出版社 : アトリエサード
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、 一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第5期第2回配本! アメリカン・ホラーの巨匠、 マンリー・ウェイド・ウェルマンが贈る連作短篇、 完全網羅! 呪法の綴られた稀覯書、 持つ者を狂わせる魔剣、 ドッペルゲンガーの怪異に、 海千山千のオカルティスト…… 謎と恐怖が、摩天楼の片隅で、 ハードボイルド探偵に降りかかる! 数多の怪異と闇の学院の全貌を明るみにさらけ出す 渾身の8編! ================= サンストーンは立ち上がった。 そうするとき、彼はいつも激昂していた。 「シドンズさん、あんたは彼らの鉱物資源を独り占めにしたいのでは? そんな目論見に協力なんかするものか。 ぼくはロングスピアの側に立ちます。 彼はまっとうで誇り高い、異教徒の紳士です。 どんな民族でも信用できる人物です。 では、お引き取りを」 ================= 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 爛熟の極みたる摩天楼ニューヨーク。 そこに居を構えるサンストーンのもとに、 北米や北欧やインドの先住民の末裔たちが訪れ、 あるいは麗しき伯爵夫人に甘言と魔の手が迫る。 魔女、呪われた曲刀、あるいはドッペルゲンガーといった怪異もまた、 次々と姿を露わにする。 魑魅魍魎の侵襲と世間の荒波にさらされながらも、 それでも善と良心に従う意味を、彼は行動で示してみせる。 かくして、短編として発表された オカルト探偵ジョン・サンストーンの驚異に満ちた冒険の全貌に 触れることができるようになった。 下巻には、健部伸明と岡和田晃が中心となって、 「関連作品・参照作品リスト」もまとめている。 こちらを活用し、ウェルマンや関連作を より広く深く知るための手がかりとしてもらえればと願う。 ーー岡和田晃(解説より) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ーーーーーーーーー ◎目次 「黄金の小鬼」 「ひづめ」 「凍火の文字」 「《極北》よりの妖術」 「ダイの剣」 「二重の呪い」 「リル・ウォーレンの最後の墓」 「呼び覚ますなかれ」 マンリー・ウェイド・ウェルマン大いに語る/健部伸明編訳 コラム=ロウリー・ソーンとモンテセコ伯爵夫人 〜シリーズを随所で彩る黒魔術師とじゃじゃ馬美女/待兼音二郎 解説=我らがジョン・サンストーン、その勁さと優しさよ/岡和田晃 関連作品・参照作品リスト/ナイトランド叢書編集部 「黄金の小鬼」 「ひづめ」 「凍火の文字」 「《極北》よりの妖術」 「ダイの剣」 「二重の呪い」 「リル・ウォーレンの最後の墓」 「呼び覚ますなかれ」 マンリー・ウェイド・ウェルマン大いに語る/健部伸明編訳 コラム=ロウリー・ソーンとモンテセコ伯爵夫人 〜シリーズを随所で彩る黒魔術師とじゃじゃ馬美女/待兼音二郎 解説=我らがジョン・サンストーン、その勁さと優しさよ/岡和田晃 関連作品・参照作品リスト/ナイトランド叢書編集部
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第5期第1回配本! アメリカン・ホラーの巨匠、マンリー・ウェイド・ウェルマンが贈る幻の連作、遂に邦訳! 魔人、ヴードゥーの精霊、異形の存在〈ショノキン〉…… 得体の知れない魔物に、論理と魔術と肉体の力で挑む ハードボイルド探偵、登場! 人ならざるものの恐怖に向き合う 珠玉の8編! ================= 暗い部屋が泳いだ──文字通りに。 サンストーンの頭の上のどこかから、生あたたかい水しぶきが降ってきた。 透過性のある、蛇の群れを思わせるものが現れた。 