出版社 : 国書刊行会
伝説の「さまよえるユダヤ人」を名乗るアハスヴェルが主宰する教団「光の子ら」を糾弾すべく準備を進めていたカルト宗教の研究者ウルフ・ハリガンは、ひょんなことから知り合った作家志望の青年マット・ダンカンの協力を得、二人は「光の寺院」で開かれる教団の集会に参加する。その集会の場で、全身に黄色い僧衣をまとった教祖アハスヴェルは、信者たちとともに「ナイン・タイムズ・ナイン」の呪いを唱え、ウルフの死を予言する。 その翌日、ハリガン家の家族とクロッケー場でゲームに興じていたマットがふとウルフのいる書斎を見ると、ウルフの机に身をかがめている黄色い僧衣を着た人物の姿が目に入る。窓は施錠されており、邸内の扉から書斎に入ろうとするものの、やはり鍵がかかっていて中に入れない。再び外に出て窓から中をのぞくと、ウルフは顔面を撃たれて床に倒れており、存在したはずの黄色い衣の人物は消え失せていた……。 この不可解な密室殺人の謎に直面したダンカンは、探偵小説嫌いのマーシャル警部補と共に「密室派の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理・検討をするのだが、なんと《密室講義》のどの分類にも当て嵌まらないことが判明する。困惑する捜査陣を前に、難事件の経緯を知った尼僧アーシュラは、真相究明のために静かに祈りを捧げるのだった……。果たして異色の尼僧探偵の祈りが通じ、神をも畏れぬ密室犯罪の真相が看破されるのだろうか⁉ ジョン・ディクスン・カーに捧げられ、エドワード・D・ホックが主催する歴代密室ミステリ・ベストテンにも選出された、都市伝説的密室ミステリが新訳によって半世紀の時を経てここに甦る! 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) 【炉辺談話】 『九人の偽聖者の密室』 九人の偽聖者の密室
からくり時計の内部に閉じ込められる男、銀の鍵を握りしめ琥珀色の光の先に箱舟を発見する散歩者……静穏な日常の亀裂から姿をみせる奇怪なる夢の物語。心の深層から現れ出た8つの夢魔が織りなす幻想短篇集。 【目 次】 からくり時計 夢魔第一夜 遠 い 家 夢魔第二夜 眠 り 病 夢魔第三夜 銀 の 鍵 夢魔第四夜 標 本 夢魔第五夜 むかしの企画 夢魔第六夜 虚 像 夢魔第七夜 駆け上がる 夢魔第八夜 からくり時計 夢魔第一夜 遠 い 家 夢魔第二夜 眠 り 病 夢魔第三夜 銀 の 鍵 夢魔第四夜 標 本 夢魔第五夜 むかしの企画 夢魔第六夜 虚 像 夢魔第七夜 駆け上がる 夢魔第八夜
1960年代。さまざまな人種と階層の人間が行き交う混沌の街、ニューオーリンズ。 無職、肥満、哲学狂、傍若無人な怠け者にして、口達者なひねくれ者の30歳崖っぷち問題児イグネイシャスは、子煩悩な母アイリーンとふたりで郊外の小さな家で暮らしながら、どこに発表するというあてもない論文を、子供向けレポート用紙に書き散らしていた。 しかしある時、ふたりで街に出かけた帰り、母が自動車で他人の家に突っ込んで多額の借金をこさえ、その返済のため、イグネイシャスはしぶしぶ就活を始める。 イグネイシャスは、潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、職場では仕事を放り出し、事務所をリボンで飾り付けつつ黒人たちの労働デモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に声を掛けてきた怪しい男に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。やがて今度は職場から放り出され、警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こすーー!!! デヴィッド・ボウイも愛読した、全世界200万部超のロングセラー&1981年度ピュリツァー賞受賞作、J・スウィフト、W・ギャディス、J・ヘラー、D・F・ウォレスの系譜に連なる、アメリカカルト文学史上の伝説的傑作にして、奇人変人たちが暴走する、爆笑《労働ブラックコメディ》が、ついに邦訳!!! ☆全世界200万部超の大ベストセラー ☆1981年度ピュリツァー賞受賞作 ☆デヴィッド・ボウイが選ぶ100冊 A Confederacy of Dunces, 1980 ◎装画=塩井浩平 ◎装幀=山田英春
