出版社 : 早川書房
西暦80万2700年。人類滅亡後、その文化を研究するため、高等知的生命体「玲伎種」に再生された作家たちは、収容施設(終古の人籃)で永遠に小説を執筆し続けていた。史上最も多くの小説を創作した作家、吸血鬼・人造人間・狼男の全てを産み出した作家、生涯を通じて美と苦悩について探求し続けた作家ー彼らに与えられた報酬は不老不死の肉体と、願いを一つだけ叶えること。自己の作風と才能を他者と混淆させながら共著する作家たちに対して、巡稿者メアリ・カヴァンは、ささやかな、しかし重大な反逆を試みたー「やめませんか?あなたひとりで書いたほうが、良いものができると思います」
ヴィクトリア朝ロンドンで暮らすメアリ・ジキルら、特異な能力をもつ"モンスター娘"こと〈アテナ・クラブ〉の令嬢たちに、ヴァン・ヘルシング教授の娘ルシンダから救助を求める手紙が届く。彼女たちは一路ウィーンへ! 大陸で繰り広げられる華麗な大冒険
リュルネソスの王妃ブリセイスは、敗戦後、奴隷となった。その主は、家族と同胞を滅ぼした英雄アキレウス。彼女に与えられた選択肢は、服従か死か。だが、彼女が選んだのはーー。英国の戦争文学の旗手が、黙殺されてきた女たちの声で『イリアス』を語り直す。
1985年11月、ネブラスカ州ガンスラム。鹿狩りの季節を迎えた田舎町で、女子高生ペギーが失踪した。当初は家出と見られたが、弟マイロは不審に思い、周囲に聞き込みをする。やがてペギーに好意を抱いていた知的障害のある青年ハルが鹿狩りの帰りに血が付いたトラックに乗っていたことから疑惑の目を向けられる。ハルの無実を信じて事件を調べる保護者代わりの中年夫婦、姉の行方を追うマイロ、何かを隠している町の人々とハル…様々な思惑の果てに浮かぶ真実とは?アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。
マリアンは、お手伝いの息子コネルとは幼馴染。惹かれ合い、周囲に内緒で付き合い始めるが、高校卒業前に別れてしまう。だが同じ大学に通うことになりーー。劣等感や社会格差、すれ違いで引き裂かれた男女の恋愛の機微を描く、全世界100万部超の傑作長篇小説
14歳の誕生日の夜に"それ"に両親を奪われた少年、陳。謎の球電に魅せられ、研究を進めるうちに、彼は思いも寄らぬプロジェクトに巻き込まれていく。史上最強のエンタメ・シリーズ『三体』三部作で描かれたアイデアやキャラクターが登場する、衝撃の前日譚!
河南省の延津には、夢に現れて笑い話をせがむ"花二娘"の伝説があり、彼女を笑わせられない者は死んでしまうという。そんな延津で伝統劇『白蛇伝』を演じた三人の男女の運命が、花二娘の伝説と絡み合う。中国の茅盾文学賞作家が上質なユーモアで描く最新長篇
自称村長は困っていた。近いうちに水道が止ってしまうというのだ。だが水道管の工事をする金などない。金策のため、つい映画撮影があると嘘をついただけなのに本当に映画の撮影が始まるなんて! イタリアの村を舞台に自称村長が奮闘する、笑えて泣ける長篇。
1941年、ハワイで起きた白人男性と日本人女性の惨殺事件。容疑者を追う米国人の刑事は、辿り着いた香港で太平洋戦争の勃発に遭遇するーー戦禍の太平洋諸国で真相を追い求める男の彷徨を描くエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞の大作
使命もチートもなかった転生令嬢カレンは、様々な出会いと別れを経て、魔法使いとなり、転生仲間エルから託された使い魔ルカと共に、皇位を狙う皇太子ライナルトを助けて、邪智暴虐の皇帝を倒す計画に力を貸す。だが、皇女が皇帝側につき、ライナルト陣営は孤立。あとがない彼らは、いよいよ反逆の狼煙をあげる!熾烈な皇位争いに決戦の時が訪れる第5巻。書籍特典として書き下ろし短篇×2本収録。
ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、謎に包まれた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実。『侍女の物語』×『蠅の王』のポスト・ディストピア小説
戦記ノンフィクションを専門に扱う古書ディーラーが、即売会で手にした一冊の詩集『時ありて』。彼は詩集に挟まれた手紙に書かれた事実を追ううちに、第二次大戦の戦火を生きた二人の男をめぐる迷宮を彷徨うことになる。英国SF界のレジェンドによる傑作時間SF
オスマン帝国末期の1901年。東地中海に浮かぶミンゲル島では、ペスト流行の噂が囁かれていた。ペスト禍を抑え込むため皇帝アブデュルハミト二世の命で派遣された疫学者は、何者かの手によって惨殺される。代わりに送り込まれたヌーリー医師と、その妻、アブデュルハミト二世の姪にあたるパーキーゼ姫は、ペスト撲滅のために島に降り立つ。だが二人は秘密裡に、疫学者殺害の謎を解き明かす使命も負っていたー。トルコ初のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクが、架空の島を舞台に人間と疫病との苛烈な闘いを克明に描く傑作歴史長篇、ついに開幕!
