ジャンル : 外国の小説
手術室専属看護師長のアミリアは27歳。やりがいのある仕事と良い仲間に恵まれ、充実した毎日を送ってはいるものの、唯一、婚約者のことで気を揉んでいた。昇進と倹約には熱心だが、結婚はおろか、そもそもアミリア本人に無関心すぎるのだ。釣り好きの父に誘われた北欧への3人旅も、結局彼は父娘を残し、仕事を理由に先に帰国してしまった。もう諦めるしかないの?そんなとき旅先で出会ったのが、ハンサムな医師ギデオンだった。父と同じ釣り好きで話は弾み、気遣いのできる穏やかな彼に、アミリアは急速に惹かれていく。でも…私には婚約者がいるわ。お見通しだと言わんばかりに彼が呟いた。「僕と結婚すればいい」
尊大で自信満々で、とてつもなくセクシー。 ずっと彼と一緒にいたら、恋してしまいそう。 キャリーは育ての親だった伯父夫妻と、従姉夫妻の4人を 事故で一度に亡くし、遺された赤ん坊ダニーを引き取った。 たとえ貧しくても、かわいいダニーがいれば幸せだった。 だが半年後、ダニーの叔父でギリシア大富豪のニックが現れた。 「生活苦の独身女性に大事な甥は任せられない」 なんて傲慢な言い分! キャリーは腹を立てたものの、 ダニーが病気になり、ニックに助けを求めざるをえなくなる。 すると彼の自家用ジェットでギリシアの別荘へ連れていかれ、 信じられないことに……プロポーズされたのだ! ハーレクインの大人気テーマ、“赤ちゃんのための便宜結婚”。実の親の愛を知らず孤独だったヒロインの前に突然現れたのは、世にも麗しい王子様のようなギリシア大富豪でした。かわいい赤ちゃんと共に幸せになることを夢見るヒロインは……?
韓国で33万部超のベストセラーとなった話題作。1909年10月26日、ハルビン駅で元韓国統監の伊藤博文を銃撃した30歳の青年・安重根は、大地主の家に生まれ、抗日義兵部隊で活動しながら、戦闘中に捕虜となった日本軍捕虜を解放したこともあった。彼はどんな怒りを抱えてハルビンへと向かったのか。韓国で33万部超のベストセラーとなった歴史小説。
「世界最高峰の大作」登頂に挑む 20世紀ドイツ文学の最高傑作『魔の山』。作家トーマス・マンをノーベル文学賞に導いたとも言われる本作には、「生と死」「啓蒙とエロス」「秩序と混沌」「合理と非合理」がうずまく現実を前に、無垢な青年ハンス・カストロプが葛藤する姿が描かれている。「魔の山」とはいったい何を象徴しているのか。価値観が混沌とする世界で、人はどのように生きていけばいいのか。長大かつ難解な書として有名な世界文学を、余すところなく読み解く!
ヴィクトリアは17年間なにも選べなかった。家事と農作業に明け暮れ、近所の川がどんな景色に繋がるかも知らない。だが、流れ者の青年ウィルと出会った。反対する家族に嘘をつき、逢瀬を選んだ彼女。背後には悲劇が迫っていた。喪失と再生を描く米国の感動作
スペイン大衆小説の登場! 日常のなかの絆! この小説を読もうと思ったら他の計画を立ててはならない。読み始めると、笑いこけ、泣きじゃくり、時には笑いこけながら泣いてしまうから、という理由だが、時には喉も詰まらせられる、とスペインの書評氏 テレサ は言う! 主人公クララは35歳。離婚して、幼稚園児と小学生の二人の男の子を一人で育てている。仕事はテレビのプロダクション会社勤務。元の妻であるクララに内緒で家を抵当に入れて騒ぎをおこしたり、仕事でも失敗を繰り返している、元夫からの養育費の支払いは滞っており、日曜日には生活のためのアルバイトをし、息子たちにも気を配り、他の知り合いと時に享楽的な付き合いを続けて、問題含みでありながらもごくふつうの生活を送っている。表面上はクララに辛く当たってばかりの母親は、心の中ではクララを愛してもいて、父親の方はというと、離婚後、やはり昔からの愛人マイテと一緒であっても、娘とは連絡し合い、離婚された元の妻も愛しているのだった。そんなクララを支える精神科医ルルデス。仕事上の上司カルメン。仕事仲間のエステル。特に好きでもないが、いつでも寝ることのできるディレクターのミゲル。同僚の魅力的で心惹かれる友人、ロベルトとも、やがてその希いも達せられるのだった。小説中の登場人物は、体のスタイルや性格の長所、欠点などが活き活きと描かれ、いつどこででも市井で知り合えるような人々ばかり………やがてクララは誰の子か分からない子どもを生む。その誕生祝い、そこでは、多くの関係者が集まることとなり、あたかもカタツムリの殻のように、自分も家族や友人たちに支えられていることをクララは自覚するのだった。原書名 Los caracoles no saben que son caracoles.