身を守るため、サンストーンは本能的に両手を挙げた。 右手にはパイプがあり、パイプはまだ煙をあげていた。 水は火を制す!──しかし、本当の水ではなく、水の感触だけだった。 そこにサンストーンの付け入る隙があった。 〈ショノキン〉の魔術から抜け出す隙だ。 捻じくれ、のたうつ触手が迫る中、サンストーンはパイプを咥え、煙を吹かした。 部屋が祓われた。 何事もなかったかのようになった。 サンストーンはパイプから灰を落とし、煙草を詰めてから、火を点けた。 ================= 「いいや、まだ先がある」ノービエは反論すると、読み進めた。 「ここを見てほしい。第六節が始まるところを。 『ここにひとりの人があって、神からつかわされていた。 その名をヨハネ(John)と言った……』」 ジョン(John)・サンストーンは手を伸ばすと、聖書を閉じた。 「私はずっと、自分の名に恥じぬように努めてきた」 彼の言葉は優しかった。 「いつか、この志を果たせるかもしれない。多少なりとも、ね」 ================= ーーーーーーーーー ◎目次 「ヴードゥーの踊り子イリュリア」 「ジョン・サンストーンが遺贈されたもの」 「死人の手」 「魔人ロウリー・ソーンふたたび」 「〈ショノキン〉ども」 「きわめつけの困難」 「〈ショノキン〉の街」 「ダ・ヴィンチの円盾」 コラム=〈ショノキン〉とジョン・サンストーン/渡辺健一郎 解説=ハードボイルド心霊探偵ジョン・サンストーン、ここに見参!/岡和田晃 ーーーーーーーーー 「ヴードゥーの踊り子イリュリア」 「ジョン・サンストーンが遺贈されたもの」 「死人の手」 「魔人ロウリー・ソーンふたたび」 「〈ショノキン〉ども」 「きわめつけの困難」 「〈ショノキン〉の街」 「ダ・ヴィンチの円盾」 コラム=〈ショノキン〉とジョン・サンストーン/渡辺健一郎 解説=ハードボイルド心霊探偵ジョン・サンストーン、ここに見参!/岡和田晃
吸血鬼が狙った娘は、異界の神の花嫁だったーー 地球規模の大災害を生き延びた愛理。 ボストンの地下鉄で近づいてきた女性は、実は数百年を生きる吸血鬼だった。 だが一方、愛理は、異界の神ヨグ=ソトースに魅入られている存在でもあったーー 〜〜〜〜〜 喪われたはずの鳥は戻ってきた。 魔性と同じ名を背負って。 〜〜〜〜〜 新星が贈る現代クトゥルフ! 短編「望郷」を併録! ================= 現代に近しい未来、地球規模の未曾有の大災害が起きた。 アメリカ東海岸でその災害を体験し、生き延びた愛理は、 復興に向かおうとするボストンの地下鉄で 謎めいた黒衣の女性と出会う。 エリと名乗ったその女性は実は数百年を生きる吸血鬼だった。 相手の正体を知らずに、エリとの親交を深めてゆく愛理だが、 一方、生まれた時から異界の神に魅入られていた存在でもあった。 愛理を巡る、異界の神と女性吸血鬼との争いが始まるーー ================= ーーーーーーーーー ◎目次 暗夜にぞ輝けり〜暗黒星奇譚 ・第一章 鳥啼く夜に ・第二章 虹を望みて ・第三章 レッドライン ・第四章 王なき海辺の王国で ・第五章 薔薇、病めり ・第六章 血の記憶 ・第七章 夜来る ・第八章 暗夜にぞ輝けり 望郷 あとがき ーーーーーーーーー ◎壱岐津礼によるクトゥルフ作品 「かくも親しき死よ〜天鳥舟奇譚」好評発売中! 暗夜にぞ輝けり〜暗黒星奇譚 ・第一章 鳥啼く夜に ・第二章 虹を望みて ・第三章 レッドライン ・第四章 王なき海辺の王国で ・第五章 薔薇、病めり ・第六章 血の記憶 ・第七章 夜来る ・第八章 暗夜にぞ輝けり 望郷 あとがき
