出版社 : 集英社
花魁道中のさきがけをした遊女松笠、寺僧たち1000人と契ろうとした於梅、保科正之の側妾であったお万、四谷怪談のお岩、姐己の於百、高橋お伝…歴史上、稀代の毒婦と伝えられている女性たち10人の生涯を、独特の視点から描き、時代伝奇小説の面白さを満喫させる傑作集。
有明の海辺で漁師として暮らすげんざは、むつごろう獲りの名人だった。6種類の竿と6個の釣針を使い分け、ひと振りで釣りあげる。そのげんざが、兄・仁錫と対決した…(「不知火殺法」)。少林寺拳法、銛打ちの殺法、跳躍術など、奇妙な武器と、恐るべき必殺技の数々。ユニークな発想が、時代伝奇小説の面白さを倍加させる傑作集。
鮎子を執拗につけ狙う暴力団の影、影…、そして急場に現われる寂しげな“少年”の亡霊、緊迫の逃亡劇の終着駅は秋の夕日に照らし出された赤煉瓦の西洋館だった。庭一面に咲き乱れるコスモス、蔦のからむ断崖、霧の中に浮かぶ錆びた鉄扉ー。著者会心のモダン・ホラーの長編傑作!
年齢27歳、ディスコが得意、愛車は中古だがワインレッドのMG、五月千春は広域捜査班勤務の“新人類”刑事ー。御歳24、5歳か?路上で見掛けた同色のMGを運転する妙齢の美人に親近感を憶え…。まさか、これが火中の栗を拾う結果になろうとは!ユーモアいっぱいのハードボイルド・ミステリー。
ジョッキー・クラブの古参理事、デンビー・クロフト卿が、競馬場の特別駐車場で殺された。第一発見者は「ザ・スポーツマン」紙の記者ジェームズ・サッカレーだった。警察は、調教師のウェザビーを逮捕するが、不審をいだいたジェームズは真相究明に乗り出す。あるパーティの晩、ジェームズは死んだクロフト卿の妻クラリッサが、情事にふけっているのにでくわした。男の顔は見えなかったが、そのときサッカレーは犯人を確信した。真相を知りかけたジェームズに魔の手が忍び寄り、ついにその手がジェームズの首を絞めようとする。だが、その時こそ真犯人が判明する時なのだ。俊英コンビが放つ競馬ミステリーの快作。
恋多き乙女、星子サン。今回は、あこがれの清里へ、ひとり旅…のつもりが、またもやフィアンセ宙太の出現。その上殺人事件に巻き込まれるし、もうサイテイ。でもおかげで“いい男”マサルと出会えた。やっぱり日ごろの心がけね…と喜んでる場合じゃない。星子、殺人犯にされちゃうかも知れないのだ。よおし、無実を証明するためなら、例え火の中、男の中?いざ、真犯人さがしへ出陣よ!
金沢の街を暗闇の世界から解放する『目ざまし時計』が、あと半年しかもたないというのに、ウィスパー博士と交信するための無線機も壊れてしまった。耕平は金沢を離れ、東京へ向かう決意をする。そんな時、ニューヨークの国連本部にあるメイン・コンピューターのアリスより、《郁美は生きてる。郁美は帰ってきてる》という通信を受ける。「そんな馬鹿な」と耕平は呆然と立ちつくしてしまう。
麗子、冴、路乃、馨。一つ屋根に住む女3人と男1人の家の前に、赤ン坊が捨てられていた。慌てて貰い受けに来たのは浜田兄弟。これがなかなかのしたたか者だ。兄の方はかつて、妻があるのを隠して、冴とつき合っていた。そしてこともあろうに、こんどは麗子にプロポーズ。弟の方はというと、4人の弱み(学校に内緒で一緒に住んでいる)につけこみ、冴にヌード写真を撮らせろというのだ。
あたし(南子)は、漫画家大空虹子先生のところで、アシスタントのアルバイトをしている。事件は先生のお使いで行った先で起こったの。先生の担当編集さんが殺されていた。もうびっくり。密かに恋している清水先輩、いつもあたしの前に現れる遠藤クン、北野刑事、赤石刑事、そしてあたしの5人は、真犯人さがしに取り組んだ。犯人の目星はつかない。そんな時、続けて仕事仲間の雅美さんが…。
13歳の夏。深苗は招かれて沓沢家へやってきた。でも、いとこの聖美は部屋に閉じこもったままだし、おじも仕事で不在。広大な館は、死んだように沈んでいた。「へんね。まるで時間がとまってるみたい」そんなある日、館の裏庭で深苗は大地という少年に会った。その昔、ここは美しいバラ園だった、というのだ。いったい、どんな秘密が隠されてるの?少女の心は騒ぐが…。
は〜い。あたし、小原舞子。神月香津美センセイのメシスタントをしながらマンガ家をめざす17歳なの。同志兼BF(かな?)のトオルくんと、マンガ新人賞に応募中なんだ。そしてある日!週刊『シルヴィア』からTEL。わ〜お、あたしの応募作が佳作入選したんだって!その時は、トオルの気持ちも考えず、舞いあがってしまったのだけど…。好評『ラスト・シーンでほほえんで』の続編。
橘恭斗。あたしに真っ紅なバラの花束をくれた季節はぐれの転校生。寮友の紀子さんいわく「もしかして、あみりんにひと目惚れ?」橘くん、女の子たちに人気沸騰!でもバイトに明けくれるあたしには関係ない。あたし、橘くんから借金していた、200円。橘くんを探す。バスケットに興じる彼、メチャ上手い。取り囲む女の子たち。歓声、どよめき。そんな中で、あたし、橘くんのキスされていた!
