1988年発売
季節はずれの奇妙な嵐がヘラーズを揺るがし、雷鳴が不気味に轟く夜、ひとりの赤ん坊が産声をあげた。名はドリリス、アルダラン卿ミカイルのひとり娘である。ドリリスは父の愛を一身に集め、美しく成長する。が、彼女は雷を自由に操る、おそるべきラランの持ち主だったのだ。読者の要望に応え、ついに書き上げた、〈混沌の時代〉のエピソード。
〈塔〉の〈監督者〉レナータの厳しい指導のもと、ドリリスは次第に〈ちから〉をコントロールする術を身につけていった。だが、アルダラン城の平和な日々にも、やがて暗雲がきざしはじめる。やがて、マトリクス技術と超能力のかぎりをつくした、凄絶な戦いの火蓋が切って落とされた。ブラッドリー入魂の力作巨編、いま悲劇のクライマックスへ。
マーベルランドの平和を守る大時計の鍵が何者かの手で抜かれてしまった。たちまち悪の化身ゾウナがよみがえり、マーベルランドのあちこちに手下の魔物どもを解き放つ。救いを求める人々の声を耳にした女神戦士ワルキューレは、ゾウナを倒し時の鍵を取り戻すべく行動を開始した。さあ行け、勇者の卵よ!ワルキューレといっしょにゾウナを倒すのだ。スーパーアドベンチャーゲーム。
エルフの血をひくシアと義兄弟フリックの前に現れた、不思議な男アラノン。そして2人の少年は、思いがけない冒険と闘いの渦にまきこまれていった。欧米のヤングに大評判の傑作ファンタジー。
春宮真弓には悲しい過去がある。湘南地方の富豪医師の父にツッ張って、家を出た。生きるために彼女は六本木で金持ちの政財界人に肉を売ったのである。名はランラン、飛びきりのグラマー美人だった。その彼女が目を覚まして父のもとに戻った。父は涙を流し、娘を援助、ここに「探偵局」が開設されたのだ。しかも恋人・高山警部のはからいで、あろうことか「特別捜査官」なるお墨付きを、あの警視庁から拝領した!仲間はもう1人、吉本ルリ子。高校時代の親友で、2人ともアガサクリスティの全作品を読破したミステリーマニア。この3人が、もてる力を出しきって難事件の解決に乗り出した。-「翔んでる警視」の作者の見事なミステリー大傑作。
いぬ語ねこ語を理解する犬猫先生こと大苗吾郎は、鎌光学園の教え子・モッペルこと小山田基夫の家に同居している。9月8日の満月の夜、月見のすすきを取りに源氏山に行ったモッペルは、UFOを目撃してしまった。その報告を受けた犬猫先生とモッペルが、現場に戻ると竹薮の中に美少女が座っていた。手に持っているハンカチーフから、彼女の名は佐々友良里と推測されたが、困ったことに彼女は言葉を喋ることができなかった。男所帯の犬猫先生の手許に若い娘を置いておくわけにもいかず、友良里を預かってもらった先々で、彼女を奪回に来たと思われる怪しい人物が出現した。そして遂にはモッペルが誘拐されてしまった。彼女の正体解明、モッペル誘拐事件の解決に、犬猫先生の推理が冴える!-“犬猫先生シリーズ”の最新作!