「一句一句が私の心を日本へ運ぶ小さな一歩なのです」 今もウクライナで俳句を詠み続ける若き俳人ウラディスラワ・シモノワ(Vladislava Simonova 愛称ブラダ)がウクライナ語で詠んだ俳句とその日本語訳を併記した俳句集。 全297句と、著者自選の11句と本人によるエッセーを、ウクライナ語と日本語訳で掲載。日本語訳を元に、坪内稔典・八木健・大鋸甚勇の三氏が作句し鑑賞する章「Dear ブラダ 俳句界の三賢人による作句と鑑賞」も。 著者のプライベート写真やウクライナの風景など50枚超と八木久子氏の日本画多数で構成された、全96頁フルカラーの、目でも楽しめる本。 日本の伝統的文化である俳句による文化交流を通して、遠く離れたウクライナと日本の絆を結び、ウクライナ支援につなげたいとの思いで作られた句集。 メディアでの紹介多数:「ETV特集『戦禍の中のHAIKU』」(NHK)、「ドキュメント20min.『ウクライナ 俳句交換日記』」(NHK)出演。 俳句が伝える戦時下のウクライナ ウクライナの市民、7人へのインタビュー」(馬場朝子編訳/現代書館)、「Serow(カモシカ)」(秋田国際俳句ネットワーク)、中日新聞、共同通信、秋田国際俳句ネットワーク ウェブサイト、京都×俳句プロジェクト ウェブサイトなどに俳句掲載。 著書:「ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly」(集英社インターナショナル) 私の俳句の世界へ、ようこそ ブラダの俳句と青春 コラム 良寛さんとブラダさん Dear ブラダ 俳句界の三賢人による作句と鑑賞 ウクライナと日本をつなぐ297句 編集を終えて
2020(令和2)年から2023(令和5)年までに刊行された児童文学書・研究書7,198点を収録。「研究書」「作品」「付録 全集・アンソロジー一覧」の3部構成。「研究書」は1,009点をテーマ別に分類。「作品」は2,094人の著訳者の、のべ5,554点を内容紹介付きで収録。「全集・アンソロジー」635点も収載。巻末に「書名索引」「著者名索引(研究書)」「挿絵画家名索引」付き。
チベット発、シスターフッドの物語。ラサのナイトクラブ“ばら”で働く4人の女性たち。花の名前を源氏名として、小さなアパートで共同生活を送る彼女たちは、それぞれが事情を抱えてこの町にやってきた。暴力や搾取、不平等の犠牲となりながらも支え合って生きる彼女たちの心の交流と、やがて訪れる悲痛な運命を、慈悲に満ちた筆致で描き出す。
翻訳家・柴田元幸氏推薦 「理系の緻密な思考力と、文系のしなやかな想像力の奇跡のような共存。」 時に切なく、時におかしく、そして 時にはちょっぴり怖い幽霊たちの物語を100編収めた いつか幽霊になるあなたのためのふしぎな短編集 失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、方向音痴の幽霊、瞬間転送装置が生み出す幽霊……イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっと怖い幽霊たちの物語を100編収めた不思議な短編集。
そもそもの問題は、水がたりないことだった。 インド有数の大都会ムンバイ。12歳のミンニと15歳の兄サンジャイが暮らすスラムには、ムンバイの人口の40パーセントが住んでいるにも関わらず、水は市全体の5 パーセントしか供給されていない。水不足がきびしくなる三月のある夜、サンジャイが「水マフィア」を目撃してしまい……。家族の絆、友情、そしてインドの「今」を描く、勇気と成長の物語。
19世紀半ば、南米大陸の調査旅行に同行した画家ルゲンダスは、チリに寄港した折に美しい貴婦人カルメンと邂逅する。お互いに惹かれ合い、一線を越えたふたりの前に現れたのは、ビーグル号で航海中のチャールズ・ダーウィンだった。情熱的な画家と理性的な科学者、対照的な二人の男はアンデスの高みで対峙することとなる…。史実とフィクションを巧みに織り交ぜ、見事な想像力で“愛”を描きだす野心的長編。