ミンゲル島では日に日にペスト感染が拡大し、島民は島から逃げ出そうとしていた。感染拡大を懸念し、海上封鎖を進める西欧列強諸国とイスタンブルの中央政府。そんな中、疫学者に続いて彼の助手までもが殺される。ますます孤立を深める島に取り残されてしまったパーキーゼ姫とヌーリー医師。二人が目撃する島の運命と、殺人事件の真犯人とはー?トルコ初のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクが五年ぶりに放つ待望の新作!
医療テック企業、SME社が開発した脳内インプラント(テレパス)によって、介助用ロボットや仮想空間(Vバース)でのアバターの直接操作が可能となり、身体障害者の活動範囲が大幅に拡大した近未来。事故で脊髄を損傷しテレパスユーザーとなった脳神経外科医の牧野は、かつての恩師で、現在は同社の役員である森園からオペの代理執刀の依頼を受ける。記憶と視覚を失った少女エリカに視覚再建装置を埋め込む手術は無事成功したはずだったが、術後エリカは謎の黒い影の幻に脅かされるようになる。そして院内では新たな事件が起こり、経営陣の一人が犠牲に…。仮想と現実のはざまで少女を翻弄する幻影の、その驚愕の正体とは!?第12回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
クリスマスにはクリスティーを! ミステリの女王アガサ・クリスティーが描く、冬にぴったりな短篇を集めた珠玉のアンソロジーが装いも新たに登場。本が好きな人に贈るクリスマス・プレゼントとして、そして自分へのご褒美としてもぴったりの豪華な函入り本。
〈木曜殺人クラブ〉のエリザベスは、元夫で英国のスパイのダグラスと再会する。彼は米国マフィアから高額のダイヤを盗んだと疑われ、助力を求めてきた。だがその矢先、ダグラスは何者かに殺されてしまい……国際的難事件に老人探偵たちが挑むシリーズ第二作
フランス人のローズは、一度も会ったことのない日本人の父が他界したという報せを受け、京都にやって来た。美術商だった父のアシスタント、ポールと出会い、恋に落ちるがーー。ひとりぼっちだった女性が、古都に癒され自分を見つめ直し、人生の意味を見出す。
神君家康がいかにして「関ケ原」を勝ち抜いたのか、考えを聞かせてほしいー寛永八年、三代将軍家光に伺候した立花宗茂は、剣呑な諮問を受ける。その真意はどこにあるのか、新たな大名取り潰しの意図が潜んでいるのではないか、下命に強い不安を募らせる。答え如何によっては、家光の勘気に触れる恐れもあった。だがー先代秀忠の病いが篤くなり、親政に気持ちを昂らせる家光が待つ御座の間で、宗茂はある決意をもって語り始める。やがて解き明かされる天下を分けた決戦の不可解さ、家康の深謀と西軍敗走の真相。勝敗の鍵を握った大名が召し出され、決戦前夜の深い闇がいま明らかになろうとしていた…西国無双と呼ばれた男の老境の輝きを描き出し、関ケ原の新たな解釈に挑む渾身の歴史小説。