出版社 : 早川書房
身体表現の最前線を志向するコンテンポラリーダンサーの護堂恒明は、事故で右足を失いAI制御の義足を身につける。彼は、人のダンスとロボットのダンスを分ける人間性の手続き(プロトコル)を表現しようとするが、待ち受けていたのは新たな地獄だったーー。
1830年秋、七月革命の熱狂が冷めやらぬパリで、前途洋々たる代議士の息子が、盛大な夜会のさなか、二階の窓から身を投げた。死の直前、その青年は魅せられたように鏡に見入っていたという。父の遺志を継いで化学者から警官に転身したパリ警視庁の若き警部ヴァランタン・ヴェルヌは、突然の異動とともにこの事件の担当を命じられる。元徒刑囚にして元治安局長の探偵ヴィドックの助けを借り、新政権を揺さぶる奇怪な謎を解くため奔走するが…。科学の知見を武器にしたヴァランタンの活躍を描く傑作歴史ミステリ!
1932年、ミネソタ。教護院に暮らすオディは、ある日、暴力を振るう職員を殺してしまう。彼はおばに会うため、兄や親友、竜巻で母親を失ったばかりのエミーと施設から逃げ出し、一路カヌーでミシシッピ川を目指すがーー。少年たちのひと夏の冒険と成長の物語。
高円寺のあづま通り商店街に事務所兼住居を構える“銀田探偵事務所”。5年前、「神崎透くんの失踪事件」が未解決に終わったのをきっかけに、所長だった父・龍一は専業主夫となり、現在はペット専門の探偵稼業を営む母・獅乃頼みの暮らし。そんな家庭に微妙な距離感を覚える長女・凪咲もまた、行方不明のままの神崎透の同級生・川上恵奈が事件の再調査を密かに依頼してきたのを皮切りに、高円寺の街のささやかな事件の調査に関わることに。その探偵熱は、高校生の長男・瞬矢をも巻き込み、やがて銀田家に思いもかけない波紋を呼んでー“黒猫”シリーズの人気作家が描く、新型コロナ以降の探偵と家族の物語。
元教師のレナは、旅先のインドで十歳の少女に出会う。少女は毎日働かされ、学校に通っていないという。「女に勉強はいらない」。この因襲に従う人びとから反対されながらも、レナは、少女たちのための学校をつくろうと動きだす。『三つ編み』に続く勇気の物語
フランス南東部に住む15歳のガランスは学校の人気者。町のモデルコンテストでも順調に予選を通過していたのに、ある日突然失踪した。警察が捜査に乗り出したところ、ガランスは動画流出が原因でネットリンチに遭い、全てのSNSアカウントを閉鎖していたーー。
第二次大戦後、ギャルヴィン一家はコロラド州に移住し、12人の子宝に恵まれた。しかし子どものうち6人に異変が起きる。修道士のようにふるまう長男、自分はポール・マッカトニーだと言い張る末っ子……。彼らはなぜ統合失調症を発症したのか。家族の闇に迫る
会津藩の掟に沿って、母の利代は息子の駿を会津武士に鍛え上げるーー駿が好きな数学をやめさせてまで。慶応三年、孝明天皇が崩御し、公武一和は困難に。やがて薩長は会津へと兵を進める。利代は母の優しさを心内で抑え、会津の誇りをもって駿を戦地に送り……
ヘレンが隣家で見つけたガラスパイプは、麻薬密売に関する重要な証拠品だった。もし警察が隣家へ捜査に来てしまったら、バレてしまうかもしれないーーかつての罪から逃れるためにヘレンという偽名を名乗っていることが。窮地を脱すべく彼女は策を練るのだが……
環境破壊が進み、人類の居住地は都市のみとなった近未来。ビーアトリスの5歳になる娘アグネスは、大気汚染で徐々に衰弱していた。アグネスを守るための選択肢はただひとつ、空気の清浄なウィルダネス州で行われる実験ー野生動物の保護区として残された原生地で、人類と自然の共存を模索する研究ーに参加することだった。広大な土地に取り残された全20名の参加者は、予測不能で危険な土地でのサバイバルを始める。しかしアグネスが自然での生活に馴染むにつれ、母娘の関係には予期せぬ変化がおとずれるー。
