出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
レイチェルは18歳でドミニクと恋に落ち、結婚した。その若すぎる結婚は、妊娠が理由だったため、ドミニクが大学進学を延期して働き、ふたりで出産に備えた。ところが、赤ん坊を亡くす不幸に見舞われ、その日を境に、ふたりは未来も、希望も…愛さえもわからなくなってしまった。離婚後、レイチェルは看護師として自立し、今ようやく心の痛手を乗り越えて、再出発できそうだった。なのに、移り住んだロンドンで、しかも新たな勤め先の病院で、医師になったドミニクと再会するとは!とたんに、亡き息子と3人で撮った最後の写真の記憶が甦り…。
イタリア大富豪は乙女を手玉に取り、 問答無用とばかりに婚約宣言をした! 一人親家庭で育ったリーは、経済的な苦労をしたため結婚に興味がない。 ある日、姉の家を訪れることになって飛行機に乗ったとき、 高級スーツをまとった長身のセクシーなイタリア系の男性と隣になった。 一目見た瞬間から、リーは内心、彼のことを意識していたが、 その強烈な魅力に動揺するあまり、無視を決め込んでしまう。 目的地に着くと、偶然にも彼は姉の隣人マルチェロ・レオーネとわかり、 リーのつれない態度が逆に興味を引いたのか、彼は強引に迫ってきた。 結婚の条件を訊かれ、リーは逃げ口上として「億万長者」と答えた。 さらに、その幻の億万長者から申し出があれば受けるかと問われて頷くと、 マルチェロが高らかに告げた。「君は今、僕の妻になることを承知した」 HQイマージュ〜至福の名作選〜より、世界的人気作家ヘレン・ビアンチンの傑作、年の差ロマンスをお贈りします。美容師として手に職をつけ、自分の店を開くのが夢のリー。眼中になかった“結婚”の2文字を、自信家のイタリア大富豪によって突きつけられ……。
愛なき求婚をされて気づいたーー 彼を、ずっと好きだったことに。 看護師のカトリーナは、パーティでオランダの男爵ラフと知り合った。 落ち着き払った長身の彼は高慢な有閑人といった風情で、 カトリーナは何を話せばいいかわからず、天気の話をするほかなかった。 その夜は気まずく別れたが、後日、職場の病院で再会したとき、 外科医でもあるラフが急患の処置をてきぱきこなす姿に胸を高鳴らせた。 彼はとても優雅で、それでいて有能で頼りがいもあるわ……。 そんなカトリーナも周りから頼りにされる働き者だったが、ある日、 迷惑な同僚に言い寄られ、思わず、もうすぐ退職すると言ってしまう。 すると、次の仕事のあてもない彼女に、ラフが驚きの提案を投げかけた! 「僕は妻が欲しい。僕と結婚することを考えてくれないか?」 カトリーナより10歳以上も年上のラフは、自分は恋にのぼせあがるような年齢じゃないと言い、プロポーズをしました。彼が情熱的な愛を望んでいないのだと思うと、切なくなるカトリーナでしたが……。穏やかで優しい作風に癒やされる、不朽の名作です。
結婚の翌朝に、彼は別れを告げたーー 私の身に宿った命に気づきもせずに。 ペニーは旅先でとてつもなくセクシーな富豪コルトと、熱い恋におちた。 めくるめく1週間。最終日、二人は運命に導かれるように結婚したが、 翌朝、別人のような冷たい顔で彼は言った。「僕は結婚に向いてない」 そして一方的に離婚を告げると、コルトは去っていったのだった。 人生で初めての恋の代償は大きかったーーペニーは、妊娠していた。 1年半後、女手一つで双子を育てていた彼女は、体調を崩して入院した。 すると、ペニーが子育てと治療費の工面に困っていると知ったコルトが、 入院先に突然、相も変わらぬまばゆいほど魅力的な姿を現した! 彼に妊娠を知らせなかったのは、親権を要求されたら勝ち目がないから。 命よりも大切な子供たちを、絶対に奪われるわけにはいかない……。 〈授かり子を密かに〉と題して、シークレットベビー物語をお贈りします。双子と関わったあとでコルトがまた姿を消したら、今度は子供たちが傷つくーーペニーの“親心”はコルトへの不信にあふれる一方、“恋心”は彼への切ない未練をぬぐいきれずにいて……。