カジノで働く仮面の女、ファントム。 そこに現れた組長の愛人、知奈と その組長の娘、死体から生まれたユウ。 仮面で隠した醜貌の秘密。 激しくぶつかる復讐心と憎悪。 ファントムと知奈の思いの行方はーー ================= 忌々しい記憶を追い払う。仮面の下が痛む。 ファントムはうっかり爪を噛まないように両手を握りしめ、 今度こそ知奈に気に入られるように笑った。 「本当も何も、これが私ですよ。 私は『ジャンケットのファントム』です。 つまらない名前よりも、ファントムの方がこの島じゃ相応しいでしょう?」 …… 恐る恐る宙に浮かせていた手を、知奈の身体に添わせた。 彼女が側にいるだけで、こんなにも安らぐのはなぜだろう。 …… ユウが知奈と自分にとっての疫病神なのは間違いなかった。 この悪縁を断ち、解放されなくてはいけなかったーー 「死に腐れ! お前の思い通りになるかよッ」 ================= 傷ついた者たちの魂が交錯する、 壮絶な“家族”の寓話! ーーーーーーーーー
生物学的な男(メイル)が生まれなくなった近未来。 メイルは貴重な資源とされ、無生殖能力者(スュード)である鶫(ツグミ)は、 メイルの略奪者として働いていたーー === スュードに生まれるのは悪いことなの? なぜ、こんな生き方を 選んでしまったのだろう。 === 任務に背いてメイルを解放した鶫。 そのメイルを連れ、唯一メイルが生まれる太母市に潜入する。 そこで鶫が見たものとはーー 性と生殖、人類の存続を問う意欲作! === 決断したという自覚さえないままに、鶫は戦士になっていた。 なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう。 およそ、この世に略奪者ほど卑しく汚い仕事はないのに。 あるいは、それだからこそだったのか。 スュードは何も生み出さない。 無意味で不毛な人生を送って虚しく死んでいくだけだ。 やりたいこともなりたいものも特に見つからなかった。 それとも、考えようともしなかったのか。 母親にさえ見捨てられる無価値な存在が 人生について真剣に思い悩んだところで何になる。 自分には人に蔑まれる仕事こそがふさわしいのだ。 ===
クトゥルフ vs 地球の神々 新星が贈る現代伝奇ホラー! クトゥルフの世界に、あらたな物語が開く! 大いなるクトゥルフの復活を予期し、 人間を器として使い、迎え討とうとする神々。 ごく普通の大学生活を送っていた若者たちの日常が、 邪神と神との戦いの場に変貌したーー! 「この計画の眼目は、死の女神をして大クトゥルフを斃(たお)さしめること、永久(とこしえ)に葬ることにある」 ===== 星辰は巡り、大いなるクトゥルフが復活しようとしていた。 それを予期し、迎え討とうとする神々。 だが、この地球上で大クトゥルフやその眷属と戦うためには、 自分たちの器となる人間=依童が必要だったーー ごく普通の大学生活を送っていた若者たち。 その日常が、邪神と神との戦いの場に変貌した。 クトゥルフと神々の戦いの行方は? そして依代として巻き込まれ翻弄される若者たちの運命は……?! “ようやく俺のもとにたどり着いたな。俺の器よ。” ===== 「愛(うつく)しき我が夫(せ)の君」 少女が口を開いた。鈴の音(ね)の声で。 女神が言葉を発した。黄泉の響きで。 「我は現(うつ)し世には戻れぬ。なれば夫の君、汝が我がもとにお越しあれ」
熱烈なファンを擁する《レディ・ヴィクトリア》シリーズ、待望の新刊! 先行するシリーズの前日譚。ここから物語が再び始まる。 ヴィクトリア朝ロンドン、レディが恋した相手は…… 〜〜〜〜〜 生まれる前のわたくしたちは、 互いに翼を連ねて飛ぶ鳥だったーー 〜〜〜〜〜 ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、 天真爛漫なレディと、国際色豊かな使用人たちが謎に挑む 傑作ミステリ《レディ・ヴィクトリア》シリーズ。 待望の書き下ろし新作! 過去の異国を舞台にした小説は、ディテールの書きこみが肝になる。 今回は枚数制限の枷を外させてもらい、思い切り書きこむことにした。 