出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
愛情に恵まれなかった少女は、 愛を求め、拒まれ続け……。 父危篤の知らせを受け、ケイトリンは再び故郷の土を踏んだ。 父の再婚で義兄となったリノに片想いをしていた十代のころ、 彼女はリノの弟の事故死の責めを負わされ、無実ながら故郷を去った。 皆の冷遇には耐えられても、リノの憎しみの視線は胸にこたえた。 5年ぶりに再会した今なお、その瞳からは敵意が消えていない。 とうとう父が亡くなって通夜と告別式が営まれたが、 周囲の人々もやはりケイトリンに冷たくよそよそしい態度をとった。 ここに私の居場所はないのね……。最後にもう一度、リノに伝えたくて かつての事故の真実を話そうとしたが、彼は聞く耳を持たなかった。 だが直後、火事に巻き込まれ、生死の境を彷徨う彼女を見たリノはーー 《至福の名作選》より、2000年下半期のベスト作品賞コンテストにおいて、ハーレクインファンの投票により“ベストヒロイン賞”を受賞した作品をお届けします。耐え忍ぶヒロインを描いて人気の、スーザン・フォックスの真骨頂とも呼べる伝説の義兄妹ロマンス!
純真無垢なヒロインが恋の試練にーー 世界中で愛された名作家の追悼特集。 1979年刊『恋のアムステルダム』でデビュー以来、純真な乙女が傲慢ヒーローに翻弄されながら恋の深みにはまってゆくさまを生き生きと描き続けたジェシカ・スティール。2020年、惜しまれつつこの世を去りましたが、数多くの不朽の名作を遺してくれました。
ジャニーンは弱冠24歳にして売れっ子のミステリー作家。ビーチハウスに滞在して執筆に勤しんでいるが、隣人の、かつてビジネス界の風雲児として名を馳せ、巨万の富を築いたカンテン・ロークなる男性が彼女の心を騒がせる。彼は初対面から傲慢な態度で、彼女を変わり者と決めつけ、「けっこう。君の不潔な話は聞きたくない」とまで言って敬遠した。だがカンテンは気づいていなかったー彼が愛読する作家ダイアン・ウッディこそ、ジャニーンであることに。-『なんてミステリアス!』。ルイーズは同僚のドクター・コルトレーンに密かに想いを寄せていた。でも彼はといえば、一方的にしゃべるが、彼女の話をさえぎるかのどちらかで、いつだって刺々しい態度だ。その原因がルイーズの父にあることを知り、彼女がいたたまれず病院を移ることにすると、なぜかドクター・コルトレーンがプロポーズしてきて…。-『婚約のルール』。
薔薇の棘のような彼の心に触れ、 わたしの指に血がにじむ……。 父が急逝し、ルーシーは長年住み慣れた領主館を離れようとしていた。 館を維持する財力はなく、継母と弟妹の面倒も見なければならない。 領主館は、アメリカ人のいとこ、ソールが相続することになっている。 じつはルーシーは12年前に彼に会ったことがあったが、当時、 子供ゆえの幼さで意地悪をしてしまい、それをずっと後悔してきた。 再会したソールは今や、いくつもの企業を切り回す大富豪となっていた。 ルーシーは美しい黒髪の彼に魅了され、大いに心を揺さぶられた。 しかし、二人のあいだのしこりは消えてはいなかったーー ソールは彼女に領主館から一秒も早く出ていけと言わんばかりに、 軽蔑のまなざしと辛辣な言葉以外、微笑み一つ向けてはくれなくて……。 イギリスを代表するロマンスの巨匠ペニー・ジョーダンが描くのは、素直になれず冷たい仮面をかぶりながら、その下では熱いハートを燃やす男女の物語。本作でも、過去のわだかまりを抱えた主人公たちの、はらはらするようなロマンスが繰り広げられます!
クリスマスに私の愛する子爵が帰ってきた! でも頼まれたのは、彼のための花嫁選び。 アンナ・リーゼははっきり言って、幸せではなかった。 初めは母、続いて父も亡くし、継母と継妹にうとまれながらの日々。 話し相手になってくれるのは、仲良しのがちょうだけ。 そこへ、20年近く離れ離れだった幼なじみ、ピーターが帰ってきた。 片想いの相手は、ハンサムで魅力的なクリバートン子爵へと成長していた。 アンナ・リーゼはうれしかったけれど、自分の服を見て涙をこらえた。 こんなみすぼらしい格好とあかぎれの手で、ピーターには会えない。 子爵はクリスマスに舞踏会を開き、そこで花嫁選びをするのだという。 継母と継妹は興奮するが、アンナ・リーゼは愛する人の選択が悲しかった。 私はピーターにとって永遠に幼なじみ。彼の花嫁にはなれないのね……。 また一人、才能あふれる作家が日本デビューを飾りました! ヒロインは20年ぶりに再会した子爵ヒーローと旧交を温め、彼に深く恋するようになります。問題は、子爵が彼女に恋をしていないこと。友情がいつ真実の愛へ変わるのか、その瞬間をお見逃しなく!