魔的な戦慄に満ち充ちた傑作ドッペルゲンガー長編『悪魔の美酒』、緑金の小蛇のメルヒェン『黄金宝壺』、鏡影綺譚『歳晩祭夜話』他、『ちび助ツァッヒェス』『ドン・ジュアン』『狂楽人クライスラアの手記より』『音の秘密』の全7編を収録。様々な分野で影響を与え続ける天才芸術家E・T・A・ホフマンの幻妖美につつまれた幻想小説。クービンほかの挿絵を多数収録。 【目次】 悪魔の美酒 ちび助ツァッヒェス カロ風の幻想曲(抄) 黄金宝壺 ドン・ジュアン 歳晩祭夜話 狂楽人クライスラアの手記より 音の秘密 ★ 「悪魔の美酒」とホフマン(石川道雄) 「ちび助ツァッヒェス」解説(石川道雄) ホフマニアーナ(石川道雄) 悪魔の美酒 ちび助ツァッヒェス カロ風の幻想曲(抄) 黄金宝壺 ドン・ジュアン 歳晩祭夜話 狂楽人クライスラアの手記より 音の秘密 ★ 「悪魔の美酒」とホフマン(石川道雄) 「ちび助ツァッヒェス」解説(石川道雄) ホフマニアーナ(石川道雄)
ロシア革命の不安を背景に現れる美貌の密偵と放浪インテリ乞食集団……奔放過激な幻想や黒いユーモアが爆発する幻視的予言の書『世界を駆けるヴィーナス』。夜と海と砂丘の探偵小説『北の橋の舞踏会』。推理小説の要素を兼ね備えた傑作長編2編に、澁澤龍彦が短編『マドンナの真珠』の藍本とした幽霊船綺譚『薔薇王』を併録。
これはわたしの犬《むすめ》。 もし何かしたら、殺してやる。 この世から忘れ去られた海辺の寒村。子どもをあきらめたひとりの女が、もらい受けた一匹の雌犬を娘の代わりに溺愛することから、奇妙で濃密な愛憎劇《トロピカル・ゴシック》が幕を開ける…… 人間と自然の愛と暴力を無駄のない文体で容赦なく描き切り、世界15か国以上で翻訳され物議をかもしたスペイン語圏屈指の実力派作家による問題作が、ついに邦訳! 【古川日出男さん推薦!】 全篇に乾いた〈距離〉が満ちる。 人が愛に渇いて、世界中が愛の雨を枯渇させて、乾いて。 物語はまさに〈断崖〉の上に立つ。 【スペイン語圏の錚々たる作家たちも絶賛!】 『雌犬』は、真の暴力を描いた小説だ。作者キンタナは、私たちが知らないうちに負っていた傷口を暴き、その美しさを示して、それからそこに一握りの塩を擦り込んでくる。 ーーユリ・エレーラ この本は、あなたを変える。残忍であると同時に美しいコロンビア沿岸の荒々しい風景のなかで、母性、残酷さ、自然の揺るぎなさに注ぐまなざしがここにある。結末は忘れられない。 ーーマリアーナ・エンリケス この飾り気のない小説の魔力は、一見何かまったく別のことを物語りながら、多くの重要なことについて語ることにある。それは暴力であり、孤独であり、強靱さであり、残酷さだ。キンタナは、冷静で、無駄のない、力強い文体により、読者を驚嘆せしめるのだ。 ーーフアン・ガブリエル・バスケス ☆2018年コロンビア・ビブリオテカ小説賞受賞 ☆2019年英国PEN翻訳賞受賞 ☆2020年全米図書賞翻訳部門最終候補 ☆RT Features制作による映画化決定! Pliar Quintana, La perra(2017)
《私は、二百二十七名の一員として、太陽系の外を目指し、地球を発った。計画した目的を果たし、旅が始まって十年目の今、我々はこれから帰還の途に就く》32世紀。高度な科学技術的発展を成し遂げ、内太陽系をも生活圏とした人類は、その能力と野心を一層満たすために、ついに史上初の太陽系外有人探査計画に着手、地球に最も近い恒星であるケンタウルス座α星へ向かう決定を下した。そんな時代に、グリーンランドの小都市で医師の家庭に生まれた少年は、成長期の体験から宇宙航海士になることを決意、この有人探査計画を聞きつけると、遠征隊の審査試験に合格するために研鑽を重ね、晴れて巨大探査船ゲア号に搭乗する選りすぐりの遠征隊員の一員となる。そして迎えた出発の日、宇宙空間をゆっくりと動き出したゲア号は、次第に速度を増し、遥かなる未知の空間へと踏み出していった。暗黒の真空を突き進む旅路の果てにはいったい何が待ち受けているのであろうか?--レムが晩年まで、ポーランド国内での再版と外国語への新たな翻訳を拒み続けた幻の長篇がついに邦訳なる。