小説むすび | 出版社 : 早川書房

出版社 : 早川書房

ロスト・ワ-ルド(上)ロスト・ワ-ルド(上)

闇に葬られた「ジュラシック・パーク」事件から六年。科学が夢を実現させたかに見えたパークは崩壊し、恐竜も滅び去った。だが、まだ何かが生き残っている、というひそやかな噂は絶えなかった…。孤島にたどりついた古生物学者レヴィンは、胸を躍らせた。コスタリカ沿岸に流れついた謎の動物の屍体を見て以来、太古の恐竜が今に生き残る「ロスト・ワールド」を探してきたのだ。この島にこそ恐竜がいる。彼は確信していた。レヴィンが調査の旅から戻ってこないことを知り、工学者ゾーンは困惑した。レヴィンの依頼で製作した、科学調査用トレーラーのテストを行なう予定だったのだ。衛星電話で呼び出すと、ノイズの向こうからレヴィンの声が聞こえてきた。「とりかこまれた-兇暴-やつらのにおいがする-」接続は切れた。彼の部屋で見つかったのは、壁をおおう地図や航空写真、そしてその上に書かれた大きな文字-「サイトB」か。「サイトB」とは。レヴィンとともに「ロスト・ワールド」探しをしていた数学者が急遽飛んできた。〈ジュラシック・パーク〉事件からからくも生還した、イアン・マルカムだった。

影の兄弟(上)影の兄弟(上)

スターリンの粛清が再び激化した1950年代初期のモスクワ。一人の女性詩人がユダヤ人迫害の嵐の中で牢獄に送られ、銃殺された。彼女は父親の違う二人の息子を遺していた。一人は、同じ詩人である最愛の夫との間に生まれたアレクサンドル。もう一人は、その夫の命を救うためやむなく結婚したKGB将校との子供、ジミトリー。二人の兄弟はKGB将校の手にゆだねられるが、その男もやがて粛清の犠牲となった。だが、その時すでに彼は、アレクサンドルをブルックリンに住む妻の姉のもとに、ジミトリーをレニングラードの孤児院に送っていた。こうして二人の兄弟は、離れ離れになり、アメリカとソ連で生きることになった。兄のアレクサンドルはアレックスと呼ばれて育てられ、自由な空気の中で、しだいにソ連への不信感をいだき、ソ連の研究家としての道を歩んでいく。一方、弟のジミトリーは、孤児院で辛酸をなめて生き延び、やがてKGBに入った。互いに求め合いながら、まったく違った道を進む二人。やがて出会いを果たした彼らに思わぬ運命が襲い、アレックスはCIAに入り、弟と遺恨に満ちた対決を繰り広げることになるが…。

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