出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
奥手なシンデレラが恋したのは、 世界一傲慢な王子様。 「きみのために僕はあることを思いついたんだ、シンデレラ」 傲慢な富豪弁護士リーガンの言葉に、ケナは唖然とした。 彼の義理の弟を誘惑し、財産目当ての美女から遠ざけてほしい。 そのためにケナを魅惑的な女性に磨き上げてみせる、というのだ。 たしかに、彼女がリーガンの弟である職場の上司に密かな恋心を 抱いて2年になる。そろそろ“仕事一筋の冴えない秘書”を 卒業するときなのかも。ケナはリーガンの申し出に素直に従った。 眼鏡を外し、ドレスと化粧で飾り立てられ、まるで別人のように 洗練されたレディに変身していくうちに、ケナは気づいてしまう。 リーガンがそばにいるだけで、なぜこんなに胸がときめくの? 1998年に北米でテレビ用に映画化もされている、ロマンス界の巨匠ダイアナ・パーマーの知られざる逸作! 冴えない秘書がヒーローの手で磨き上げられ、誰もが振り返る美女に変身したとき、想像もしなかった恋の化学反応が起きて……。
恋とは無縁だった私に、 小さな命という尊い縁が……。 カミラは出張先でギリシア人外科医ニコラスと知り合い、バーに誘われた。 仕事一筋の彼女の人生にはこれまで異性との関係はほぼなかったが、 ニコラスには不思議と安心感があり、カミラは彼と一夜をともにした。 6週間後、カミラはある入院患者の病名を特定する仕事で、 世界最高レベルとされる、ギリシアにある憧れの病院へやってきた。 そこで驚きの事実を知るーー病院の創設者の急死によって、 院長の座を継いだばかりの人物こそ、あの一夜のニコラスだったのだ! 思わぬ再会に動揺したカミラだが、仕事ではプロに徹しようと心に誓う。 だが、仕事のためにも最近悩まされている体調不良を解消しようと 立ち寄ったクリニックで、さらなる驚きがーー妊娠を告げられたのだ!! 『愛されなかった娘の愛の子』で鮮烈な日本デビューを飾ったルアナ・ダローザが描く、予期せぬ妊娠物語をお届けします! その道の権威だった亡き先代院長であるヒーローの父を尊敬するヒロインと、かたや父の裏の顔に苦しめられてきたヒーロー。そのギャップが恋の障壁に……。
1日だけの元花嫁は愕然としたーー 今も変わらず、彼を愛していることに。 ある日、ウエディング・コーディネーターのフィオーナのもとに、 息子の結婚式をお願いしたいと資産家の女性から依頼が。 驚くことにその息子とは、フィオーナの元夫フィリップだった! 元夫と言っても、たった1日だけの。10年前、二人は結婚式を挙げたが、 その日の夜には婚姻無効の手続きがとられたのだから。 当時、妊娠した若き花嫁のフィオーナを歓迎しなかった義理の母、 つまり今回の依頼人である彼の母は今、彼女の正体に気づいていない。 複雑な思いを抱えながらも仕事を引き受けたフィオーナだったが、 打ち合わせに現れたフィリップはすぐに気づき、冷たく言い放った。 「こんな芝居はすぐにやめるんだ。いったい何を企んでいる?」 10年前、息子には不釣り合いだとフィオーナを見下した元義母、そして10年前より魅力的になったフィリップと再会し、フィオーナは思い出すのでしたーー結婚式をしたあの日、赤ちゃんを失ったあの日、心の一部をむしり取られたような喪失感を味わったことを。
内気で控えめな日陰の姉を、 日向へ連れ出してくれたのは……。 両親の死後、ずっと自分のことを後回しにしてきたカトリーナ。 ある日、美人で甘やかされた妹が、地元の名士ルシアスにふられたと 泣きついてきたので、妹のためにカトリーナは彼の仕打ちを責めた。 これまで何かと助けてくれた友人でもあるルシアスと 仲違いしてしまうことを、心密かに悲しく思いながら……。 ところが、そんな姉の気持ちも知らず、何を思ったか妹が今度は、 ルシアスを姉に奪われたと誰彼かまわず吹聴し始めた! うろたえるカトリーナに、ルシアスが思いがけない提案をするーー 「僕らは婚約して、結婚に必要なものを君が揃えたら結婚するんだ」 私がルシアスと婚約? ふりをするということ? きっとそうよね……。 ロンドンでも女性にもてるルシアスにまさか本気で求婚されるはずがないと思い込んでいるカトリーナは、見せかけの恋人ごっこを始めるものと解釈。けれども彼は、今よりもっと君がすてきになるようにと、ばら色のドレスを買ってくれたり、しまいには指輪も……。
