出版社 : 学研パブリッシング
浅草寺裏手で仏壇・仏具を商う浅深屋半兵衛は、裏稼業として張形などの淫具を扱っている。秘伝の淫道を口授する集いに加わった半兵衛は、名門松村家の綾姫より密命を受ける。綾姫の義妹、観月院を還俗させてほしいというのだ。半兵衛は特製の淫具をあつらえて、観月院を性技で昇天させ還俗を決意させたが、この依頼の裏にはある大名家の秘事が隠されていた…。第二回団鬼六賞優秀作受賞作家が描き出す、時代官能の傑作!
1945年1月。「A情報」により情報戦では優位に立っているものの多正面作戦を強いられ苦戦を続ける日本。これ以上の戦線の拡大を懸念する日本は、インド洋からのイギリス軍の侵攻を食い止めるため、4式主力戦車や強襲揚陸艦「赤城」などを展開し、タイ・ビルマの英軍を排除する「TB」作戦を発動。ここに日本の反攻作戦が開始される。一方、米国も太平洋航空軍を新設し、虎視耽々と日本本土襲撃を狙っていた…。シリーズ12弾!超時空シミュレーション戦記。
西国に武者修行の旅に出た半兵衛は、舟の中で出会った鴻乃森兵馬という浪人者に、長州へ行こうと誘われる。勤王や佐幕という思想に興味を持たない半兵衛は断ろうとしたが、長州に伝説の鬼無剣を遣う幻の剣聖がいると聞き、興味を持った。その時、同じ舟に乗り合わせていた旅芸人と知り合った半兵衛は、お妙という美しい娘に一目惚れする。だが、その旅芸人達には、ある秘密が隠されていた。
両国広小路で色っぽくお客の相手をする矢場娘の美咲。実は定町廻り同心の間垣弥十郎の配下の娘岡っ引きで、大店の呉服問屋・島津屋の一人娘でもあった!!日本橋小町と言われる美咲だが、間垣の弱みを握って親の力で岡っ引きになったというほどの捕物好き。矢場娘の連続手籠め事件に、生娘の美咲は女中の朋代に助けられながら挑むが、果たして無事に解決しその貞操は守られるのか!?娯楽時代作家が放つ破天荒のじゃじゃ馬娘捕物帖!!
設楽ヶ原の戦で織田・徳川連合軍を破った武田勝頼は、得意の絶頂にいた。やがてその慢心から、信玄の代より武田家に仕える宿老を疎んじ、軍師の真田昌幸に長篠城を与えて、甲府から遠ざけてしまう。勝頼を見限った昌幸は独立を決意し、手始めに野田城、足助城、二俣城を支配下に置いた。さらに、武田四天王の一人である山県昌景を筆頭に、昌幸のもとには多くの人材が集まり始める。一方、天才軍師の昌幸を失った武田家に、暗雲が立ち篭める。織田、徳川の逆襲が始まったのだ。織田軍は小里城、明智城、岩村城、吉岡城を次々と落とし、信濃を侵して飯田城に迫る。一方、徳川軍は吉田城、掛川城、諏訪原城を奪取した。その隙を狙って、上杉謙信は越前侵攻を狙うのだが…。
神器「草薙剣」の守護者となることが、楠木家の使命となって百余年。伊勢に侵攻してくる織田軍を視察するため津島にいた若き楠木の当主・正具は、猿顔の奇妙な男の命を救った。織田との戦がもはや避けられないところまで来たある日、正具の前に織田家の使者がやってくる。その使者の名は中村藤吉郎。以前に命を救ったあの猿顔の男だった。藤吉郎の使命は「神剣とともに楠木正具を岐阜へ連れて来ること」。第六天魔王を名乗る織田信長とは、天下を託せる人間なのか?正具はそれを見極めるべく「草薙剣」とともに信長のもとへと向かったー。
謎の素浪人・蟹江又左衛門から、実母の優美が生きているという噂を聞いた大柿半兵衛は、剣の武者修行を兼ねて加賀に向かった。父幸之介の兄夫婦を訪ね、母の生死を確かめようと考えたのだ。加賀に旅する途中で、半兵衛はお絹という美しい娘と出会う。しかし、加賀に入った半兵衛の命を執拗に狙う集団が現れた。果たして半兵衛の母は、本当に生きているのか。加賀藩の御家騒動の裏に隠された真実とは!?
