出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
悪魔的な美貌の黒伯爵に魅入られた、 純真無垢な乙女の運命はーー プルーデンスがゴシック小説を書き始めたのは、 家から見えるいわくありげな館の佇まいに想像力を刺激されたからだ。 その断崖絶壁に立つかつての大修道院は、今は訪れる者もない。 荒れ果てた館の中に入れたら、構想も浮かびそうなのだけれど……。 そんなある日、待望の好機は突然やってきた。 館の持ち主レイヴンスカー伯爵セバスチャンがこの地を訪れたのだ。 稲光に照らされた黒い馬車、蹄を鳴らす黒馬、漆黒の髪の美しき男性。 暗い空の下、プルーデンスは彼を呆然と見つめたーー “悪魔伯爵”だわ。この人こそ、物語の主人公にぴったり! その昔、村人に悪魔伯爵と恐れられた故伯爵の末裔、当代レイヴンスカー伯爵セバスチャンの衝撃の登場を機に、長年の夢だった館への訪問を試みるプルーデンス。もともと悪名が高く、“新たな悪魔伯爵”と目される彼は、予想に違わぬ尊大きわまりない態度で……。
この結婚に愛が期待できないことは、 最初からわかっていたはずなのに……。 ミラは17歳のとき、政略結婚の相手ティエリと対面し、心奪われた。 教養に満ち、目もくらむほどセクシーで、自信にあふれた人! ところが、ティエリの顔に浮かんでいたのは明らかな失望の色。 ミラは太って冴えない容姿だったのだ。彼にふさわしい妻になりたくて、 ひそかにミラはアメリカへ渡った。婚礼の日までに美しくなろうと。 7年後、輝くような美女に変身したミラは、帰国前に偶然ティエリと再会する。 そして婚約者とは気づかぬ彼に偽名を名乗り、甘いひとときを過ごした。 だが、結婚の日を心待ちにするミラの耳に届いたのは、 彼が独身最後のこのときに高級娼婦を買うという噂。 ミラは矢も楯もたまらず、自分が替え玉になろうと思い立ち……。 自分の雇った高級娼婦が、異国で心惹かれた美しい女性と知って驚愕するヒーロー。実はどちらも自分が婚約中の、かつて冴えなかったフィアンセの偽りの姿とは夢にも思わず……。ヒーローを翻弄するヒロインから目が離せない、イヴォンヌ・リンゼイの力作です。
彼を愛してしまったら、 傷つくだけとわかっていたけれど……。 ハンサムでセクシーな不動産王、ニックに強引に週末旅行に誘われ、 アビーは思い悩んだーー彼は父親の商売敵。 でも、わたしは父とは違う。一度だけなら……。 思いきって応じたアビーは、 贅沢な船旅や孤島の別荘での歓待に有頂天になる。 彼と体を重ねるのは、ごく自然な成り行きだった。 だが夢のような週末のあとには、残酷な現実が待っていた。 ニックにもてあそばれただけだと知り、アビーは打ちのめされる。 さらに、関係を知った父が激怒し、 会社を解雇されたアビーはすべてを失って……。 傲慢なヒーロー像が話題を呼んだ、D-1741『愛なき富豪が授けた命』に続く関連作をお楽しみください。大人気のボス&秘書がテーマの関連最終話へと続きます。どうぞお読み逃しなく。