筋書きのみならず、細部描写を楽しんでいただけたらと願っている。 ーー篠田真由美 ★装画:THORES柴本★ 描き下ろし口絵付!! 〜〜〜〜〜 チャールズに逝かれてから、こんなふうに気持ちが動いたのは初めてなの。 なにもかもが灰色で、心が火の消えた暖炉のようになって、 目を開けたまま石になってしまいそうだったのに、 やっと心臓が動き出した気分なんですもの。 〜〜〜〜〜 ーーーーーーーーー ◎目次 プロローグ ローズは奥様に昔話をねだる 第一章 パリの巡り会い または、それは平手打ちから始まった インタールード・1 第二章 築地ホテル館の殺人 または、燔祭の子羊はいずこにあるや インタールード・2 第三章 屍天使の冬 または、セイレーンは翼を連ねて飛ぶ エピローグ ローズは思いを新たにする あとがき プロローグ ローズは奥様に昔話をねだる 第一章 パリの巡り会い または、それは平手打ちから始まった インタールード・1 第二章 築地ホテル館の殺人 または、燔祭の子羊はいずこにあるや インタールード・2 第三章 屍天使の冬 または、セイレーンは翼を連ねて飛ぶ エピローグ ローズは思いを新たにする あとがき
明治の初頭、名士が集った百物語会。 時を越えた呪怨の連鎖! ===== 異能の絵師・河鍋暁斎が、絵筆と妖刀で魔に挑む! ===== 「百の結びとなります。 今宵の最後語りは、あえて話には素人の絵師の 月岡芳年師匠にお願いしてあります」-- 三遊亭円朝に仮名垣魯文、山岡鉄舟、岩崎弥之助、月岡芳年…… 名士ばかりが集った百物語会に現れた怪異とは? そして、猫の妖怪、新選組と妖刀、この世を揺るがす龍ーー 「何ということだ、私は破壊と殺戮の為だけに生きて、いや生かされていた」 ===== 絵師・河鍋暁斎を軸に、妖怪の潜む幕末&明治の時代を活写した 《百鬼夢幻》連作シリーズ ◎既刊 『百鬼夢幻〜河鍋暁斎 妖怪日誌』 ===== 序 始の譚 消えない怨火 弐の譚 見えない猫 参の譚 秘仏の尊顔 幕間の譚 妖刀奇譚 肆の譚前語り 肆の譚 震える男 終の譚 不滅の運命 あとがき
〈錆の砂漠〉と、滅亡の美。 レトロな戦闘機械と、騎士たち。 黄昏の陰翳、プリズムのように煌めく寓喩ーー スチームパンクの祖型とも評され、広範な影響を及ぼしてきた、 イギリスを代表する作家M・ジョン・ハリスンの傑作ダークファンタジーが、全面改訳版で登場! 読むほどに味わい深まる魅惑の連作群です! ◎収録作 ヴィリコニウムの騎士 ラミアとクロミス卿 奇妙な大罪 混乱の祭主たち パステル都市 解説 もっとも再評価されるべき作家、M・ジョン・ハリスン/岡和田晃 訳者あとがき/大和田始 〜〜〜〜〜 いまもっとも再評価されるべき作家が、M・ジョン・ハリスンだ。 レトロスペクティヴに機械文明のあり方が問い直されるという意味で、 『パステル都市』はキース・ロバーツの『パヴァーヌ』と並んで スチームパンクの祖型にも準えられる。 また、宮崎駿〈風の谷のナウシカ〉の系譜に連なるSF・幻想文学の先行作として、 私が知る限り20年以上前から、フランク・ハーバートの〈デューン〉シリーズや ブライアン・オールディスの『地球の長い午後』と並んで、 『パステル都市』の名が挙げられるのは珍しくなかったのだ。 ーー岡和田晃 〜〜〜〜〜 ヴィリコニウムの騎士 ラミアとクロミス卿 奇妙な大罪 混乱の祭主たち パステル都市 解説 もっとも再評価されるべき作家、M・ジョン・ハリスン/岡和田晃 訳者あとがき/大和田始