暴れ茶人、小堀梅之助は、遠州流家元だった。父から茶の道でお家を再興せよと言い遺されていた。京の孤篷庵で、思うぞんぶん武芸を愉しみ、悪友どもと賭場に入り浸っていた梅之助だが、江戸に出府してひと癖もふた癖もある高利貸しと気の強いその娘、豪放磊落な謎の脱藩浪人との出会いを通じて人間力を磨いていく。機略溢れる梅之助の無頼剣が江戸の悪党どもをぶった斬る。痛快時代小説の決定版!
1944年9月。西の最前線となった南アンダマン島をめぐり、「大和」を旗艦とする南遣艦隊と、連合軍の英仏合同艦隊がベンガル湾内で激突。「A情報」により誕生した早期警戒管制機「深山三四型」などの活躍により日本軍が勝利、英仏軍をセイロンまで退けて、さらに西進を目指した。しかし、連合軍はインド洋進出を予期しており、B-42など新たな兵器を投入する『コイン・トス作戦』がすでに発動されていた!戦場をインド洋へと移した待望のシリーズ第11弾!
真田昌幸の見事な軍略により、武田軍は長篠の戦で、織田・徳川連合軍を完膚なきまでに打ち破った。大勝を得た武田勝頼は、昌幸の功を評価して、長篠城の城主になるよう任命する。しかし、父の信玄よりもさらに領土を拡大し、連戦連勝を続けた勝頼は、次第に尊大な主君となっていった。戦死した知将馬場信春が最期に残した言葉を受け、昌幸はついに武田家から離れる決意をする。そんな中、武田家の宿老である穴山信君が勝手に小里城から退去する事件が勃発し、東美濃に不穏な空気が流れ始める。織田信長がついに本格的な逆襲を開始したのだ。一方、吉田城を取り返すことに成功した徳川家康も、総攻撃を開始した。真田昌幸の独立によって、いま戦国の世に新たな風雲が巻き起こる!
西沙諸島に続き南沙諸島の領有を画策する覇権主義国家・中国の最終的な狙いは海底資源にあった。その野望阻止のため、日本政府は除籍した海上自衛隊の護衛艦にミサイルをはじめ、米軍仕様の機材で近代化した9隻のフリゲート艦をベトナム、フィリピン、インドネシアに貸与した。このASEAN連合艦隊に対し、各個撃破を企む中南海指導部は、まずベトナムを叩くべく、トンキン湾に高速ミサイル艇30隻を侵入させる。だが、米国海軍の戦術情報ネットにより、事態を知った連合艦隊の指揮官・山口大佐は、艦載ヘリのASM(空対艦ミサイル)で邀撃、これを殱滅する。そしてロシア、タイ、インドを加え対中包囲網を成し、中国南海艦隊に最終決戦を臨む!!
