出版社 : 彩流社
空気をもとめて空気をもとめて
迫りくるファシズムと戦争の跫音を逃れ、故郷への道を急ぐ男の脳裡には、少年の日、秘密の池で見つけた巨大な魚の影がおどる。-しかし、何もかも〈ピカピカ、ツヤツヤ、スマート〉なこの時代に、変り果てた町で見たものは…一人の中年サラリーマンのささやかなオデッセイを通して鮮やかに描かれる、〈普通の人〉の生の軌跡。1930年代に早くも、20世紀末の状況を的確に予見していたオーウェルの傑作長篇小説。
ブラックチケッツブラックチケッツ
ヴェトナムで被弾した背中をガールフレンドとの交渉中にも決して見せない帰還兵、オルガスムが得られぬまま自分のからだを男たちに与え続ける「私」喪失の世代の旗手、J・A・フィリップスの世界。
モラエスの絵葉書書簡モラエスの絵葉書書簡
31年間、母国へ帰ることなく徳島の地で果てた作家が、1910年から1929年までの20年間、妹へ綴った絵葉書。孤高の文豪モラエスが肌で触れた明治大正昭和のニッポン。
ヘミングウェイの方法ヘミングウェイの方法
本書は、作品の構成、プロットの展開、背景、雰囲気など芸術上の目的から、作者が故意に歴史上の事実のどの点を歪め、どの点を省き、どの点を拡大解釈したのか、またなぜ歴史的に正確を期さねばならなかったのかなどを考察し、ヘミングウェイの手法や芸術の基盤を明らかにしようとした画期的な研究である。