出版社 : 新潮社
国際企業「浅田電気」で生じた「日本式経営」の軋み。それは、将来を嘱望される二人の管理職の相次ぐ変死が発端だった。急遽、筆頭専務に抜擢された吉本は、二人の死に会社上層部の異変を感じるが、今度は副社長の橋爪が…。会社の危機に直面し、「人事の神様」の異名をとる創業社長浅田が、断腸の思いで決断した「最終人事」とは?企業中枢部に働く人事の力学を通してカイシャを問う。
ドラッグが蔓延し犯罪が横行するマンハッタンのロワー・イーストサイド。警官を含む6人を射殺したのはほんの数グラムのドラッグのためにも平気で人を殺す男リーヴァンダー・グリーンウッドだった。七分署の古株ムードロー刑事は新米のジム・ティリーを相棒に犯人を追う。狂気の殺人鬼にあくまで人間的なムードローは対抗できるのか?爛熟した都市を舞台に描く迫力のサスペンス。
明治29年、帝都。人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈し、さらには闇御前、火炎廃人と呼ばれる人殺しが徘徊するもうひとつの街・東京。夜闇に繰り広げられる企みには、鷹司公爵家の次期当主を巡るお家駆動の影も見え隠れして…。人の心に巣くう闇を怪しく艶しく描く、大型女流による伝奇推理小説。
その夏、みのりの学校では不思議なことが次々とおきた。「5月17日如月山でエンドウさんという子が宇宙人に連れていかれる」という噂が爆発的に広まり、金平糖を使った秘かなおまじないが流行った。みのり達は噂の源を突き止めようと調査を始めるが、5月17日、噂は現実となり、さらにみのり達の間には第二の噂が流れる-。東北のある町を舞台に、高校生の姿をいきいきと描いた、スティーヴン・キングばりの長編モダンホラー。
デヴィッド・リンチの『ワイルド・アット・ハート』から闇という闇をぬぐいさったら?そんな白痴的な光の世界がここにはある。ヘヴィメタルな真夏の太陽の下、光の彼方へ駆け抜ける世紀末の最強ロード・ノヴェル登場。
八代将軍吉宗が創設し、自らの耳目として諸国の情報収集に当たらせた「御庭番」。川村修就は、出世の遅れた父から御庭番を世襲し、手柄を挙げようと張り切るが、ともすればずっこけがち。しかし、新潟湊の抜荷探索という大命を授かると、薩摩の女密偵を閨房の秘術でたらしこみ、まんまと極秘情報を入手。薩摩の密貿易を摘発し、初代新潟奉行を下知された。御庭番シリーズ登場。
午前六時。ロンドンの長く熱い一日が始まったー。甘美な情事の余韻を楽しむ閣僚を襲う突然の恐喝劇。油田採掘権の落礼をめぐって画策される企業買収。そして廃棄に回される古紙幣を狙った現金強奪。夕刊紙〈イブニング・ポスト〉の編集スタッフが綿密な取材をつづけるなか、それぞれの事件は意外な方向へ…。
英情報機関SIS工作員ハイドたちは、大がかりな密輸事件を嗅ぎつけた。が、やっと見つけた手がかりを持つ男は変死体で発見され、送り込んだ密告屋も命を狙われた。糸を引くのは亡命した元MI5長官に違いないのだが、捜査は全く行き詰った。一方、アフリカで偶然墜落機を発見した元工作員が、夜襲を受け、妻を殺された。野獣の性を持つ男たちの、凄まじい戦いの幕が、今上がったー。
ハイドたちは遂に敵側コンピュータへの侵入に成功し、密輸事件の詳細が垣間見えた。あらゆる種類の兵器が武器商人たちへ流れて行く。積出しを阻止しようと現場へ向った彼らは、逆にSISの身分を奪われてしまった。亡命した元長官の手が動いているのだ。頼みの綱の元ボス、オーブリーは“病気療養中”。血と汗にまみれた男たちの死闘と、極限にまで盛り上がるサスペンスの連続。
女が生きていくには、スカートをまくるか、腕まくりをするか、二つに一つ。だから女の幸せは甲斐性のある夫を捕まえることー。それを信条に生きてきたリリには二人の娘がいる。ナデージュは母の人生訓の忠実な信奉者で、首尾よく男爵夫人におさまった。アガトは自立心が強く、単身ロンドンでカメラマン修業をはじめた。さて、最後に人生の本当の幸せをつかむのはどちらだろう?
小さな田舎町で起きた少女の殺人。その嫌疑をかけられて、息子が失踪。彫刻家の夫は、息子を守ろうとする。女医の妻は、正義を通そうとする。孤立する妹。地元の人々の敵意。息をひそめて皆が見守る中、裁判が始まった。息詰まる心理サスペンスの傑作。
足利将軍暗殺、京都封鎖。後醍醐帝の亡魂の為せし業か。南北朝騒乱の残り火に油を注ぐという怖るべき〈能面〉の行方を追え-。旧体制が音を立てて瓦解した後南朝時代を、破格のスケールと雄渾な筆で描く時代小説の絶品。
ニューヨークのマンションで、ありふれた毎日を送る未亡人は、静かに雪の降りしきる夜、〈ミリアム〉と名乗る美しい少女と出会った…。ふとしたことから全てを失ってゆく都市生活者の孤独を捉えた「ミリアム」。旅行中に奇妙な夫婦と知り合った女子大生の不安を描く「夜の樹」。夢と現実のあわいに漂いながら、心の核を鮮かに抉り出す、お洒落で哀しいショート・ストーリー9編。
芥川賞候補となった翌年、高村伸夫は、今度は直木賞候補に選ばれる。上京の折に出会った高名な作家やライバルたちから刺激を受ける一方、日進月歩の医療の最前線に達れをとるのではないかという不安。そんな中、母校で行われた日本で最初の心臓移植手術は、それに批判的な伸夫を学内にいづらくさせ、医学を捨て作家となるべく上京を決意する。青春の彷徨を描く自伝的長編の完結作。