小説むすび | 出版社 : 国書刊行会

出版社 : 国書刊行会

ソーンダイク博士短篇全集(第2巻)ソーンダイク博士短篇全集(第2巻)

「あらゆる時代を通じて最も偉大な科学的探偵」ソーンダイク博士シリーズの全中短篇を新訳、初出誌等から貴重な挿絵・図版を収載した決定版全集。第二巻は、ソーンダイク博士の初登場作として執筆され、後に長篇に改稿された単行本未収録の中篇「ニュー・イン三十一番地」、イングランド南西端、ウルフ・ロック灯台周辺の海域を舞台にした倒叙物「死者の手」をはじめ、短篇集『大いなる肖像画の謎』(1918)から「パーシヴァル・ブランドの替え玉」他の2篇、さらにヒエログリフの印影に隠された謎を解く宝探し暗号小説「青いスカラベ」、証拠に付着した埃の顕微鏡検査から強盗殺人犯を追及する「ニュージャージー・スフィンクス」、干し草の焼け跡で発見された頭蓋骨の謎に挑む「火葬の積み薪」など、第一次大戦後に再開されたシリーズ7篇をまとめた短篇集『ソーンダイク博士の事件簿』(1923)を収録。付録エッセー「探偵小説の技法」、「『ソーンダイク博士の著名事件』まえがき」。

終わりなき探求終わりなき探求

『大地』の著者の失われた作品、40年の時を経て…。主人公の天才児、ランドルフ(ラン)・コルファックスの成長物語。ランは人生の真実と意味を追い求めて、ニューヨーク、イギリス、パリに旅する。DMZ(非武装地帯)の警備に就いた韓国では、人生を一変する出来事に遭遇ーついに愛に辿りつく。ランは才気煥発なステファニー・コンに恋をする。彼女は中国人の父親とパリで暮らし、アメリカ人の母は彼女が六歳のときに家を出たまま音信不通であった。ふたりの若者は、真のアイデンティティーを模索する。ランは貪欲な知的好奇心に悩まされ、世の中で経験することを頭のなかに組み込もうと懸命になる。ステファニーは混血の生まれゆえに疎外感を抱き、自身の二つの文化のせめぎあいを解消しようともがく。しばらくぶりに再会を果たした二人を待ち受けていたものは、ランの英知をもってしても想像を絶する結末であった。『終わりなき探求』はパール・バックが生涯大切にしていたテーマの数々が織りなされ、読者を魅了する。最晩年の著者が情熱を傾けた、著者自身に最も近い作品として、パール・バックを長年愛読してきた何百万もの読者の心に響くだろう。

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