ジャンル : ノンフィクション
江戸深川に建つ、小さな船宿山谷屋の女王・志津は、亡き父の跡を継ぎ、大叔父の捨蔵と宿を営んでいる。ある日、船頭の百助が、川面に浮かんでいた若い女を担ぎ込んできた。生気を取り戻した女は小声で呟く。復讐してやるー。おみねと名乗る女に何があったのか?志津と捨蔵、百助は、手をかけた料理と絞った知恵で、おみねを絶望の淵から救おうと奔走する。三人をよく知る同心の後藤多一郎からの助太刀も得たが、予期せぬ困難が訪れてしまい…。辛い過去を持つ客を癒し、新しい人生への旅立ちを手伝う、温かい船宿の人々を描く、ぬくもりと感動の連作時代小説。
満月の夜にだけ現れる満月珈琲店では、優しい猫のマスターと星遣いの店員が、極上のスイーツやフードとドリンクで客をもてなす。スランプ中のシナリオ・ライター、不倫未遂のディレクター、恋するIT起業家……マスターは訪問客の星の動きを「詠む」。悩める人々を星はどう導くのか。美しいイラストにインスパイアされた書き下ろし小説。
新団員を募集する新生MANKAIカンパニーの門を叩く者が一人。 秋組メンバー十座の弟である九門だ。 兄に憧れ、秋組への入団を希望するも、当の十座は頑なに反対するばかり。 お試しに夏組と秋組の地方公演を手伝わせることにするが……!? 巻末には新生夏組全員で浴衣を着てお祭りにでかける書きおろし短編「夏の縁日」も収録! つぼみが花咲く物語、第二部公式ノベル第2弾!
奉納仕合いに奇妙な噂。 選ばれた剣士に下る、恐るべき使命とは…? かつて祖父ら三人が受けた御上からの密命が今再び!? その祖父の消息が判明した。 魔界白神山地の谺仙之助に津軽藩が刺客を放った! 十五歳の寒九郎が江戸へ逃れて三年。 津軽藩士の父は切腹、母は後追いの寒九郎は、叔母が嫁いだ旗本武田作之介の後見で文武の修行に励んでいた。 一月十六日の奉納仕合いを前に奇妙な噂が流れた。 勝ち抜いた剣士に御上から恐るべき密命が下されるという。かつて寒九郎の祖父らへの密命と同様に…。 その祖父は今、津軽藩からの刺客を逃れて魔界白神山地に隠れていると判明。 ◆ 著者について 森 詠 もり・えい 栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。 東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、 警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。 歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。 本書は既刊の「忘れ草秘剣帖シリーズ」「剣客相談人シリーズ」(全23巻)とは趣きを新たにした、第3シリーズの第2弾。 ◆ 好評既刊 剣客相談人 全 23 巻 忘れ草秘剣帖 全 4 巻 ( いずれも二見時代小説文庫 )
借金まみれ! お客ゼロ! 劇団員たった1名! かつての栄光を失った潰れかけのボロ劇団を立て直したあなた。 新生MANKAIカンパニーのさらなる飛躍を目指し、各組1名の増員を考え団員募集をすることに。 無事、有望な新人が入団し喜ぶ春組メンバーだったが、穏やかに見えた彼の裏の顔を知ったあなたはーー!? 巻末には6人となった新生春組メンバーがお花見をする書き下ろし短編『二度目の春』も収録! つぼみが花咲く物語、第二部開幕!
学生時代に杉本の「親友」だった、粗暴で自己中的な男、三浦。病に臥せる三浦を、杉本は十二年ぶりに病院に見舞う。そこから再び始まった二人の奇妙な関係は、不本意な同居生活まで発展する。これはいったい、友情か、愛情か、執着 か……。傑作BL『箱の中』の作者が、執拗かつ理不尽な同性同士の愛を描く。 カバーイラスト:丹地陽子
安永七年正月。白梅の香り漂う新年早々、尚武館佐々木道場に朱塗りの大薙刀を引っ提げた道場破りが現れる。道場の後継者となった佐々木磐音は難なく撃退するが、襲い来る手練の刺客は後を絶たない。彼らを背後で操る黒幕による、道場潰しと自身を抹殺せんとする謀略を知った磐音は、おこんとの祝言を間近に控え、一計を案じる。
尚武館佐々木道場で朝稽古に励む磐音を、元師範の依田鐘四郎が訪ねてくる。西の丸御近習衆となった鐘四郎から、徳川家基の言伝を聞いた磐音は、かねてよりの約定を果たすために、すぐに深川へと出かける。御典医の桂川甫周に伴って城中に向かうことになった磐音は、ある策を練る。しかし、西の丸には不穏な影が忍び寄り…。
ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました!」「えっ、また?」お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。
郊外の団地に住む夏木靖史は、28歳の会社員。近所の飲み屋で親しい団地の住人たちと飲んでいると、話題は夫婦の性生活の悩みに。あれこれ悩みを聞かされるが、妻が家を出ていき別居中の靖史は、奥さんがいるだけマシだと愚痴る。すると、夜の生活に疲れていた住人のひとりから、「では、君が妻を抱いてくれ」と頼まれる。そして、彼の妻に夜這いをかけると、欲求不満が解消されて家庭円満に。さらに、その話を聞いた他の住人からも靖史に依頼がきて…!?旦那に代わって団地の奥さんに快感注入!乱倫の集合住宅エロス。