貧しくも心やさしい娘アンジェラのもとへある日、隣の伯爵家の跡継ぎダヴェントリ卿が訪ねてきた。かつて英国一の美男子と謳われたこともある彼は、戦場で醜い傷を負ってからというもの、仮面で顔を覆い隠していた。そうやって隠遁生活を送る彼を、村人は“悪魔卿”と呼んで恐れた。そのダヴェントリ卿が、私にいったいなんの用かしら?アンジェラが恐る恐る尋ねると、彼は重い口を開いた。「妻になってくれとは言わない。わたしの婚約者になってほしい」彼の余命幾ばくもない祖父を喜ばせるための、偽りの婚約。アンジェラは承諾したー心を閉ざした彼に恋してしまうとも知らず。
愛なき情熱と知ったあとに、 小さな命を身ごもった……。 二十歳のタリーはパーティで出会った美しきギリシア人男性に惹かれた。 海運王を父に持つ将来有望な投資家のプレイボーイ、サンダー。 タリーはといえば、古風な乳母に育てられ、恋愛経験は皆無だった。 このパーティには妹のつき添いとしてやってきたけれど、 妹に使用人扱いされているような私を、サンダーはどう思うかしら? 彼の目はしかし、タリーを明らかに女性として賞賛しているようだ。 本当の相手が見つかるまでは独りでいいと考えていたけれど、 胸が痛いほどのこの情熱を、今こそ解き放ってもいいのでは? タリーは誘惑されるまま、サンダーに純潔を捧げたーーまさにその瞬間、 彼がはたと気づき、吐き捨てた。「初めてなのか? 何を企んでいる!」 純真なヒロインが初めて恋した相手は、刹那的な関係しか求めない世慣れたヒーローでした。誘惑は情熱的、それでいて心は冷淡な彼。サンダーの思わぬ怒りの反応に傷ついたタリーが家に帰ると、彼から薔薇の花束とディナーの誘いのカードが届いて再び翻弄され……。
生まれてくる子の幸せのため、 愛のない結婚にも耐えなくては……。 生後間もなく親に捨てられ、里親宅を転々として育ったヘイリー。 フラワーデザイナーとなり、結婚式の打ち合わせをしていたある日、 同席していた顧客の友人からディナーに誘われた。 彼こそは、ヨーロッパのアドリア王国皇太子ジオだった。 今まで出会った中で最も美しい男性との夢のようなひととき。 ヘイリーは彼の魅力にあらがえず、一夜を共にしてしまった。 2カ月後、彼女はジオに会いに行くーー今度は妊娠を伝えるために。 だが、独りで産んで育てると言う彼女に、ジオは結婚を申しこんだ。 この天涯孤独の私がお后になるですって? まさか! うれしいはずのプロポーズなのに、とまどいしか感じられず……。 心からの笑顔がはっとするほど魅力的な皇太子と、親の愛を知らずに育った花売り娘が繰り広げる、切なくもロマンティックな物語。温かい家族を切望しながら育ったヘイリーは、はたしてジオの愛を勝ち取れるのでしょうか? シンデレラ・ストーリーの決定版!
