ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
ギリアス一味を葬り去り一段落かと思われた船内からダニエルの姿が忽然と消え“クーア・キングダム”は大辺境を放浪するはめに。一方、ハワードと四人の重役たちは総帥・副総帥の事故死と奇蹟のダニエル救出を発表。怒りに燃える女王と海賊は、連邦軍も主席も大女優をも巻き込んだ愛息奪還作戦を発動し、前代未聞の「映画撮影(!?)」が決行された!
「ため息に溺れてしまいました」。立川市の蔵元医院で養子である蔵元指月の遺体が発見された。遺書の存在から警察は自殺と判断。だが女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、蔵元家の持つ権力や莫大な財産をめぐる闇。そして指月が胸に秘めた悲しい過去の記憶だった。誰からも愛された医師の死に隠された、驚愕の真実とはー。文庫書き下ろし。
天才イケメン料理人・橘仁が訪問先で料理を提供する「出張料亭」。その助手として、仁への恋心を秘めつつ働いてきた山田澄香は、彼の背負う重い過去を知り、衝撃を受ける。そして突然起きた悲劇によって、店は休業の危機にー。試練のとき、仁と澄香が選んだ道とは?『出張料理おりおり堂』改題。季節はめぐり、新たなスタートへ。おいしいラブコメシリーズ第3弾。
旅客機が爆破され、乗客全員が死亡。五十一名のうち四人と、切符を買いながら乗らなかった者一人には奇妙な共通点があった(「77便に何が起きたか」)。電車では毒殺、フェリー内では密室殺人…楽しいはずの旅路が血に染まる!乗りものにロマンと魅力的な謎を見いだした著者による、トラベルミステリーの名作をセレクト。
鷲を親だという娘「鷲」、河獺に嫉妬された漁師「深川の老漁夫」、美しい白い肌の少女に懸想した「くろん坊」という山の妖怪と安易な口約束が招いた悲劇ー。近代化がすすむ日本の暗闇にとり残された生き物や道具を媒介に、異界と交わるものを描いた「近代異妖篇」の続篇。附録として単行本未収載の短篇二篇を添える。
今日の決戦こそが諸君の名をローマ戦史のなかに不朽のものにするだろうー皇妹を妃とし、副帝としてガリア統治を任ぜられたユリアヌス。普遍の真理を地上に顕然とさせんとする真摯な彼の姿は、兵士たちの心を打ち、ついにゲルマン人の侵攻を退ける!巻末付録・『背教者ユリアヌス』歴史紀行。
ティアドロップを巡る一連の事件は片桐、金田ら多くの犠牲を伴い終結した。その後、四十九日を迎えて片桐の墓を参拝した絆の前に、謎の男が現れた。かつて片桐と同僚だったと名乗る男だが、その直後、何者かに殺されてしまった!死に際、絆に手渡されたSDカードを巡り、この世の光と闇が蠢き出す…。シリーズ第四弾!文庫書き下ろし。
推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究者でもあった松本清張。昭和史研究の代表作が『昭和史発掘』だ。その成果からつながる未完の小説『神々の乱心』は、清張が30年余にわたって「あの話はいつか小説にしておきたい」と繰り返し、死の瞬間まで情熱的に取り組んだ遺作である。二作に秘められた清張の遺志を解き明かすー。
幼い頃からの想い人、諒一を奪った親友の百合。二人の息子に「直巳」と名付けた日から、真由子の復讐が始まった。二十一歳年下の直巳を調教し、“自分ひとりのための男”に育てる真由子を待つ運命はー。谷崎潤一郎『痴人の愛』に真っ向から挑んだ話題作。
特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン准教授・風間由人。分析フェチの彼に体質を見抜かれ、強引に助手にスカウトされた潤平は、未解決の殺人現場に連れ出されることになり!?
借金の形に身を売られた旗本の娘の自害が相次ぐ。改易を恐れた旗本が娘に自殺を強要していたのだ。扇太郎が預かる元遊女の朱鷺にも魔の手がのびる。江戸を揺るがす事件に乗じて町奉行の座を狙う鳥居、岡場所の利権を欲する一太郎、政権奪取を図る家斉派の幕閣の思惑が交錯する中、扇太郎も覚悟を決める。待望の新装版第五弾!
グアム米軍基地で軍人を狙った首斬り殺人が頻発。数年前の日本で起きた惨劇との類似に、殺人鬼復活かと関係者は震撼する。米国海軍、空軍、中央保安局それぞれの思惑が交錯する中、かつて犯人に肉薄した朝倉が自衛隊警務官に身分を変えて招喚されることに!自衛隊出身の警察官「オッドアイ」が凶刃を追うシリーズ第3弾。
首相の非常事態宣言により警察上層部から指揮権を奪ったクラン。晴山警部補たちは身命を賭して黒幕「神」への足がかりを掴む。しかしその最中、「神」から命を狙われているはずの足ヶ瀬巡査が忽然と姿を消す。予測不能の裏切り、暗殺者との死闘。刑事たちは巨悪との最終決戦へ挑む。
宗陵元との深夜の死闘を演じた朝丘剛は、熱も冷めやらぬまま神戸を後にする。劉栄徳、由佐肇ー二人の達人を破るべく武者修行を続ける剛。漂泊の星の下に生まれた男に安住の地はない。岡山に美作竹上流の本拠を訪ねた剛は鉢須賀了太に出くわす。偶然の再会にライバルたちの血は滾る。『修拳会館』で心の技を磨いた鉢須賀に道場破り同然の試合を申し込む剛。かつて闇試合で激闘を繰り広げた二人に決戦の幕が切って落とされた!
三十五歳の千穂は不妊治療を始めて十年、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫が酒に酔った男・透を轢いてしまう。謝罪のため透を探す千穂は、彼が算数障害だと気付き手を差し伸べる。だが、二人の関係を怪しむ夫。一方的に疑われ、これまで抑えてきた感情を爆発させた千穂は、家を飛び出し透の元へ逃げるのだったー。
奈良のカフェ「ハタナカ」でゆるやかに交差する七人の女性の日常。職場の人間関係や、睡眠障害、元彼のストーカー、娘の就活、子供がいない…人生にはままならないことが多いけれど、思わぬところで小さな僥倖に出逢うこともあるー。芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』五年後の物語。
東北の雄・最上家から伊達輝宗に嫁いだ義姫。後年、野心に燃える息子の政宗と兄・義光の間が一触即発の危機に陥り、義姫は己の命と引き替えに戦を止めるべく城を出たー。東北の地に平和をもたらした陰の功労者でありながら、「鬼母」とされた女性の真の姿とは。直木賞作家渾身の歴史長篇。
皇族であることを知られたのちも、変わらぬ学友や軽業師ディアたちと平穏な日々を過ごすユリアヌス。だが、副帝となった兄ガルスの謀反の疑いから、宮廷に召喚され、裁かれることに…。そこで出会った皇后に女神アテナや母の面影を見出すのだった。