出版社 : 勁文社
憂いを含んだ美貌の未亡人、絵里子。彼女発する牝の匂いは周囲の男たちを「けもの」に変える。年老いてなお盛んな義父と、獣欲に身を焦がす義弟の肉茎がしとやかな唇を穢し、秘肉を割る。けものの交わりに嫌悪を抱きながらも、淫牝と化した絵里子の媚肉は弄ばれる期待にうち震え灼熱の猛りに悦びの蜜をあびせかける…。
高校1年生の折尾久美古は、試験のヤマが当るという霊感?少女。ある日、帰宅した途端、玄関の壁のなかから声がする。唐突に“友達になって下さい”というのは幽霊少年!最初は恐怖に震えた久美古も、少年が頻繁に現れるので、不思議と慣れてきた。そして、幽霊少年の正体が気になってくる。“あなたは誰?”久美古が担任で憧れの山口先生に相談すると、霊に詳しい先生は、古着屋で買ったGジャンが怪しいという。で、2人は古着屋のある原宿へー。霊感少女のちょっぴりせつない初恋を描くロマンチックホラー。
ワンピースの裾を捲り上げ、白い臀部を剥き出しにして、犬這いの格好で交わる新妻・有紀美と実の兄・五郎。背徳の蜜の味を知り、夫の目を盗んで逢瀬を重ねる二人は、だが、官能の波に翻弄され、肉欲の果てに待ち受ける陥穽に気づく暇もなく、新たな絶頂へと昇りつめていく…。
おれの名は間兵介。スパイになることを妄想しながら、細々と翻訳の下請けで糊口をしのぎ、女房にも頭の上がらない、しょぼくれた男だ。だが、そんなおれにもチャンスが巡ってきた。元陸軍中野学校の教官だったベテラン・スパイが助手を探しているというのだ。おれは喜びいさんでそのスパイを訪ねたが…著者会心のユーモア・ハードボイルド傑作集!
桂萌実は、女優を夢みる映画大好き少女。本格的に映画の勉強をするために、全寮制の札幌映画学園の2年生に転入してきた。萌実が住むことになったのは、ライラック館というロマンチックな女子寮。同室になった、すごい美少女・沙羅と大親友になった萌実は、僚と友樹という素敵なBFまでできて、毎日ルンルン。ところがある日、萌実の鏡の中に、恐ろしい女の顔が浮かびあがり、それ以来、教室やロケ現場で奇怪な事件が…。ライラック館の乙女たちを襲う、恐怖のシネマ・リハーサル第1弾!
一流企業大正重電の社員小木曽は、「白昼の囚人」にも等しいサラリーマン生活に焦りと不満を感じていた。そんなある日、タクシーの中で偶然拾った3200万の大金が、彼を現実からの離脱と野望へと駆りたてた。銀座の夜の世界で、愛人の夏子らと華やかな事業をおこした彼は、だが、色と欲にまみれた人間どものエゴと裏切りの前に、やがて…。長篇サスペンスロマン。
かつて、彼女の恋心も知らず、彼女を別の相手に譲ってしまった男ー律子にとって、それは二十年ぶりの彼との再会だった。初恋の想いを今に秘め、積年の身体の疼きを一夜にかけた人妻の、むせかえるようなセックスを描いた表題作のほか、結婚を決意した平凡なOLが、上司との恋の清算に、最後に燃えた「色づく初夏の風」など、女の肉体と情感を女流作家の鋭い感性で写した官能傑作集。
ロンドン郊外のお城で、偶然知りあったマイケルは、白馬にのったステキな王子さま。もう二度と逢えないと思ってたのに、突然あたしの学校に、留学生としてやってきた…。親友の朝子なんか、もう大騒ぎ。そして、あたしのハートも〓@76B6だけど、この留学生、チョット変。青白い顔で、極度の貧血症。血に対して異状な反応をする。そのうえ、柔道部のジローさんの首を、いきなり締めつけたり、真夜中行方不明になったかと思うと、あたしの首に…!あたしの中にひろがるギワク。でも、イイのだ。母性本能をくすぐる、かわいいあいつが、あたしの血で元気になるのなら…。でも、この恋の行方、どうなるのかしら…?
