1989年3月1日発売
ワ〜イ、今日から高校生!新しい制服に身を包み、美少年との恋の予感に心ときめかせていた15歳の高倉泉。ところがチカンから助けてくれたのはいいけれど、失礼なことをズケズケいうヤツ、北見悠紀が同級生とわかって気分はダウン。しかもコイツ、あこがれの美形、北見政弘と双子の兄弟なんだって!?衿子という友だちはできたけど、初日から泉の学園生活は、恋と友情に波乱ぶくみ…。
ハルは19歳。人気アイドル、花森花見の付き人をやっている。でも、今のハルは絶望のどん底。だってコイビトの影友を、よりによって花見に奪われてしまったんだもの。「あたし、ノラ猫みたい。猫に、なりたい」失恋の痛みから、そうつぶやいたとき…「かわってあげる」奇妙な声がしたんだ!恋をしてる女の子なら必読。人気アーティストが描くメルヘン色のラブ・ストーリー。
今、君よりも一緒に居たい人がいるー。夫の大滝悟は、そう言って家を出て行った。憎しみに燃えながらも妻の芙佐子は残された三人の娘を育てるのに必死になった。芙佐子母娘を物心両面から支えたのは、彼女の親友・邦枝だった。邦枝も離婚経験者である。苦しい試煉を超えて生身の女として生きようとする彼女たちの姿を描く著者初の長篇小説。
真面目で教育熱心な中学教師・大滝は、教え子の母・祐子を愛してしまった。彼女には夫も子供もいたが、愛を貫こうと二人は駈け落ちする。その経緯を書いた小説で、祐子は女流作家の道を歩き始めたがー。一つの愛が様々に波紋を広げて、男と女、親と子の絆を激しく揺する。新しい女性の生き方を探る問題長篇小説。
時は南北朝、熊野太地湊で謎の渡来人・首比達と絶世の美女・於兎との間に、異形の子が生れた。肌の色・顔つきから、仇名を鴉と呼ばれて育った。その鴉こそ、全国3万6千の熊野神社末社を諜報網とする忍者組織“神鴉党”の初代頭領となった。爾来、忍者鴉は代々その血を絶やすことなく、時代の表に出ぬ陰の存在として活躍するー。奇想天外のストーリーで読者を魅了する伝奇小説の秀作。
徳川の世となって間もなく、豊臣家の恩顧を忘れ、徳川方についた大名の夫人や娘たちが次々に犯されていった。女たちの下腹には必ず奇妙な文字が記されー。服部半蔵と母影の血をひく若き忍者“影”の復讐を描く時代伝奇(「南国群狼伝」)。大岡忠相の片腕・南町奉行の与力・石子伴作、蝋燭ざむらいと称する男、闇法師を名乗る男…いずれも異能の男たちが江戸市中で巻き起こす事件はー。推理手法で描く痛快時代小説。(「私説大岡政談」)。
昭和11年2月26日午前零時、22名の陸軍青年将校に率いられた1500名の蹶起部隊は「昭和維新」の名のもとに雪降りしきる帝都に躍り出た。政治と国策の失敗で貧困と不安にあえぐ国民を救うために。弱冠20代の青年将校達の怒りと鉄壁の意思を笠原イズムで描いた“青春のバイブル”。松竹富士映画原作々品ー。
デパート業界の名門、大松屋銀座店の法人外商第一部第二課長・津川直二郎は、自ら開拓した大口ユーザーの東邦建設から、突然、2億円の取引き停止の通告を受け、窮地に陥った。懸命に巻き返しを図るピンチは続く。さらに、娘の万引事件、妻の浮気と家庭の危機が重なる。〈会社〉と〈家庭〉の両面から、苦悩するビジネスマンの姿を共感をこめて描く。
作業中事故に遭った宇宙飛行士ふたりを乗せた着陸船は、なんとか上昇はしたものの操縦不能におちいり、月面にたたきつけられた。壮大な宇宙に共通の夢を抱きつづけた人びとは、この大事故を契機に方向の転換をはからざるをえなくなっていく。挫折してなお不滅の愛と希望を求めてやまない、人間のドラマを描いた感動ノンフィクション・ノヴェル。
女子大で美術を講ずる母は、女性の完璧な自立を目指している。おまけに“恋多き女”。が、その生き方にはどこか危うさがつきまとい、私の心はしばしば、別れた版画家の父の方に傾く。母親の新たな愛と挫折。初恋に似た同級生との心の交流。父森にかかった国際的な盗作の疑い。会話主体の野心的手法で描く少女と家族の日常。
エイズに感染したホモセクシュアルの男たちが、次々と何者かに刺殺される-刺殺死体が保険調査員ディヴ・ブランドステッターの自宅で見つかったドリュー・ドッジも、そのショッキングな連続殺人事件の犠姓者の一人と思われた。だが、ドッジの死体の傍になぜか自分の名刺が置かてれいたことが気になったデイヴは、調査を開始した。ドッジは、その陽気であけっぴろげな人柄ゆえか、出資者に恵まれ、土地開発事業団を主宰していた。だが、病に倒れてからは資金繰りに苦労し、また、何者かの影に怯えていたという。ドッジ殺しは、連続殺人の一環なのか、それとも、彼の事業が絡んだ単独の事件なのか?デイヴは他の刺殺事件にも調査の手を伸ばし始めたが、次に狙われたのはデイヴ本人だった…!