映画『イカリエーXB1』原作。 序章 家 青春 マラソン 地球との別れ ゲア号 真空の庭 空間からのお客 アメタ操縦士 トリオン 黄金の間歇泉 ベートーヴェン第九交響曲 宇宙航海士評議会 舞踏会 星から来たアンナ ガニメデから来たピォトル 反乱 共産主義者たち グーバル、私たちの一員 宇宙航海士の像 新時代の始まり ケンタウルスの太陽 ユナイテッド・ステイツ・インターステラー・フォース 赤色矮星 赤色矮星の惑星 グーバルの仲間 流れ星たち 地球の花々 マゼラン雲 遥かなる旅(イェジイ・ヤジェンプスキ) 訳者あとがき(後藤正子) 解説 ユートピアの夢の幻惑と過誤(沼野充義)
「かつてドイツ文学の分野において生み出された翻訳の成果として、森鷗外の訳業に次ぐ名訳」と讃えられた、石川道雄訳ホフマンをはじめて集大成。 『くるみ割り人形』『砂鬼』『ブランビラ姫』『廃屋』ほか、幻想文学の巨匠E・T・Aホフマンの主要名作を上下2巻に収める。アルフレート・クービン、フーゴー・シュタイナー=プラーグ、谷中安規ほかの挿絵約100点も収録した豪華函入愛蔵版。 セラピオン倶楽部(抄) 宙に浮く皿 顧問官クレスペル 吸血鬼 胡桃割人形と鼠の王様 小夜物語 砂鬼 イニヤッツ・デンナー G市の羅馬教会 聖歌 廃屋 家督相続異聞 祈誓 石に刻める心臓 ブラムビラ姫 ★ ホフマンの生活と作品(石川道雄) アマデゥス・ホフマン(石川道雄) 石川道雄小伝(長山靖生)
ノルウェーの雪に閉ざされた田舎町。ある時、11歳の少女シスが通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ふたりは探り合うように距離を縮め、まもなく運命的な絆で結ばれるが、ウンは森深くの滝の麓につくられた神秘的な“氷の城”へ行ったきり、姿を消してしまう…特別な関係、孤独、喪失からの回復を、凛とした文体で幻想的かつ象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。1965年度北欧理事会文学賞受賞作。
笑いの大博覧会、完結!名翻訳家浅倉久志のライフワークである“ユーモア・スケッチ”ものを全4巻に集大成。最終巻は傑作展姉妹篇『すべてはイブからはじまった』とオンデマンドのみの刊行だった『ミクロの傑作圏』をカップリング。
長篇小説を執筆中の作家ポール・オレロンは古い貸家に引越すが、忽ち創作は行き詰まり、作家は周囲に何者かの気配を感じ始める。邪悪なものの憑依と精神崩壊の過程を鬼気迫る筆致で描き、ブラックウッド、平井呈一らが絶賛した心理的幽霊譚の名作「手招く美女」。沈没寸前のガレオン船の前に霧の中から現れた謎の船の正体とは……超時間的な幻想譚「幻の船」。シチリアの富豪の娘が旅先のチュニスで英国青年と恋に落ち、同時に神秘的な人格の変容を経験する。エキゾティックな舞台に古代幻想が交錯する中篇「彩られた顔」など全8篇と、作者がその怪奇小説観を披露したエッセーを収録。英国怪奇小説の黄金時代に、精緻な心理主義と怪異描写、斬新なアイデアで新しい地平を拓いたオリヴァー・オニオンズの怪奇小説傑作選。 信条(エッセー) * 手招く美女 幻の船 * ルーウム ベンリアン * 不慮の出来事 途で出逢う女 * 彩られた顏 * 屋根裏のロープ * 解説 中島晶也 (*=本邦初訳)
舞台は第一次大戦終結後のニューヨーク。オックスフォード大学出身、心やさしくなにもできない青年紳士のアーチーは、大戦に従軍ののち、一族郎党から新大陸での成功を祈願されて米国ニューヨークに到着する。滞在の初日、アーチーはホテルで支配人とおぼしき人間とひと揉めして相手を大激怒させたが、向かった先のフロリダでは美女と恋におちて超スピード結婚。花嫁は、なんとそのホテル王の娘だった……。波瀾万丈抱腹絶倒の事件が連鎖する、笑いの巨匠ウッドハウス初期の傑作連作長編。本邦初訳。
