出版社 : 早川書房
人間の心の奥底にある邪悪な領域ーシャドウズ。作家のブレイクは、その謎を解明すべく心霊治療家マシアスに近づくが、しだいに奇怪な幻影に悩まされはじめる。一方、潜在意識を研究する女性科学者ケリーも、シャドウズの恐るべき力を垣間見ていた。ブレイクと共に研究を進めるケリーは、やがて邪悪な目的を持ってシャドウズを操らんとする陰謀を知る。だが彼女の努力も空しく強大な力は解き放たれ、未曾有のパニックが英国全土に襲いかかった。気鋭のホラー大作。
会議に出席のため、深夜、友人から借りたパリのフラットにたどりついたロレッタは、無人のはずのそこの寝室に男が眠っているのを発見した。彼女はやむなく別の寝室で一夜を過ごしたが、翌晩、今度はそこに血染めのシーツを見つけた。殺人事件が起こったような状況だった。だが、そうなると死体はどこに?前夜の男は、被害者なのか、加害者なのか?ロレッタは、フラットに残された一冊の本を手がかりに、真相究明に乗り出したが…。大学の女教師が巻き込まれた殺人事件の意外な真相をみずみずしい筆致で描く、英国新鋭作家の作気あふれる秀作。
1920年代、ジャズの鳴り響く黄金時代のパリ。冬霧に濡れたモンパルナスの石畳に、紫煙たなびくカフェに、アールデコの衣裳をまとった人々が群れ集う。そんな華やぎをよそに、ひっそりとパリに流れてきた女マリヤは、ある日突然ささやかな安寧をも奪われた。ポーランド人の夫ステファンが、美術品窃盗の罪で逮捕され、刑務所に入れられたのだ。そこへ手を差しのべてきたのは、同じ英国人のハイドラー夫妻-パリの芸術家のパトロンとして有名だった。マリヤは夫妻の自宅へ引き取られ、カフェへ、ナイトクラブへ、三人で繰り出す夜が続いた。やがて、ハイドラーがマリヤに言い寄ってきた。はじめは拒絶して出て行こうとしたマリヤだが、夫の浮気を黙認する妻ロイスに引きとめられ、よるべなさについハイドラーに身をまかせてしまう。そして引きずりこまれていく愛の罠-。ジェイムズ・アイヴォリイ監督が惚れこんで映像化した、英国女流作家の秀作。
ベトナム戦争の英雄の兄と、美しい詩人の姉と、フットボール・コーチのトム・ウインゴと-これは三人の育ったサウス・キャロライナの大自然の物語。そして暗い過去を秘めた家族の物語。また激しい闘いと情熱の物語。そしてマンハッタンに花開く愛の物語。アメリカで記録的ロングセラー!
ベトナム戦争の英雄の兄と、美しい詩人の姉と、フットボール・コーチのトム・ウィンゴと-これは三人の育ったサウス・キャロライナの大自然の物語。そして暗い過去を秘めた家族の物語。また激しい闘いと情熱の物語。そしてマンハッタンに花開く愛の物語。
酒場での乱闘、夫婦喧嘩の挙句の発砲騒ぎ、窈盗…、テキサス州ブラックリン郡の治安をあずかるダン・ローズ保安官がふだん扱う事件といえば、この程度のものだ。だが、今度の事件はいささか様子が違っていた。美しい若妻が、夜勤の夫の不在中に何者かに殴り殺されたのだ。小さい町のこと、ローズは知恵遅れの男が被害者の血を衣服に付けてうろついているのをすぐに発見し、容疑者として拘留した。ところが、事件は思わぬ展開を見せた。保安官選挙を控え、部下と娘の恋の成行を案じながら、彼は田舎町を揺がす事件の解明に奔走する。が、その先に哀しい終幕が待っていようとは、彼には知る由もなかった。テキサスの大地が生んだ人情家の新ヒーロー、ダン・ローズ登場。アンソニー賞新人賞受賞作。
カルタゴの人身御供の儀式、クレオパトラの鼻、キリストの処刑、ニュートンのリンゴ…。紀元前3000年までの過去のいかなる時代も場所も、クロノスコープを使えば思いのままに見ることができる。その使用許可がもらえなかった歴史学者は、危険な賭に挑んだが!あらゆる学問が政府の統制下におかれた未来を描く代表作「死せる過去」、脳に刺激を与えて夢を見させ、視聴覚もちろん、味覚や触覚までも疑似体験させられる録夢装置をめぐる大騒動「夢を売ります」など、過去、現在、未来のさまざまな地球を舞台に、斬新なアイディアと巧みな語り口で読者を魅了する17篇を収録。
