小説むすび | ジャンル : 外国の小説

ジャンル : 外国の小説

結婚代理人結婚代理人

私の結婚はどうなってしまうの? 花婿がすり替えられていたなんて! 結婚式の日、誓いのキスのために絹のヴェールが持ち上げられ、 20歳の花嫁ケイトは花婿の顔を見て、驚きのあまり声を失った。 婚約者ではなく、見ず知らずの男性だったのだ! 誰なの、この人は? 口づけの間際にケイトが発した叫び声は、オルガンの音にかき消された。 長身の花婿が深みのある妖艶な声で囁く。「静かに、ケイト」 そして巧みに唇を奪い、正式にケイトの夫となったその花婿の正体は、 婚約者から“結婚代理人”を頼まれた、彼のいとこのシャルルだった。 大した身分でもないケイトとの結婚を母に反対されてこうなったらしい。 だからって、私はどうしたら……? 戸惑うケイトに、シャルルが告げた。 「僕は手つかずのままで、花嫁をいとこに引き渡したいと思っている」 それなのに、共に過ごすうち、ケイトはシャルルを愛してしまい……。 姑になるはずだった婚約者の高慢で独善的な母、つまりシャルルの伯母は、ケイトを毛嫌い。けれども、いびられっぱなしではいない芯の強さを快く思ってくれるシャルルに、ケイトは惹かれていくのでしたーーただの“一時預かりの花嫁”なのに。紙書籍限定再版!

伯爵家の呪い伯爵家の呪い

“恋した女性に生涯を捧げる” その呪いを避けたい傲慢伯爵は……。 アンゼリカが初めて実の父と顔を合わせたのは半年前。 欧州随一の富豪である父は、存在すら知らなかった娘を歓迎したが、 世間に騒がれるのを嫌って父娘の関係は公にしていなかった。 ある夜、父に呼ばれたアンゼリカは、シチリアの伯爵で、 “ウルフ”ことカルロ・ガンブレリに引き合わされた。 彼の名はもちろん知っているーー稀代のプレイボーイとして。 噂に違わず、優雅ながらたくましい彼はとてつもなく魅力的だ。 しかし彼の目には、アンゼリカに対するあからさまな軽蔑の色が。 彼は私のことを、父の愛人だと思い込んでいる! 失礼な人! だが自らの寿命を危ぶむ父がウルフに告げる。アンゼリカを頼む、と。 アンゼリカの実父は重大な手術に臨む前に、アンゼリカの保護者役をウルフに託しますが、その際、彼女がじつは自分の婚外子だと明かします。それなのに傲慢なウルフは、誤解を認めるどころか、彼女が娘だと名乗り出たのは財産目当てではないかと疑い始め……。

捨てられた令嬢捨てられた令嬢

生まれでも、境遇でもなく、 私自身を見てほしい……。 “そもそも君に近づいたのは、金のためだった” ある日突然、ロウィーナは心変わりした婚約者に婚約破棄された。 評判とプライドを粉々に打ち砕かれた彼女は心に決めるーー たった20ポンドを手に、よその国で出自を隠して働き、 家柄や財産とは関係なく生きていこう、と。 やがて、目の不自由な老婦人のつき添いとなったロウィーナは、 故郷イギリスからはるばる海外へと渡った。 雇い主の老婦人がいい人だとわかって安心したのもつかの間、 その甥で広大な地所を相続するフォレストが、会って早々に言い放った! 「これまでのつき添いのように、僕の妻の座を狙っても無駄だぞ!」 ハーレクイン・ファンの皆さまからたびたび熱いリクエストをいただいている大作家、エッシー・サマーズが登場! 1959年に書かれた本作は、じつに半世紀もの時を経て2016年に翻訳版が刊行された“幻の名作”です。傲慢不遜な大富豪との恋の行方は……?

