出版社 : 講談社
再び平安時代に飛ばされた天童純は、鬼の少女・水葉らと再会。一方、貴族は、鬼神たちを封じ込めるため、三種の神器の一つ、純の持つ草薙剣を奪おうと画策、さらには禁断の作戦を実行しようとする。「鬼」と「人」との激しい戦いの中、大事な仲間を失った純は、自分の命よりも大切なものがあると気づくのだが。
幼子を預けたまま、妻が蒸発した。行方を探す弁護士の夫も姿を消し、後日、他殺体で発見された。女性警部補・ジェマは、遺児シャーロットの面倒を見つつ、婚約者のキンケイド警視と共に、惨劇の真相に迫る。ロンドンを舞台に解きほぐされる、奇怪な人間模様。情と血が導いた「事件」と「結婚」の意外な結末。
昭和の初め、日本の精神医学界を黎明期からリードしてきた養父院長が作り上げた愛宕市の葦沢病院。その数ある病棟のなかでもとりわけ厳重な隔離室には不思議な患者がいた。新米医師の使降醫は、博覧強記の天才・面鏡真澄とともに謎の患者の正体を探るが……。現実と非現実が錯綜する精神医学ミステリー。 【第一部】 1 理想の大病院 2 北第六病棟の「黙狂」 3 居心地の良い下宿。養父院長の悩ましい立場について 4 忙中閑なし 5 三狂人 6 一夜のうちに天女と悪鬼とを見る事 7 謎は深まるばかり 8 副院長は働き者 9 天草の水主 10 新米医者奮闘す 11 エーハブ船長がマストに打ちつけたのは金貨だったか銀貨だったか 12 めまいのする散歩 13 疑問と考察 14 もちろん、女さ! 15 混乱 16 『ベートーベン・フリーズ』 【第二部】 1 大幽霊烏賊
使降が担当する元漁師の老鼠忠介は、クジラとの壮絶な格闘の果てに仲間内で語り継がれてきた「幽霊烏賊」と遭遇した。そして入院後も付きまとうその幻影を封じ込めてくれたのは「先生」と呼ばれた患者だという。理性を超越した患者たちの奇妙な振る舞いが意味するものは? 『脳男』の著者、渾身の衝撃作。 2 精神科医として診察する 3 体温計紛失事件の顛末 4 幕間喜劇 5 王様はなぜ花嫁の首をはねたか 6 「野球は害毒である」 7 面鏡との対話 8 誘惑 9 草をむしる日々 10 時間感覚についての余談 11 論理明快 12 「黙狂」の正体がついに明かされる 13 攫われた「黙狂」 14 胡柳先生の告白 15 終焉に向かって 16 小田原看護長との対決 17 青天の霹靂 18 「現世ではくもれる鏡に映すがごときなるも、時いたらば面をあらわさん」
頻発する江戸の怪異に決死の覚悟で立ち向かう半四郎に最大の危機が訪れる。将来を嘱望された孫を半四郎に再起不能の身とされた大婆。家は没落し大婆の怨みが爆発する。日本を覆い始めた妖異が大婆に入り込み炎の化身となった。火の玉は半四郎の故郷を焼き払い、半四郎を標的に江戸へ向かう。
和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。 執筆を終えて 関連地図 奇傑外相 投げられた手袋 同床異夢 運命の御前会議 近衛と東条 白紙還元の御諚 開戦前夜の苦悶 開戦前夜の外交 開戦前夜の民衆 山本五十六の眼 開戦前夜の海軍 十二月八日の前後 開戦の日の表情 マレー沖の火柱 シンガポール攻撃 山下奉文の面目 シンガポール決戦 勝利の虎 太平洋戦争関係年表(1)