異世界の貴族令嬢に転生したものの、使命もチート能力もないカレンは、自らの力でいくつもの試練を乗り越えてきた。だが、逆賊となった親友を討って手に入れた栄光はあまりにも苦く切ない…。そんな絶望の底でカレンが見つけたのは、転生者から転生者に託された大いなる秘宝だった!帝国を覆す力と異世界召喚の謎に迫る第4巻。書籍特典として書き下ろし短篇×2本収録。
自称「無法者」の少女ダッチェスと、過去に囚われた警察署長ウォーク。彼女たちの町に、かつての事件の加害者ヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱しダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が起こり……解説/川出正樹
NY近郊の別荘を借りて休暇を過ごす4人家族。休みを楽しんでいたのに、別荘の持ち主という夫婦が現れ、中に入れて欲しいと懇願される。やがて起こる奇妙な現象の数々。世界では、何かが起こっているーー? 外界と遮断された6人が、生き残るすべを探し始める。
犯罪多発地域、V県神浜。県警配属早々に捜査一課管理官となった新人キャリア警察官の甲斐は、管内で連続する放火や凄惨な死体遺棄、捜査関係者の不審死を追ううち、県警、そして政財界を揺るがす巨悪を目の当たりにする……次代を担う警察小説作家の最高傑作
落下事故によって病院へ運ばれた少年ウェス。彼は頭の手術後に感情を表現しなくなってしまった。弁護士シェンクの説得により両親は、医療ミスとして病院に訴訟を起こす。だが、それから十一年が経ったある日、ウェスの父親リチャードが殺人事件の容疑者として起訴されてしまう。シェンクは弁護を依頼されるが…。過去と現在のふたつの時間軸で、医療ミスと殺人事件のふたつの裁判が描かれる物語は思いもよらぬ方向へと進んでいきー。『地上最後の刑事』三部作でミステリ読者の度肝を抜いた著者による最新長篇。
バブル崩壊、未曾有の震災とテロを経て、時代が激しく揺れ動いた一九九六年十二月。父親と同じ新聞の世界に飛び込んだ新潟支局の新米記者・高樹和希のもとに、謎の男から不正選挙資金疑惑の密告が。初めてのスクープの予感に和希は沸き立ち、和希の父で今は社会部長の治郎も部下を動かして共に取材を進める。だが、その背後には、二十五年前に贈収賄事件で治郎と敵対し、以来マスコミの支配を目論む政治家・田岡総司とその秘書で息子の稔の影が…大河政治マスコミ小説三部作第二弾登場!
ゴールドラッシュが過ぎ去った黄昏のアメリカ。かつて黄金が埋まっていたこの地を、今は乾いた金色の草だけが覆っている。炭坑の町で暮らす中国系移民一家の子供、11歳のサムと12歳のルーシーは、明け方に〓(ちち)が亡くなっていることに気づいた。媽を数年前に失った二人には、もう居場所はない。だから町から逃げ出し、〓の亡骸を葬る旅に出る。現実的で、協調性を重んじるルーシーと、奔放で、自らの信念を貫こうとするサム。二人で始めたはずの旅はやがて、それぞれの居場所を問うものへと変わっていくー現実と幻想、歴史と神話を織り交ぜながら、ある移民一家の喪失と再生を描く長篇。
『戦闘妖精・雪風〈改〉』『グッドラック』『アンブロークン アロー』、そして最新作『アグレッサーズ』まで、40年以上にわたる神林長平のライフワーク《戦闘妖精・雪風》。その第1作に書き下ろし短篇「棘を抜く者」、インタビューなどを追補した完全保存版
ウイルスのパンデミックによって荒廃した世界。治安は著しく悪化し、物資も乏しい。アメリカのある町に暮らす老人は、悪質な犯罪と公権力の横暴に脅かされながらも、娘や孫と懸命に日々を送っていたが……。巨匠リューインが真摯に家族の絆を描いた最新長篇。