許嫁への横恋慕が招く意想外な「殺し」の連鎖。栄次郎が下手人に迫る。 五年の逃亡から江戸に戻った清吉を襲う理不尽な悪夢。 最愛の許嫁はなんと……。 田宮流抜刀術の達人栄次郎は錯綜する事件の謎に挑む。 五年前に『守田屋』のおそめさんを巡って私の兄と諍い、誤って死なせて逃亡した。 おそめさんの許嫁・清吉さんが戻ってくるのを、父が仇をとろうと狙っています。父を「人殺し」にしないように清吉さんを護ってください──。 田宮流抜刀術の達人で三味線の名手・矢内栄次郎のもとを訪れた『江戸屋』の娘お糸が頼み込んだ。 窮地の清吉を護りつつ、栄次郎は事件の謎解きに挑む。 ◆ 著者について 小杉健治 こすぎ・けんじ 「時代小説が書きたくて小説家を志した」と言う氏の面目を十二分に発揮した<栄次郎江戸暦>シリーズは、確実に大人の読者を魅了し、人気を不動のものにしている。 1983年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。 87年『絆』で推理作家協会賞、89年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。1947年、東京に生まれる。
家康公百五十回忌社参。 過酷な徴税に十万人が鋤鍬を掲げ江戸城へ! 島原の乱以来の大騒動か! 中山道六十九の宿場のうち、最大の本庄宿を探索せよと命じられた宮地加門は……。 天狗触れとは一揆の画策? 将軍は九代家重から十代家治へと受け継がれた。来年は家康公百五十回忌の日光社参。 その莫大な費用を補うべく、幕府は中山道沿いの各村に過酷な税「増助郷」を迫った。 朝鮮通信使来日に続く「酷税」に百姓は決起。御上意といえども抗するしかない。 やらなきゃ飢え死にしかない。 中山道の各村から鋤鍬を手に十万人を超える百姓が江戸城へと進んでいく。御庭番の宮地加門は……。 ◆ 著者について 氷月 葵 ひづき・あおい 東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。 秋月菜央の筆名で『虐待された子供たち』(二見書房)、『Relax in Blue』(経済界)等、 福知怜の筆名で『タイタニック号99の謎』(二見書房)など、歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。 小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六0」筆名・井水怜で大賞を受賞。 ◆ 好評既刊 婿殿は山同心 全 3 巻 公事宿 裏始末 全 5 巻 ( いずれも二見時代小説文庫 )
高校時代にフラれ、それを引きずってきた男は今やIT企業社長となった。そこにその女性から借金の申し入れが。男はここぞとばかりに体による代償を求めるが、実は裏が(「想定外の人妻」)。人妻の主任が、純情そうな部下の男を誘惑し、筆下ろしを行なうが意外な展開に(「童貞の誘惑」)ほか、夫以外の男と人妻の午後の秘密をエロティックに描いた傑作官能集!
命からがら帰京した遊圭。 婚約者の明々とも再会し、ようやく祝言を、と思いきや。 遊圭を裏切り窮地に陥れた王慈仙(おうじせん)の裁判が始まり、 彼は罪状を全て否認。 歯がゆい展開に加え、今度は後宮で大事件が。 遊圭の恩人・蔡才人(さいさいじん)がある禁忌を犯し、 立場が危うくなったのだ。 彼女を支えるため、明々は後宮にとどまることに。 一方遊圭は、蔡才人の叔父の蔡大官から、 戦火の続く西方へ同行してほしいと懇願され……。 傑作中華ファンタジー!
夫の転勤先の東京で、幼馴染の平岩と再会した果歩。しかし招かれた平岩家は不気味な砂が散る家だった。怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。おかしいのはこの家か、それとも、わたしかーー?
任地の茶州から王都へ帰ってきた、彩雲国初の女性官吏・秀麗。しかし久々の故郷に喜ぶ間もなく、彼女はある出来事の責任をとるため、高位から一転、無位無官から再出発することに。さらに一時登殿禁止を言い渡された秀麗は、街で自分にできることを探し始める。周りの皆に見守られつつ、動き回る秀麗だが、突然ヘンテコな貴族のお坊ちゃまに求婚されてーー!? またもや嵐が巻き起こる! 超人気シリーズ第9弾は、満を持しての新章開幕! アナザーエピソード「王都上陸! 龍蓮台風」を特別収録。
日本の最先端技術が工作員に奪われた!?内閣府の諜報部門に出向した自衛官の安濃将文は、映像解析技術の流出を防ぐため、シンガポールでの潜入調査にあたっていた。だが任務は失敗。技術者の男は殺され相棒の泊里も連れ去られてしまう。安濃は謎の華僑・李高淳の協力を得て、兵器への転用を目論む工作員の後を追う。敵が待つパキスタンへと無謀な密航を企てるがー。「日本一運の悪い自衛官」が奔走する国際謀略サスペンス!
時は幕末。府中から日野にかけての甲州街道沿いに辻斬りが出現。一方、大菩薩峠で、深編笠の武士によって老巡礼が惨殺される。4年に1度開かれる奉納試合と関係があるとみた土方歳三は、自分もその試合に出るため天然理心流に入門する。出場するのは「音無しの構え」で知られる剣客・机竜之助、甲源一刀流の師範・宇津木文之丞ら猛者たち。そしてついに奉納試合の日が。人間の欲望や本能を突き付けられる、熱き剣豪小説。