最愛の人の幸せのために、 わたしはそっと身を引いた。 アナはダルヴァーストン総合病院で働く産婦人科医。 さまざまな悩みや事情を抱える患者を親身に見守る彼女にも、 スタッフにさえ打ち明けていない秘密があった。 それは3年前に離婚したこと。夫サムを愛していなかったわけではない。 むしろ愛していたから、彼に本当の理由を告げずにつらい別れを選んだ。 けれど今、新しくやってきた救急医が彼と知り、アナは激しく動揺する。 別々の人生を歩むなら、同僚としてうまく接しなくてはならない。 アナは必死にサムへの愛を抑えこもうとするが、 結婚当時は気づかなかった幸せな日々ばかりがよみがえってくる。 欲しかった子供が持てないとわかった、あの日の記憶と共に……。 “命の現場”を舞台にロマンスの感動作を多く描いたジェニファー・テイラーの珠玉作です。愛ゆえの離婚というつらさに人知れず耐え忍んできた健気なヒロインに幸せは訪れるのでしょうか? 本作は11/5刊『涙の雨のあとで』(I-2730)の関連作です。
数多の女性と浮名を流すハンサムな実業家レオ・ラヴェニーノ。彼にインタビューすることになった新米記者エマは、高級クラブのダンスフロアで、無敵のオーラを漂わせる彼に見つめられた瞬間、虜になり、誘惑されるがまま純潔を捧げた。だが翌朝、彼は黙って姿を消し、心をずたずたに引き裂かれる。気持ちを落ち着かせようとレオの女性遍歴を書き連ねてみたが、なんと手違いでその文章が新聞に掲載されてしまった。記事に激怒したレオの圧力でエマは解雇され、路頭に迷う。追い討ちをかけるように妊娠が発覚、エマはしかたなく彼を訪ねた。「妊娠?今度はたかりに来たのか?」
誰も愛さないと決めた王子── どうすれば、その心の扉を開けるの? 輝く褐色の肌、神秘的な琥珀色の瞳……なんて素敵な人なの。 リタは新しい顧客の異国の皇太子ジャグに一瞬で心を奪われた。 近く彼の国で開かれる国際的な展示会にリタは興味を持っており、 ぜひ参加したいと彼に懇願するが、驚くべき交換条件を出された。 即位の際に、完璧なお后を迎えて国民の支持を高める必要がある。 そのために期限付きで僕と結婚してほしい、というのだ。 舞い上がったリタは受諾する。だが結婚式を終え、月夜の砂漠で 夢のような一夜を過ごしたあと、なぜかジャグは冷淡になった。 私は嫌われたの? 不安を抱えるリタに妊娠の兆候が表れて……。 『百合の公爵と眠れる聖母』で鮮烈な日本デビューを果たしたマルセラ・ベル。今作では、愛のない結婚をしたはずの二人が惹かれ合い、ヒロインの妊娠を機に急展開するドラマティックなロイヤル・ロマンスを描いています。個性的なヒロインに要注目です!
私の中のもう一人の私が、 今もあなたを求めて涙を流す── フェイスは空港で見知らぬ男性から“ミリー”と呼びかけられ、 困惑した。人違いだと言って逃げるようにその場は立ち去ったが、 数日後、その男性、ジャンニが再び現れて写真を突きつけた。 「きみは僕の恋人だった。3年間、ずっと捜していたんだ」 そこに写るミリーは、まぎれもなくフェイス自身だった。 いったいどういうこと? なぜこんなに胸がざわつくのだろう。 3年前、フェイスは身重の体で交通事故に遭い、記憶を失った。 以来、両親を名乗る夫妻のもとで、生まれた息子だけを支えに 生きてきたのだ。でも、私がミリーならここにはいられない。 彼女は衝動的にジャンニの胸に飛びこむが、突然記憶が蘇り……。 ハーレクイン・ロマンスの頂上に君臨する人気作家、リン・グレアムの知られざる傑作をお贈りします。記憶喪失のヒロインは、息子とよく似たヒーローと出会ったとたん、心がかき乱されますが、理由がわからなくて……。ヒロインの心情が切ないロマンスです。
どんな女性も選び放題のシチリア富豪。 そんな彼が、なぜ私を花嫁に選んだの? 「あの娘、救いようもなく引っ込み思案で平凡ね」 嘲りながらささやかれる自分の噂話に、ホープは身をこわばらせた。 いまどき珍しいほど内気な彼女には恋人の一人もいない。 しかし、ひそかに憧れている男性ならいる。 祖父の仕事仲間で実業家のシチリア富豪、ルチアーノだ。 今夜は祖父が開いた大晦日のパーティ。もちろん彼も招かれている。 夜も更け、やがて新年へのカウントダウンが始まった。 恒例のキスでルチアーノが選んだ相手は、なんとホープだった! 二人のキスは、新年を祝うにしてはあまりにも熱く甘かった。 ある裏取り引きをもくろむ祖父がほくそえんで見ているとも知らず。 「もう一度ルーシー・モンローの名作が読みたい!」という読者の声にお応えして、内気なヒロインが傲慢なシチリア富豪に翻弄される物語をお贈りします。憧れの男性からの思いがけない求婚に胸を躍らせる純な彼女でしたが、それは残酷にも仕組まれた結婚で……。