豚飼いマニュエルは金髪碧眼の美丈夫、母の教えに従っておのれの理想の姿を土の人像(ひとがた)に映すべく、日々黙々と土をこねては人像作りに精を出す。そこへ怪しき老人が現われて、「邪悪な魔法使いに拐かされた姫君を救って妻となせ」と、マニュエルに一振りの魔剣を与えた。いざ魔法使いを打ち倒さんと旅立ったマニュエルだが、途中で出会った男装の乙女に恋をして、魔法使い成敗はそっちのけ、肝心の姫君には目もくれず、乙女と手に手を取って意気揚々と帰還する。めでたしめでたしーーと思いきや、死神があらわれて愛しい乙女を冥府へと連れ去った。かくして若きマニュエルの真の旅が始まる。相も変わらず土の人像を作りながら「自分の考えと自分の望みに従う」をモットーに進むマニュエルの前に広がる世界は迷宮のごとく怪異と魔法に充ち満ちて、想像を裏切る途方もない出来事が数々待ち受けていた……。時空を超えて連綿と続く英雄一族の始祖ドム・マニュエルがいかにして生まれたかが語られる、これは始まりの物語。 挿絵:フランク・C・パぺ 装画:木原未沙紀 装丁:山田英春 【シリーズ《マニュエル伝》とは】 豚飼いからポアテム国の救世主となったドム・マニュエルを始祖とする23代9世紀にわたる壮大な年代記。夢想の異世界を巡るロマンスをベースとした冒険喜劇で、原書はエッセイや詩を含む全18巻からなる。本シリーズでは特に評価の高い3冊『ジャーゲン』『イヴのことを少し』『土のひとがた』を刊行する。
フランシー少年の語りに翻弄されながら、 この悲喜劇を原書で読み終えたときの衝撃は忘れられない。 しかしいま、あらためて翻訳で読み、その恐ろしいほどの現実感に体が震えた。 アイルランドから世界に打ち込まれたこの楔はさらに鋭く深く胸に刺さる。 ーー金原瑞人(翻訳家・法政大学教授) 今まで読んだ本で泣いたのは、新美南吉『ごんぎつね』、 筒井康隆『農協月へ行く』、菅原孝標女『更級日記』、そしてこの『ブッチャー・ボーイ』。 『ごん…』は清さに、『農協…』は哀れさに、『更級日記』は切なさに。 『ブッチャー・ボーイ』この少年の物語は、痛さに泣く。殴られるように泣いた。 1ページ目からラストまで、一字一句すべて読む者を離さない迫力のドライブ感。 ーー姫野カオルコ(小説家) 〈いまから二十年か三十年か四十年くらいまえ、ぼくがまだほんの子供だったときのこと、小さな田舎町に住んでいたぼくはミセス・ニュージェントにやったことが原因で町のやつらに追われていた〉--アイルランドの田舎町、飲んだくれの父と精神不安定な母のもとで、フランシー・ブレイディーは親友のジョーと共に愉快な日々を送っていた。そう、ミセス・ニュージェントから「あんたらはブタよ!」という言葉を浴びるまでは……あらゆる不幸に見舞われた少年が、狂気と妄想と絶望の果てに見い出したものとは何か? アイルランド版〈ライ麦畑でつかまえて〉+〈時計じかけのオレンジ〉とも称された、鬼才パトリック・マッケイブが鮮烈で瑞々しい筆致で描く問題作にして感動作、映画化もされた傑作長篇(1992年作)がついに邦訳。 解説=栩木伸明
名翻訳家のライフワークである「ユーモア・スケッチ」ものを全4巻に集大成。第2弾は『ユーモア・スケッチ傑作展2』(全32篇)+単行本未収録作品12篇。
自動機械の自立性向上に特化された近未来の軍事的進歩は、効果的かつ高価になり、その状況を解決する方法として人類は軍備をそっくり月へ移すことを考案、地球非軍事化と月軍事化の計画が承認される。こうして軍拡競争をAI任せにした人類であったが、立入禁止ゾーンとなった月面で兵器の進化がその後どうなっているのか皆目わからない。月の無人軍が地球を攻撃するのでは? 恐怖と混乱に駆られパニックに陥った人類の声を受けて月に送られた偵察機は、月面に潜ってしまったかのように、一台も帰還することがなかったばかりか、何の連絡も映像も送ってこなかった。かくて泰平ヨンに白羽の矢が立ち、月に向けて極秘の偵察に赴くが、例によってとんでもないトラブルに巻き込まれる羽目に……《事の発端から話した方がいいだろう。その発端がどうだったか私は知らない、というのは別の話。なぜなら私は主に右大脳半球で記憶しなくてはならなかったのに、右半球への通路が遮断されていて、考えることができないからだ》レムの最後から二番目の小説にして、〈泰平ヨン〉シリーズ最終話の待望の邦訳。 1 倍増 2 秘密の開示 3 隠れ家で 4 ルナ・エージェンシー 5 ルナ高技能ミッショナリー 6 二回目の偵察 7 殺戮 8 不可視 9 訪問 10 コンタクト Ⅺ ダ・カーポ 最後から二番目の傑作長篇ーー訳者あとがき(芝田文乃) 解説 『地球の平和』と一九八〇年代のレム(沼野充義)