小さな尼僧とバイキングの恋小さな尼僧とバイキングの恋

尼僧院の扉を突き破った男は、 娘の閉ざされた心の扉さえも……。 1年前に見習いの尼僧になった領主の跡取り娘アメは、 乱暴で支配的な父から逃れるため、神に生涯を捧げるつもりだ。 ずっと父に怯えてきたので、父の選ぶ人とは絶対に結婚したくなかった。 ところがある夜、アメの婚約者と名乗る男ヨルンドが尼僧院に現れ、 院長が追い返すも、頑丈な扉を破って荒々しく突入してきた! とてつもなく大きくたくましい彼はバイキングの族長で、 縁談はこの国の王女の意向であり、アメの父も認めていると言う。 アメは恐怖のあまりパニックに陥って逃げ出そうとしたが、 ヨルンドの無慈悲な脅しに、この運命から逃れられないことを悟る。 「結婚しないなら、この尼僧院はがれきの山と化すぞ」 世界のロマンスファンから大好評の本作。父から逃れたのに、また新たな傲慢男性に支配されるのは耐えられない! 夫となるヨルンドの雷のように激しい顔の裏に、優しさや高潔さ、繊細さ、包容力、思いやりの精神が隠されていることを、アメはまだ知らない……。

仮面舞踏会は公爵と仮面舞踏会は公爵と

私は本当は女だと明かしたい。 でも明かせないーー愛しの公爵に。 親から望まぬ結婚をさせられそうになって家出したのち、 アレクサンドラは“アレックス”という名で男のふりをしてきた。 英国公爵ドミニクと出逢って、生まれて初めて抱いた恋心。 けれども、彼はアレックスがまさか女性とは夢にも思っていない。 そんなある日、仮面舞踏会が開かれることになり、 小柄なアレックスは周囲にそそのかされて女装をさせられることに。 でも、たった一度だけでも、公爵様に女として見てもらえたら……。 真っ白い長手袋に、きれいなドレス……ああ、どんなにすてきかしら? 舞踏会当日。ひときわ華やかなレディがアレックスであるとも知らず、 ドミニクはたちまち熱いまなざしで彼女を見つめてきたーー! 凜々しい男装の麗人がヒロイン、密命を帯びた公爵がヒーローの、ドラマティック・リージェンシー! 男と男として出逢い、男と女として仮面舞踏会で惹かれ合うふたり。けれどもヒロインは、愛する公爵にさえ、女性であることを知られたら破滅する運命で……。

割れたグラス割れたグラス

現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》創刊! 小社の海外文学路線を切り拓いた《世界幻想文学大系》、のちのブームを決定づけた《ラテンアメリカ文学叢書》の刊行開始から約半世紀。 これまで日本で語られることの少なかった20世紀後半から現代までの芳醇なアフリカ文学の世界を本格的に紹介すべく、そして遠く離れた日本の読者が抱くアフリカへの印象をより豊かなものとすべく、《アフリカ文学の愉楽》が刊行開始! 第1回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる代表作! コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー"ツケ払いお断り"。 バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。 何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。 やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。 作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異の傑作がいまここに! フランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、ルノドー賞最終候補作にして、英国ガーディアン紙が選ぶ「21世紀の100冊」にも選出された、酔いどれたちのめくるめく狂想曲! ◉《アフリカ文学の愉楽》全6巻◉ 【編集委員】 粟飯原文子、桑田光平、中尾沙季子、中村隆之、福島亮 ◆アラン・マバンク(コンゴ共和国) 『割れたグラス』桑田光平 訳 『ヤマアラシの回想』桑田光平・福島亮 訳 ◆ミア・コウト(モザンビーク) 『夢遊の大地』伊藤秋仁 訳 ◆サミ・チャック(トーゴ) 『エルミナ』福島亮 訳 ◆レオノラ・ミアノ(カメルーン) 『影の季節』粟飯原文子 訳 ◆アクウェケ・エメズィ(ナイジェリア) 『フレッシュウォーター』粟飯原文子 訳