情熱の大富豪ボスとのオフィス・ラブ名作集! 恋と仕事の狭間で、甘美な誘惑に囚われ……。 情熱的な作風と濃やかな心情描写に定評のある実力派作家マヤ・バンクス他、セクシーなヒーローを描く作家らが勢ぞろい! 公私の境で揺れる、オフィス・ロマンスの傑作をセレクトしました。ボス&秘書や、偽りの婚約がテーマの物語を収録した豪華アンソロジー。
初めて対面した我が子に注ぐ彼のまなざしが、 この胸を罪悪感と苦悩でさいなむ。 働きながら幼い息子を育てるシングルマザーのマリサは、 次の仕事場である高級ホテルに到着し、愕然とした。 そこは、5年前にひと目で恋に落ちた大富豪ローマンと出会い、 彼にそっくりな愛しい我が子を身ごもった場所だったのだ。 その直後、なんと当のローマンがいきなりホテルに現れ、 最近になって自分には息子がいることを知った、と言う。 ああ、ついに秘密が漏れてしまった……おののくマリサに、 子供は持たない主義だと明言していた彼は、脅すように言った。 「息子はどこだ? 僕から奪った4年の埋め合わせをしてくれ」 『ガラスの靴を捨てた花嫁』の関連作です。前作に続く大人気のシークレットベビー・ロマンス。実はマリサの息子は重い病気にかかり、彼女はローマンに会いたい想いを押し殺して彼の兄リオに相談していたのでした。そして、彼女のもう一つの秘密とは?
見知らぬ夫が愛しているのは、 記憶のかなたの、もう一人の私。 貧しい給仕係サーシャはパーティで大富豪アポロに見初められ、 めくるめく熱い夜を過ごすが、翌朝、事態は一変する。 ギリシアの神のごとく尊大な彼の不興を買い、 部屋から叩きだされたのだ──純潔を捧げたというのに。 数カ月後、彼女は事故に遭い、病院のベッドで目を覚ました。 傍らで見守る男性は夫だという。あれは……アポロ? それ以外のすべての記憶を失ったままサーシャは退院し、 アポロの屋敷へ赴くが、なぜか彼も使用人たちもよそよそしい。 私はほんとうに彼の妻なの? サーシャは不安に身を震わせた。 大スター作家P・ジョーダンを彷彿とさせる作風で人気のA・グリーンが描くのは、ミステリアスなシンデレラロマンス。ヒロインにまつわる秘密のベールが1枚ずつ剥がされていくような展開にぐいぐい引き込まれ、いっき読み間違いなしの逸作です!
無垢な真心を捧げ、愛の結晶を宿した。 なのに、わたしをお金目当てと蔑むの? 海辺の村に育った素朴な娘コーデリアは、 嵐で転覆したボートから落ちて溺れた男性を助け、 彼が意識を取り戻すまでの数日間、懸命に看病をした。 目覚めた彼はルカと名乗り、イタリアから休暇で来たと言う。 褐色の肌と逞しい体、セクシーな瞳。コーデリアは恋に落ち、 彼にすべてを捧げた。やがて去っていく人と知りながら……。 ところが、ルカがイタリアへ帰ったあと、妊娠が判明する。 意を決して彼を訪ねるが、待っていたのは残酷な仕打ちだった。 実はルカは億万長者で、ずっと前から婚約者もいるというのだ! 〈7つの愛のおとぎばなし〉5話目のモチーフは『人魚姫』です。アンデルセンの原作をなぞりつつ、切ないロマンスに仕立てられています。二人が入り江で愛をかわすロマンティックなシーンは必見。最後まで読みどころたっぷりのおすすめ作品です。
あまりに魅力的なボスと、 二人きりで、1週間の出張だなんて。 田舎町で生まれ育ったコリーは、地元の青年に失恋し、 傷心のあまり転職して故郷をあとにした。 ロンドンの一流企業に社長秘書として採用されたはいいが、 初日から社長のマックス・ハンターに釘を刺されてしまう。 「僕に対して、仕事の邪魔になる感情は抱かないでくれ」と。 たしかに彼は恐ろしいほどハンサムだけれど、傲慢すぎるわ。 仕事はやりがいに満ち、マックスはボスとしても有能だった。 そんなマックスと1週間、二人きりの海外出張が決まる。 初日の夜、緊張していたコリーに、なんと彼はキスをしてーー。 長く再版が待ち望まれていた、H・ブルックスのボス秘書ロマンスです。恋愛感情を抱くなと釘を刺したのはボスなのに、キスするなんて……コリーの動揺に、こちらも思わずドキドキです!