【内容紹介】 父は、泣く。父は、彷徨う。父は、怯える。父は、眠らない。父に寄り添う暮らしは、思いがけないことばかりだった。「私」は思う。いったい父の何を知っていたというのだろう。 主人公の「私」は中学生の一人娘を事故で失い、かたくなな心を持て余している孤独な女性作家。高齢の母がソウルの病院に入院したため、故郷に一人暮らしとなった父の世話を兄弟たちに頼まれ、老いた父に向き合うことになる。「アボジ(お父さん)」と呼びかける父は一九三三年生まれ。植民地期、朝鮮戦争、南北分断、軍事独裁、民主化抗争といった朝鮮半島の激動の時代を生きてきた。 「苦難の時代を生きた」人、「もし、いい世の中にめぐりあっていたなら、もっといい人生を生きることができたであろう」人……。そんな「匿名の存在」に押し込めて過ごしてきた父に、あらためて寄り添い、「私」が分け入っていく父の記憶のひだ、父の人生の物語。 「極めて個別の父」を描きながら、読み手の胸を震わせ目頭を熱くする「普遍の父」とは。 〔目次〕 第一章 ひさしぶりだ 第二章 夜を歩きつづけるとき 第三章 木箱の中から 第四章 彼について語る 第五章 すべてが終わった場所でも 作家の言葉 すべての「匿名の人びと」に捧げる物語(趙倫子) 訳者は二度、涙を流す(姜信子)
山の中でたった一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で、世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。 多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、知られざる短篇小説名作集がついに邦訳! 西崎憲さん(作家・翻訳家・音楽家・「惑星と口笛」主宰)賞賛!! ここが抒情の終着点 先はない なんというみずみずしさ。本からこぼれだすのは、少女や友達、家や風景、おもしろい夢をみる女性や人を殺してしまった男性たち。永遠は子供の形で現れ、細部は不可知を囁く。マルレーン・ハウスホーファーはドイツ語園で最良最高の抒情を達成した。 収録作はオーストリアの村で生まれ育ったマルレーン・ハウスホーファーの少女時代を彷彿させる。共に暮らした人々や動物たち……そして、平和な暮らしを一変させる戦争の影。 文学ムック「たべるのがおそい」vol.4収録の「さくらんぼ」「雌牛事件」「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」ほか、かなしみにユーモアをまぶした切なく心あたたまる作品集。 1 少女時代の思い出 美しきメルジーネ ぞっとするような話 雌牛事件 さくらんぼ 初めてのキス おばあちゃんが死ぬ ドラゴン 懺悔 2 大人の生活 小さな幸せ 人殺しは夕方やってきた 日曜日の散歩 おもしろい夢を見る女性 ミルテの木、もしくは軽率なマティルデ フォン・ガイエン氏の夜の出逢い お話 とりわけ奇妙な愛の物語 人喰い 3 戦争の影 クワガタムシ 司令官の死 一九四五年の春 国家の反逆者 間借り人たちのクリスマス 恐るべき忠節 ウィロー夫妻 変身 もろびと声あげ(イン・ドゥルチ・ジュビロ) 訳者あとがき
金髪美女、債務取立人、食料品王の息子、ゴロツキ。“ガチョウの貯金箱”に群がるアブナイ奴ら。相棒サムを拉致されて孤立無援となったジョニーは難局を切り抜けられるか? “笑撃”のクライマックスが待ち受ける〈ジョニー&サム〉シリーズ長編第13作。 一本足のガチョウの秘密 訳者あとがき
千万の詩より、雄弁な口づけ。 郎千秋(ラン・チエンチウ)、そして四大害・戚容(チーロン)との複雑な関係が明らかになった謝憐(シエ・リェン)。その過去に天界は騒然として、三度目の追放を願い出た謝憐(シエ・リェン)は君吾(ジュンウー)から禁足を命じられる。だが、そんな彼を天界から攫い、「あなたは間違っていない」--そう言って千々に乱れた心を受け止めてくれたのは、他でもない花城(ホワチョン)だった。菩薺観へ戻り、戚容(チーロン)や子供たちと奇妙な共同生活を送る謝憐(シエ・リェン)は、依頼を受けてとある異象の調査へ。霊との攻防の中で湖へ飛び込むと、突然水中で誰かに口づけられる!瞠目しながら謝憐(シエ・リェン)が感じたのは、柔らかな唇、力強く腰を抱く腕、そして眩い赤色でーー。