『インテグラル・ツリー』の冒険から14年の歳月が流れた。大戦乱を生きのびたクィン一族は、スモーク・リングの自由落下状態の大気中を浮遊する“市民の樹”で平和な生活を送っている。その彼らのもとに、意外な訪問者が現われた。-無人と思われていたラグランジュ・ポイントの〈クランプ〉の住民が、遭難して助けを求めてきたのだ。それを契機に“市民の樹”の代表が進んだ技術を吸収すべく〈クランプ〉への遠征を企てるが、その前途にはあまたの自然の脅威と恐るべき敵が立ちはだかっていた。現代ハードSFの巨匠が壮大な舞台設定でスリリングに描くファン待望の続篇。
そもそものきっかけは、ソニアがグライムズへのおみやげとして買ってきたパイプだった。地球のベイカー・ストリートの骨董屋で見つけた、シャーロック・ホームズが使っていた正真正銘のパイプだというのである。グライムズはもちろん一笑に付した。だが、クラヴィンスキー提督から〈キルソルヴィングの惑星〉の再調査を命じられたグライムズが、お気にいりの〈ファラウェイ・クエスト〉を駆ってキルソルヴィングに着陸したとき、そこで待ち受けていたのは…?辺境星区に多発する異常現象の解明のため東奔西走するグライムズ准将の活躍を描くシリーズ最新刊。
渓流釣りを楽しんでいる私の前を、若い女の射殺死体が流れていった。それを引き上げようとして溺れかけ、私は死体にまたがり、やっとの思いで激流を下りきった。こうして命を助けてもらったからには、恩返しをしなければならない。私は、彼女を殺した犯人を捜しだす決心をした。やがて、彼女は高名なシェイクスピア学者の娘と判明した。どうやら裏には、最近発見されたシェイクスピアの未発表戯曲がからんでいるらしい…現代のサム・スペードをめざす心優しき探偵ジョン・デンスンがアウトドアに展開する華麗なアクション!シリーズ第二弾。
勤め先をくびになったテロリズム専門家ブース・ストーリングズのもとに、まるで待っていたかのように大仕事がとびこんできた。フィリピンの新人民軍(NPA)の指導者アレハンドロ・エスピリトを500万ドルで買収して香港へ亡命させろというのだ。依頼者はフィリピンに投資している謎の資本家グループ。エスピリトさえいなくなればNPAは骨抜きになり、アキノ政権は安定して、自分たちの利益も上がるというわけだった。何やら裏のありそうな仕事を手伝うために、海千山千のプロフェッショナルたちが極東に集結してきた。500万ドルの取引きをめぐって、虚々実々のゲームが開始された。スピーディでしたたかで、粋、ロス・トーマスの『女刑事の死』に続く待望の新作。
ローラが初めて声を聞くその男は言った。「ぼくは癌でもうじき死ぬんだけど、あなたが毎朝ほほ笑みかけてくれるのを見てとても楽しかった」娘を保育園に送っていく途中、いつも近所のアパート・ビルの日よけの下に坐っている男、デーヴィッドの突然の言葉。みちたりた結婚生活を送り、女性誌の投稿原稿のリーディングの仕事をしているローラの平穏な日常は、この日を境に大きく変わった。結婚問題カウンセラーをしているデーヴィッドにも妻と息子がいたが、死を目前にして、彼は毎朝会う生気にみちたローラに深い恋心を抱いていた。同情に始まったローラの気持ちも、やがてどうしようもなく愛へと傾いていく。そしてその結びつきは、それぞれの家族との間にさまざまな波紋を呼ぶ-。ニューヨークの秋から夏までを舞台に、生と死のはざまを漂う愛の行方を描く、哀しく、温かく、エレガントな長篇。
『マクベス』の上演には必ず災厄がふりかかる-パリスもその言い伝えは知っていた。しかし彼自身が死体の発見者となり、殺人の容疑をかけられることになろうとは…売れない俳優パリスにひさびさに舞い込んだ仕事は、地方劇場で上演される『マクベス』の端役だった。共演者は皆、一癖ある俳優ばかり-思わぬ殺人事件に巻き込まれたパリスの悲喜劇を、才人ブレットが達者な語り口で描いた人気シリーズ最新作!