男性不信のキムは、生まれてこのかた恋をしたことがない。そんなある日、友人から頼みごとの電話を受けた。つい3週間前に社会的地位につられて婚約してしまった、冷徹な男性と何とかして別れたいという相談だった。怯える友人にかわって、富豪のジュリアン・パーネルにキムは会いに行くはめになる。そのときはまだ、キムは知る由もなかった。キムの美貌に目をつけたジュリアンに、僧院に閉じ込められ、いますぐ関係を結ぶか、結婚するかの決断を迫られようとは。
20歳で両親を亡くし、強欲で支配的な叔父から逃れるように生家を飛びだし、ロンドンで暮らし始めたティモニー。実業家クレタと偶然出会って恋に落ち、彼のペントハウスへ移り住むように。半年後、ティモニーはついに愛を告白するが、驚いたことにクレタは拒絶すると、その場で彼女を追いだした。なぜこんな酷い仕打ちを?わたしは愛されていなかったの?傷心の彼女は叔父に強いられるまま、高齢の富豪との縁談を受け入れてしまう。だが挙式を翌日に控えた聖夜のパーティに突然クレタが現れ、彼女を担ぎあげると車で連れ去って…。
クリスマスイブだというのに、エロイーズは憂鬱だった。彼女はヴィンチェンツォ王子に長年、片想いをしていた。国王の愛人の娘だった私に、唯一やさしかった人。でも大きくなると、彼は私を“娼婦”という言葉でののしった。なのに、熱く求めてきたあの一夜だけは違っていた…。エロイーズはため息をつき、大きくなったおなかに手を置いた。ヴィンチェンツォは結婚も世継ぎも望んでいない。私はそんな男性の赤ちゃんを身ごもってしまった。ああ、聖夜に奇跡が起こって、彼が私と子供を愛してくれたら!
裕福な会社社長ライアンは女性たちの理想の男性として名高い。顧客の一人である彼のオフィスを、ローラは週に1度訪れる。だが彼と私語を交わすことはなく、格好も地味なものを選ぶー本当は、ライアンの男性的魅力を意識していることを隠すために。そんなある日、ローラは途方に暮れていた。もう先は長くないであろう祖母を喜ばせるため、つい“運命の男性に出会った”と口走ってしまったからだ。心ここにあらずの状態を、いつもは冷淡なライアンに気づかれ、思わず真実を告げてしまったローラは彼の言葉に唖然とした。「では僕がその運命の男性を演じてあげよう」。
幼い愛息に南半球のクリスマスを見せるため、オーストラリアに帰郷したシャンテル。パーティに出席したとき、ギリシア大富豪ディミトリと思いがけず再会し、息をのむー彼こそが息子の父親なのだが、シャンテルはその事実を告げずに独りで産み育ててきたのだ。自分にそっくりな息子を見たディミトリの目に、怒りが宿った!(『真夏のサンタクロース』) 23歳のヘブンは手作りのお菓子を売って、どうにか日々の生活費を賄っている。本当は腕のいい料理人なのに。というのも、元雇主にあらぬ醜聞を流され、仕事も信用も恋も台なしにされたのだ。そこで彼女は、本名を隠して元雇主のパーティに出張料理人として潜り込む。だがそこには心惹かれていた元雇主の義弟ジョンの姿が…。(『プディングの中は…』) 両親を失ったアリスは、身を寄せた伯父の屋敷で従姉妹たちにこき使われていた。クリスマスの季節になり、伯父一家が泊まりがけで外出した夜、玄関先に伯爵のジャックが現れた。吹雪から逃れる場所を求めて来たという。食べるものも充分にない中、かいがいしくもてなすアリスを見て、伯爵は彼女を無垢なメイドだと思い…。(『ある伯爵とシンデレラの物語』)
5年前、アニーは交通事故で身心に大きな傷を負い、記憶も失った。それ以来、他人を避けて孤独に生きてきたが、ある日、“夢の恋人”とそっくりな男性とすれ違った。夜ごと夢に現れては彼女を抱きすくめる、たくましい体、長い手足…。直感のままに車を走らせると、どこか見覚えのある屋敷にたどり着いた。中から出てきたのはーあの“夢の恋人”だった。威圧的だけれど魅力をたたえる彼に、アニーは目を奪われ、陶然となる。しかし夢では美しいはずの“恋人”の顏は今、苦悶の形に歪み、アニーに軽蔑と怒りのまなざしを向けていた。「君は僕の妻だ。なぜ平然と戻ってきた?」