疎遠の父に日陰者扱いされてきた娘は、 恋も、愛も、すべてが怖ろしくて……。 私を妊娠して捨てられてもなお、父を想い続けて一生を無駄にした母。 そんな母を見てきたので、シャーロットは恋愛に臆病になっていた。 ある日、父の突然の事故死で、莫大な遺産を継ぐことになり、 シャーロットのもとに警備会社経営の大富豪ジェイスが派遣されてきた。 たくましくて男らしい、黒い瞳と髪を持つ端整な彼に、思わず胸が高鳴る。 だが、働きながら大学院に通い、苦学の末に社会に出た芯の強い彼女には、 護衛は必要なかった。疎遠な父の遺産なんて放棄するつもりだから。 一方ジェイスにとっても、守るべき相手との特別な関係は禁忌だった。 惹かれ合うはずのないシャーロットとジェイスだが、 相続の話し合いのためNYへ向かう機上、唇と唇が触れ合い……。 王道シンデレラ・ストーリー『ガラスの靴のウエイトレス』(I-2637)の関連作です。ベテラン作家スーザン・メイアーの描くヒロインは、自立心が旺盛な努力家で、好感度抜群! 疎遠の父がNYの大富豪だったとわかっても、独立独歩を貫こうとするヒロインにご声援を。
私が守るべき秘密ーーそれは、 私を捨てた彼の娘を、産んだこと。 ある日、事故で頭を打って救急搬送されてきたイタリア人を見るなり、 看護師のジーナは凍りついた。なぜ、マルコがロンドンに? 3年前、出張先のフィレンツェで医師の彼に出会って強く惹かれ、 めくるめく6週間を過ごしたのに、あっさり別れを告げられたのだ。 その後、ジーナは娘をーーマルコの子を産んだが、彼はそれを知らない。 妊娠を伝えようとしたが、電話でも手紙でも連絡がつかなかった。 そこまで嫌われているのなら……。そう思い、あきらめたのだった。 今、病室で意識を取り戻すも、記憶喪失に陥ったマルコの言葉に、 ジーナはうろたえる。「なぜか、君とは親しい仲だった気がするが?」 娘のことは言わないわ! 冷たい彼にもう傷つけられたくないから。 「君との将来は考えていない」かつてマルコに投げつけられた台詞を忘れられないジーナ。もしもマルコに娘の存在を明かしたら、今度は娘が傷つくと考えます。けれども、マルコは偶然ジーナの娘を見かけたとき、その瞳の色から、自分の子だと気づいてしまい……。
テムズ川沿いの高級アパートメントで一人暮らしをするハナが、結婚より自立を望んだのは、子供時代、裕福ではなかったから。だがある日、上司のセクハラで退職を余儀なくされてしまった。幸い、大企業で職を得ることができ、ほっとするが、現れた黒髪の社長サイラスを見て、目をみはる。故郷の村の役所で会った、場違いなほどゴージャスな男性だわ!あのとき、生まれて初めて胸の高鳴りを感じた人が、まさか上司になるなんて!仕事に支障が出たらどうしよう?けれど、恋心を抑えようとするほどに思いはつのり…。
おなかに小さな命がいると知ったのは、 無一文で路上に放り出されたあと……。 「社長から、電話を取り次ぐなと言われておりますので」 ギリシア大富豪クリストの秘書の返答に、エリンは愕然とした。 クリストと同棲していたのに、理由も告げられずに突然捨てられ、 エリンは気まずくなって、彼が所有するホテルでの仕事も辞めた。 すべて忘れよう……。そう思った矢先、妊娠しているとわかったのだ。 収入もないので、せめて援助を、と必死で彼の実家にも連絡したが、 息子はもうすぐ結婚するから関わるなと釘を刺されたのだった……。 3年後。困っていたエリンに働き口をくれた現在のボスに呼ばれ、 オフィスの中へ入ると、そこにいたのはーー エリンの仕事場であるホテルを買収しにやってきた、クリストだった! 〈授かり子を密かに〉と題し、シークレットベビーがテーマの珠玉作をお贈りします。3年前の別れ際、クリストとのあいだに小さな命をーーしかも、男の子と女の子の双子を身ごもっていたエリン。そうとは知らないクリストは、なぜか怒りに満ちていて……。
