ジャンル : 外国の小説
末満健一氏による舞台化で話題! 真実と嘘、愛と像、自由と孤独、罪と罰、善と悪、滅亡と繁栄……人間の究極の葛藤を描いた、壮大にして濃密な人間ドラマ。罪を犯さずして、大人になどなれるだろうかーー。1〜9地区まで区分けされた階級社会に生きる16歳のダーウィン・ヤングは、最上位の1区に育ち、トップ校に通う。ダーウィンは官僚の父・ニースに連れられ、ジェイの追悼式に毎年参列している。父の親友であったジェイは、30年前に16 歳で死亡。9地区の人間が起こした強盗被害に遭ったとされているが、犯人は不明のまま。唯一、犯人探しに執念を燃やすのはジェイの姪・ルミだ。ダーウィンは恋心を寄せるルミから、ジェイのアルバムから不自然に消えている写真があり、それが事件の鍵を握ると打ち明けられる。ダーウィンはルミと一緒に謎を解く旅に出るが、そこで明かされたのは、ひた隠しにされていた世界の光景と自身のルーツだった…。
どうして気づかなかったのだろう。 幸せをくれる人は、ずっとそばにいた。 若き看護師長レイチェルは仕事熱心で、充実した毎日を送っている。 ただ、自分勝手なボーイフレンドに振り回されるのが悩みだ。 そんな彼女を見て、上司のファン・トゥーレ教授が助言をくれた。 「彼が望む女性になろうとせずに、そのままの君でいなさい」 胸を打たれたレイチェルはいつしか教授を意識するようになり、 ボーイフレンドと会っていても、思わず教授と比べてしまうのだった。 彼の下で働き始めて2年、有能な外科医として尊敬してはいたが、 彼がどこに住み、どんな暮らしをしているのかさえ知らなかった。 今まで気づいていなかったけれど、 教授はいつも私を見守ってくれていた。でも、それはなぜ……? ハンサムで長身のオランダ人外科医の教授は落ち着きのある大人の男性で、派手好きで軽薄なボーイフレンドとは正反対。レイチェルは、彼が年の離れた兄のように優しく包み込んでくれていることに、あるときふと気づくのでした。それが恋の始まりとも知らず。
私は愛の女神に見放されてしまったの? 挙式した日の夜に別れが訪れるなんて。 「君は独りで眠ればいい。押しつけられた花嫁を抱く気はない」 ローマの教会でイタリア貴族チェーザレと結婚式を挙げた日の夜、 アイダは夫となった男性が腹立たしげに放った言葉に絶望した。 残忍な祖父が極悪非道な手段でチェーザレを脅迫し、 私との政略結婚を強要していたとは! 憧れの彼と愛情にあふれた家庭を築くという夢が崩れ去り、 アイダは豪華ホテルのスイートルームから急いで姿を消した。 4年後、偽名で貧困生活を送る彼女の前にチェーザレが突然現れ、 傲慢に命じる。「君は今でも僕の妻だ。トスカーナの別荘へ来い」 8歳で両親を亡くした後、家族の愛に恵まれなかったヒロイン。憧れのイタリア貴族ヒーローとの結婚で、やっと愛情に満ちた家庭を築けると歓喜したのもつかの間、運命は彼女を不幸のどん底に突き落とし……。A・ウエストの劇的な再会ロマンスをお見逃しなく!
どうかお願い。魔法が解けるまで、 あと一夜だけ伯爵の恋人でいさせて。 エマは家族の中の、いわゆる“醜いあひるの子”だった。 姉にも妹にもやさしい父は、彼女にだけつらく当たる。 だが、次期伯爵のアレックスが舞踏会で見初めたのはエマだった。 美しい姉の目の前で選ばれ、彼女は驚きを抑えられなかった。 アレックスから所有する豪勢なアパートメントへ誘われ、 二人でめくるめく一夜を過ごす間、エマは夢の中にいる気分だった。 翌朝、携帯電話に〈何をしているの?〉〈家に顔を出しなさい〉 〈パパはかんかんよ〉と家族からメールがしつこく届くまでは。 アレックスとの関係に永遠なんてないのは承知している。 でも、私にはつかの間の恋をすることさえ許されないの? B・メイソンの初邦訳作品をご紹介します! 伯爵ヒーローのおかげで、自分にも価値があることに気づいたヒロイン。しかし彼との関係はつかの間にすぎず、愛を求めてはいけないのはわかっていて……。あなたも英国貴族と甘く切ない時間を過ごしてみませんか?