太陽系帝国財務相、ホーマー・G・アダムスは生きていた。島の王たちの作りだしたデュプロ、複製といつのまにかすりかえられ、誘拐されたアダムスーかれは五人の太陽系帝国要人とともにアンモニア大気に覆われた惑星グラハトに幽閉されていたのだ。厳重な監視下にありながら、ひそかに脱走計画をねりはじめた六人の前に、意想外の人物が現われた。もう一人のアダムスが姿を見せたのだ。少なくともどちらかが島の王が送りこんできたスパイのデュプロにちがいない。だが、偽者はアダムスだけなのか…。六人それぞれが疑心を抱きつつ、ついに計画は実行された。
恋しいエルミザードの消息を求めて、エレコーゼは黒い船に乗り、新たな次元ー〈輪の界〉へと出発した。そこで〈混沌〉勢力を粉砕すれば、エルミザードのいる次元へ帰れるかもしれないと信じて。〈輪の界〉の沼地を進むエレコーゼは、ナチス・ドイツの非道を逃れ、この次元にやってきたゲルマン貴族フォン・ベックと知りあった。ふたりは大型蒸気船に乗りこんで〈輪の界〉の中心部をめざすが、その行手には地獄の公爵バラリザーフの罠が待ちかまふていたのだ。さまざまに転生を重ねながら〈混沌〉を戦う英雄エレコーゼの活躍を描く、待望のシリーズ第三弾。
太陽系最大の惑星ー木星。神秘に満ちたこの巨大惑星に、果たして生命は存在するのか?この問題の究明こそ、地球を遥かに離れ、木星軌道上をめぐる観測ステーションで暮らす人々にとって、最重要の課題だった。木星をとりまくメタンやアンモニアの大気の奥深くにまで、いくつもの探査機が投入された。だが生命はもちろん、その存在を暗示する証拠すら、なにひとつ発見されなかった。ついに地球の国際宇宙局は、経済的な理由からプロジェクトの中止を決定したが…。科学者作家ベンフォードが最新の科学知識をもとに迫力あるタッチで描きあげた『アレフの彼力』の姉妹篇!
馬にひかれた真紅のシボレーが大通りを走り、通貨は稀少な蒸溜酒、昼夜をとわず武装自転車暴走族が略奪のかぎりをつくす奇妙な世界…だがこれこそ核戦争後の廃墟から甦ったロサンゼルスの姿だった!しかも、妖しげな“儀式”を行なって信者をふやす淫祠邪教が不気味に勢力を拡大している。ミュージシャンのリーヴァスは、かつての恋人がこの教団に囚われたと知り、その奪還を決意した。だが、総本山《奇人宮》への単身潜入した彼を待っていたのは、想像をはるかに超えた異様な光景だった!米SF界に新風を吹きこんだ期待の俊英が暗黒の近未来を描くディック記念賞受賞作。