出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
マリウスと婚約を結んだイルムヒルトは、学院に通う準備の一方で、リーベル伯爵の一件の聞き取りを受けたりと、その後の対処に追われていた。そんな時、母と祖父母の墓の移設完了に関する知らせがあり、先代を弔う会を行うために領地へ帰ることに。その道中、ゲオルグの仲間と思われる者に命を狙われる、タウンハウスで雇われていた執事見習いに出会い…!?
父が詐欺罪で逮捕され、莫大な借金を残して獄死したあと、サヴァンナは難病の母を介護しながら必死で働いてきた。ある日、知り合ったばかりのデート相手に誘われるまま、彼女がホテルに足を踏み入れると、怒りもあらわな男性にいきなり詰め寄られた。ディミトリス!どうしてここに?「その男は僕の妹の婚約者だ。きみは妹の結婚を台なしにした!」10年前、サヴァンナを捨てて去った彼は今や有名な大富豪だ。優しかったディミトリスはもういない。でも誤解だけは解きたい。夢中で抗議するうち、サヴァンナは彼の腕にかき抱かれて…。
里親の家庭をたらいまわしにされ、さみしく育ったソラス。仮面舞踏会の夜、漆黒の髪と完璧な男らしい肉体を持つガレンに出会ってたちまち虜になり、純潔を捧げた。だが妊娠に気づいたのは出産の1週間前ーそして出産翌日、国王の使者が来たのだ。あの夜の男性は国王陛下だったの?極度の疲労で何も考えられず、差し出された書類にサインした。大金と引き換えに赤ん坊を奪われるとも気づかずにー。だから子供を取り戻すため秘密のナイトクラブで王を誘惑した。ソラスの顔も名前も知らない彼はまんまとのせられたが、写真をたねに脅しても応じず言った。「君を王妃に迎えたい」。
偶然手に入れた写真を見て、アンジェルは衝撃で言葉を失ったー婚約者であるゾーラ国皇太子ザーヒルと美女の密会写真だった。彼と婚約したのは13歳のとき。以来、密かに彼に恋い焦がれ、もう10年の月日が流れた。私にはキスさえしてくれないのに、美女に親密に寄り添いほほ笑む彼は、心から幸せそうだ。ザーヒルが私を選んだのは次期国王としての責務を果たすため。でも愛のない結婚なんて虚しいだけ。アンジェルは意を決して彼に婚約解消を申し出て、ひとつだけ条件をつけた。「お願い。ひと晩だけでいい、あなたの花嫁になりたいの」まさかその一夜で、運命の子を授かるとは思いもせずに。
セリーナが15歳、ニコラスが18歳の卒業パーティの夜、ふたりは初めての幼い愛を確かめ合った。だが、やがて彼の留学後、連絡は途絶えてしまった。妊娠に気づいたセリーナは絶望の中、ニコラスの子をひそかに産み育ててきた。そんなある日ー。「ニコラス・デュプレが、学校に来てくれるの!」地元の名士で世界的億万長者の彼に、愛娘がみずから手紙を書いて、出演依頼したのだという。ニコラスこそが父親だとは夢にも思わずに…。
サマンサは実の母に“おまえの体は壊れている”と言われ続け、必要のない手術を何度も受けて心身に深い傷を負いながら育った。そのせいで自分も母のようになるのではという不安から子を持つ気はない。ある日、彼女は勤務先の病院で手術を執刀中に吐き気を覚えた。疲れがたまったせいだと考えていたとき、手術室のドアが開き、入ってきた外科医を見て、彼女は驚きと動揺のあまり失神してしまう。11週間前、短期のパリ出張で出逢った一夜の恋人ヤニスだったのだ!サマンサを抱きとめたヤニスが彼女の体調を心配して血液検査をした結果、なんと妊娠していることが判明したーもちろん、ヤニスの子を。だが、ヤニス側にもまた、子を望まない理由があった…。
救命室のナースとして働くエリーは、従姉の出産を手伝いに行く途中、嵐で立ち往生してしまった。ずぶ濡れになって途方に暮れていると、息をのむほどハンサムなドクター、ベンが現れ、車で送り届けてくれた。鮮やかな手並みで逆子の赤ん坊を取り上げる彼を見て、エリーの胸はこれまでの人生では感じたことがないほどときめいた。その後、ベンが同じ病院に勤めることになり、ますます想いは募るが、彼はどこか陰があり、寡黙でとっつきにくかった。それでもエリーが勇気を出して、あなたに恋したみたいと伝えると、ベンは顔をこわばらせ、「戯言はやめてくれ」と愛の告白をはねつけた!