イングランドの田舎町で発見された、少女の陰惨な全裸死体。誰が何のためにーー? 魔女狩り。魔法の杖。牛乳配達車。ナッツとコーヒー。繰り返される噂。消えない罪。 美女刑事エミリーと、口髭紳士が犯人を追う。 「レッドシーズプロファイル」「D4」「The MISSING」「The Good Life」 「北米で最も影響力のある50人のクリエイター」に選ばれた、世界的ゲームディレクターSWERYによる、初の本格ミステリ! 〜〜〜〜〜 イングランドの片隅に佇む、静かで長閑な田舎町。 警察の仕事といえばもっぱら逃げた羊を探すこと。 だがそんな町で、事件は起こった。 被害者はエリザベス・コール、17歳、女性。 全身の毛が剃られ、内臓がすべて取り去られた彼女の死体は、 町のシンボルとも言える楡の木の下、朝露に濡れて逆さに吊られていた。 魔女狩り。魔法の杖。牛乳配達車。ナッツとコーヒー。 繰り返される噂。消えない罪。 ロンドンから左遷されてきた刑事エミリーと、 地元の小さな口髭の紳士ポコの、謎解きが始まる。 〜〜〜〜〜 細やかな描写で4K画像のように、鮮やかなイメージが湧き上がる。--浅尾典彦(作家・映画プロデューサー) 第一章 口髭と腹ペコ美人警察官 第二章 口髭と森の〈魔女〉たち 第三章 口髭と傷心の淑女 第四章 口髭と大嘘つきと〈罪〉と〈罰〉 エピローグ 楡の木は静かに佇む あとがき
23世紀頃の未来、ポストヒューマン化した人類は、技術的特異点(シンギュラリティ)を迎えた超AIの猛攻で滅亡寸前となり、太陽系の各地へと離散した。 それから10年……。 サイバーパンクとスペースオペラ、サイエンス・フィクション(科学小説)とスペキュレイティヴ・フィクション(思弁小説)が鮮やかに融合を果たす! 血湧き肉躍る大活劇、ファースト・コンタクトの衝撃……魂(エゴ)がデータとなった未来における身体性を問う最新のSFが集結。 ケン・リュウら英語圏の超人気SF作家と、さまざまなジャンルで活躍する日本の作家たちが競演する夢のアンソロジーが登場! (日本人作家の作品は、多くが書き下ろしです) ◎収録作家 ケン・リュウ マデリン・アシュビー カリン・ロワチー アンドリュー・ペン・ロマイン 図子慧 石神茉莉 伏見健二 伊野隆之 片理誠 陰山琢磨 吉川良太郎 平田真夫 待兼音二郎 岡和田晃・齋藤路恵 ◎目次 第一部 サンワード(内惑星圏)の冒険 しろたへの袖(スリーヴズ)〜拝啓、紀貫之どの●ケン・リュウ/訳・待兼音二郎 カザロフ・ザ・パワード・ケース●伊野隆之 おかえりヴェンデッタ●吉川良太郎 Wet work on dry land●片理誠 脱出拒否者●陰山琢磨 第二部 リムワード(外惑星圏)の邂逅 プロティノス=ラヴ●伏見健二 蠅の娘●岡和田晃(原案:齋藤路恵) 宇宙の片隅、天才シェフのフルコース●アンドリュー・ペン・ロマイン/訳・待兼音二郎 硝子の本ーーOriginal Version●平田真夫 泥棒カササギ●マデリン・アシュビー/訳・岡和田晃 第三部 再着装(リスリーヴ)の記憶 メメントモリ●石神茉莉 プラウド・メアリー〜ある女性シンガーの妊娠●待兼音二郎 恋する舞踏会●図子慧 再着装なんて愛の監獄●カリン・ロワチー/訳・待兼音二郎 *『エクリプス・フェイズ』用語解説や世界観紹介、年表、各作品の解説などもたっぷり掲載! 第一部 サンワード(内惑星圏)の冒険 しろたへの袖(スリーヴズ)〜拝啓、紀貫之どの●ケン・リュウ/訳・待兼音二郎 カザロフ・ザ・パワード・ケース●伊野隆之 おかえりヴェンデッタ●吉川良太郎 Wet work on dry land●片理誠 脱出拒否者●陰山琢磨 第二部 リムワード(外惑星圏)の邂逅 プロティノス=ラヴ●伏見健二 蠅の娘●岡和田晃(原案:齋藤路恵) 宇宙の片隅、天才シェフのフルコース●アンドリュー・ペン・ロマイン/訳・待兼音二郎 硝子の本ーーOriginal Version●平田真夫 泥棒カササギ●マデリン・アシュビー/訳・岡和田晃 第三部 再着装(リスリーヴ)の記憶 メメントモリ●石神茉莉 プラウド・メアリー〜ある女性シンガーの妊娠●待兼音二郎 恋する舞踏会●図子慧 再着装なんて愛の監獄●カリン・ロワチー/訳・待兼音二郎 *『エクリプス・フェイズ』用語解説や世界観紹介、年表、各作品の解説などもたっぷり掲載!