東洋新聞社航空報道部のパイロット神野保彦のもとに、ある日、正体不明の男が訪ねて来た。ある仕事を請け負ってくれれば莫大な報酬を支払うというのだった。やがて、神野のまわりに不気味な黒い影が…。日本と香港、そして中国大陸にまたがり、戦争中の遺産にからんで陰謀がくりひろげられるスパイ冒険小説。
駆け出しの総会屋・九島喬司は相棒の神永孝哉、軍師格の山室幸三らと、大物総会屋になることを夢見ていた。しかし、昭和41〜42年ころは、一部の元老総会屋が株主総会をとりしきっており、九島らは顔と名前を売る機会を狙っていた。そんな折、日運総会に殴りこみをかけ、大成功を収める。大物にのし上がった九島だが、そこには旧勢力の逆襲が待っていた…。
ロッカールームで球団オーナーの死体が発見された。試合はまっ最中。それが殺人事件と分ると、もう野球はそっちのけで大騒ぎ。殺しは、いつ、どのようにして起きたのか。珍プレーに人の目が集中しているうちに、犯人は動いた、とやがて分る。オーナーの娘・亜矢を巡る選手同士のサヤあてから、年俸問題まで、オーナーへの怨みのタネは尽きない。果してホシは誰?軽妙なタッチで進行する書き下しユーモア・ミステリーの傑作。
大手弱電メーカーに勤める森本は、現在失業中の身だった。仲間とベンチャー・ビジネスを始め、挫折したためである。ある日、求人先の会社で彼を待っていたのは敬子だった。かつて彼女は森本の下で働いており、二人は愛しあう仲になったのだが…。男と女の皮肉な再会を背景に、自分の意志で自らの人生を選ぼうとする女性たちを描く、気鋭のオリジナル作品集。
ポップなフィーリング、イマジネーションの中に聞えるロックン・ロール。時間を意図的に断ち切り、フィクションがフィクションを包み込み、それらさまざまなフィクションが小説を形成する。相棒とぼく、『アルタミラ』のマスター、ビリヤード娘、トマト、むき玉子等々が創造の世界を現出する。著者渾身の書き下ろし文庫。
1944年、大勢の決した北アフリカ戦線で、アメリカ軍報道カメラマンのアラン・エッシャーは、一人のフランス人を救った。彼の名はエリオ・セザール、勇名をはせたカー・レーサーだった。戦後20年たったある日、アランのもとに、懐かしいエリオから1通の手紙が舞い込む。「ぜひ会いたい」ところが、久濶を叙そうと出かけたアランの目のまえで、セザールは何者かにひき殺され、アラン自身もあやうく命を落とすところだった。エリオはなぜ、誰に殺されたのか?アランは亡き友のために、また美しい彼の妻のために、謎を解こうと決心した…。
エリオ殺害の謎を解こうとするアランに、未亡人となったジルが一つのヒントをくれた。ブガッティ・ロワイヤルがどうとか言っていた、と。ブガッティ見学ツアーに同行したアランは、ホテルのロビーでカール・グレーヴンと名乗る老人にあった。彼はブガッティ・ロワイヤルと、それにまつわる経緯をことこまかに説明してくれた。7台目のブガッティ誕生のとき、謎の失踪をとげたとき、そしてなぜエリオが殺されねばならなかったか。すべてを語りおえたときグレーヴンの手には拳銃が握られていた…。幻の名車ブガッティ・ロワイヤルをめぐる欲望と愛憎。精緻な構成で描くミステリー・ロマンの傑作。