母を看取ったあと、キャットには住むところも職もなかった。途方に暮れていたとき、亡母と同窓だという女性の訪問を受ける。事故で重傷を負った息子のマットが退院したので、自宅でのリハビリのために理学療法士の有資格者が必要だという。幸運にも住み込みの仕事が見つかったキャットは、富豪マットのいる壮麗な大邸宅に赴いて彼と顔を合わせた。てっきり弱々しい人物だと思い込んでいたのに、こんなにハンサムでたくましい、理想の男性そのものだなんて!彼は驚き戸惑うキャットを不機嫌な顔でにらみつけ、宣言した。「きみとの契約は打ち切りだ。ぼくに理学療法士は必要ない」
ボスの子を宿した秘書は、 幸せになってはいけないの? 「その結婚に異議あり」突如響いた声の主に、エリンは驚いた。 ディミトリ・マカロフ! 美女と酒に目がない放蕩富豪。 7年前、彼の秘書をしていたエリンはボスに誘惑され、 あろうことか一夜を共にして、身ごもってしまった。 だが、ディミトリは結婚も子供も不要と公言する独身主義者だ。 エリンは黙って姿を消し、ひとりで出産するしかなかった。 屋根裏部屋に住み込んでの息子との生活がいよいよ困窮し、 裕福な友人の申し出で形式的な結婚を決めた矢先だったのに。 今ごろ現れて、ディミトリは私たちをどうするつもり? 「僕の息子なんだな?」彼が燃える目でエリンに詰め寄り……。 妊娠を告げようと訪ねると、そこには女性と抱き合う最愛のボスの姿が──深く傷つき、黙って姿を消したヒロイン。貧しいながらも懸命に息子を育ててきた彼女に、ヒーローが突き付けたものとは?S・ケンドリックが贈る珠玉のシークレットベビー物語です。
傷ついたような緑の暗い瞳。傾けたグラス越しの深い声。バーで見かけた陰のある男性ジーンに、アリソンは魅了されてしまった。女性関係が派手で、危険な男だともっぱらの噂なのに。両親を亡くして以来、ひっそりと生きてきたアリソンは、人一倍恋に臆病だったー25歳のいままで男性経験もない。けれど、彼に気に入られたくて精いっぱい大人の女を演じた。飲んだこともないお酒を飲んで、遊び慣れたふりをして…。そしてついに結ばれた夜、怯えるアリソンが無垢だったと知るや、ジーンは激高した。「ぼくは遊び慣れた女としかつきあわない」アリソンの胸を、惨めさと哀しみがえぐった。
やさしくされるたびにつらくなる。 彼を独り占めしたい自分がみじめで。 私が養子だと、両親はなぜ亡くなる前に教えてくれなかったのだろう? それ以来、フランソワーズは本当の両親を必死にさがしてきた。 だが探偵によると、情報は厳重に封印されていて調べようがないという。 そんな彼女に手を差し伸べてくれたのが、ジャン・ルイだった。 三つ子の億万長者の一人である彼は、女性たちの憧れの結婚相手であり、 慈善活動にとても熱心な、高潔で思いやり深い男性でもある。 ジャン・ルイになぐさめられ、両親をさがす力になってもらううち、 フランソワーズの心はいつしか彼でいっぱいになっていた。 でも、ジャン・ルイは誰にでも親切だ。私はそれを愛と勘違いしただけ。 親の顔も知らない私を、彼はただ哀れんでいるにすぎないのに……。 I-2751『愛の都で片想いの婚約を』で行方不明だったカウセル家の三つ子の億万長者の一人が帰ってきました! 自分ではヒーローと釣り合わないと、姿を消す決心をするヒロイン。けれど彼に見つけられたとき、いっそう深く恋に落ちたことに気づくのでした。