実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語! 《ドラキュラ紀元》シリーズ完全版第4弾、本邦初訳の中短編集! 時は70年代、コッポラがマーロン・ブランドを迎えて、 ブラム・ストーカーの“歴史改変”小説『吸血鬼ドラキュラ』を映画化しようとしていたーー ドラキュラにより転化した少年、ジョニーが、コッポラやウォーホルらと繰り広げる、めくるめく物語! ====== 貢ぎ物として送り出され、 ドラキュラにより転化された少年、イオン。 コッポラの映画『ドラキュラ』のルーマニア撮影現場において 彼はケイトに、ジョンと名を変えてアメリカ人となる野心を語る。 「アメリカは若い国で、生命にあふれてるじゃないか。血だって新しいし。 あそこに行けば、なんだって自分の選んだものになれるんだ。 ヴァンパイアが生きていける国ってアメリカだけだろ」 ドラキュラが実在し支配力をふるった世界において “歴史改変”映画『ドラキュラ』制作の行方は? そしてその渦中でジョニーは何を企むのかーー? ====== ◎目次 プロローグ 契約ーードラキュラ紀元 一九四四 第一部 コッポラのドラキュラーードラキュラ紀元 一九七六ー七七 インタールード 砂漠の城ーードラキュラ紀元 一九七七 第二部 アンディ・ウォーホルのドラキュラーードラキュラ紀元 一九七八ー七九 インタールード 挑みし者に勝利ありーードラキュラ紀元 一九八〇 第三部 真夜中の向こうへーードラキュラ紀元 一九八一 インタールード 愛は翼にのってーードラキュラ紀元 一九八六 訳者あとがき
ドラキュラが支配をふるう世界を、マニアックな遊びを満載して物語った《ドラキュラ紀元》完全版シリーズ第4弾! 時はいよいよ90年代。ジョニー・アルカードのゆく末は? そしてジュヌヴィエーヴ、ケイト、ペネロピのヴァンパイア三人娘は、この時代をどう生きるのかーー ====== 本書収録の全12話を俯瞰してみたとき、 浮かびあがってくる裏テーマともいうべきものがある。 それが、「われはドラキュラ」だ。 シリーズ第1巻『ドラキュラ紀元一八八八』最後の登場シーンにおいて、 ドラキュラは、「われはドラキュラなり」と名のりをあげた。 本書においては、プロローグで、 ドラキュラはふたたび少年にむかって同じ台詞を告げている。 そしてその後も、ドラキュラ本人によるものではないけれども、 さまざま場面でこの台詞がくり返し使われている。 最後にこの言葉を口にする者はーー。 そしてその場面はーー。 (訳者あとがきより) ====== 裏設定を綴った補遺2編と、訳者による詳細な登場人物事典も収録! ◎目次 第四部 この町ではもう二度と血を吸わないーードラキュラ紀元 一九九〇 インタールード ミス・ボルティモア・クラブズーードラキュラ紀元 一九九〇 第五部 コンサート・フォー・トランシルヴァニアーードラキュラ紀元 一九九〇 インタールード ドクター・プレトリアスとミスタ・ハイドーードラキュラ紀元 一九九一 第六部 チャールズの天使たちーードラキュラ紀元 一九九一 補遺1 ドレラを滅ぼす キャスリーン・コンクリン著 補遺2 ウェルズの失われたドラキュラ ジョナサン・ゲイツ著 著者おぼえがき、および謝辞 登場人物事典 訳者あとがき
