出版社 : 祥伝社
自分を襲った暴行魔を刺殺し、闇に葬った秘密を持つOL恵子は、極度の神経症になり、伊豆山中の治療院「ヘルスランド夢見山」に入院した。だが、そこで“演劇療法”と称する劇団員たちの輪姦を受け、ビデオに撮られた彼女は、それを苦に院内で首を吊った。それから十年。都内で男女の連続殺害事件が起こった。いずれも情交後の絞殺。特別秘密捜査官矢車敬介は、フリーライターを装い捜査を開始、過去の事件との繋がりを発見し伊豆へと向かったが、そこで彼は意外な体験を…。はたして矢車の運命は?犯人は誰なのか…。円熟の境地に入った名手が、過剰なほどのエロティシズムを満載して贈る官能サスペンスの傑作。
「地球上で俺という人間はたった1人。1回きりの人生なら、自由に“ぶっ太く”生きなきゃ、生まれてきた甲斐がない」をモットーに、新興宗教両妙宗の教祖に成り上がった八幡野現太は、教団を日本一にするため、日々布教活動に励んでいた。“妙孔観聞の秘法”と、己れの妙棒尊、巨根をもって、次々と美女を歓喜法悦の境地に導く。夜の女たちが、OL、若妻、貴婦人が、そして碧い瞳のブロンド美人が、現太の秘技の虜となる。両妙宗の信者は激増、現太の野望は達成されるかに見えたが…。仕事も女も“ぶっ太く”欲をかいて生きる男の痛快人生を描くサクセス官能ロマン。
警察庁必死の壊滅作戦にもかかわらず、麻薬市場は逆に膨張していた。事件は、広域暴力団山菱会幹部霜田の全裸死体が発見された時から始まった。彼と快楽の夜を過ごした美女は何処ともなく姿を消した。そして華僑の張が殺され、さらに宮古島沖で漁船が襲われ、死体と銃孔だらけの船底から大量のヘロインが発見された。霜田事件の犯人を追う長谷刑事は、この事件に注目し、沖縄へ飛んだ。同地は折りしも全島暴力団を二分する抗争の最中にあった。やがて浮かび上がるドラゴンという名の謎のルート。そして第三の殺人…。強烈な主人公我威の魅力で人気を呼ぶ『死神の使者』に続く血とエロスのバイオレンス・サスペンス力作。
警視庁、暴力団から疫病神と恐れられる悪の天才たちが帰って来た。ハリウッド・スター名を犯罪コードネームに冠する彼ら狼たちの目的は、警視庁に逮捕された仲間二人と恋人の奪還。成否のカギは資金と武器の入手。計画はただちに実行され、彼らは、都内最強の暴力団山桜組の地上げ現場から八億円を強奪。次いで警視総監の愛娘誘拐にも成功。だが、警視庁、山桜組双方の必死の追及によって、狼たちのアジトに、法の牙と抗争の嵐が近づきつつあった…。圧倒的熱望に応え、事件がさらに事件を呼ぶノン・ストップ・ノベルの旗手が、満を持して放つ鮮烈のシリーズ第二弾。
狼たちは新たな難問を抱えた。最強の暴力団山桜組に仲間の一人が拉致されたのである。拷問は必至。もし彼が救出計画を喋ったら…。ただちに山桜組を奇襲し、作戦は成功するが、仲間も凶弾に倒れ、大きな犠牲を強いられることとなった。残る難問は警視庁に逮捕された仲間の救出のみ。計画は続行され、人質の警視総監の娘と女刑事二人との交換を要求。場所は新宿超高層ビル屋上。かくて狼たちのXデイが確定した。待ち受ける四千人の武装警官。果たして作戦は成功するのか?ノン・ストップ・ノベルの魅力を満載して贈る白熱の完結編。
総理大臣の椅子を目前にした北見は、恐怖に震えていた。戦友二人が立て続けに殺されたのだ。それも白昼、自衛隊から強奪された武器を使って…。彼の中で消えつつあった戦争末期の沖縄でのあの事件が、いま自らの死につながろうとしている。史実から抹殺された“大虐殺”の痛みを胸に、四十年の歳月を経て三兄弟の怒りが炸裂するアクション巨編。
慶応4年2月、日本海の波涛を蹴り立てて一艘の船が北上していた。源義経が埋蔵したという黄金を求め、蝦夷を目指すその船の長こそ、三月前、京都近江屋で暗殺されたはずの坂本竜馬であった。刺客が中岡慎太郎とともに斬殺したのはまったくの別人だったのだが、西郷隆盛、T.グラバーの協力のもと、竜馬は人違いを利用して、来るべき新政府の財源作りを担うこととなったのだ。行手に待ち受ける巨大な罠と黄金。従うはナイフ投げの名手で混血の美女お夕紀。かくて蝦夷への冒険行が開始された…。果たして竜馬の運命は?黄金はどこに?注目の気鋭が大胆な構想で描く冒険サスペンス・ロマンここに誕生。