完璧な紳士に告げられた、 冷酷な取り引きと甘い罠。 「お願い、スイートルームのお客のパソコンを持ち出して」 突拍子もないホテルの同僚の頼みに、メイドのトーニーは仰天した。 相手はフランスの名門実業家ナヴァール・カジエーー トーニーが密かに憧れてきた、完璧な紳士。その彼が、 一夜の火遊びの痕跡として、女性との写真を撮ったというの? 幻滅と葛藤の末、同僚の必死の懇願に負けて行動に出たトーニー。 けれど運命は残酷だった。パソコンに手を伸ばしたその瞬間、 ナヴァール本人に現場を押さえられてしまった! 震える彼女に、ナヴァールは言い放つ。 「君の時間を金で買いたいーー断るなら、警察を呼ぶ」 ミニシリーズ〈予期せぬプロポーズ〉最終話です。セクシーな大富豪に脅されて、偽りの婚約者を演じることになったヒロイン。どんどん彼に惹かれてしまい、彼と噂のある美しきイタリア人女性に嫉妬心をかきたてられ……? 終盤の驚きの展開に、どうぞご注目を!
また、あなたの名を呼ぶ日がくるなんて……。 かつての恋人同士が織りなす愛憎の再会物語! 不動の人気テーマ“愛の復活”を描いた再会ロマンスの名作2編を集めました。長い年月を離れ離れに送ってきた元恋人同士の二人が再び燃やす恋の炎は、苦悩や後悔や未練などさまざまな思いや感情に彩られ、読み応えたっぷり。豪華アンソロジーをご堪能ください。
たとえあなたの顔が見えなくても、 あなたを感じることはできるから。 病気で視力を失ったグレースは、暗闇でもがき苦しみながらも、 一歩ずつ自立を目指し、ようやく念願のソムリエになった。 あるとき、アルゼンチン大富豪からワイン鑑定の仕事を頼まれ、 相棒の盲導犬と共に彼女は現地の大農園へ飛んだ。 驚いたことに、グレースを出迎えたのは親友の兄で憧れの人、 ナチョ・アコスタだった! まさかこんな形で再会するなんて。 彼が“目”となって色を伝え、グレースがワインを口に含む。 共同作業はしだいに熱を帯び、祭りの夜、二人はついに結ばれた。 だが、なぜかナチョはその日を境に彼女を遠ざけるようになる。 あれは一夜の夢よ。傷心のグレースは帰国しようとするが……。 ハンディキャップ・ロマンスの旗手、スーザン・スティーヴンスが描く、心揺さぶる感動の逸作をお贈りします。早くに両親を亡くし、5人きょうだいの長男として、弟妹たちをひとりで守ってきたヒーローには、これまで誰にも話せなかったトラウマがあって……。
名も知らず愛を交わした、かけがえのない記憶。 この娘の瞳にいつも、あの日のあなたがいた。 ニューヨークの高層ビルで働くブリーは、仕事に追われながら、 3歳の娘ソフィアを育てている。ある一夜の美しい記憶を胸に。 4年前、傷心を抱えて訪れたイタリアで、美しい漆黒の瞳の ジャクソンと出会い、ブリーはたちまち惹かれた。 情熱と切なさが入り混じる夜は、まるで夢のように過ぎ去ったーー 彼が何者なのかも知らないままに。 今、4年の時を経て、彼は世界を駆け回るホテル王ジャクソンとして、 ブリーの上司の結婚披露宴に現れたのだ! 彼は幼いソフィアの漆黒の瞳を見つめて言った。 「この子は、僕の娘か?」 その問いに、ブリーの世界は揺れはじめます。この3年間、一人で娘を守ってきたのに、彼はすべてを知るや言ったのですーー「結婚しよう。君たちをイタリアに迎えたい」けれど、父の愛を知らずに育った彼女には、温かい家族のイメージなど到底持てなくて……。
最愛の人に出逢う前から、 運命の子を身ごもっていたなんて。 独身のシェリダンは人工授精を受けた。 不妊に苦しむ大好きな姉のため、代理母になるつもりだった。 だが1週間後、とんでもない事実を知らされて凍りつく。 病院で手違いがあり、義兄とは別人の精子が使われたというのだ。 取り乱すシェリダンのもとに、突然見知らぬ男性が訪ねてきた。 態度こそ傲慢だけれど、なんてハンサムで魅力的な人なの。 陶然とする彼女に彼が言った。「きみが生むことになるのは、僕の 後継ぎだ」驚いたことに、彼の正体は異国の王ラシードだった! おなかの子が未来の国王に? すぐにシェリダンの口はキスで ふさがれ、ラシードは彼女を強引に砂の宮殿へと連れ去った。 ヒーローから過去に妻子を同時に亡くしたと聞かされたヒロインは、彼を慰めたくてベッドを共にすることに。ところが妊娠が確実になったとたん、彼の態度が冷たくなって……。2008年度ゴールデン・ハート賞ファイナリストという実力派作家の代表作です!