広告代理店に勤める夏美は、仕事の関係で、高校時代に肉体関係を持った浅見と偶然、再会した。にがい思い出が、彼女の胸によみがえる。しかし、その浅見が当時のもう1人の親友、山添に会わせてやるといった。夏美は迷った。この2人の男性には、懐しさとともに、過去の傷をも昨日のことのように思い出させられるからだ。が、彼女は会わずにいられなかった。夏美と山添との過去のいきさつが次第に解消されて、新たな愛の軌跡がー。
日本ではまだ数少ない、国際的な、為替の女性ディーラーとして、アメリカで修業してきた明美は、帰国して間もなく、何年ぶりかで門馬と会った。門馬は銀行での元同僚だが、2人の間には良からぬいきさつが、過去にあった。それは、誤解から生じた確執であった。明美はそれには気づいていない。が、門馬はなぜか過去にはこだわらず、一方的ともいえる行動力で、明美の中に踏みこんできた。それが門馬流の愛のかたちであったー。
江戸時代、長崎の遊廓丸山では、御禁制の宗旨である耶蘇教を封じるため、遊女たちにもキリストの聖像銅牌を踏ませる儀式が毎年正月に行なわれていた。17歳で処女の身を蘭館の老甲比丹に俸げ、耶蘇教に入信した花魁小桜は、絵踏の当日、美しい可愛らしい足を。(『花魁小桜の足』)。表題作の他、様々な性のかたちを謳う異色の官能ロマン8編収録。
ナムコスターズに解散の危機!親会社が倒産しちゃった。で、あまりの弱体ぶりに引き受け手なし!エース兼監督のぴぴ以下全選手、路頭に迷うのか!?いやいや捨てる神あれば拾う神あり。なんと、新オーナー出現!ただし、メジャーリーガーズと対戦し、これに勝てば、という条件つきだ。さあ〜て実力差は巨像とアリンコ、どうする?バッカ野郎、やるっきゃないぜっ!!ぴぴは必勝を期し試合に挑む。さあ、ぴっかり球場は興奮絶頂。
精霊の神オセロが、5千年ぶりに地上に降りたった。平和な人間の世界を創造した神、オセロは、邪悪な妖気に包まれたおぞましい世界に絶句した。天空に浮遊する暗黒要塞には、魔族の総支配者ガルディアンが君臨していたのだ。地上は荒れ果て、裸邪族が占領し、海は腐海と化し、鬼面族によって支配されてしまった…。人々の平和をとりもどすため、暗黒要塞へと向かうヤルセイヤ。果たして、ヤルセイヤはガルディアンを倒すことができるのだろうか!
夜中にふと見をさましたロバータは総毛立った。窓辺に女が立っている。全身に妖気を漂わせ、腕に赤ん坊を抱いて。と、女と赤ん坊の顔は共に崩れ、骸と化していった。翌朝、生後まもないローバタの息子が奇怪にも息絶えていた。果たして彼女たちの古びた住まいは呪われているのか?また、屋根裏で発見された女の肖像画を自室で祀る12歳の養女エアリエルに潜む秘密とは?密やかに忍び寄る戦慄と狂気。鬼才の異色ホラー。
『ファウル・ショット』の事件以来、探偵稼業を休んでいたローレン・スウィフトに町の保安官リドリー・キャンベルが仕事を依頼してきた。近々行われる郡の保安官選挙に出馬を予定している男レスター・ビーヴァンズについてさぐってほしいというのだ。調査を開始したスウィフトの周囲でいやがらせが頻発する。法外な選挙資金を投入してまで保安官をめざすビーヴァンスの野望とは何か?ローカル私立探偵ローレン・スウィフト・シリーズ第二弾。
キャシーは37歳。兄クリスと2人の子供、ジョーリイとバートと共にサンフランシスコ近郊に住んでいる。ジョーリイは14歳、バートは9歳に成長していた。平隠な日々を送っているかに見える家族。が、過去の忌わしい記憶で頭が混乱したバートの言動がしだいに変化しはじめた。黒いヴェールの老女と出遇った時を境に彼は狂暴化する。本書、ドーランギャンガー・サーガ第3作目の主人公は、ジョーリイとバートである。2人の眼と耳を通して物語は進行していく。
永禄3年、激しい戦いの末、飯盛山城を落城された三好長慶は、城内で女陰に男根を挾み込んだまま吊されていた若い裸女の無残な死体を発見した。しかも腹部には“八百比丘尼”という謎めいた血文字が記され…。800年もの間眠り続けているという伝説の美女ー八百比丘尼に崇られた三好一族の悲惨な末路を描く『比丘尼草子』他傑作時代ホラー小説集。
シャネルの香りにまじりあう獣めいた雌の匂いー。貪欲な真弓の亀裂はむせるような魔性の香りを放ち夜ごと男を惹付ける。パトロン、若い部下、ゆきずりの男、そして、実の弟までもー。男たちは肉の奴隷となってその淫れた性宴は輪舞曲のように果てしなく続く。