美人の評判の保母・芝山里枝が顔を滅多打ちにされて惨殺された。新聞記者の根津が、死体に化粧を施す仕事に従事する影の薄い、老婆のような中年女に会ったのはその葬儀の日のことだった。事件を追う根津の前に、やがて明らかになるこの2人の女の因縁。そして真相に迫る根津にとりついたあの女の不気味な死の影ー表現作のほか、4篇の傑作ホラー・ミステリーを収録。
「どう?…触ってもいいのよ」少年の、唾を呑みこむ音が響くー。美人のスタイリスト・小夜子は、若くしてファッション界に君臨し、まだ初々しさの残る少年モデルを物色しては、貪り喰っているー。そんな小夜子を付け狙う男は、少年との写真をネタに脅迫する。凌辱の限りをつくした男の欲望で、初めて被虐の悦びを知り、果てもなくつづく獣欲に、小夜子は牝の泪をながすー。
東京原宿午前4時、始発直前の地下鉄表参道駅の線路上で、カラスについばまれた無惨な男の刺殺体が発見された。前夜終電後、シャッターに閉ざされて完全密室となった駅構内での殺人事件だった。地下鉄開業以来60年、前代未聞の出来事に、営団首脳部はエリート広報課員藤林を警察に派遣、捜査の協力にあたらせた。地下の鉄道網に精通する藤林は、構内に入り込んで死体に群がり、そして忽然と消えたカラスに着目、事件解明の突破口をつかむ。だがその矢先、地下鉄日本橋駅で第二の殺人が……。地下鉄道の特殊な構造が生む無気味な闇の中で、恐怖とミステリーが交叉する事件の真相は!?
あたし、まだ18歳の新人ストリッパーなんです。中学生で、義父に処女奪われた頃から、お色気がムンムンしてて、男心をそそったみたい。あたしの白い肌と豊かな胸、ムッチリとした肉体を見つめるお客さん達の視線が快感で、もう病みつきなんです。今夜も舞台のあと、好色そうな和尚さんが仲よししたいっていうから…。熟れた桃代・18歳新人ストリッパーのお色気淫行記。
ふらりと立ち寄った異国に寒村で、村人から聞かされた保護鳥〈アルプ〉の名。絶滅の危機に瀕しているこの鳥を、村人たちは独自に保護しているという。だが鳥のことを話すとき、村人が見せる得体の知れない“脅え”に、男は興味を覚えた。その姿をひとめ見ようと保護区域に足を踏み入れる男。しかし村人たちの“脅え”の裏には、恐ろしい秘密が…。表題作のほか6篇を収録したSFホラー傑作集。
偶然女の痴態を覗いた日から少年は女の虜となり、逞しい牝へと変貌し、女ー冬子は少年の幼くも荒々しい淫戯にわななき、艶めかしく濡れそぼつ肉襞を妖しく蠢かせ、灼熱の肉茎を自ら呑み込んでいく。
若き薬学者・皆川洪志が、謎の秘薬・冬虫夏草を探して蔵王へ出かけたまま、消息を絶った。自宅に残された多額の通帳に、犯罪の臭いを感じた婚約者の桂木由美子は、皆川の行方を追うが、その矢先、失踪の鍵を握る男が、奇怪な姿で殺されてしまった。皆川の生死も不明のまま、由美子は再び蔵王へ発つ。だが、そこでは第二の殺人が!謎の連続殺人に挑む長篇本格ミステリー。
永禄3年、激しい戦いの末、飯盛山城を落城された三好長慶は、城内で女陰に男根を挾み込んだまま吊されていた若い裸女の無残な死体を発見した。しかも腹部には“八百比丘尼”という謎めいた血文字が記され…。800年もの間眠り続けているという伝説の美女ー八百比丘尼に崇られた三好一族の悲惨な末路を描く『比丘尼草子』他傑作時代ホラー小説集。
シャネルの香りにまじりあう獣めいた雌の匂いー。貪欲な真弓の亀裂はむせるような魔性の香りを放ち夜ごと男を惹付ける。パトロン、若い部下、ゆきずりの男、そして、実の弟までもー。男たちは肉の奴隷となってその淫れた性宴は輪舞曲のように果てしなく続く。