“兄”と呼ぶにはまぶしすぎて、 “恋”と呼ぶには近すぎた。 養女のメレディスがようやく見つけた実の母は、 親子の名乗りを上げてほどなく、重い病でこの世を去った。 だが、娘の存在を知らない実の父が健在と知って、 メレディスは自らのルーツをたどるため、素性を伏せたまま 父の住む地に求職広告を出す。やがて、さる屋敷で雇われるが、 そこには心を大きく揺さぶる男性がいた。ガレスーー そう名乗った彼は、血のつながらない兄。義理の兄だった。 ガレスはメレディスの亡き母を嫌い、訃報にほっとしたと言い放つ。 メレディスは人知れず傷つき、そして怒りを覚えた。 けれど同時に、彼のことを憎みきれない自分に、戸惑いも感じていた。 原作刊行はなんと1977年! 〈ハーレクイン・ロマンス・タイムマシン〉で刊行した『捨てられた令嬢』が大反響を呼んだ往年の大作家、エッシー・サマーズ。クラシックな雰囲気漂う、傲慢な義兄と孤独な乙女の恋物語をお楽しみください。
ごみ箱に捨てられた私は、 赤ちゃんを幸せにする。絶対に。 生まれてすぐにごみ箱に捨てられて施設で育ったリアは、 医療の現場で働くことで、家庭への憧れが人一倍強くなった。 子供が欲しいのに自分は妊娠が難しい体質のため、 親友に代理母となってもらい、7カ月後には母になる予定だ。 だから、先日一夜をともにした上司で医師のベンにもそう伝えた。 私はプレイボーイのあなたが興味を持つような女ではない、と。 本当は出逢った瞬間から彼に惹かれ、もっと近づきたいのだけれど……。 一方のベンも、ずっと弟や妹の親代わりをしてきたせいで、 もう二度とあんな責任は負いたくない、子供は欲しくないと話した。 なのに、思わぬ事態がーーリアの身にベンの子が宿っていたのだ! 命の現場を舞台に感動ロマンスを描いて人気急上昇中の英国人作家L・ヒートン。代理出産により母になる予定のヒロインが自らも予期せぬ妊娠をしてしまうという驚きのストーリーが繰り広げられます。父になるつもりのないヒーローはいったいどうするのでしょうか?!
