出版社 : 風詠社
三代将軍家光から、鍔削ぎ清光の鞘に秘められた密命を預けられた霞流開祖の父・脇坂外記は陰柳生の暗殺団に殺害された。「鯉口を切れば冥府への入口」「相手の刃の下にこそ霞流ならではの道がある」苛酷な流派、人斬り剣法に六郎太は身を投じるー。
夢の世界「表象の森」に佇む妖しげな宿。たまたま1泊だけのつもりの旅籠になぜか連泊することになり、やがて私は…今と昔が交錯する空間で様々な幻影や鬼面たちが記憶の「思い」に語りかける幻象妖惑小説。
ピアニストを目指す、高校生の村上琴は、原因不明の症状で左手が利かなくなり夢をあきらめかける。そんな折、旅先で出会った二人の人物が彼女の人生を変えることになる。三人は自らに吹き付ける向かい風に立ち向かうべく、ある演劇作品の上演を目指し、劇団を立ち上げる。集まった仲間たちも各々に問題を抱えていた。幾たびかの試練を乗り越え、周囲の人々の協力も得て、ついに彼らの芝居の幕が上がった…。残酷な運命に敢然と立ち向かい、自らの人生を取り戻そうとする人々の勇気と友情、そして再生の物語。
明治43年1月、七里ヶ浜沖で12名の若者が亡くなった…。逗子開成中學ボート遭難事故の真実。あの時、何があったのか。あの後、何があったのか。フィクションだからこそ、闡明に著わせた真実とは。
「ビック」と何度か呟きました。それが最後の言葉でした…イギリスの片田舎で名士として名高いハロルド卿が亡くなる。閉鎖的な村に暮らす人々のなかで徐々に殺意が醸成され、沸点に達していく。そしてついに犠牲者が…。捜査に乗り出したアレン警部は、断片的な事象を丹念に解きほぐし、事件の真相と驚くべき真犯人にたどり着く。英国女流推理作家“ビッグ4”の一人、ナイオ・マーシュの傑作、ついに本邦初邦訳!
祖父母から教わった大切なこと、父親への思い、母親との葛藤。これまでの人生を回想し、胸の奥にある感情を綴った掌編集。自分を「ハンサム」だと思い込んでいたら…。「つるむ」という言葉の意味は…。「ビールは注がない」ほうがいい…。共著者である大学教授の夫が「言葉」や「文化」について考察したユニークな3編も収載。
妻に捨てられ子供を失い一人で暮らす老人のもとに、一匹の野良猫が現れた。病気を患う老人は医師の誤診を疑ったり、全快を期待しては落ち込む日々を繰り返す。行きつけの飲み屋で過ごす常連たちとの時間や心癒やされる猫との会話(?)を通して、年老いた男の心の内側を描いた物語。
嫁ぎ先の義母が認知症に…。壮絶な介護生活の中、否が応でも自らの人間性と向き合い、苦しみ、後悔しながらもそれらを乗り越えたとき、見えてきた世界があった。実体験を交え、綴った感動の物語。
その孤島は冬には気温が氷点下にまで下がるため、およそ人が住むには適さない。少年達は八歳になると「モイドム」という施設で否応なく武術や殺人術を身につけさせられる。大半が命を落とす中、そこで生き抜いた者のみが兵士となり「青軍」と呼ばれ、赤を身に纏う敵である「赤軍」との戦争という終わりのない地獄の日々へと突入していく。架空の異世界を舞台にしたファンタジー大河小説!
歴史を左右する重要な決断がなされた場に身を置くことで、小さな流れの向きや勢いを肌で感じ取り、それが大河へと成長していくプロセスを探る。…ノンフィクションとフィクションの融合を試みた意欲作。全3編を収録。歴史を追体験する新たな小説スタイル!