ロンドンの最高級ホテル、リッツのレストラン。 スティーブンがポケットから取りだしたダイヤの指輪を見て キャロラインは目をみはった。プロポーズに迷いながらもイエスと答える。 やがてお祝いのダンスを終えたとき、社長が近寄ってきたーー マーク・ライダー。鋼色の目と漆黒の髪を持つ、彼女の上司。 ダンスに誘われ、マークの手がウエストに触れた瞬間、 キャロラインの全身に震えが走った。 マークの秘書として働き始めて以来、ずっとこの感覚に抗ってきた。 彼を見るたび、気持が高ぶり、そして不安になる。 わたしはスティーブンを愛しているはずなのに……なぜ? 〈ロマンス・タイムマシン〉と題してその年の名作をお贈りする企画、1994年の今回は、大御所エマ・ダーシーに次ぐ驚異の販売部数を記録した伝説的作家、サラ・ホーランドが登場。究極の傲慢ボスヒーローの熱烈アプローチに、やがて秘書はメロメロになって……。
ロンドンでパーティ・プランナーの助手として働くメリッサは、 地中海の小国ザフィリンソスを訪れていた。 近々開かれる、カジミーロ国王が主催する舞踏会を手伝うためだ。 だが、彼女にはもう一つ、重要な目的があった。 じつは2年前、カジミーロとメリッサは束の間の情熱を分かち合い、 メリッサは妊娠。彼に知らせぬまま密かに息子を産んでいた。 カジミーロには私の口からきちんと真実を話したい……。 国王への謁見を許されたメリッサは、すぐに自分の愚かさを呪った。 カジミーロは彼女のことなどまったく覚えていないばかりか、 耳を覆いたくなるような罵倒を浴びせ、手酷く追い払ったのだ。 2011年に刊行された、人気作家シャロン・ケンドリックのシークレットベビー作品をお贈りします。以前とは別人のような国王の変貌には、じつは誰にも知られてはならない秘密があったのでした。
旅先のイタリアで道に迷ったエリンは、黒馬にまたがったハンサムな男性、フランチェスコに助けられた。うぶな彼女はたちまち恋に落ち、翌日には彼に純潔を捧げ、5日後には結婚式を挙げていた。エリンはそのとき初めて知った。フランチェスコがイタリア名門銀行の経営者であると。かすかな動揺は、やがて夫に対する不信へと変わっていく。彼ほどすてきな人が、なぜ私を選んだのだろう?ある晩、パーティ会場で夫が別の女性とキスしているのを見て、エリンのなかで何かが壊れた。私は愛されていなかった…。彼女はすぐに家を出たー身ごもっていることを隠したまま。
キャピーは幼いころに両親を亡くし、今は動物病院で働きながら、怪我で半身不随となった兄とつましい生活を送っている。ある日、車の衝突事故に巻きこまれたキャピーは、その場に偶然居合わせた院長のベントリーに救われて、驚愕した。いつも気難しく、キャピーにはとくにきつく当たっていた彼に、こんな心優しい一面があったなんて…。それ以来、互いの家を行き来するようになった二人は距離を縮め、キャピーはベントリーとの結婚さえ夢見るようになった。ところが翌週、突然別人のように冷淡になったベントリーから、キャピーは耳を疑う言葉を浴びせられる。「君はくびだ。出ていけ」
5年ぶりに南の島で再会した婚約者には、すでに恋人がいた。帰るに帰れずテンプルは途方に暮れ、船着き場へと向かうが、船員に女は断ると言われ、男装して船に乗り込むのだった。2人用船室に待ち受けていたのは、物憂げな美しい男性リック。“孔雀宮の主”だと名乗る貴人は、皮肉めいた笑みを浮かべて、おどおどした少年姿のテンプルをじっと見つめたーその夜、激しい船酔いに陥ったテンプルは、深い眠りのうちに男装をすべて解かれてしまう。翌朝、怯えるテンプルにリックは、悠然と微笑んだ。「女の子だって、最初からわかっていたよ」