あなたのキスに怒ってみせたのは、 この気持ちを隠したかったから。 天涯孤独のケイトは住みこみで老婦人の話し相手をする仕事を見つけた。 初日、美しい田園の駅にやってきた彼女は列車の車両故障で立ち往生し、 居合わせたニコラスという長身の男性に屋敷まで送ってもらうことに。 「もしかして君、修道院から脱走してきたのか?」 ケイトの質素な服装を見てそう言ったニコラスはいかにも裕福そうだ。 彼女のプライドは傷ついた。彼を密かにすてきだと思っていたのに……。 さらにショックなことに、彼には美しい婚約者がいることを知った。 しかも、偶然にもケイトの雇い主の老婦人はニコラスのおばで、 彼は結婚生活を始めるために、老婦人を屋敷から追い出そうとしていた! そうと知っていたら、ここまで来たりしなかった。彼に恋したりもーー。 偉大な作家シャーロット・ラムの1970年代の秀作を紙書籍限定で再版いたします! ケイトがせっかく見つけた仕事は始まる前に終わったかに思われましたが、ニコラス自らがケイトを雇うと提案しますーー屋敷から出ていくよう老婦人を説得してほしいと言って。
昼は他人のように、 夜は恋人のように。 インテリアデザイナーのレオニーは顧客の会社を訪れ、息をのんだ。 そこで彼女を待っていたのは、新社長のアダム──別居中の夫! レオニーは彼が姉と浮気をしていたと知り、家を飛び出した。 知り合ってすぐに結婚した二人は初めての夜からうまくいかず、 そこから互いの距離が広がっていったのだった。 8カ月ぶりの再会に、レオニーの胸にときめきと切なさが渦巻いた。 アダムは社長室を改装してほしいと仕事を依頼するだけでなく、 完璧なディナーと誘惑で彼女を魅了し、甘い余韻のなか朝を迎えた。 私たちは離婚するはずでしょう。彼はどういうつもりなの……? 断らなくちゃ。アダムの仕事の依頼も、恋人のような誘惑も! 本作の原書は1985年に上梓されるもしばらく未邦訳のままで、2015年にようやく翻訳版が日本に紹介され、大好評を博しました。夫婦の愛の復活物語をご堪能ください。
幼さを脱ぎ捨て、 もう一度、初恋の男性に出逢う。 ベスは父の死を機にヨーロッパから帰郷し、 5年ぶりに初恋の相手フィリップと再会した。 彼はかつて、亡き従姉と婚約していた相手。 5年の間に痩せて美しいレディに変身したベスに驚いた様子で、 舞踏会では、ブラックウッド子爵との仲を冷やかしてきたが、 ベスはといえば、別の令嬢が彼に急接近し、気が気ではない。 その矢先、ベスはほかならぬ子爵とともに誘拐されてしまった! 幸い二人とも無事救出されたが、ベスの名誉を守ろうと求婚したのは、 子爵だけではなくーーなんとフィリップ! どうして? あなたとだけは、絶対に結婚できないのに。 忘れえぬ初恋の男性からの思いがけない求婚に、苦悩するベス。なぜなら従姉の身代わりになっても、彼に愛してもらえる日は永遠にこないから……。根強いファンを持つリージェンシーの名手アン・アシュリーが描く、珠玉の初恋&再会ロマンス!
姿さえ見えない彼に、 こんなにも心を乱されるなんて……。 婚約者が車で事故を起こし、助手席にいたシャノンは失明した。 その彼女に婚約者が突きつけたのは、婚約破棄という非情だった。 失意のどん底で薄暗い部屋に閉じこもるシャノンのもとに、 ある日、元婚約者の異母兄ブレイズと名乗る男性が現れた。 シャノンはそれまで存在すら知らなかった彼に警戒心を抱くが、 彼の深みのある声、手探りで知った長身の輪郭に密かに胸を高鳴らせる。 家にこもる彼女をなんとか外へ引っ張りだそうとするブレイズ。 どうしてこの人は、こんなにも私のことを気にかけてくれるの? シャノンはブレイズの強い説得により、目の手術を受ける決意をする。 包帯が取れて初めて見えるのは彼の顔であってほしい。そう願うが……。 不運な事故で目の見えなくなったヒロインに、ヒーローは生きる希望を与えに来たのか、はたまた悩める恋心を芽生えさせに来たのか。ドラマ性に富んだ物語で大人気を博すサンドラ・フィールドが描く、珠玉のハンディキャップ・ロマンス! 紙書籍限定の再版です。
愛していた夫・ジュエルスとの離婚を経て、サフィリナは自分の仕事に打ち込んでいた。その傍らには職人・ドナヴァンの姿も。仕事の面でも信頼の厚い二人は、雇い主と従業員の関係性以上に仲を深めていくー。一方そのころ、ジュエルスはサフィリナとの記憶を取り戻し始め、後戻りできない現実にため息をつく。サフィリナたちの行く末には、どのような幸せが待っているのか?大ヒット作『ラチェリアの恋』作者が贈る新たなストーリー、ここに完結。