私は、都合のいい妻。愛されない妻。 おなかの子も望まれていないならいっそ……。 仕事に夢中な大富豪ジェイコブとの結婚に耐えてきたクララは、 都合のいい妻でいるのがつらくなり、身の回り品だけを手に家を出た。 その後、新たな命を授かっていることに気づいたが、 子供は欲しくないと明言していた夫に知らせるつもりはなかった。 愛されないならいっそ別れたいと再三訴えるクララに対し、 彼はつねに弁護士を通じて、離婚には応じないと伝えてきた。 だが5年後、イベント業を営むクララのもとにジェイコブが現れ、 余命わずかな父のために家族パーティを企画してほしいと言われる。 密かに産んだ娘の存在、いまだくすぶる彼への愛は、知られたくない! 悩み苦しむ妻に、夫は言った。「引き受けてくれるなら、離婚に応じる」 夫を愛しているからこそ、いびつな関係に耐えきれずに別れようとするクララ。そんな切ない望みをつっぱね続けるジェイコブの真意がわからず、彼女は悩みます。さらに、物心ついた娘が“パパが欲しい”とサンタクロースにお願いしているのを聞いてしまい……。
彼が放ったひどい言葉は棘となって、 今も私の心に突き刺さったまま……。 父の家庭内暴力に苦しみ、アビーは男性恐怖症に陥った。 そんな彼女を引き取ってくれた兄夫婦が6年前に事故で亡くなり、 遺された幼い姪を育てながらの暮らしも、今や困窮していた。 あるとき、親戚の葬儀に出席するため故郷に戻ってきたアビーは、 最も会いたくなかった男性、コーディ・バンクスと再会してしまう。 彼の妻はアビーの兄夫婦の葬儀に参列した際に感染症にかかり、 それがアビーと姪のせいだと、鬼のような剣幕で罵倒してきたのだ。 理不尽な言いがかりによる心の傷は6年経った今も癒えておらず、 恐怖に怯えたアビーは姪の手をとり、その場から逃げ出したーー ほどなくコーディ・バンクスが隣人になろうとは、夢にも思わずに! 大人気シリーズ〈ワイオミングの風〉もおかげさまで11作目に突入しました! 『仮面をぬいだ花嫁』(PS-108)に登場した、保安官のコーディがヒーローを務めます。感染症で命を落とした妻を想い続ける彼とアビーをどんな恋の運命が待ち受けているのでしょうか?
子を望んではいけないと思ってきた私が、 跡継ぎを望まれる大公妃になるなんて……。 「結婚1周年だよ、ミセス・パレンティ」 大富豪の夫サウルの甘いささやきに、ジゼルの胸は幸福感で満たされた。 ところが、愛を確かめ合った直後、衝撃の一報がーーサウルのいとこ、 アレジオ公国の大公アルドが暗殺事件に巻き込まれたというのだ。 駆けつけたサウルに跡を継ぐことを約束させ、アルドは息を引き取った。 “子供は作らない”それがサウルとジゼルの婚前の取り決めだったのに、 サウルが大公の座に就けば、世継ぎをもうけざるをえなくなる。 幼い頃に家族を失い、命の儚さを痛いほど知るジゼルは離婚をも考えた。 サウルも子供を作らないという決意は固く、どうにか道を模索すると言う。 だが運命は思わぬ方向へ転がる。ジゼルの予期せぬ妊娠が判明したのだ! 稀代の名作家P・ジョーダンが2部構成で描いた怒濤のロイヤル・シンデレラストーリーの後編です。アルド急死のショックによる体調不良が影響してか避妊薬が効かなかったジゼル。サウルからは、彼に隠れて妊娠を望んでいたのではないかと非難されて……。
密かに産んだ娘、独りで授かった子、思わぬ妊娠。 人生を変える恋を綴ったベビー・アンソロジー! 北米ロマンス界を牽引してきた大御所作家たちが描いた、ベビーにまつわるドキドキの3篇を選りすぐってお贈りします。赤ちゃんというかわいらしくて無垢で小さな存在が恋のキューピッドとなる、読後に幸せで温かな気持ちがふくらむベビー・アンソロジーです!