日本の運命は三人の軍司令官に託された。マレー強行作戦陣頭指揮の山下奉文中将、比島の本間雅晴中将、蘭印の今村均中将。緒戦の勝利を踏まえ東条英機首相は、占領地域を固める方針だったが、山本五十六連合艦隊司令長官は猛反対。「如何に時を藉さずに敵を捕捉撃滅するか」に集中せよとミッドウェーに出撃する。 関連地図 フィリピン進攻作戦 比島緒戦の大悲劇 バターン死の行進 コレヒドールの勝利 蘭領印度の攻略戦 蘭印に皇軍あり ジャワ軍政の成功 日本陸軍の解剖 ミッドウェー海戦(一) ミッドウェー海戦(二) ミッドウェー海戦(三) ミッドウェー海戦(四) ガダルカナルの死闘(一) ガダルカナルの死闘(二) ガダルカナルの死闘(三) ガダルカナルの死闘(四) ガダルカナルの死闘(五) ガダルカナルの死闘(六) 太平洋戦争関係年表(2)
活路をニューギニアに求めて大軍を上陸させた日本軍だが、米軍の反撃は圧倒的な物量とともに予想をはるかに上回る速さだった。増援の一兵も送れず炎熱と飢餓のなかで軍は壊滅。ビルマではインパール作戦の火蓋が切られたが、思わぬ作戦齟齬の罠が待ちかまえていた。鬼神も哭かしむる壮烈な戦いの果ては。 関連地図 ニューギニアの鬼哭(一) ニューギニアの鬼哭(二) ニューギニアの鬼哭(三) ニューギニアの鬼哭(四) ニューギニアの鬼哭(五) ニューギニアの鬼哭(六) 安達第十八軍の悲劇(一) 安達第十八軍の悲劇(二) ビルマ戦線の鬼たち(一) ビルマ戦線の鬼たち(二) ビルマ戦線の鬼たち(三) ビルマ戦線の鬼たち(四) ビルマ戦線の鬼たち(五) ビルマ戦線の鬼たち(六) ビルマ戦線の鬼たち(七) ビルマ戦線の鬼たち(八) ビルマ戦線の鬼たち(九) 太平洋戦争関係年表(3)
旗本復帰を誘う罠、外様小藩組の嫌がらせ…若すぎる留守居役数馬の前に、難題は次々と降りかかる。加賀潰しを公言する新権力者堀田正俊は、琴の実家で加賀藩の筆頭家老本多家の事情に目をつける。敵対する老中堀田と藩主綱紀、一度きりの秘密巨頭会談に、数馬は意外な場所を提案するが!?
大学の芸術学部で学ぶ作家志望の「私」と、二歳年下の画家志望の「彼」。書く訓練として「私」が何年も続けた「MH式カード」、二人が住む杉並界隈の風景、印象派の画家たちの群像……。創作をめぐる諸断片とともに織り上げられていく、夢を追う若者たちの名もなき時代……。自らの作家になるまでの日々を批評的に描いた、批評的半自叙伝。 匿名芸術家 四十日と四十夜のメルヘン
横浜・伊勢佐木町で風俗店『ピーチドロップス』を営む大学生・早瀬俊。彼は進藤翼という少女と二人で暮らしていた。深い翳を宿す青年・早瀬と、非の打ち所がない少女・翼。店の常連客、翼の担任教師、老いた元警官など周囲の人物たちから、少しずつ早瀬と翼の秘密が明かされていくー。埋めることのできない「喪失」。「生と死」を描いてきた著者が投げかける新たな傑作!この物語の行く末は?驚嘆のミステリー!!