伯爵の目に飛び込んできたのは、 王女のドレスをまとった、清貧の乙女。 両親亡き後、エレナーは老婦人の付添人としてつましく働いていたが、 ある日突然、婦人の親戚ラヴェナム伯爵からプロポーズされる。 ハンサムでやさしい彼を密かに慕ってはいたけれど、 話が合う君となら、ベッドで飽きてからも穏やかに暮らせるだろうから、 などという理由で結婚なんて。ショックで逃げ出したエレナーは、 ひょんなことから、さる公爵未亡人の町屋敷で世話になることに。 事の顛末を聞いた公爵未亡人は面白がり、伯爵の追跡をかわすため、 エレナーを豪華なドレスと宝石で飾り、架空の国の王女に仕立て上げた。 変装の成果を試したい夫人に、あらゆる夜会や舞踏会に連れ出されるが、 そこには必ず、怒りにたぎるまなざしのラヴェナム伯爵がいるのだった。 ヒストリカルのベテラン人気作家アニー・バロウズが贈る『公爵の秘密の願い』の関連作です。伯爵は、エレナーの変装も、彼を欺くことになり自己嫌悪に陥っている彼女の心もお見通し。公爵未亡人の前では調子を合わせながらも、ある夜ついにしびれを切らしーー
不埒な侯爵に物申すはずが、 身も心も囚われて……。 誕生日の夜、ロス侯爵グレイは社交界の集まりから屋敷へ戻り、 書斎に足を踏み入れたとき、ただならぬ気配を感じて身構えた。 そこには、薄汚い服を着たひどい身なりの少年が一人。 少年は銃を構えて叫んだ。「妹の純潔を奪って孕ませた責任をとれ!」 世間から罪作りな男と呼ばれてはいるが、まるで身に覚えがない。 グレイは隙をついて銃をたたき落とし、少年を床に組み敷いた。 よく見れば、艶やかな肌に、丸みを帯びた頬、豊かなまつげ……。 少年のだぶだぶの上着の下に手を入れ、体に触れるーーこれは、女だ! だが次の瞬間、銃を取り返そうとする“少年”ともみ合った勢いで 弾丸が飛び出し、体を貫かれたグレイは、崩れるように気を失った……。 少年に扮したヒロイン、ケイトは、責任として養育費を支払わせようと、ただ脅すだけのつもりでした。けれども銃の暴発に動転し、侯爵を家に連れ帰って必死に看病することに。眠る侯爵は地上に落ちた大天使のように美しく、彼女は思わず見とれてしまうのでした。
彼の怒りも罰も、私が受ける。 でもどうか、この子は拒まないで……。 スカーレットが秘書として仕えていた億万長者が亡くなった。 その遺言書が開示される日、彼女は絶体絶命の状態だった。 今日は遺族の一人として、スペイン富豪ハヴィエロも現れる。 かつて私は自分の想いを抑えきれず、彼に純潔を捧げた。 でもハヴィエロは私を、亡き父親の愛人だと疑っていた。 だから別の女性と婚約したのだ。私になんの感情もなかったから。 そんな人に言えるの? おなかの子はあなたの子だと。 いいえ、言うのよ。スカーレットは化粧室の個室で涙をこらえた。 たった今、破水したからだ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるーー。 大評判のミニシリーズ〈7つの愛のおとぎばなし〉。今作は『美女と野獣』がテーマです。陣痛が始まったヒロインはついにヒーローに助けを求めます。しかし彼は逆に「本当に僕の子か?」と問いつめ、ヒロインを悲しみと絶望の淵に追いやるのでした。
