出版社 : 風詠社
芸術としての価値を生みだす核心部分を削ぎ落とすことによって、音楽はいまだかつてない、あらたな芸術性を創造するーユニークなクリエイティビティとピュアな感性、そこからうまれた想像力が紡ぐイノベーション・ストーリー。
AI vs. ユメのチカラ 今日の地球の危機はすべて人間の想像力が生んだものと、粘菌がAIに進化して、わたしたちの夢を封じ込め始めた。そんなAIに対抗して、大切な夢を守るために世界の子供たちが戦いを挑む。それは、目の前の数字しか見えない大人たちと、遠い未来を見つめる子供たちとの戦いでもある。「子供とは大人になるためのステップでは決してないのだ」。子供たちの独立宣言書。
西浜の若者よ、我らが大切にして来たこの街と江の島を見ながらサーフィンができるこの海と、そして何よりナンシーお嬢が経営するナンシーの館を、どうか守ってやってくれないか! 様々な恋に悩む高校生たち、いくつになっても毎月のように海に出るサーファー親爺、60過ぎても音楽を捨てきれないアマチュアバンド親爺、ホームレスに堕落した元ミュージシャン、そして妖艶な魅力をもつ謎の女ナンシーお嬢、湘南の海と街を舞台にお嬢の民宿「ナンシーの館」で繰り広げられる人間模様を描く。 ナンシーの館/若者たち/引地川河口にて/綾香/鉢合わせ/最後の演奏/男同士/大山登山/再会/哀愁の江の島花火大会/義明の秘密/クリスマスパーティーの夜/元旦のサーフィン/曾我丘陵ハイキング/それぞれの思い/探偵ごっこ/切ない気持ち/栄枯転変/洗面器/お嬢の失意/テラスモールにて/お嬢と栄子/ビラ配り/営業再開祝い/靖彦の過去/悲劇の再会/合格祝いの後で/西浜の祭典(1)/西浜の祭典(2)
古代の日本、この時代に日本国に何が起きていたのか。その一瞬、その瞬間、その時代の人達は何を求めて生きていたのか。権力をほしいままにしている蘇我一族と敵対する中臣鎌足と中大兄皇子(後の天智天皇)は、蘇我氏を倒すためにクーデターを計画。鎌足と中大兄皇子の部下によって蘇我入鹿を暗殺。次に入鹿の父、蘇我蝦夷を討つ機会を狙うが、入鹿暗殺の翌日に蘇我蝦夷は自分の屋敷に火を放ち、自害してしまう。こうして、権力をほしいままにしていた蘇我氏は滅亡した。その後、新政権が発足し、「大化の改新」が進められることになった。1400年の時を隔てて、今よみがえる古代日本のカタチ。「大化の改新」前の激動する日本。蘇我一族の暗躍と滅亡にいたる過程を描いた古代歴史小説! 罵りあい/深まる対立/決断/独裁/野望/騙す/血のつながり/失意/哀しみ、そして悩み/厩戸皇子(聖徳太子)の死/別れ/二人の死/傀儡/恐怖政権/暴走/滅亡/命の危機/暗殺計画/乙巳の変/夜明け
「自分には死ぬ楽しみが残されている。その瞬間を今から楽しみに待っている」……老大学教授が、過去と現在の間を行きつ戻りつしながら、思い出すのは、英国滞在中の生活のこと、親友のこと、切磋琢磨した研究者仲間とのこと。文学者として過ごしてきた日々を綴りつつ、今も澱のように心に溜まっていたのは親友中田の娘、秋子さんと母親を異にするある姉妹のことだった……。「死」から、自らの人生を遡るように綴られる英文学老学徒の自伝的随想風小説。 *今昔/*日記/*回想/*友人/*長女/*関係/*読書/*類縁/*境目/*秘密/*産声/*独歩
源氏物語に傾倒した現代の女官がつづる京都滞在の日記物語。皇族の若い女宮さまを主人公に、マスコミ・バッシングによる心の傷をいかに癒すのか。皇室にゆかりの寺社仏閣や源氏物語にちなんだ洛中洛外を舞台に思わぬ出逢いが女宮さまの、そして女官達の心をほぐし、新たな人生の扉を押し開けていく。「やまとことば」と自作の和歌十首ほどを織り込むことで、源氏物語の趣をほのかに再現しているのも、この著作の魅力のひとつ。皇室とマスコミ、皇室と国民の関わりや在り方に対しても国民的議論に一石を投じたいという作者の意欲作。 《第一週》起す;一帖 鴨川;二帖 宇治;三帖 離宮;四帖 伏見;五帖 嵯峨;六帖 祇園;七帖 篭り;八帖 東山;九帖 近江;《第二週》承ぐ;十帖 今出川;十一帖 明石;十二帖 野兎;十三帖 観世音;十四帖 奈良;十五帖 先斗町;十六帖 豊国;十七帖 建勲《第三週》転ず;十八帖 作業場;十九帖 門跡;二十帖 糺の森;二十一帖 銀閣;二十二帖 芸術家;二十三帖 洛中洛外;《よりあと》結ぶ;二十四帖 談義;二十五帖 御寺;二十六帖 御所;二十七帖 清明