職場の女性たち全員が、同じビルに事務所を持つ弁護士、高級スーツに身を包む独身貴族ザカリーに夢中になっている。ひょんなことから、ジェニーはザカリーと知り合うが、なぜか彼は、平凡なジェニーをこそ“理想の妻”だと思い込み、あっという間にプロポーズされてしまうのだった。しかし、ジェニーは5週間前に婚約者に捨てられたばかりで、少なくとも今は、どんな男性ともかかわり合いたくない。そう思っているのに、男っぽい魅力のザカリーを前にすると、田舎の娘みたいに、彼を意識せずにはいられなくて…。
経営者フリンをヘザーは一途に愛したが、彼はあっさりと捨てた。離婚したてのフリンにとって、恋は慰みにすぎなかったのだろう。身も心も引き裂かれて、ヘザーは会社を辞め、家も転居した。その8カ月後、あり得ない、招かれざる客が訪れる。大きな仕事を終えたフリンが、執拗に彼女を捜しだしたのだ。同じ過ちは犯さない。わかっているのに彼に目が吸い寄せられる。しかも、フリンの口から予想だにしなかった言葉がこぼれた。「ヘザー、結婚してくれ。きみだってまだぼくを求めている」だがすぐに、彼が息子の母親役を求めているだけだと気づき…。
7年前に、忽然と姿を消したライアンが町に戻ったと知り、 ジャナの胸に、一瞬にして暗い影が差した。 16歳のころ、ジャナは屋敷に住むライアンと愛し合っていた。 だが、部屋に踏み込んできた彼のおじに見つかって、思わず、 「ライアンに連れ込まれたの」と嘘をついてしまったのだ。 その日のうちにライアンは勘当され、翌日には屋敷を去った。 そうして、ジャナの初恋は無残な形で終わりを告げたーー 長い空白の時を経て再会した彼は、いまや別人のように、 彼女を嘲笑していた。「復讐を受ける覚悟はできているか?」と。
傲慢だという噂の新社長には、まだ会いもしないうちに、身なりが悪いと断じられ、ピッパは昇進を見送られてしまう。あまりの理不尽さに打ちのめされるが、気を取り直して、その夜のパーティには、美しく装って出席することに。そこで、すばらしくハンサムなイタリア男性が話しかけてきた。今まで仕事一筋だったピッパは、一目で惹かれる自分に戸惑うが、彼に乞われると、なぜか流されるように一夜を共にしてしまう。だが翌日、出社した彼女は社員総会に出て愕然とする。あろうことか昨夜の男性ーアンドレオが社長だったのだ。
通い猫としての暮らしを謳歌し、幸せな毎日を送るアルフィー。だが人生には別れが付き物で、ある日アルフィーにも突然の別れが訪れることにー以来すっかり落ちこむアルフィーを元気づけようと、飼い主の一人がなんと仔猫をもらってきた!思いがけない仔猫の登場に、どうしていいかわからないアルフィーだが…。またも問題続出の町を、今度は2匹で救えるか!?ハートフル猫物語、第3弾。
パリで大規模な爆弾テロが発生。監視カメラは瀕死の人々を冷酷に撃ち殺す女の姿をとらえていた。実行犯は黒衣の未亡人と呼ばれるフランス出身の女ー西側に殺されたISIS戦闘員の恋人だった。さらにアムステルダムでも凄惨なテロが起き、この連続爆破事件で友人を失ったイスラエル諜報局のガブリエルはフランス当局と極秘に捜査を開始。やがて姿なき黒幕サラディンの存在が判明し…。
連続爆弾テロ事件の首謀者、ISISのサラディンに迫るため、ガブリエルは大胆不敵な策に打って出た。若きフランス系ユダヤ人の女医を“黒衣の未亡人”に仕立てラッカに潜入させたのだ。それまでの人生を消し去り、復讐に燃えるパレスチナ人となった女は、暗黒の地で斬首より恐ろしい選択を迫られる…。世界の諜報機関をも巻きこむ危険なミッションの先には、未曾有の惨劇が待ち受けていたー!