こんなにも王子を愛してしまった私は、 1年後に必ず訪れる別れに耐えられるの? 両親の死後、ヘスターは親戚の家で不幸な生活を強いられていたが、 晴れて独立し、トリスカリ国王女のアシスタントに抜擢された。 ある日、王女の兄であるアレクから結婚を申し込まれる。 「礼金は弾むから、1年限定で僕の妻になってくれないか?」 亡父の跡を継いで国王になるには、妻を娶る必要があるという。 なぜ私なの? 親戚の家で爪弾きにされて育った私が王妃? 訝りながらも、慈善活動の資金を必要としていたヘスターは、 “ベッドはともにしないこと”を条件に、しぶしぶ承諾する。 だが、黒い瞳のセクシーな夫の魅力には抗いようもなくて……。 〈7つの愛のおとぎばなし 3〉は、『みにくいあひるの子』がテーマ。愛に恵まれず貧しい育ちのヒロインは、愛を信じない王子に絶対服従を誓う結婚をすることに。一方の王子は、壁の花にしか見えなかった地味なヒロインの華麗なる変身ぶりに目をみはり……。
アンジェリーナは、二十歳になったばかりで結婚を決められた。相手は、イタリア貴族の末裔ベネデット・フランセッシー莫大な富を持つ、孤島にそびえる“黒い城”の城主だ。アンジェリーナは破産寸前の没落貴族の末娘で、父親が金銭的援助を受ける代償として、ベネデットに売り渡されたのだった。彼と初めて会った夜、その恐ろしいほどの美貌に心奪われ、アンジェリーナは熱いキスと、それ以上の行為を許してしまう。彼には6人もの前妻にまつわる、恐ろしい疑惑があるというのに。
大切な妹を傷つけた最低の男を、 まさか、愛してしまうなんて。 ターンは里親夫婦の娘イーヴィと本当の姉妹のように育った。 あるときイーヴィが、ひどい失恋をして寝込んでしまう。 キャズという金持ちの男に弄ばれ、婚約破棄されたというのだ。 ターンはいても立ってもおれず、その男に会おうと決めた。 妹の絶望を知れば、彼は思い直してくれるかもしれないわ。 ターンは素性を伏せて、キャズが経営する会社に職を得たが、 意外なことに彼は有能で人望も厚く、すばらしい男性だった。 しだいに募るキャズへの想い。こんなはずではなかったのに……。 何も知らない彼はターンを熱く見つめ、囁いた。僕は本気だ、と。 サラ・クレイヴンは、HQロマンスの黎明期より40年以上も第一線で活躍した偉大な作家。複雑な男女の心の機微を描いて多くのファンを魅了しました。
この小さな赤ちゃんが教えてくれたの? 身勝手な億万長者に絆の大切さを……。 イゾベルは、親友が3年ぶりにかけてきた電話に茫然とした。 なんてこと! 暴力的なパートナーから守るため、生後3カ月の赤ん坊を 億万長者ジェイクの経営する高級ホテルに預けたですって? 6年前、イゾベルはジェイクの不実に傷つき、別れを選んだのだった。 あなたとジェイクとで赤ちゃんの面倒をしばらく見てほしいと頼まれ、 やむなくイゾベルはロンドンのメイフェアにあるホテルに駆けつけた。 赤ん坊のいる最上階のスイートルームに案内してくれたジェイクは、 さらにたくましさを増し、輝くような魅力を放っている。 胸の高鳴りを懸命に抑えるイゾベルに、突然ジェイクが提案した。 「赤ん坊のためにしばらく一緒に暮らさないか?」 “愛は人を弱くする”のを6年前の出来事で痛感しているイゾベル。だから、赤ちゃんのためだけの同居に同意しても、ジェイクとは一定の距離を置こうと決めていました。ところが、彼のはしばみ色の目で熱く見つめられただけで、甘美なざわめきが体に広がり……。