1988年12月1日発売
あたしマリナは、流行まんが家への仲間入りをめざして、42ページ穴埋めまんがに挑戦することになったの。ところが期限は2週間後!あたしは、わらをもつかむ思いで旧友の綾小路清香に応援を求めた…。ところが彼女も何ごとか助けを求めている様子。そこであたしは、美女丸を従え、一路、カバちゃんの待つ北海道へ。…そこには、白〓@51B3の美少年と恐怖の連続殺人事件が待っていたの。
「白馬に乗った王子さまに出会いたい!」女の子だったら、誰だって夢みるよね。そしてなんと!16歳の左右美はすごい美形のホンモノの王子さまと、仲よしになっちゃったんだ。彼の名は累。亡くなったママが日本人だから、日本語もペラペラなの。ママの故郷を捜したいという彼のために、BFの幾矢と左右美は活動を開始するが…。サスペンス味たっぷりの青春ロマンス。
菜生の記憶の底に鮮やかに残るピアノのメロディ。あれは、みっつかよっつの頃?だから、13歳の秋。ショパンを弾くひとつ年上の男の子、和音くんに菜生はひと目で魅かれてしまったの。五つ年上の尚樹お兄ちゃんは、そんな私をどんな気持ちで見つめていてくれたのかしら…。めぐる秋が、恋にときめき愛に傷つきながら成長していく少女を見守ってくれている。
ぼく(安達勇太)が、倉橋美麗とつきあい始めてから1年半になる。でも、いまだにぼくは美麗のことを好きなのかどうかわからない。そして、それは美麗も同じ。ぼくたちは、お互いを束縛しない、自由な関係の友達なのだ。ある夜、ぼくは美麗に電話した。部屋に行っていいかときいたら、友達がきてるという。行って、その友達に会って驚いた。その子は小学校時代にあこがれていた女の子だった。
ほたるのまわりで起こった不思議な事件のはじまりは、「幕末同好会」の三好先輩が手に入れた、130年前の着物だった。着物に縫いこまれていたブキミな丸薬と、「声なきせみ」と名のる女の子の手紙…。それによると丸薬を飲めば130年前の過去に行けるのだという。薬を飲み、眠りつづける三好先輩は、過去へ旅立ってしまった!先輩のあとを追って過去へ行く決心をしたほたるとBFの裕一だが。
正月早々、1台の自動車が河原に転落炎上する事故が発生した。中から発見された黒焦げの死体は、なんと自分自身だった。偽装殺人、ガス爆発…次々とまわりで起こる不吉な出来事と忍びよる腹黒い人間たち。そして突如、現れた謎の少女。身よりがないはずの主人公と莫大な遺産相続をめぐって、さまざまな思惑と謎が絡みあい、意外な結末をむかえる最新本格ミステリー。
徳川の治政定まって二百有余年、泰平を謳歌する頃、下級幕臣の困窮ぶりは目を覆うばかりだった。切羽詰った直参旗本の中に、武芸才覚に覚えのある者たちは結局、無頼の道を選ぶことになる。平山子龍道場で竜虎と並び称された狩野弥太郎と井部鉄之助は、賭場を荒しに行ったことから流浪の剣鬼・修喜寺左膳と乱刃を交え…。艶美な女性を配しながら描く傑作長篇時代小説。
江戸時代も中期を過ぎ、困窮した旗本小普請組の中でも、剣に優れた男たちがいた。無頼に走る彼等の中で、天保和寇党を結成した古城進八郎は、狩野弥太郎、井部鉄之助等を誘って江戸城大奥を襲い、また怪盗・庄吉と組んで佐渡金山から回送される御用金を狙うが、公儀隠密に知れ…。やるかたなき泰平の世に憤った若者たちを、官能の世界を織り込みながら描く長篇時代小説。
幕末・維新前夜、動乱の時代を過激に生きた男たち。-土佐藩・吉田東洋を斬った那須信吉をはじめ、寺田屋騒動の首謀者・吉村虎太郎、薩摩隼人・美玉三平、赤穂の山下鋭三郎、人斬り以蔵…。時の流れの急先鋒となった下級士族たちの半生を描く異色時代小説。
母を亡くし、叔母の家に世話になっている玲子。高校へ進み、叔母の夫の和郎の執拗な誘惑に耐えかねた玲子は独立を決意する。保育園で働くうちに、一児の父吉川を知る。園児まゆみの父吉川は、玲子にとってやがて一人の男性、吉川誠一となる。母のいないその家を訪ねるうちにいつしか玲子の気持は結婚へと進んでゆくのだった。18歳の妻、そして母親役も兼ねた玲子のたくましくも、激しい青春のすべて。映画化、TV化で既に大評判作の文庫化。