傲慢で、気分屋で、嫉妬深いボス。 なのになぜ、彼への想いが止まらないの? 両親の経営する広告会社で働くエリーズは、 スペイン大富豪アレハンドロから仕事のパートナーに指名された。 この仕事を成功させれば、父も母もきっと喜んでくれるはず。 明るい希望を胸に、彼女はアレハンドロの会社へと出向くが、 いきなり彼から見当違いな罵声を浴びせられ、ショックを受けた。 「男性社員といちゃつくのはよせ。ここは恋人探しの場ではない」 仕事の話をしていただけよ。エリーズは抗議しようとしたが、 アレハンドロの燃える瞳に射すくめられ、陶然としてしまう。 しかも、なぜか彼は出張に同行するようエリーズに厳しく命じ……。 両親のために身を粉にして働き、絵を描くことだけが心の支えだったエリーズ。大富豪アレハンドロの嫉妬の炎に炙られて、自分でも知らなかった女性らしさに目覚めていく過程が丁寧に描かれます。
空港で搭乗を待つウィローは、ハンサムな男性に声をかけられた。彼はダンテ・ディ・シオーネと名乗り、澄んだ青い瞳を輝かせると、顔を赤らめて戸惑うウィローの心を瞬時に開いて惹きつけ、去り際には大胆にキスまで奪って消えていった。私は夢でも見ているの?だがウィローの物思いはすぐにさめた。彼の鞄を取り違えて持ち帰ってしまったことに気づいたのだ。しかも驚いたことにダンテは名門一族の大富豪だとわかった。もしも彼が私の恋人として姉の結婚式に同席してくれたら、どんなに素敵だろう。1日だけでいい、お願いしてはだめかしら?
ジョージアは宣教師の両親を不慮の事故で亡くし、妹を養うため、自ら卵子提供して代理母となる道を選んだ。契約相手は子どもの父となるギリシアの大富豪ニコス・パノス。妊娠6カ月を迎えたころ、ニコスから驚きの連絡があった。生まれてくる子どもにギリシアの市民権を与えるために、彼の住むエーゲ海の孤島へ渡り、そこで出産しろというのだ。追加の報酬さえあれば、もう妹の将来を心配しなくて済むー専用機で島に飛び、初めてニコスと対面したジョージアだったが、図らずも彼の美しさと、その身にまとう孤独の影に心奪われ…。
ヴェネツィアに降り立って双子の妹の婚約者マルチェロを見たとたん、古くさい中年男性と聞いていたのとはまるで違う精悍で魅惑的な大富豪の姿に、ジュリアは色を失った。旅行中に彼と出会ってすぐ衝動的に婚約した妹は、帰国後に交通違反がもとで出国禁止になったため、妹になりかわって彼と母親に挨拶しに行くようジュリアに強いたのだ。こんなにすてきな人に対して、偽りの婚約者を演じろだなんて…。無事に役目を終えられますようにというジュリアの願いも空しく、ふたりきりになるやいなやマルチェロの黒い瞳に射すくめられ、激しく唇を奪われて、彼女の心は千々に乱れた。
富と美貌に恵まれた彼がなぜ、 白鳥になれない私を選んだの? 「僕と結婚してほしい」大富豪のラファエルから突然求婚され、 彼の経営するホテルで働くコーラは我が耳を疑った。 頼みたい新しい仕事があるからとスペインへ連れてこられたけれど、 鷲を思わせる、危ういほど美しい彼からまさか妻に指名されるとは……。 彼は土地買収の必要条件として便宜的に結婚したいのだと言い、 せいぜい数週間で結婚は解消され、莫大な報酬も約束されるらしい。 兄や姉と違い、どじで美しくもないコーラは両親に愛されずに育ち、 先日も大事な家宝を他人に騙し盗られて叱責されたばかりだった。 その損失を補って両親に認めてもらいたい一心で彼女は申し出を受ける。 心の隅で、なぜ醜いあひるの子の自分が選ばれたのか、いぶかりながら。 美しい姉や才能ある兄の陰に隠れるように生きてきたコーラですが、大人になった今なお両親に愛されようとけなげに頑張ります。一方、公爵家の血を引きながら一族の禍根に懊悩するラファエルは、ある目的を胸に彼女に近づいて……。最後に感動が待ち受ける珠玉作!