出版社 : 集英社
エベール派に続き、デムーランやダントンら旧くからの盟友も、断頭台に送ろうとするロベスピエール。夫デムーランの助命を乞うリュシルに、ロベスピエールが口にした想いとは……。(解説/重里徹也)
見知らぬアタッシェケースを預けられた男、自殺と断定された妻を殺害したのは自分だと主張する夫など、日常がふいに歪む瞬間を1600字で切り取った、芥川賞作家初の掌編小説集。(解説/中村文則)
昭和20年戦時下。渋江ら同級生4人はドイツ人少女を長崎まで送り届けてほしいと頼まれる。勇気を出して千キロ以上の決死の冒険に挑んだ少年達の運命。森村版『スタンド・バイ・ミー』。(解説/池上冬樹)
ケータリング業を営むゴルディの友人ホリーが、息子の誕生パーティ直後に急死した。ゴルディは原因を探るが、自分も襲われる羽目に。事件はゴルディの人生に大きな影響を与える。人気シリーズ完結巻。
男は元戦場カメラマン。逢瀬の夜、女に語り始めたのは、長崎の町で掘り出した喉仏の骨、黒こげの殉教者の記憶、30年前の雪の日の爆心地での教皇の祈りだった…。戦後70年、紛争の世紀に切り込む衝撃作。
絵本作家として活躍する賀川真帆。真帆の父は十五年前、「出張で九州に行く」と言い置いたまま、富山で病死を遂げていた。父はなぜ家族に内緒で、何のゆかりもないはずの富山へ向かったのかー。長年のわだかまりを胸に、真帆は富山へ足を向ける。富山・京都・東京、三都市の家族の運命が交錯する物語。
東京の暮らしに疲れ、仕事を辞めて、故郷の富山に帰ってきた脇田千春。実家でふさぎ込んでいたが、親戚の中学生・夏目佑樹と触れ合ううち、自分らしさを取り戻していく。父のいない子として生まれた佑樹は、不思議な懐の深さを持つ青年へと成長していてー。富山・京都・東京、三都市の家族の運命が交錯する物語。
神社で神隠しに遭う少年、ホームレスの奇妙な生活を垣間見る青年、意外な過去を持つ金髪の老人……。この団地には全てが詰まっている、喜びも哀しみも。新鋭が叙情豊かに紡ぐ、少し不思議な7つの物語。
雪のクリスマスイブ。母親が失踪し家を追い出された茜音は、天使のような少女の導きによって古い洋館アパート「かなりや荘」に招き入れられる。そこには心の片隅にさびしい廃園を抱えた人々と、道半ばにして亡くなった天才漫画家の幽霊・玲司がひっそりと暮らしていて…。古アパートを舞台に、歌を忘れたかなりや達が繰り広げる、優しく力強い回復と救済の物語。
明治末期、ハリー彗星騒動に沸く横浜。役者の寅太郎、画家の谷、浪漫研究家の有坂は定職にもつかず周囲を呆れさせる「堕落者」。首を突っ込んだハリー彗星撃退依頼をきっかけに、横浜に蠢く陰謀に巻き込まれ!?
19世紀末・英国。ロンドン郊外の静かな町で貸本屋《千夜一夜》を営む サラとアルフレッド兄妹。とある事情から侯爵家の生まれという身分を隠して暮らしているふたりだったが、店にはとっておきの一冊を求めて 今日もたくさんの客がやってくる。そんなある日「探してほしい本がある」という貴族の兄弟が店をおとずれて…。ヴィクトリアン文学ミステ リ!!
「人はなぜ生まれ、死んでいくのでしょうか」青年は深い悩みを抱えてわたしの前に現れた。一瞬、わたしは息をのみ、思わずあの子の名前を口走りそうになったー。親友の死に直面することで生きる意味を見失った学生と、ある哀しみを胸に秘めた先生。ふたりの濃やかな交流を通して描く、喪失と再生の物語。夏目漱石永遠の名作をモチーフに、自らを重ねて書き上げたベストセラー、待望の文庫化。
特殊能力を持つ4人の若者。大物政治家にその力を利用され、戦いながらも、自由になるチャンスを狙っていた。同様の力がある「アゲハ」が接近してきて、彼らの運命はさらに過酷なものに。映画化!
田舎の弱小バレーボール部に、東京の強豪校出身のワケあり選手がやってきた。全国を目指す熱い日々が始まるが…。迷い、傷つき、立ち上がる等身大の青春スポーツ小説。2ヶ月連続刊行、第1弾。
明治の半ば、一枚のカツレツに出会った福井県の少年。上京し、裸一貫で西洋料理の世界に飛び込んでいくーー。日露戦争以降の東京で、激動の時代と共に、力強く成長していく篤蔵の物語。TVドラマ化。
寸暇を惜しみ、熱心に修行を続ける篤蔵は華族会館、上野の精養軒で働き、ついに西洋料理の本場、パリへ。大正、昭和の時代、宮内庁主厨長まで登りつめた男の生きざまを描く感動長編。(解説/吉村千彰)
革命政府の力は徳であり、かつまた恐怖なのだとして、恐怖政治を推し進めるロベスピエール率いるジャコバン派。対するエベール派は、恐怖政治の中核たる公安委員会を倒そうと蜂起を試みるが…。(解説/細谷正充)