1988年8月発売
北の都ケベックにようやく訪れた春。アンジェリクの身辺にも矢つぎ早に事件が。謎の神父が放った密使との闘い、夫ジョフレのひそかな裏切り、刻一刻と町に近づくインディアンの大襲撃…。そして、フランス本国から最初の船で届けられたルイ14世の親書の内容は、アンジェリクにさらに重大な決断を迫るものだった。
みんな何かを知っている、みんな何も喋らない。新興住宅地で起きた母子心中事件の真相を追うTVレポーターの美希子、その行く手に見え隠れするのは誰?オランウータンと名乗る若い男は味方か敵か?都会の無関心と異常な沈黙が引きおこす恐怖の日常!筆者が新境地を拓く、長編サスペンスホラー!
青森県新郷村。キリスト伝説の地で、男が十字架に首を吊った。同行の美少年は、謎の言葉を残して闇に消える。さらに京都、香川と怨霊伝説の里で怪事件が続発し、美少年の姿が見え隠れする。彼に取り憑いたのは崇徳院の怨霊か?そしてソロモンの秘密は四国に眠るのか?興奮と戦慄の書下ろし歴史ホラー!
海面下8千メートルの深い闇で、2億年の眠りにつく生命体があった。現代人の欲望はその海底に放射能廃棄物を沈め、「彼」に巨大な目覚めを呼びおこしてしまう。人類への復讐を誓う「彼」は、地を震わせ大気を裂いて、列島に襲いかかった!人も大地も食いつくされる!文明社会への警鐘、長編パニックの傑作!
非行少女の更生を願い、絶海の孤島に施設が建造された。だが、幼くして性の歓びを知り、放恣で率直な日常にいた少女たちの前には、悪魔の罠ともいうべき悲劇が待ちうけていた。3人の死亡者を出し、28人となったはずの少女たちが、何度数え直してみても、31人いるのなぜ?恐るべき魂の告白を聞け!
日常はしがない学習塾の講師である萩生真介だが、実はテレポート(瞬間移動)能力を身につけていた。ある日、萩生のもとを三矢財閥の社長夫人と称する妖艶な美女が訪れ、一人息子・矢切鞭馬の個人教師になってくれと頼む。これが矢切一族に取り憑く妖鬼との死闘の始まりだった。バイオレンスエロスの長編。
正体不明の船のやとわれ船長だったわたしは、2度目の出航で親友の成瀬と交替した。ところが成瀬は殺される。船に疑惑を抱いた彼は、ひそかに何かを探っていたらしい。わたしが友を殺した敵を追い求めると次々奇怪かつ危険な徴候に襲われ…。美しい大自然と人間の悪を精緻に描く秀作。日本推理作家協会賞受賞作品。
オイル王国のサウジアラビアにクーデターが発生。同国駐在のすべての外国人、世界経済を左右するアメリカのオイルマンたちが、出口なしの窮地へ!必死に脱出をはかる日本人商社員たち、革命軍との虚々実々の駆け引きに狂奔する各国の要人たちの取るべき行動は!?壮大なスケールの新クライシス・ノベル。
青春の光と影を鮮烈に描く長編ロマン。ニューヨークでジャズ・ギタリストへの道を歩んでいた俊夫を見舞った不幸なアクシデント。水色の瞳と北欧系のシルバー・ブロンドの髪を持つ娘・モイラとの出会いと愛の日々。競走馬アバター号との関わりから始まった。一人の日本青年の失意と再起の軌跡をたどる意欲作。
世界が軍縮と平和の幻想に酔っているとき、裏では恐るべき計画が着々と進められていた。アメリカの喉元に、ソ連の秘密核ミサイル基地を建設しようというのだ。CIAとKGB、くわえてGRUが死闘をくり広げ、ソ連政治局内部の派闘争いもからんで事態は恐るべき様相を見せはじめる。息もつかぬ迫力で読者をひきずり込む、娯楽巨編。
鏡のなかを通りぬけたアリスは、またまた奇妙な世界へ。おしゃべりな花たちの咲く庭をふりだしに、鏡の国を歩くアリスのまえに、つぎつぎとおかしな住人があらわれてー。「ふしぎの国のアリス」につづくキャロルの作品で、チェスゲームを織りこんで構成された、夢とユーモアにあふれたファンタジーの傑作。
ローラの一家は、インディアン居留地の小さな家を去り、長い旅のすえに、ミネソタのプラム川のほとりに移った。広大な肥えた大地で、小麦の収穫に目を輝かす父さん、学校へ通いはじめたメアリーとローラ。順調にすべりだした生活はある日とつぜん、いなごの大群におそわれたー。新天地を求め、力強く生きるインガルス一家の物語第3作。
1963年11月21日、ケネディ暗殺前夜、北大西洋“ブロッケンゾーン”と呼ばれる謎の海域において、極秘任務中のイギリス海軍の潜水艦が消息を断った。その夜、クレムリンの一室に集まった英独仏のスパイは、堅く秘密を誓い合い、本国へ帰り、栄光への階段を昇り始めた。そして二十有余年。同じ海域でSOUSAS網の点検任務についていたアメリカ海軍の深海調査艇『シーナイト』が、謎のメッセージを残し消息を断った。沈没海域は深度3500メートル。残存酸素量は48時間。陸海空に、必死の救援活動を繰り広げるアメリカ海軍。それを妨害する全ヨーロッパ海軍。彼らの目的は何か?シーナイトが深海で目撃した謎とは!迫真の書下ろし長編ハイテク軍事サスペンス。
夏休みを迎えた星子のもとに“魔少女”からカミソリ入りの手紙が届いた。そこには「宙太さんと別れなければ、お前を地獄へ落とす」という、おぞましい文面!さすがにゾーッとなったけど、そんな脅しも何のその、例によって新しい恋を求めて白馬へと旅立つ星子。しかし、“魔少女”の黒い企ては、親友のリツ子や春之介をも巻きこんで、北アルプスの山々を、暗雲でおおいつくそうとしていた。
あたしこと春田南子は憧れの清水先輩に頼まれて参加したハロウィーンの仮装パーティーで殺人事件に遭遇してしまったの。被害者は先輩の知り合いの女子大生。ところが、先輩、突然、あたしに一緒に来てくれって尾行の北野刑事たちをふりきると上野駅から寝台特急『北斗星』に。あたしちょっぴりドキドキ。もしかしたら何かが起きるかもって秘かな期待…そして起こったの。またまた殺人が。
時は江戸中期、将軍・徳川家元の治世。神田極楽横丁・おけら長屋に住む浪人・長谷川誠之進の娘・お美津は、長屋の人たちと上野の山へお花見に来ていた。ところが、一陣の風が巻きおこり、空には怪しげな雲が…。閃光が走り、爆発音とともに落ちてきたのは、目を疑うような絶世の美少年!なんとなく彼に心ひかれるお美津だが、正体不明の少年をめぐって、つぎつぎと怪事件が発生し…。
パセリは麻布十番の洋食屋『ホームラン軒』の娘。男まさりで腕力には自信あり!でもスケ番にケンカを売られ、投げとばしたために、柔道部をクビになっちゃって…、幼なじみの達夫の誘いで文芸部に入部したのはいいけれど、書いていった詩をバカにされ、大激怒。でも、ひょんなことからその詩が雑誌広告に採用されることになって…。元気少女・パセリのパワフル・コメディー。