ミセス・ポリファックスは、自分の住む市のガーデン・クラブの役員で、病院でボランティアをする、要するにどこにでもいるアメリカのおばちゃまだ。それがある日、突然思いたってアメリカ情報組織の本拠、CIAに乗り入んで「わたしをスパイにしてください」「そんなばかな、ご冗談を」ところが、どういうわけか彼女の夢はほんものになってしまったのだ。元気印のポリファックスがさっ爽世界に登場。
西郷隆盛には写真がない。思いがけない事実を知った雑誌『歴史時代』の新人編集部員稲葉元博は、それをきっかけに維新史の闇の迷路に足を踏み込んで行く。-西郷の戦死後、大久保利通はなぜ再度の検視と所持品検査を命じたのか?それと時を同じくして鹿児島を徘徊した謎の人物たちが求めていた物とは何か?おおいなる歴史の謎が百年を経て現代に甦る渾身の長編小説。
ギリシア・ローマ古典学の教授宮沢明(数年前に交通事故で、妻を失っている)は、避暑地で会った知的な和泉聡子に強くひかれ、二人は美しく愛しあっている。そして、現役を退いた老カップルやユニークな学生ペアのそれぞれの愛のかたち…。21世紀に入って10年がすぎた夏の日の避暑地=半島の海辺にある別荘に集う数組の男女の優雅な〈饗宴(シュンポシオン)〉と〈愛(エロス)〉の時間を描く長編恋愛小説。
突如記憶が中断してしまい、謎に満ちた世界を手探りで行動する男。現代人の孤独と不安を抉り出し、『燃えつきた地図』の原型となった『カーブの向う』。自分の糞を主食にし、極端に閉じた生態系を持つ奇妙な昆虫・ユープケッチャから始まる寓意に満ちた物語、『方舟さくら丸』の原型となった『ユープケッチャ』。ほかに『砂の女』の原型『チチンデラヤパナ』など、知的刺激に満ちた全9篇。
明治41年、第1回ブラジル移民791名を乗せ笠戸丸がサントスに入港した。夢と希望に満ちた彼らを待ち受けていたのは、苛酷な自然と厳しい労働だったー。大農場で農奴にひとしい生活を送る井原・山口家の人々。色々な職業を転々とする香山六郎。農場主に支配されない日本人入植地を夢みる平野運平。紺碧の空の下、苦闘する初期移民の姿を描いた構想十余年の大作第1部。
笠戸丸による第1回移民から7年。平野運平を指導者に、初の日本人入植地が作られた。自分の土地を得、開拓に燃える人々を襲うマラリア。入植した佐久間・山口家の人々も、作物を食い尽くすバッタや冷害に悩まされる。一方、香山六郎は既成の邦字紙にあきたらず『聖州新報』を創刊する。故国を遠く離れ雄大なブラジルの大地に苦闘する、様々な人間のドラマを描く長編小説第1部。
戦乱の世も遠く去った3代将軍家光の世、徳川の天下取りに尽くした旗本たちは、いまや時代遅れの無骨者として軽んぜられている。その現状を断固として認めない者がいた。旗本奴水野十郎左衛門は、彼らの壊滅を企てる老中松平信綱の野望を砕くため、町奴幡随院長兵衛と密かに連帯する。滅びゆくおのれの運命を知りつつ侍の意地を通した男の生涯を描く長編。
女性国連事務総長を乗せた特別機が、ハイジャックされた。機はグリーンランドに向い、墜落するが、たまたま近くで沈没したソ連原潜の捜査を行なっていたダーク・ピットが、彼女を救助した。またピットは付近の海底から、四散したとされる古代アレキサンドリア図書館の収蔵物の隠し場所を示すらしい遺物を発見した。一方事務総長は、ピットの父の手で厳重に保護されていたのだが…。
ゲリラ戦の専門家で、書記長を叔父に持つアフガニスタン駐留KGB大佐は、母国の将来を憂えていた。軍紀の乱れ、士気の低下、無意味に殺されていく民間人たちの姿に心を傷めながら、彼は熟慮し、そして決断したー。クレムリン内での派閥抗争は熾烈さを増し、首都は不穏な空気に包まれた。早く内戦をくいとめて、漁夫の利を狙う諸外国を抑えねば…。迫真の政治・軍事サスペンス。