「どこにいたって、あなたは決して一人じゃない。」 韓国で注目を集める若手作家による瑞々しい青春ストーリー! ーーーーーーーーー ワーキングホリデーで訪れたオーストラリア。 「シャーリー」だけが入れるクラブがあるって知って、興味津々訪ねてみたら、そこには白髪のおばあさんたちが。 そうしたら……背の高い、東洋人とも西洋人とも、女とも男ともつかない彼が……「誰を探してるの?」って〈完璧な紫色の声〉で呼びかけてきて……。 この出会いって、運命? それとも偶然なの? 差別に傷つき、アイデンティティに迷い、そして恋に奮闘して……。 人種や世代を超えて痛みや喜びを分かちあうピュアな“愛”の物語。 SIDE A ■Track 01 ■Track 02 ■Track 03 ■Track 04 ■Track 05 ■Track 06 SIDE B ■Track 07 ■Track 08 ■Track 09 ■Track 10 Hidden Track ■あとがき ■訳者あとがき
32年前から二年ごとに起こる、事故や自殺に見せかけた事件現場には必ず塩が残されていることに特捜部Qは気づいた。一方、カールが過去のステープル釘打機事件の重要参考人になっていることがわかりーー。シリーズ完結目前、特捜部Qが連続殺人事件の謎に挑む。
夫が消えた。妻のハンナに残されたのは「彼女を守って」と書かれたメモと、夫の連れ子ベイリー。そしてベイリー宛ての大金が入った鞄。のちに夫が働くテック企業に巨額の詐欺の疑いがかかり、ハンナは失踪の謎に迫るーー全米200万部のベストセラーサスペンス。
過熱する慈善戦争、救いを求める匿名の手紙、そして殺人事件……。フラックス・バラに新たな災いをもたらす怪事件の残酷な真実とは。 愛の終わりは家庭から 訳者あとがき 解説 井伊順彦
かつて革命の英雄であった主人公ルバショウは、絶対的な権力者「ナンバー・ワン」による粛清の標的にされ、でっち上げられた容疑で逮捕・投獄される。隣の独房の囚人と壁を叩いた音によって会話を交わし、これまでの半生を追想するうちに、革命家としての自分の行動の正当性に対する確信が揺らぎ始める。取り場べを受ける中でルバショウは、でっち上げられたグロテスクな罪を自らの意思で自白していく。
語り手は、十九世紀半ばの大飢饉に陥ったアイルランドで家族を失い、命からがらアメリカ大陸に渡ってきたトマス・マクナルティ。頼るもののない広大な国でトマスを孤独から救ったのは、同じ年頃の宿無しの少年ジョン・コールだった。美しい顔立ちに幼さの残る二人は、ミズーリ州の鉱山町にある酒場で、女装をして鉱夫たちのダンスの相手をする仕事を見つける。初めてドレスに身を包んだとき、トマスは生まれ変わったような不思議な解放感を覚える。やがて体つきが男っぽくなると、二人は食いっぱぐれのない軍隊に入り、先住民との戦いや南北戦争をともに戦っていくーー。 西部劇を彷彿とさせる銃撃戦、先住民の少女と育む絆、はらはらする脱走劇、胸に迫る埋葬場面などが、勇敢な兵士でありながら女としてのアイデンティティーに目覚めたトマスによって、生き生きと語られる。 カズオ・イシグロは、「一言一句にいたるまでこれほど魅力的な一人称の語りには数年来出会ったことがない」と、本書に賛辞を寄せている。個性的な〈声〉の力強さと詩的な響きに満ちた、「西部小説」再興を示す傑作長篇。