「幸福とは何か」。単純なようでいてたやすく答えの見つからない人類史上の難題。本作はイギリスの作家サミュエル・ジョンソンがこの難題に挑むいく人かの人々を見事に描き切った佳作である。翻訳を手掛けた高橋昌久氏もこのテーマについて深く考えたひとりであり、その洞察をもって『マテーシス』などの創作に昇華させた作家としての側面もある。どこか著者に似通ったところがあるように思う。「マテーシス古典翻訳シリーズ」第六弾。
「マテーシス翻訳シリーズ」の記念すべき第10弾はフォン・ホフマンスタール著『アンドレアス』です。この作品には得体の知れないエネルギーがあるということである。中盤の独りで山頂に登った時を筆頭に、鬼気迫るような、混沌としたものがあり、それが読み手を虜にする。それはツヴァイクの述べたドイツ語の美しさからくるものだろうか?言語だけに留まらないものと私は考えている。だがそれ以上の深い考察は読み手に委ねたい。(訳者まえがきより) 隠れた名作をお楽しみください。
佐藤俊雄は少年時代から様々な災難に見舞われたが、その都度、救いの手を差し伸べてくれる人がいた。信頼すべき友人に恵まれ、最愛の女性との愛も結実し夫婦として人生を共にした。俊雄は周囲の人々との絆をより深く築き上げるべく努力し、家族の一員としての責任と役割、愛情や思いやりの重要性を最大限に実践してきた。人生の過程では喜びや悲しみ、挫折や成功、出会いや別れなど、数々の出来事に巡り合う。それらを通じて、人々はどのような人間でありたいのか、何を大切にして生きるべきなのかを見出すことに努力する。「最後」とは物事の終わりではなく、「最後」のあとには、新たな始まりが待っている。人生の「最後」がいつ訪れるかは分からない。だからこそ、その前にできる限り充実した人生を送りながら、今を生きるべきなのだ。佐藤家を取り巻く人々との生き様を丁寧に紡いだ愛と命の物語。 はじめに/出会い/喜び/運命/生い立ち/友情/無常/最後/あとがき
左遷のぼく。抜擢の室長。そして熟練ツアコンのマリアさん…苦情・事件を熱烈解決!入社一年足らずの新入社員、「ぼく」こと越生岳志の異動先は、まさかまさかの社長直属カスタマー室!?食堂のおばさんの苦情対応から議員先生のトラブル解決、街のチンピラのクレーム処理まで、ぼくらの仕事はひっきりなし!関急旅行社カスタマー室一同は、今日もお客さまの笑顔のために真心こめて業務に励んでまいります!
探偵シリーズ二作目の舞台は、みなと横浜。台風が接近していたある日、行方不明になっている姉を捜してほしいと、女子高生から依頼があった。管轄の刑事の話では、他にも捜索願いの届け出が続いているという。竜次が依頼者の自宅を訪ねると、そこには酒乱の家主が…。
艶句の世界は、まさしく性愛・エロチシズムの珠玉である。著者が折りにふれ、目にしてきた江戸期を中心にした破礼句と呼ばれる官能的な古川柳は庶民風俗、性愛模様を粋にユーモラスに謳って、笑いを誘い、好色心をくすぐる。「白魚の力帆柱引き起こし」とか「顔が火で娘とばした事が知れ」といった、エロスの綾、美感さえ漂わせる句に親しむにつれ、江戸期の秘事の多彩さ、奥の深さに魅了され、著者の脳裏には「男と女の物語」が、あれこれ浮かび上がってきた。一時期、気功をかじった体験も味付けに、性文化の花が咲き溢れた江戸の昔に想いを馳せて、この奇想な小編は描かれた。艶句の魅力・表現を延長させた「句的な小説」とでも呼びたい。カラー挿絵付き。