留守番電話のテープに聞き入る三人の男「声の巣」。決められた役割を忠実に演じる私たち「学校ごっこ」。女の姿をした蛇が私の部屋に住みついて「蛇を踏む」(芥川賞)。家族の頚木から解き放たれたはずなのに「家族シネマ」(芥川賞)。あのとき彼はなぜ人を拝んだのか?「不軽」。足先から滴る水と寝室に現れる兵隊たち「水滴」(芥川賞)。静かに老いゆく妻、友と見た景色「椿堂」。僕が深夜の公園で遭遇した、ある出来事「無情の世界」。現代文学四〇年の試みを眺望するシリーズ第五巻。
言葉の町を歩き、言葉のシーツにくるまれ、言葉の包帯を巻いて、あるいは言葉の肉料理を食べ、そして言葉の性交を行うー言葉だけで出来た建物の中で、肉体、時間、空間、世界、あらゆるものを生成する無数の言葉と戯れる陶酔。衝突を繰りかえす豊饒なイメージを道しるべに、著者自らが選んだ短篇集、第二弾。快楽の全18篇。
広島への原爆投下の惨劇を克明に描いた傑作「夏の花」三部作、亡妻への痛切な思いが滲む「美しき死の岸に」、2020年センター試験の国語で出題された「翳」ほか、壮絶な体験と苦悩を刻んだ小説群。戦後70年を経て尚鮮烈な光を放つ戦争文学の金字塔を、文芸文庫スタンダードとして新装版刊行。 夏の花 美しき死の岸に 原爆以後 拾遺作品集 童話作品集
スクールカウンセラーを勤める薬師寺香澄は、天才的な頭脳をもつ美貌の男性・桜井京介と共に下町にある大学教授の自宅に寄宿している。彼らの元に持ち込まれる謎と少年たちの苦悩。小さき者への慈愛をこめて描かれる傑作短編集。 桜井京介と《日常の謎》 柘榴の実、三粒 誰がカインを殺したか コックリさんと喫煙と十四歳の研究 謝辞(作中のネタバレを含みますので、読了後にお目通し下さい)
タイムマシンを使って時代を行き来し、自分たちの世界の危機を救った未来S高校航時部の五人。ボーイッシュな美少女・黎、おしゃれ歴女(実は♂)・真琴、ドジな小坊主・越人、戦闘少女・凛音、探偵団の頭脳・学。TPから、大阪城内で失踪したアンドロイド捜索の要請を受けて、彼らはまたもや時空を超えるはめに。行き先は、悲劇の武将、真田幸村が活躍する大坂夏の陣。調査を開始するやいなや、本来なら夏の陣が終わってから自害するはずの淀君が暗殺されてしまった!このままでは歴史が変わり、未来の平和まで崩れてしまう。学が思いついた起死回生の秘策とは!?殺人事件の犯人は?
ベルンカステルによって探偵役を命じられたのは異端審問官・ウィルと、右代宮家次期当主・右代宮理御だった。ベアトリーチェ殺害事件の真相を探るべく、聞き込みを開始する二人。だが、そこで金蔵が語り始めたのは、ベアトと金蔵の秘められた出会いの物語だったー。「うみねこ」シリーズ新解答編がここに開幕!「ベアトリーチェを殺したのは誰?」「殺されたベアトリーチェは誰?」魔女の死の謎と六軒島連続殺人事件の真相。すべての解答が、いま、語られる!!
慶長二十年(一六一五年)。最終決戦の舞台は、秀吉が築きし天下の名城・大坂城。戦国時代の幕が引かれようとする中、男たちは何のために戦ったのかーー伊東潤、葉室麟、冲方丁が再び集結! さらには新たな挑戦者も参陣。当代きっての書き手たちの最新小説が一気に読める。まさに時代小説界の群雄割拠!!七人がひとつの戦場を描く、前代未聞の競作長編。今度の決戦は、戦国最後の大合戦「大坂の陣」!! 慶長二十年(一六一五年)。最終決戦の舞台は、秀吉が築きし天下の名城・大坂城。 戦国時代の幕が引かれようとする中、男たちは何のために戦ったのかーー 『決戦!関ヶ原』で東軍大将を務めた伊東潤、西軍大将・葉室麟、そして運命の鍵を握る男・冲方丁がふたたび集結! 前作につづいて天野純希も登場し、当代きっての書き手たちの最新小説が一気に読める。 そして、新たな挑戦者たち、「軍配者」シリーズで新境地を開拓した富樫倫太郎、 「このミス!」大賞&朝日時代小説大賞2冠デビューの鬼才・乾 緑郎、 デビュー作『宇喜多の捨て嫁』が直木賞候補、高校生直木賞となった驚異の新人・木下昌輝が参陣! 波乱あり、下剋上あり、まさに時代小説界の群雄割拠!! 七人がひとつの戦場を描く、話題騒然の競作シリーズ第2弾! 戦国最後の大合戦「大坂の陣」!! 鳳凰記 葉室 麟 日ノ本一の兵 木下昌輝 十万両を食う 富樫倫太郎 五霊戦鬼 乾 緑郎 忠直の檻 天野純希 黄金児 冲方 丁 男が立たぬ 伊東 潤