1988年発売
UFOの存在を熱烈に信じ、ET〈地球外生物〉との直接交信を試みる青年達と、エーテルを教義としてその組織を着々拡大する巨大新興宗教との闘いをエキサイティングにファンタスティックに物語る。
〔スペンサー・シリーズ〕固く心を閉ざし、何事にも興味を示そうとしない少年ポール。離婚問題のいざこざの渦中に立つ彼と出会ったスペンサーは、彼を自立させる決心をした。ボクシング、ジョギング、大工仕事……スペンサー流のトレーニングが始まる。ハードボイルドの心を新たな局面で感動的に描いた代表作。
その日、高梨警部は大きな事件を解決し、久しぶりにのんびりした気分を味わっていた。同僚と軽口を交わし、刑事部屋のソファに寝ころぶ。しかし、それも束の間。「晴海埠頭で水死体発見」の報がもたらされた!新たな事件が高梨をせき立てる。刑事歴15年の経験とカンをフル稼動させて捜査開始!!やがて、事件の舞台は北海道へー。北の果て。オホーツクで高梨を待つものは…?事件の謎を、高梨警部は解くことができるか
将軍のあやまちを正すためには赤穂浪士の吉良邸討ち入りを成功させるほかないと判断した月森十兵衛は、同じ“秘命”をおびる大身旗本・中根正冬と秘策を練る。しかし、討ち入りに備えて吉良邸は防備を固め、赤穂浪士の側も江戸の強硬派と大石内蔵助の思惑が一致せず、あわや上野介は米沢藩にひきとられそうになるのだが…。公儀の歪みを正す剣豪の活躍を描く忠臣蔵外伝。
慶応2年10月、高野広八以下18人の曲芸師たちは、横浜を出港、アメリカをへて、ヨーロッパ各巡業の旅に出る。この破天荒の旅のさきざきで彼らを待ちうけていたものは何か…。850日にわたる広八の詳細な日記をもとに、幕未期に欧米諸国を漫遊した旅芸人の驚き、とまどい、喜び、そして哀しみの日を活写する。巻未には90頁に及ぶ年譜・著作目録を収めた。
あるときは仙人、戦国の武将を、あるときは宋代の文豪書聖を、生き生きと語って余すところがない露伴史伝の世界。これら諸作には当代文明への痛烈な批評も蔵されている。初期作品の幽幻の俤を残す「観画談」、少年との心温まる釣行を描く「蘆声」をあわせ収める。
美人医師の華麗な闘いを描く、愛と献身のシリーズ第3弾。ガンに冒された幼い女の子がある菓子に示す異常な執着に、外科医津山慶子は異常を覚え、失踪した幼女の両親の行方を追う。山間の僻地小烏村で慶子が目にした恐ろしい事実とは、そして病院内部に巣くう医療の敵とは何か。強烈アクション長編。
東京に向かう新幹線の車中で、弁護士が怪死、アタッシェケースが消失した。同じ頃、香港では日本人美術商が死んで、奇妙な暗号を残していた。二つの事件は意外な展開をみせ、1200年も前の鑑真和上渡来のナゾに関連してゆく。これを解くため香港の名探偵陳展望が動員され、日本になってきた!得意の分野に実力発揮した会心長編。
かつて文化人類学の学究だった志度正平は、あるできごとをきっかけに民間の破壊工作員となった。ニューヨークで白人の娼婦ロッサナと自堕落な同棲生活を送っていた志度のもとに新しい依頼があった。アメリカ巨大鉱業会社から、ペルーの山岳ゲリラの首領抹殺の仕事がきたのだ。志度は首都リマに向かった。
ペルーの首都リマに到着した志度正平は、自分に酷似した日系の革命家ツトム・オオシタになりすまし、二人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向け出発した。4千メートルを超すアンデスの山々を越えていくつかの戦闘に耐え、ゲリラの進発地に潜入した志度を過酷な運命が待ち受けていた。
屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカーー脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るものは……。 屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカーー脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るものは……。谷崎賞受賞。
防衛大出身の2人の青年エリート自衛官との狂おしい愛。男には潔くあってほしいと切望するキャリアウーマンの澄みわたる心の内と男女の本質をクールに描く傑作。北海道新聞文学賞受賞。