ジャンル : ミステリー・サスペンス
神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。“曰く”など気にする風もない部員たちは、肝試しと称し神社に赴くが、想像を絶する異常事態に遭遇し紫静荘に立て籠もることを余儀なくされる。緊張と混乱が続くなか一夜明けると、部員の一人が惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の序章に過ぎなかったーー。究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?! 奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!
絵画誘拐を成功させた老人犯罪一味の面々。ほとぼりが冷めるまでと。ラスベガスでカジノ三昧の日々を送っていたが、さすがに故郷が恋しくなってきた。国の福祉の皺寄せを受けている老人たちのための資金は、まだまだ足りない。メッタをリーダーとする五人の団員は新たな犯罪に着手すべく、再びスウェーデンに。だが新たに入手したアジトの隣は、バイク族の巣窟だった。五人で合計四百歳、老人たちの痛快な活躍を描くシリーズ第二弾。
みさき書房の編集者として新潮社を訪ねた《私》は新潮文庫の復刻を手に取り、巻末の刊行案内に「ピエルロチ」の名を見つけた。たちまち連想が連想を呼ぶ。卒論のテーマだった芥川と菊池寛、芥川の「舞踏会」を評する江藤淳と三島由紀夫……本から本へ、《私》の探求はとどまるところを知らない。太宰が愛用した辞書は何だったのかと遠方にも足を延ばす。そのゆくたてに耳を傾けてくれる噺家。そう、やはり「円紫さんのおかげで、本の旅が続けられる」のだ……。《円紫さんと私》シリーズ最新刊、文庫化。
公園で見つかった70年代のディスコ全盛期の服装をした老人の死体。現場を調べていた刑事マイケルは、側に妖精がいることに気づく。その妖精によると、新しい女王の命を受けた部下たちが、人間と、女王に忠誠を誓うことを拒んだ妖精を追放しているのだという。だが、新たな女王ソフィーがそんなことをするはずはない。妖精界で何が起きているのか?マイケルはソフィーと共に妖精界に乗りこむ。〈(株)魔法製作所〉の著者の新シリーズ。
芳ばしい香り漂う大人気シリーズ第15弾! 老舗コーヒーハウスの2号店がついにオープン! そこに現れた意外すぎる人物とは!? 長い歴史を誇るニューヨークの老舗コーヒーハウス「ビレッジブレンド」が、いよいよワシントンに2号店をオープン! 人気店になること間違いなし、のはずが、トラブル続きで経営はぎりぎり。マネージャーを務めるクレアは頭を抱えていた。そんなとき、コーヒーハウスに併設したジャズクラブへ、黒づくめの衣装で舞台にあがる女性ピアニストの姿が。その正体は大統領令嬢のアビー! 才能あふれる演奏にクレアはすっかり魅了されてしまう。ところが、身分を隠した令嬢の存在はたちまちマスコミの知るところとなり、店は混乱の渦に。そのうえ、アビーが忽然と姿を消したことで、FBIはクレアを最重要容疑者として指名手配した。まさか自分が逃亡劇を繰り広げることになるとは夢にも思っていなかったクレアと、2号店の運命は!?
待望の新シリーズ第一弾! 抗争か、半グレの怨恨かーー“史上最弱”!?の刑事が大活躍! 甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。 ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。 コワモテの先輩・郡原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されてーー 警察小説史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける〈マル暴〉シリーズ第一弾。 〈任俠〉シリーズの阿岐本組の面々も登場!
新規オープンする美術館の目玉の一つ、葛飾北斎の肉筆画に贋作疑惑が浮上した。江戸と現代で二重生活を送る元OLの関口優佳=おゆうは、真贋をはっきりさせるため、江戸で直接北斎に尋ねてみることに。しかし、調査を始めた途端、絵の売買にかかわった仲買人が死体で発見された。同心の伝三郎たちから疑惑を持たれながらも、おゆうは現代科学と北斎の娘・阿栄の助けを借り、事件を追いかける。
拓未に告白されたとき、菜月の人生三度目のタイムリープが始まった。この状態に陥ると、菜月は同じ一時間を五回繰り返すことになる。つまり菜月は、このあと拓未に五回告白されるはずだった。しかし一回目、告白の場所に向かおうとした菜月の目の前で、拓未は屋上から墜死する。なぜ!? チャンスはあと四回、それまでに彼の死を止める方法を、絶対に見つけなければ! 女子高生が文化祭中の校舎を駆け巡る、鮮やかな学園ミステリ!
