は夢の内容を当て、さらに自分も同じように電車に轢かれた夢を見たことがあると告白する。電車で見た夢は必ず自分の身に起こると言う紗世の言葉通り、夢は次々と現実になりー。紗世の制止を振り切り、井瀬は自分たちの死を回避すべく奔走する!
追掛日菜子は舞台俳優・力士・総理大臣などを好きになっては、相手の情報を調べ上げ追っかけるストーキング体質。しかしなぜか好きになった相手は、殺人容疑をかけられたり脅迫されたりと、毎回事件に巻き込まれてしまう。今こそ、日菜子の本領発揮!次々と事件解決の糸口を見つけ出すがー。前代未聞、法律ギリギリアウト(?)の女子高生探偵、降臨。
幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者の夢が断たれた僕。そんな時に出会ったのは、天真爛漫な少女・さやこだ。彼女は左手でピアノを弾く、不思議な子だったーー。《欠陥》をもつ二人が奏でる、爽やかな青春恋愛ミステリ!