1988年発売
ファルコンズワードを離れ、少年を装って続けていた旅の日々にも、終止符が打たれるときがやってきた。ロミリーは、ソードウーマンの誓いをたて〈剣の姉妹〉のメンバーとなる。そしてカロリン王の女鷹匠として迎えられるが、ハスター家の争いは、超能力兵器をもちいた全面戦争へと向かつつあった。少女の成長を綴ったブラッドリー入魂の大作。
アメリカSF雑誌界に一時代を築いた人気雑誌〈ギャラクシー〉。本書はその創刊30周年を記念して刊行された、ファン注目の短編集の下巻である。編者はかつて2代目編集長を務めた作家フレデリック・ポール。P・K・ディック、I・アシモフ、L・ニーヴン、J・ディプトリー、R・A・ラファティら一流作家の作品を収録し、それぞの著者による〈ギャラクシー〉誌にまつわる覚書を添えた。
エリックたち一行は、貿易船エクスカリバーを拝借し、連邦領タウ・セチへの違法ジャンプを計画する。だが、彼らが実際にジャンプした先は、あろうことか連邦統治領警戒網の外側ー深宇宙に燃えさかるノヴァの真正面であった。この劫火を前に、エクスカリバーには重大な欠損が生じる。さらに、漂流する彼らの眼前に、大宇宙船団が現れたのだ。
「どうしたんですか!」平介もギョッとなって息を呑んだ。倒れている男はピクリとも動かない。どうやら死んでいるのではないかと思われた。「吉野はん、吉野はん」芳太郎は必死になって男を揺すっている。が、やはり反応はなかった。(これは殺人事件だゾ)平介は背筋にゾクッとするものを感じた。土間には黒ずんだ血が生々しく流れている。えらいものに巻き込まれた、という気持ちもあるが、同時にムラムラと好奇心も湧いてきた。自分がこれほどヤジ馬根性の旺盛な人間だとは、26歳の今まで気がつかなかった。平介はにわかに探偵気どりになって素早い一瞥を店内に投げかけた。-美術店の一人息子が客の美貌に眼がくらみ、高価な壷を騙し取られて…。行く先々で起こる奇妙な事件、アンティーク探偵『推古堂』平介がくり広げる長編ミステリー。
ある日、ヨギの僧院・守護僧セミヤザからの手紙を受け取ったインディ。留守中の師匠アザゼルのかわりに薬草を届けるために僧院へ向かった。もちろん、マジカルキャット・ミュアとともに。セミヤザは、大魔術師ヨギの力を封印した聖櫃を狙う魔道士ギィのたくらみを話した。そして、それを阻止するためにはエクトロイの岩山に散らばる5つの鍵(タブレット)が必要だという…。使命感に燃えるインディは再び大冒険に旅立つ。行く手をはばむ数々の難関。そして、あっと驚くラスト…。これは、新感覚の魔界RPGだ。
冬のニューヨーク。アルコールにどっぷりと浸ったコラムニスト、ピート・キルハーニーは、法の裁きをたくみにかいくぐって社会に害悪をたれ流す人物たちを、“ヒット・リスト”というコラムで次々槍玉に挙げていた。ところが、“ヒット・リスト”に掲載された男たちが直視にたえない残虐な手口で一人、また一人と殺されていく。一躍マスコミの寵児となったキルハーニーだが、死刑執行人の血まみれの魔手は彼の上にも…。
不倫を予告する一本の電話が始まりだった。謎めく館で、人妻・奈美子は、老人の舌に女の芳香を放つ陰阜を委ね、少年の勃起を熟れた果肉に迎え挿れる、美しく淫蕩な女主人となって呪蜜に浸った。
2068年。チャンネル40のTVレポーター、オカダノブヒコは20世紀末のドキュメンタリー番組を企画したが、トップには受け入れられず、その理由については言葉を濁されるだけだった。何か割り切れないものを感じたノブヒコは、1988年へのタイム・トラベルを敢行した。そこは、80年前のトーキョー、武道館。ジョージ・マイケルのコンサートに熱狂する少年少女たち。2068年のコンピューター・ディスコでは体験することのできない若者たちの健康的なエネルギーに包まれながら、一緒に踊り出したノブヒコに、隣の席の女が囁きかける。「あなたは、狙われている」-1988年という“過去”のもうひとつの都市で着々と進行する恐怖のプロジェクトとは“何”?
孤細胞(シングル・セル)のように生きる一大学院生と女子学生の共生と別離ー単独者の生の論理を思考実験的に追求し、人間の永遠の孤独と現代の愛の窮極のかたちを豊かな筆力で描き切った第14回泉鏡花文学賞受賞の長篇小説。
ヘンリー・ジェームズが「13ページで書かれた傑作」と激賞した「ねじけジャネット」、サマセット・モームが「世界短篇小説百選」の一つにとりあげた「マーカイム」、解剖用死体の盗掘と売買を扱った「死骸盗人」など、鬼気迫る7篇を収録。眠れぬ夜の一服の清涼剤として、ぜひお試しください。ただし、のみすぎにご注意!
オシャレ泥棒-彼女達は一般にそう呼ばれていました。街はオシャレ泥棒の噂で持ちきりだったのです。最初、原宿のショップの前に停められていたワゴン車から洋服は強奪されました。その後…。愛以上のモノを求めて、彼女達は東京中のブティックを荒らし回った!カワイクて、オカシクて、ちょっぴりカナシイ。著者初の書き下ろし、現代少女の必読小説。