小説むすび | ジャンル : 外国の小説

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クララクララ

スペイン大衆小説の登場! 日常のなかの絆! この小説を読もうと思ったら他の計画を立ててはならない。読み始めると、笑いこけ、泣きじゃくり、時には笑いこけながら泣いてしまうから、という理由だが、時には喉も詰まらせられる、とスペインの書評氏 テレサ は言う! 主人公クララは35歳。離婚して、幼稚園児と小学生の二人の男の子を一人で育てている。仕事はテレビのプロダクション会社勤務。元の妻であるクララに内緒で家を抵当に入れて騒ぎをおこしたり、仕事でも失敗を繰り返している、元夫からの養育費の支払いは滞っており、日曜日には生活のためのアルバイトをし、息子たちにも気を配り、他の知り合いと時に享楽的な付き合いを続けて、問題含みでありながらもごくふつうの生活を送っている。表面上はクララに辛く当たってばかりの母親は、心の中ではクララを愛してもいて、父親の方はというと、離婚後、やはり昔からの愛人マイテと一緒であっても、娘とは連絡し合い、離婚された元の妻も愛しているのだった。そんなクララを支える精神科医ルルデス。仕事上の上司カルメン。仕事仲間のエステル。特に好きでもないが、いつでも寝ることのできるディレクターのミゲル。同僚の魅力的で心惹かれる友人、ロベルトとも、やがてその希いも達せられるのだった。小説中の登場人物は、体のスタイルや性格の長所、欠点などが活き活きと描かれ、いつどこででも市井で知り合えるような人々ばかり………やがてクララは誰の子か分からない子どもを生む。その誕生祝い、そこでは、多くの関係者が集まることとなり、あたかもカタツムリの殻のように、自分も家族や友人たちに支えられていることをクララは自覚するのだった。原書名 Los caracoles no saben que son caracoles.

俳句 ウクライナから日本へ 297歩俳句 ウクライナから日本へ 297歩

「一句一句が私の心を日本へ運ぶ小さな一歩なのです」 今もウクライナで俳句を詠み続ける若き俳人ウラディスラワ・シモノワ(Vladislava Simonova 愛称ブラダ)がウクライナ語で詠んだ俳句とその日本語訳を併記した俳句集。 全297句と、著者自選の11句と本人によるエッセーを、ウクライナ語と日本語訳で掲載。日本語訳を元に、坪内稔典・八木健・大鋸甚勇の三氏が作句し鑑賞する章「Dear ブラダ 俳句界の三賢人による作句と鑑賞」も。 著者のプライベート写真やウクライナの風景など50枚超と八木久子氏の日本画多数で構成された、全96頁フルカラーの、目でも楽しめる本。 日本の伝統的文化である俳句による文化交流を通して、遠く離れたウクライナと日本の絆を結び、ウクライナ支援につなげたいとの思いで作られた句集。 メディアでの紹介多数:「ETV特集『戦禍の中のHAIKU』」(NHK)、「ドキュメント20min.『ウクライナ 俳句交換日記』」(NHK)出演。 俳句が伝える戦時下のウクライナ ウクライナの市民、7人へのインタビュー」(馬場朝子編訳/現代書館)、「Serow(カモシカ)」(秋田国際俳句ネットワーク)、中日新聞、共同通信、秋田国際俳句ネットワーク ウェブサイト、京都×俳句プロジェクト ウェブサイトなどに俳句掲載。 著書:「ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly」(集英社インターナショナル) 私の俳句の世界へ、ようこそ ブラダの俳句と青春 コラム 良寛さんとブラダさん Dear ブラダ 俳句界の三賢人による作句と鑑賞 ウクライナと日本をつなぐ297句 編集を終えて

父のところに行ってきた父のところに行ってきた

【内容紹介】 父は、泣く。父は、彷徨う。父は、怯える。父は、眠らない。父に寄り添う暮らしは、思いがけないことばかりだった。「私」は思う。いったい父の何を知っていたというのだろう。 主人公の「私」は中学生の一人娘を事故で失い、かたくなな心を持て余している孤独な女性作家。高齢の母がソウルの病院に入院したため、故郷に一人暮らしとなった父の世話を兄弟たちに頼まれ、老いた父に向き合うことになる。「アボジ(お父さん)」と呼びかける父は一九三三年生まれ。植民地期、朝鮮戦争、南北分断、軍事独裁、民主化抗争といった朝鮮半島の激動の時代を生きてきた。 「苦難の時代を生きた」人、「もし、いい世の中にめぐりあっていたなら、もっといい人生を生きることができたであろう」人……。そんな「匿名の存在」に押し込めて過ごしてきた父に、あらためて寄り添い、「私」が分け入っていく父の記憶のひだ、父の人生の物語。 「極めて個別の父」を描きながら、読み手の胸を震わせ目頭を熱くする「普遍の父」とは。 〔目次〕 第一章 ひさしぶりだ 第二章 夜を歩きつづけるとき 第三章 木箱の中から 第四章 彼について語る 第五章 すべてが終わった場所でも 作家の言葉 すべての「匿名の人びと」に捧げる物語(趙倫子) 訳者は二度、涙を流す(姜信子)

人殺しは夕方やってきた人殺しは夕方やってきた

山の中でたった一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で、世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。 多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、知られざる短篇小説名作集がついに邦訳! 西崎憲さん(作家・翻訳家・音楽家・「惑星と口笛」主宰)賞賛!! ここが抒情の終着点 先はない なんというみずみずしさ。本からこぼれだすのは、少女や友達、家や風景、おもしろい夢をみる女性や人を殺してしまった男性たち。永遠は子供の形で現れ、細部は不可知を囁く。マルレーン・ハウスホーファーはドイツ語園で最良最高の抒情を達成した。  収録作はオーストリアの村で生まれ育ったマルレーン・ハウスホーファーの少女時代を彷彿させる。共に暮らした人々や動物たち……そして、平和な暮らしを一変させる戦争の影。 文学ムック「たべるのがおそい」vol.4収録の「さくらんぼ」「雌牛事件」「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」ほか、かなしみにユーモアをまぶした切なく心あたたまる作品集。 1 少女時代の思い出 美しきメルジーネ ぞっとするような話 雌牛事件 さくらんぼ 初めてのキス おばあちゃんが死ぬ ドラゴン 懺悔 2 大人の生活 小さな幸せ 人殺しは夕方やってきた 日曜日の散歩 おもしろい夢を見る女性 ミルテの木、もしくは軽率なマティルデ フォン・ガイエン氏の夜の出逢い お話 とりわけ奇妙な愛の物語 人喰い 3 戦争の影 クワガタムシ 司令官の死 一九四五年の春 国家の反逆者 間借り人たちのクリスマス 恐るべき忠節 ウィロー夫妻 変身 もろびと声あげ(イン・ドゥルチ・ジュビロ) 訳者あとがき

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