五人の絆五人の絆

冒頭いきなりデモの場面に遭遇する。作者が若き日に反戦運動に飛び込み、活動していた頃の出来事を過去の物語として葬り去ることはできなかった。  この小説を政治小説かと思われる読者もいるかもしれないが、この小説は心を病んだ一人の若者が異国の地で友愛によって癒され、行動を共にする無二の友の死を目撃して、復讐を遂げていく物語なのである。作者が完成までに30年の歳月を要した執念の物語。 第一章 東京 一九六二年六月 一時的な居場所  第二章 できない恩返し  第三章 一九六六年五月 秀夫  第四章 別れ  第五章 一九六九年 夏 土井の出所  第六章 一九七五年 春 墓地での出会い  第七章 元外交官からの警告  第八章 不安な始まり  第九章 多すぎる好奇心  第十章 秀夫の日記  第十一章 危険は山分け  第十二章 脅迫ビデオ  第十三章 カズの知らせ  第十四章 石田の告白  第十五章 伊藤の暴露  第十六章 警部補は味方か  第十七章 奪取計画  第十八章 奪取失敗  第十九章 訊問室  第二十章 幻想に囲まれて  第二十一章 囮  第二十二章 山での攻防  第二十三章 墓参り  あとがき  解 説

消された作家カイ・フン消された作家カイ・フン

出版社

松籟社

発売日

2025年4月15日 発売

ジャンル

インドシナ戦争の開戦後ほどなく、ベトミンによって殺害された作家カイ・フン。ベトナムの近代化に小さくない役割を担った彼の存在は、しかし、今日不当に黙殺されている。 植民地主義への抵抗の声を上げ、同時にその声が狭隘な民族主義に回収されるのを拒むーーそうした困難な道を歩んだ、ひとりの「消された」作家を蘇らせる試み。 序論にかえて ベトナムの植民地的近代を生きた作家カイ・フン 第一部 自力文団と文団を支えたカイ・フン  第一章 自力文団  第二章 「間(あいだ)」のひと、カイ・フン  第三章 カイ・フン文学に対する評価(一九三〇年代から二〇二〇年代) 第二部 カイ・フン後期作品を読む(1938-1946)  第四章 植民地主義/国民国家の幻想からの解脱──『ハィン』と『幼き日々』──  第五章 失われた「読み解き」の鍵──投獄経験から生まれた『清徳』──  第六章 全体主義への警告──日仏共同支配期の児童書『道士』を読む──  第七章 敵/味方の垣根を乗り越える(1)──植民者を描いた二作品──  第八章 敵/味方の垣根を乗り越える(2)──「内戦」を描いた「月光の下で」──  終 章 コロニアル状況におけるナショナルな苦悶 付録  付録1 ベトナムにおけるドストエフスキー受容  付録2 『清徳』梗概  付録3 『道士』梗概  付録4 「月光の下で」抄訳  付録5 年表  付録6 カイ・フン著作リスト  付録7 『ベトナム』『正義』に掲載されたカイ・フンの文学作品

袋小路袋小路

こんなすごいラストシーン、読んだことがない。 鳥肌が立った。 シムノン、おまえ、天才だろ。 (帯文/瀬名秀明) この最後の一行に書かれているもの、それは希望であるが、絶望である。これはポジティヴな結末であるが、同時にまったく逃れようのないネガティヴな結末でもある。ここにあるのは何か。喜び。悲しみ。人生。刹那。未来。宿命。そのすべてなのである。私たちはまったく思いもしなかったかたちでタイトル「袋小路」の伏線回収を目の当たりにすることになる。--「解説」より 人間の心理の深さ複雑さを描いた意欲作 白系ロシア人のウラディーミルは、金持ちで贅沢好きなジャンヌ・パプリエ夫人が所有するヨットの船長として、同郷の親友ブリニと共にそこに寝泊まりしながら暮らしていた。ウラディーミルはジャンヌの愛人で、船長とは名ばかりのもので、日々酒にまみれた無為な生活を送っている。ジャンヌの娘のエレーヌは、ブリニにはやさしく心を開いているが、ウラディーミルには冷たく、軽蔑している。ウラディーミルはその嫉妬からブリニを罪に陥れ、彼を追い払う。しかしその直後からウラディーミルは罪の意識と後悔の念に苛まれ続け、ついに、ある行動にでる……。コート・ダジュールの太陽の下と冬のワルシャワを舞台に、罪と罰、友情、幸せとは何かを描く。

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