「著名な実業家ハスケルの娘アン、自宅で泥酔して転倒、頭を打って死亡」-新聞記事を読んだマイロは驚きを隠せなかった!マイロ・ターナーは、名うての詐欺師。死んだ女は、アンになりすましていた、マイロの詐欺の師匠の養女だった。マイロと同業の彼女は、事故で死んでいたアンになりかわり、死期の近いハスケルの遺産をいただこうとしていたのだった。アンの母は、ハスケルと別れた時、妊娠の事実をつげず、彼は娘の存在を知らないでいたらしい。ハスケルは、訪ねてきた偽者のアンを娘と認め、まもなく死を迎えた。彼女の死は、その二日後のことだった。大事な時に彼女が泥酔する訳がない、ハスケルの他の相続人が彼女を殺し、相続権を失効させたに違いない-そう考えたマイロは、綿密な計画を基に、一世一代の復讐・遺産横取り作戦に取りかかったが…?天才詐欺師マイロの愛と復讐を描く異色のサスペンス!
全人類宇宙からエリートを結集し、一人前のアストロ・パイロットに育てあげる養成学校にジェイスンという名のとてつもない新入生があらわれた。上級生のアンドレア伊藤は、ジェイスンの発散する危険な香りに心をひかれてゆくが、彼がやってきた真の目的や、彼の胸に秘められた野望には、気づくよしもなかった…。広大な宇宙に夢をかける痛快冒険SFの傑作。
妖魔の君、闇の公子アズュラーンは、かつて一時の戯れに人間の娘と交わって世継をなした。だが、闇の公子は己れの種から生じた娘をアズュリアズと名付けただけで後は顧みず、人界はもとより妖魔の都からも遠く離れた幻の孤島に幽閉した。そして妖魔の暦で17年の歳月が流れた時、おそれおおくもアズュラーンの娘を人界に連れ出した男がいたー惑乱の公子チャズである。もちろん、宿敵チャズの奸計を黙認するような闇の公子ではない。アズュラーンは、孤島を脱出するやたちまち恋に落ちた二人の仲を裂き、チャズに恐るべき刑罰を与えるが…。
この世に生まれ出た己れの使命を父たる闇の公子に悟らされ、今やアズュリアズは邪な女神として地上の三分の一を、悪業の数々を織りなす舞台として支配していた。実際、女神の治世は残虐非道を極めていた。というのも女神の冷酷な戯事は、闇の公子の指示に基いて神々の非道や無関心を人間に教えるためのものであったからだ。これを天界の神々が快く思うわけがない。アズュラーンの娘を懲らすべく、地上に派遣したは天使にして戦士三たり。片や、わが娘を守らんと人界へ赴く闇の公子。かくて、妖魔の父娘と天界の使者との究極の決戦が始まった。
伊号潜水艦を駆り、インド洋を荒らし回る日本海軍の吉本中佐に、いま密命が下った。アフリカ東岸の要港モンバサへ急行し、入港予定の英国空母を攻撃するのだ。だが折悪しく、遭遇した米国商船から反撃を受け、船体が損傷。吉本は修理のため、一時、小島に艦を隠すことを余儀なくされる。一方、英国駆逐艦のバラツト艦長は、撃沈された商船の生残者から敵潜の損傷を知り、必死の探索を開始した。果たしてバラットが潜水艦を発見し、これを撃破するのが先か、吉本が修理を終えるのが先か?熱帯を朱に染める日英両雄の死闘を迫真の筆致で描く。
かわいいけれど実力派、華麗な守備と鋭いバッティングで観客を沸かす大リーグ初の女性プレイヤーー彼女の名前は、リンダ・サンシャイン。大学卒業後、スカウトされたリンダは、持ち前の明るさと抜群の野球センスでマイナー・リーグを卒業、シカゴ・イーグルスに入団し、晴れて大リーガーとなった。新聞記者ニールの励ましもあって、あくどい妨害やいやがらせにも負けず、攻守にわたる大活躍。イーグルスも快進撃を始めた。ところが、行く手に思わぬ事件が…。スーパー・ルーキー、リンダの胸のすく活躍をユーモアを交えて描く痛快野球小説。
あなたに愛想がつきたの。無気力、無味乾燥。もうたくさんー愛しのチコのまさかの別れ話に、さすがのぐーたらトレースも愕然となった。このままでは、わが人生の唯一の成果を失うことになる。だが、どうしたらいい?助け舟はニューヨークの父親からやってきた。私立探偵のライセンスをとり、探偵事務所で働けというのだ。話をもちかければ、チコも大乗り気、拳銃とトレンチコートに憧れ、あっけなく承諾した。こうして探偵稼業が始まったのだが…毒殺事件をめぐり、丁々発止、プロの刑事とわたり合うにわか探偵たちを新趣向で描く新作。
ニューヨークのナショナル・バレエ団では、新作の公演に向けて猛練習が続けられていた。主役を踊るのは花形プリマかライバルか。相手役の男性ダンサーは誰になるのか。すべては芸術監督兼振付家のホルトの胸一つにかかっていた。そんな矢先、ホルトが刺殺された。犯人は逮捕されたが、その殺人には依頼者がいたことが判明した。が、それが誰か告げる前に犯人は死んでしまったのだった。バレエ団の理事長をつとめるウォール街の老弁護士フロストはひそかに調査を始めたが…。現代ニューヨークの知識階級の生態をいきいきと描くシリーズ第二弾。