「新宿柏木署の署長の娘佐智子が家出、AV女優となったが、その後消息不明に。なんとか極秘裡に捜し出せ」指令を受けた警察手帳を持たぬ刑事香月功は、美貌の助手志賀今日子と捜査を開始、佐智子のヒモと判明した暴力団黒柳組の久米島のマンションに向かったが、そこには同じ組の組員森川の死体があった。やがて、久米島が佐智子を利用し美人局を働き、大手進学院の院長を恐喝していた事実が浮上したが、直後、久米島の他殺体が自宅前で発見された…。はたして佐智子の行方は?事件の背後には何が存在するのか…。周到な取材をもとに熟達の名手が贈る、ますます人気快調の“顔のない刑事”シリーズ待望の書下ろし第十弾。
「あなたが茂を殺したのよ」広告代理店局長の山倉史朗は、狂乱した冨沢路子の前で絶句した-。路子の一人息子茂が誘拐されたのだが、脅迫は、なぜか山倉に向けられていた。犯人は山倉の息子隆史と、近くに住む同級生の茂を間違えて誘拐したらしい。密かに布かれた警察の監視網の中、山倉は身代金六千万円を持って、人質の茂を引き取りに、指定された場所へ向かった。が、犯人との接触に失敗し、翌日、茂は死体となって発見されたのだ。誰が?こんな残酷なことを?やがて浮かんだ容疑者三浦には、アリバイがあった。犯行当日、名探偵にして作家の法月綸太郎と一緒にいた、というのだ…。本格ミステリ界期待の新鋭が贈る、驚愕のドンデン返し。
思いもよらない事件が発生した。走行中のトラックから冷凍胎児が落下し、直後、運転手が毒殺されたのである。黒い噂のある光陽医科大付属病院長・森岡剛造との関連が浮かんだが、彼もまた、毒殺死体となって上高地で発見された…。事件の鍵を握るのは森岡の愛人ただ一人。だが、彼女には殺人を犯し得ない完璧なアリバイがあった。やがて、第三、第四の殺人が…。法廷推理の第一人者が、上高地・京都・東京を舞台に、二重、三重のトリックで描く傑作長編本格推理。
関ケ原の合戦が終結して五年。世に溢れた浪人は、“武芸者”として名を上げなければ生きられぬ時代であった。慶長十年十月、宮本武蔵という無名の武芸者が、京都の吉岡憲法に挑戦状を叩きつけた。憲法は代々、足利将軍剣術指南を仰せつかってきた名門であった。同じ頃、美作・宮本村出身の武蔵は、同姓同名の剣の達人の噂を聞きつけ、京に向かっていた…。世に名高い一乗寺下り松の決闘を軸に、従来の武蔵像を覆す独自の史眼で描く“日本剣鬼伝”シリーズ第一弾。
財界大物で精神文化活動に熱心な財前矢一郎のスキャンダルを追う葛城乱は、彼の手許に、古代マヤ文化の水晶髑髏があることを掴んだ。本来は九頭流占い師蛇巫女の使う道具で、何者かに盗まれた物なのだ。それが、なぜ財前コレクションにあるのか?事件は当初、小さなものに思えたが、それが狂気の地獄への第一歩となった。真相を追う乱をつけ狙う男たちと、甘美な肉体を武器に罠を仕掛ける美女たち。水晶髑髏盗難と乱襲撃、そして財前との関係は?やがて事件の背景に蹲る巨大な謎と恐怖が目覚め始めた…。不死身のスーパー・ヒーロー葛城乱の活躍を描く〈アーバン・ユニコーンシリーズ〉白熱の開幕。
大きな平らな岩が、川の中に突き出ている。男は不意に、「おや?」と瞳を凝らした。碧い水のよどみのなかに、蝋細工のような人体が浮いていた。でも、それは蝋細工ではなかった。なぜなら白いナイロンのパンティをつけ、その乳房や首筋のあたりに、バラの花弁のようなキス・マークが、滲むように浮き上がっていたからだ…。(「男の階段」より)男の出世の踏台となって無惨に殺された女をはじめ、日常の裏側に潜む愛欲と野望を赤裸に描く、ミステリーの傑作集。
加藤清正の妻を大坂城から脱出させる大木土佐守。落城寸前の伏見城に向けて鉄砲を運ぶ堺の鉄砲鍛冶。清酒〈生諸白〉で名を挙げる鴻池一族の祖、新六。家康の命で大砲〈国崩し〉を鋳造する近江国友鍛冶。裏切りの誘いに心揺れる石田家重臣粟津権之助。石田軍の巨魁・大谷刑部の首を追う藤堂仁右衛門。豊臣秀頼の命を狙うため甦えった初代服部半蔵正成。興るか、滅ぶか。生死を賭けた男たちの野望と決断。