出版社 : 春陽堂書店
「愛の行方」を書きながら、そもそも「愛」ってなんなのだろうとずっと考えていました。 自分にとって大切な小説になりました。 井上荒野 「姦通」していた男女が熊に殺されたーー。 閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。 愛の行方の複雑さを描く傑作長編! 運命の人からきらわれたり捨てられたりすることもある。 「このふたりは姦通していた」何度読んでも笑ってしまう。まるで私宛の手紙みたいだ。 --小林七帆 伽倻子と七帆はひと続きなのか? 結局俺は、伽倻子を愛したときから、ずっと同じことをしているだけなのか? --小松原慎一 そりゃあそうよね。男と女のことなんて、全部間違いみたいなものよね。 --柊レイカ ふたりはとんでもなくうまくいっている、幸せな夫婦なのだから、相手の挙動の変化には敏感なのだ。みどりはアトリエに忍び込むことになった。そして知った。 --神戸みどり テントの外には熊が、人食い熊がいるのだ。だが純一は、再び愛の体に没頭する。そう、愛に没頭するのだ。 --野々山純一 装丁 大久保伸子 装画 杉本さなえ
オウンドメディアで(2023年6月〜2024年6月)連載したものに加筆修正して単行本化したものです。 前代未聞の探偵小説。 誰かが命を落とす前にその事件の謎を解く… 名探偵・除夜一郎の事件簿! 今までにはなかった探偵小説。これこそ唯一無二の吉田篤弘ワールドです。
偽りでも、我慢でも、諦めでもない、人生の最終章に見つけた真実の夫婦愛。幸福な老いの日々とは、「幸せな祖父母」になることじゃない。互いに「個」として認めあい、労りあい、支えあうことだ。『疼くひと』『最後のひと』のベストセラー作家が描く最終章の選択。
合作隆盛期の再来!昭和20年代の傑作を精選。長篇「桂井助教授探偵日記」初の全話収録。埋もれた名作を発掘、再編集。
戦前の傑作、力作を集結!横溝正史が参加した6作品+大下宇陀児、小栗虫太郎らによる4作品を収録。角田喜久雄、水谷準、横山隆一、海野十三、久生十蘭、甲賀三郎、岡田鯱彦、高田彬光ほか。連作に絵物語が登場。作家と漫画家、夢のコラボ。
正史・乱歩の連名で発表された長篇「覆面の佳人」を再編集。横溝正史が参加した5作品+座談会1本を収録。
荊木歓喜、神津恭介、明智小五郎ー名探偵続々登場!山田風太郎が参加した8作品+座談会2本を収録。江戸川乱歩、角田喜久雄、高木彬光、島田一男、柴田錬三郎ほか。戦後合作の隆盛期。
合作のバリエーション!リレー式ミステリの傑作「畸形の天女」・競作推理・推理教室など、多彩な11作品+座談会7本を収録。希少な作品多数。
生きている安吾は、愉快で、切なくて、底知れない。心優しいガキ大将だった炳五少年が、いかにして作家坂口安吾となったか。Web連載「小説坂口炳五」に大幅増補、ビルドゥングス・ロマンの傑作誕生!
十六歳で単身日本を脱出し、中国大陸にわたり満洲を目指した小日向白朗。誰かが通ったルートを辿るのではなく、未踏の地を歩くことを決意し、奉天で坂西利八郎閣下を紹介される。その後、白朗は「軍事探偵」の命を受け、意気揚々と北京を出発する。しかし、万里の長城を越え、シラムレン川に差し掛かったとき馬賊に急襲される!その馬賊とは、北京から北西四〇〇キロほどの下窪を本拠とする楊青山総攬把という男が率いる集団であった…。本名は権松、中国名は尚旭東、民衆から小白竜と呼ばれたひとりの男の息つく暇もない冒険の連続に、血湧き肉躍る。実在した満洲の馬賊王・白朗の桁外れの冒険劇!!
伝統的な口承文学や、仏教、民間信仰を背景としつつ、いまチベットに住む人々の生活や世界観が描かれた物語は、読む者を摩訶不思議な世界に誘うー時代も、現実と異界も、生と死も、人間/動物/妖怪・鬼・魔物・神の境界も越える、13の短編を掲載した日本独自のアンソロジー。チベットの現代作家たちが描く、現実と非現実が交錯する物語。
芥川賞史上唯一、兄妹で受賞した吉行淳之介と理恵ー二人の稀有な資質を示す受賞作二篇とそれぞれの選評を全文収録。ほかに淳之介「鞄の中身」、理恵「海豹」、兄と妹への想いを綴った吉行和子のエッセイを併載。
自分にとっての始まり、それは自分で決めてみるしかないのではないか。読売文学賞を受賞した「かもめの日」と、京都水無月大賞を受賞した「明るい夜」。著者40代の代表作といえるふたつの作品に加え、初書籍掲載となる小説「バーミリオン」、書き下ろし解説、詳細な著作年譜を所収。