ずっと独りで生きてきた。だから、 この胸の温かさの意味がわからなくて。 ロンドンで10年間働いてきた身寄りなき看護師ヘンリエッタは、 ある日、ほとんど会ったことのない伯母から遺産を譲り受けた。 それはオランダのとある村に立つ、城下の小さな家だった。 もうすぐ20代が終わるというのに、私には何かを遺す相手もいない……。 一抹の寂しさを抱えながら、ヘンリエッタは古びた愛車で現地へ向かった。 みぞれ降る中ようやく到着したのは夜で、家は暗闇に包まれていた。 そこで城の主で地主でもあるマルニクス・ファン・ヘッセルと出逢う。 背が高く、かなり年上だけれど魅力的な彼はしかし、横柄に告げた。 「私がここを貸す権利を持っているのだと思いなさい」 あれこれ指図する彼に腹を立てつつも、彼女の胸はぽっと温かくなり……。 ロンドンでの安定した生活を捨て、見知らぬオランダの地に飛び込んだヘンリエッタ。独りで生きることに慣れっこの彼女は、新しい暮らしも自分で築いていくつもりでしたが、近くの城に住む不機嫌な貴族のマルニクスがなぜか世話を焼いてくれて……。
幼い息子と質素に暮らすケリーが交通事故を起こしてしまった日、病院に運ばれた彼女の前に、4年前に別れた夫アレックスが現れた。「医師に、僕に会いたくないと言ったそうだね」イタリア大富豪らしい優雅な身のこなしも、挑戦的な琥珀色の瞳も、すべてをかけて愛したあの日のままの彼がそこに立っていた。これまでずっと絶縁状態だったのに、なぜ今になって会いに来たの?離婚原因はケリーが浮気したこととされているが、彼女自身はまったく記憶がなく、実のところ異母姉が仕組んだ罠だった。そうとは知らないアレックスはなおも怒りをたたえ、言い放った!「罪の償いをしてもらう。僕たちは再婚するんだ」
ソフィアは父が無理やり進める縁談から逃れるため、皇族アッシュに恋人を演じてもらうことにする。16歳のとき純潔を捧げようとして拒まれて以来会っていないけど、きっと助けてくれる。ところがすげなく断られたソフィアは、彼の自家用機にそっと忍び込み…。『結婚の掟』。リジーはさる王国の本を書くため、訪英中の若き王ダニエルに会いに行き、舞踏会で誘惑されたうえに彼の国へ招かれた。長身で輝く瞳の魅力的な王とまた会えるなんて!だがダニエルは辛辣だった。「君の本当の目的は違うんだろう?妥当な値段を話し合おう」『国王陛下のラブレター』。許婚の大富豪タージに恋するアンジェリーナは、彼の望みは政略結婚と知り、家を飛び出した。3年後、つましく暮らす彼女の前にタージが再び現れる。彼女は誘惑に抗えず純潔を捧げ、やがて妊娠。すぐさま彼の宮殿に連れていかれ、愛なき結婚を迫られるが…。『砂漠の一夜の代償』。挙式の前夜、アリスは婚約者で伯爵のダニエルと初めて言葉を交わし、これが遺産相続のために跡継ぎを作るのが目的の便宜結婚と知って胸を痛めた。そこで、彼を密かに慕うアリスは宣言する。「私に求愛し、心を射止めてくれない限りベッドは共にしない」『伯爵の求愛』。
謎の魔術師登場に、身バレの危機ーさらなる急展開の中、王子との恋が加速する!乙女ゲームのバッドエンドを回避したくて距離を置いてきたはずなのに、それでもフェリクスに惹かれていく自覚をするレイラ。そんな中、新入生を歓迎するための学園パーティーが開催され、レイラは医務官助手として参加することになった。目立たないようにメイド姿で会場を奔走するレイラをよそに、攻略対象達に囲まれてリーリエが登場する。リーリエをエスコートするフェリクスの姿を見て胸が苦しくなったレイラはバルコニーに出るが、なぜかそこにフェリクスが現れ、ファーストダンスに誘ってきて…?Web版から大幅加筆&書き下ろし短編2作掲載!
苦学生の身で妊娠して実家を追い出されたジーナは、今は仕事に就き、太陽のように明るい3歳の息子と平凡ながら幸せに暮らしていた。息子の父親カル・マッケンドリックと出逢い、愛し合った4年前、ジーナは彼の叔母に身分をわきまえて身を引くよう諭され、別れを告げることもなく、彼の前からそっと姿を消した。それなのに今、突然カルが玄関前に現れ、ジーナは卒倒しそうになった。なぜカルがここに?もし親権争いになったりしたら、名門マッケンドリック一族の彼に太刀打ちできるはずがないわ!案の定、自分と同じエメラルド色の瞳の息子を見て、カルが冷たく言った。「どうやら話し合わなきゃいけないことがたくさんありそうだ」