江戸城の台所人、鮎川惣介は天性の鋭い嗅覚でこれまで数々の難事件を解決してきた。その協力者である幼馴染の親友、御広敷添番の片桐隼人が念願かなって授かったのは、なんと双子の男女であった。が、隼人の母親の心ないひと言から大騒動に。一方、惣介は家斉から西の丸への異動を命じられ、複雑な心境に。西の丸の御膳所では想像を絶する「いじめ」が展開されていた。惣介は、いじめ解消に知恵を絞るが…。
船宿「川澄」の船頭である霧太郎は、南町同心の浦部から手札を受けて、小網町界隈を縄張りとする岡っ引きでもあった。その浦部から今年の二月に米屋の主を殺害し、四百七十両を奪った盗賊の探索を命じられる。犯行後、その町内から姿を消した綱七の行方を捜し、男と繋がる棒手振をつきとめた霧太郎。その倉吉が住んでいた長屋のなかを調べてみると、柱に見覚えのある「御札」が貼ってあることに気づくが…。
航空技師・堀越二郎が生み出した不朽の名機・零式艦上戦闘機ー零戦。その圧倒的な航続距離と戦闘能力を駆使し、卓越した飛行技術をもって、敵国のパイロットから「ゼロファイター」と恐れられた戦闘機乗りたちと、零戦のすべてを知り尽くした整備兵である森本要次を繋ぐ絆が紡ぎ出す五つの物語。
1943年11月、米海軍は日本の根拠地マーシャル諸島を制圧し、新鋭巨大戦艦「ネブラスカ級」2隻をはじめとする太平洋艦隊の主力が、メジュロ、クェゼリンの二大環礁に集結する。翌44年2月、万全の態勢を整えた米太平洋艦隊は戦力を二分し、それぞれマリアナ諸島とトラック環礁に向けて進撃を開始した。米軍の真の狙いは果たしてどちらなのか!?
勝頼率いる武田軍は美濃岩村城に二万五千の軍勢を集結させ、真田昌幸の壮大な戦略のもと、小里城、足助城、大沼城、野田城を次々と陥落する。そして、最後に吉田城を手に入れ、徳川家康の領土を三河と遠江に分断することに成功した。破竹の勢いで進撃する武田軍に脅威を覚えた織田信長は、徳川家康から援兵の要請を受け、三万を超える大軍で岐阜城から出陣する。そして、次に長篠城を狙うであろう武田軍を粉砕するために、三河に進軍を開始した。織田・徳川連合軍総計四万を相手に、真田昌幸が考え出した戦略は、長篠城を囮にして設楽ヶ原で決戦を行うという意表を突いたものだった。信長の戦術と昌幸の軍略が真っ向から激突し、いま二人の天才の激突が始まる!
秀頼から豊臣家の軍事と政治の大権を任された真田幸村は、大坂城に約七万の兵を入れて篭城し、徳川軍十五万強を迎え撃った。その一方で、自ら淀城を奇襲して奪い、大坂城の支城とする。さらに、徳川方に反旗を翻した福島正則、立花宗茂らが広島城から東に攻め上り、姫路城、尼崎城などを落とし、別働隊として大坂城に向かった。福島軍の大坂入城を阻止すべく、伊達政宗率いる徳川軍が船場で激突を始める。同時に、徳川軍は大坂城の本丸総攻撃を開始した。秀忠率いる徳川軍は空堀に攻め掛かり、榊原康勝は大手城門を攻撃する。三万を超す徳川兵を動員した空堀攻撃によって、本丸は危機に陥るが、そこには幸村の仕掛けたある戦略が隠されていた。いま恐るべき火焔の秘計が炸裂する!
中国は相変わらずの膨張主義によって、武力で東シナ海のみならず南シナ海をも内海とし、そこに埋蔵されている石油などの海底資源の独占化を目論んでいた。その野望を粉砕すべく日米は中国の脅威に曝されているフィリピン、ベトナム、インドネシアなどのASEAN諸国に軍事的な梃入れを決断した。日本は海上自衛隊の退役艦・練習艦隊の護衛艦に加え、対潜ヘリや哨戒機に米軍仕様の各種ミサイルとその発射・誘導装置を搭載させ、その運用のためにASEAN各国の兵士たちを自衛隊で研修、実践の訓練をする。“武器輸出三原則”の制限がある日本は、それらの艦船をASEAN諸国に貸与するという秘策で“対中包囲網”構想の実現を果たすことはできるのか!?