クリスマスが迫るウィーンで、オペラ界の歌姫を看取った人々。チャーター機でロンドンへの帰途に着くが、悪天候でオーストリアの雪山に不時着してしまう。彼らが避難したのは小さな山村ーーだが雪で外部とは隔絶していた。小体なホテルに落ち着いたものの、歌姫の遺産をめぐって緊張感は増すばかり。とうとう遺書が読み上げられた直後に、事件が起きてーー。修道士カドフェル・シリーズの巨匠による、本邦初訳の傑作本格ミステリ!
「ついに本物の任務だ!」英雄スカンドゥラノンの息子にして、〈銀鷲獅子団〉のタドリスは歓声をあげた。初めての監視なしの任務。ホワイトグリフォンから遠く離れた歩哨地で、三ヶ月の任務だ。タドリスと人間の相棒〈銀の刃〉は、心配する両親を尻目に大喜びで出発した。ちょっとした冒険行のはずだった。〈銀の刃〉と荷物を入れた籠を掴んで跳んでいたタドリスが、コントロールを失い墜落するまでは……。〈魔法戦争〉三部作完結。
〈銀鷲獅子団〉司令部は大騒ぎになっていた。予定を過ぎているのに、タドリスと〈銀の刃〉が任務地に着いていないのだ。遠話装置での連絡もない。すぐにスカンドゥラノン率いる捜索隊が二人の消えた地点に向かう。一方森に墜落したタドリスと〈銀の刃〉は、大怪我を負いながら見えない追跡者から逃げていた。誰が何の目的でつけ狙うのか。鷲獅子と人間、体力と知力の全てを使い、姿なき敵と戦う。〈ヴァルデマール年代記〉外伝完結。
干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴があき、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュルらは、丹念な調査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。農機具のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶ったのだ。男は偽名を使っていた。男は何者で、何故消されたのか? 過去に遡るエーレンデュルの捜査が浮かびあがらせたのは、時代に翻弄された哀しい人々の真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。
両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣は、P署の刑事ドミニクから依頼を受ける。幻の青いバラを同時期に開発した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を調査してほしいと。しかし両者への面談直後、温室内で切断された首が発見される。バラの蔓が扉と窓を覆い、密室状態の温室には縛られた生存者と「実験体七十二号がお前を見ている」という血文字も残されていた。年末ミステリベストに全てランクインした、『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!
その古書を開いた者は跡形もなく消えてしまう──そう伝えられるとおりの奇怪な事件が起きる「古書の呪い」を始めとして、閉ざされた現場での奇妙な殺人の謎がこのうえなく鮮やかに解かれる傑作「《ブルー》氏の追跡」など、いずれもチェスタトン特有のユーモアと逆説にあふれた全9編を収録する。全編が傑作にして必読であるという、奇跡のような〈ブラウン神父〉シリーズ最終巻。解説=若島正
故郷の大学に非常勤講師の職を得て、高校生の娘を連れ実家へ戻ってきたジョージアは、親友のシド(世にも不思議な、歩いて喋るガイコツだ!)と再会した。人間だったときの記憶のない彼が、見覚えのある人物と遭遇したのをきっかけに、ふたりはシドが生前は何者だったのかを調べはじめる。だが、その過程で忍びこんだ家で死体を発見、殺人事件の謎まで背負いこむことに……。たっぷり笑えてちょっぴり泣ける、ミステリ新シリーズ。
帝都を騒がす大怪盗ロータスが盗みに失敗した! 東京は浅草の高層建築「凌雲閣」。その一角に飾られた油絵を盗もうとした怪盗は、番人に見つかり絵を置いて逃げたというのだ。この椿事は記者の高広の耳にも届く。ロータスは高広とも天才絵師・礼とも因縁浅からぬ相手、ただ失敗したとは思えない。高広と礼が調査を始めると、ロータス一連の窃盗事件の主任検事となっていた安西と再会する。怪盗と検事、今は敵対関係にあるが、かつては昔馴染みであり並んで駆け抜けた時代があったのだ。決別した二人がついに相まみえる。大好評〈帝都探偵絵図〉シリーズ第四弾。