著者 : 関泰祐
不幸な境遇にありながらも、太陽のように人々の心を照らす少女ハイジ。山奥で孤独に暮らすおじいさんとの絆、そして足の不自由な少女クララとの出会いーー壮大な自然の中で繰り広げられる、愛と幸福の名作。
全面性の時代から一面性の時代へーこうした時代の変化を踏まえ、ゲーテは人間のあるべき姿を描こうとした。霊的な力をあらゆる人々に及ぼす精神的太陽とも言える聖女マカーリエに象徴されるように、本書の作品世界は汲み尽くしがたく、どこまでも晴れやかで美しい。
ヴィルヘルムは、息子フェーリクスとともに「教育州」を訪れる。ここでは、畏敬の念を基調とする、ゲーテの教育理念が語られる。交錯した恋愛関係を扱った挿話「五十歳の男」、アフォリズム群「遍歴者たちの精神による考察」など、豊かな作品世界が繰り広げられる。
まえがき 第 一 章 到 着 三十四号室 レストランで 第 二 章 洗礼盤と二つの姿の祖父のこと ティーナッペル家で。そして、ハンス・カストルプの倫理状態について 第 三 章 謹厳なしかめっつら 朝 食 からかい。臨終の聖体拝受。たちきられた上きげん 悪魔(Satana) 頭脳明快 一言失言 もちろん、女さ! アルビンさん 悪魔(Satana)ぶしつけな進言をする 第 四 章 必要な買いもの 時間感覚についての余談 フランス語の会話をこころみる 政治的にうさんくさい! ヒ ッ ペ 分 析 疑問と考察 食事中の談話 昂じる不安。二人の祖父のこととたそがれの船あそびについて 体 温 計 第 五 章 永遠のスープと突然の明るさ 「ああ、見える!」 自 由 水銀の気まぐれ 百科辞典 フマニオーラ 探 究 亡者の踊り ワルプルギスの夜 訳 注
第 六 章 変 化 さらに一人 神の国とうさんな救済 激怒。そして、もっとたまらないこと 攻撃失敗 精神的修錬(operationes spirituales) 雪 兵士として、それもりっぱな 第 七 章 海べの散歩 ペーペルコルン氏(Mynheer Peeperkorn) トゥエンティー・ワン(vingt et un) ペーペルコルン氏(つづき) ペーペルコルン氏(むすび) 無感覚という名の悪魔 楽音の泉 ひどくうさんなこと ヒステリー蔓延 青天の霹靂 解 説 トーマス・マン略年譜 あとがき 訳 注
表題作のほかに「秋の徒歩旅行」「少年時代から」「ラテン語学校生」の3篇をおさめる。これらは地理的にも心の上でも若きヘッセの「ふるさともの」といもいうべき作品であり、郷土にたいする深い愛とその片隅に生きる細やかな魂たちのあこがれや悩みや悦びが清澄なリリシズムで描きだされている。