ドラキュラの結婚式がおこなわれるローマに飛んだジャーナリスト、ケイトが遭遇したのは、長生者(エルダー)ばかりを狙う謎の“深紅の処刑人”! 本邦初訳の中編「アクエリアス──ドラキュラ紀元一九六八」も収録した《ドラキュラ紀元》シリーズ完全版第三弾! 実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語! 1959年、ローマ。 ドラキュラは、モルダヴィア公女アーサ・ヴァイダと結婚しようとしていた。 ジャーナリストのケイトは、死期を待つボウルガードと、彼を世話する美少女ヴァンパイア、ジュヌヴィエーヴを訪ねてローマに飛ぶ。 そこには英国のスパイ、ボンド中佐も。 その華やかな映画の都ローマに、ヴァンパイアの長生者(エルダー)を狙う謎の“深紅の処刑人”が出現し、町を恐怖に陥れる。 その目的とは、果たしてーー? *本編のほか、以下の作品・資料を収録(※印は本邦初訳) 「アクエリアス──ドラキュラ紀元一九六八」(書下ろし中編小説)※ 「著者による付記」※ 訳者による詳細な「登場人物事典」(改訂版) *この本は、「深紅の処刑人」のタイトルで予告していたものです。 *キム・ニューマン《ドラキュラ紀元》シリーズ完全版 ▼既刊 『ドラキュラ紀元一八八八』 『《ドラキュラ紀元一九一八》鮮血の撃墜王』 ▼続刊 『われはドラキュラーージョニー・アルカード』(上・下)
======== クトゥルー神話をベースに カルトに支配された社会の恐怖を描いた 朝松健の代表作が、完全版として登場! ======== 一分の隙きもない緻密な物語ーー林 譲治 作者にしか書き得ない技法で綴られた〈クトゥルー神話〉--井上 雅彦 差別や暴力を肯定する“闇”が、“光”に見えている人間が増えている時代に、 “闇”の恐怖を暴いた朝松健の代表作ーー末國 善己 ======== クトゥルフ神話をベースにしながら、 ナチズムの勃興から没落までの歴史的事実を描きながらも、 一分の隙きもない緻密な物語が組み上げられている。 どこをとっても善良な人たちが、民族絶滅の歯車となり、 規律正しく動いてゆく。 この『邪神帝国』で描かれる怖さとは、 まさにそうしたカルトに支配された社会の自律性にある。 ーー林 譲治(解説より抜粋) ここに一冊の綺書が誕生した。 まぎれもなく、作者にしか書き得ない技法で綴られた 〈クトゥルー神話〉である。 魔書と呼ぶべきかもしれない。 しかし、なにより重要なことは、 これが、ホラー小説であるということなのだ。 ーー井上 雅彦(解説より抜粋) ======== カバー使用オブジェ/制作:マンタム “伍長”の自画像 ヨス=トラゴンの仮面 狂気大陸 1889年4月20日 夜の子の宴 ギガントマキア1945 怒りの日 魔術的註釈 参考文献 初出一覧 邪神帝国 関係年表 邪神帝国 構想メモ 解説/林譲治 解説──遊び。彼には命懸けの。/井上雅彦 解説/末國善己
歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による伝奇時代小説アンソロジー「妖(あやかし)ファンタスティカ」の第2弾が登場! ! 「夢みる力」を復活させんと、想像力の可能性に挑んだ11編の書下し作品! 人気作家から若手まで、珠玉の作品がここに! 《掲載作》 ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝ーー有間皇子の章」 ■芦辺拓「喜火姫が刺客に襲われた次第ーー江戸少女奇譚の内ーー」 ■安萬純一「妖人蹴球譚」 ■彩戸ゆめ「にっかり青江」 ■獅子宮敏彦「推古朝魔獣騒動記」 ■杉山大二郎「不死将光秀」 ■図子慧〈ゲスト寄稿〉「ルート12」 ■高井忍「円明流宮本武蔵」 ■鷹樹烏介「人穴妖異譚」 ■永井紗耶子「精進池」 ■日野草「ナイトイーグル」 ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝ーー有間皇子の章」 ■芦辺拓「喜火姫が刺客に襲われた次第ーー江戸少女奇譚の内ーー」 ■安萬純一「妖人蹴球譚」 ■彩戸ゆめ「にっかり青江」 ■獅子宮敏彦「推古朝魔獣騒動記」 ■杉山大二郎「不死将光秀」 ■図子慧〈ゲスト寄稿〉「ルート12」 ■高井忍「円明流宮本武蔵」 ■鷹樹烏介「人穴妖異譚」 ■永井紗耶子「精進池」 ■日野草「ナイトイーグル」 ■操觚の会とは ■操觚の会・会員紹介