お金より大切なものがあることを、 小さな天使が教えてくれた。 ロンドンの玩具店に入るなり、アンは驚きで言葉を失った。 4年前に引き裂かれた、唯一の肉親である幼い甥とでくわしたのだ。 姉とギリシア財閥の次男との間に生まれた甥は、 生後まもなく両親が事故死したため、アンに引き取られた。 だがある日突然、財閥の長男ニコスが訪ねてきて、 100万ポンドの小切手と引き換えに、強引に甥を連れ去ったのだ。 もう二度と会えないと思っていたけれど、たとえひと目でも あの子の幸せそうな笑顔を見られて安心したわ。 そんなアンの心中も知らず、ふたたび訪ねてきたニコスは、 今度は彼女を愛人にすべく、一緒にギリシアへ来るよう強いて……。 ジュリア・ジェイムズが描く、ハーレクイン・ロマンスの王道! 極上のドラマティックなシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。ヒロインは金目当ての悪女なのだと思い込んでいたヒーロー。やがて彼女の純粋さに惹かれ、自分のものにしようと目論みますが……。
お針子のわたしが本当は王女?! だからって、愛なき結婚なんて……。 針仕事が得意で顧客のためにドレスを作っているルイーザは、 亡き両親のように大恋愛をして結婚することを夢見ている。 ある日、彼女のもとに、セバスチャンと名乗る男性が現れた。 黒髪に黒い瞳、形のいい唇、地中海系の肌の色をして魅力的……。 見知らぬ男性にたちまち惹かれるなんて、わたし、どうかしているわ! ルイーザのときめく密かな恋心をよそに、彼が衝撃の事実を告げる。 「きみは地中海の王国シャルムーの王女なんだ」 国王の亡き一人息子が生前に民間人と極秘結婚をし、娘をもうけたーー その娘がルイーザだという! しかも、王位継承順位第1位の王女だと。 彼女が発見されるまでは、セバスチャンが第1位だったのだが……?! 自分が生まれる前に死んだ父のことはよく知らなかったルイーザ。ただ、父方の親族は、母を葬儀に参列させず酷く扱ったことだけは聞いて快く思っていませんでした。そんな国のプリンセスになんてなりたくない! でも、セバスチャンに愛なき結婚を提案され……。
知らせれば彼はきっと戻ってくる。 でもそれは、小さな命のためだけに。 15歳で両親を失った看護師クララは、仕事で忙しい毎日だ。 そんな彼女の職場に、イギリスから医師のティモシーがやってきた。 引き締まった体にすてきな笑顔、誰をも惹きつける容貌のみならず、 有能で、優しくて思いやりがあり、気取らない人柄が魅力的だ。 ある夜、ティモシーは「最初に謝っておく。憎まれるのも覚悟だ」と言い、 クララの唇を強引に奪った! 彼への怒りはすぐにときめきに変わり、 いつしかクララは身も心も捧げていた。3カ月後に彼はここを去るのに。 でもこの恋のために、ティモシーはとどまってくれるかもしれない。 だがクララの密かな願いも空しく、彼は非情にも去っていったーー 彼女のおなかに、わが子の命が宿っているとも思わずに。 USAトゥデイのベストセラー作家キャロル・マリネッリによる感動のシークレットベビー物語を、《至福の名作選》よりお贈りいたします! 早くに両親を亡くし、恋も思うようにはいかず心を痛めるヒロインに、幸せになってほしいと願わずにはいられません。
もう、なんて失礼な人なの! なのに目で追ってしまうのはなぜ……。 両親亡きあと、住み慣れた家を失い、職探しを始めたジェマイマ。 病弱な母に代わって家事をしてきたため資格など何もなかったが、 幸運にも、ある老婦人のつき添いになることができた。 慣れない仕事はつらく、雇い主の甥の大学教授アレクサンダーから とるにたりない存在と思われているのも腹立たしい。 それなのに、なぜか願ってしまうーー彼がほほえんでくれたら、と。 しかしアレクサンダーの近くにはいつも美しい女性がいた。 ある日、その美女から“ねずみみたい。女性としての魅力に欠ける”と 言われたジェマイマは恥ずかしくて赤面した。彼はどう思ったかしら? ふと教授のほうを見ると、何やら考え深げな彼と目が合い……。 自分に自信のないジェマイマですが、そのじつ芯の強いヒロインで、“相手が誰であれドアマットのように踏みにじられるつもりはない”と心に思ったりします。そんな彼女が人生で初めて恋した相手は、会うたびに失礼な態度をとる年上の教授で……。1982年の名作。